シュプリンガー・ネイチャー社とカリフォルニア大学、米州で初となるネイチャー・オープン・アクセス契約

シュプリンガー・ネイチャー社(Springer Nature)とカリフォルニア大学(University of California: UC)は、UC所属の論文発表者は、ネイチャー(Nature)関連誌で自身の研究をオープン・アクセス出版する選択肢を得ることを発表した。また、UC所属研究者は、オープン・アクセス出版費用に関して経済的支援を受けることも可能となった。これは2020年に両者間で締結された契約に基づくもので、この結果、2021年には、シュプリンガー・ネイチャー社が発行する2,200以上のハイブリッド・ジャーナル及び500以上の完全オープン・アクセス・ジャーナルで出版されたUCのオープン・アクセス論文数は3倍増となった。 Springer Nature ” Springer Nature and University of California announce first Nature open access agreement in the Americas” (7/27/22)

GAO、「より強力な研究慣行を推進するための連邦措置が必要」と報告

科学的発見は偶発的な場合もあるが、信頼性の高い研究はしばしば、厳密な設計、文書化、確認を取り入れた連続的な調査研究に基づく。米政府は科学的研究に420億ドルを拠出した(2019年)が、連邦政府機関はどのようにして助成研究の信頼性を高めているのかを分析するため、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「研究の信頼性:より強力な研究慣行を推進するための連邦措置が必要(Research Reliability: Federal Actions Needed to Promote Stronger Research Practices)」と題する報告書を発表した。GAOは、基礎研究への資金拠出が最大である国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)を対象に調査した。その結果、専門家や関係者は、これらの連邦機関は、結果や手法の開示時期をより早めるなどの慣行を実践したり、研究者がより厳重な手法を行い、研究をより透明にするためのインセンティブを提供することなどを提案している。GAOは、連邦機関がこうした慣行を実践する最良の方法について学ぶため、情報を収集することを勧告している。 Government Accountability Office “Research Reliability: Federal Actions Needed to Promote Stronger Research Practices” (7/28/22)

大統領府、正義40イニシアチブに含まれる対象プログラムの追加を発表

バイデン=ハリス政権は、環境正義と歴史的な「正義40イニシアチブ(Justice40 Initiative)」を進展させるため、7月25日に、「正義40の対象プログラム(Justice40 covered programs)」の第3次リストを発表した。今回のリストでは、エネルギー省(Department of Energy)と退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA)のプログラムが含まれた。第1次、第2次リストでは、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)、内務省(Department of the Interior: DOI)、農務省(Department of Agriculture: USDA)、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)、住宅都市開発省(Department of Housing and Urban Development)などによる対象プログラムが発表されていた。バイデン大統領の「国内外での気候危機対策(Tackling the Climate Crisis at Home and Abroad)」に関する大統領令(Executive Order)で、正義40イニシアチブが確立されて以来、連邦政府内の省庁機関は、正義40イニシアチブに含むためのプログラムの見直しを精力的に行っている。この重要なイニシアチブは、気候やクリーン・エネルギー、手頃な費用で持続可能な住宅、クリーンな水、その他の投資について、全体的な恩恵の40%が、社会的に恵まれないコミュニティへ届くようにすることを狙いとしている。 White House “ICYMI: Biden-⁠Harris Administration Announces Additional Covered Programs for Inclusion in the Justice40 Initiative” (7/26/22)

エネルギー省、クリーン水素とグリッド信頼性強化に助成提供

エネルギー省(Department of Energy)は7月27日、「水素ショットとグリッド対応力に関する大学研究コンソーシアムの資金提供公募(Funding in Support of the Hydrogen Shot and a University Research Consortium on Grid Resilience)」と題する資金提供公募(FOA)の意向通知(notice of intent: NOI)を行った。この潜在的なFOAによって、クリーン水素の費用を、10年間で1キログラムあたり1ドルまで低減するという「水素ショット(Hydrogen Shot)」の目標を進展させつつ、経済の複数の部門でクリーンかつ手頃な費用の水素を開発し、エネルギー対応力を強化するというエネルギー省の「H2@スケール(H2@Scale)」イニシアチブを支援する。更に、米国、カナダ、メキシコの大学間提携を通じてベストプラクティスや国境間の相互依存に関する情報共有を育成するグリッド対応力大学コンソーシアムを設立することも模索する。 Department of Energy “DOE Issues Notice of Intent to Provide Funding for Clean Hydrogen and Grid Resilience Projects to Support Climate Goals” (7/27/22)

NSFの地域イノベーション・エンジン・プログラム、全ての概念骨子申請書の情報を公表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、これまでの伝統を破り、NSFエンジン(NSF Engines)プログラムへの応募を正式に受け付ける前に、応募に関するデータを初めて公表した。エンジン・プログラムは、地域レベルのイノベーション・エコシステムとして確立される「エンジン(Engine)」に最高10年以上にわたり、最大1億6,000万ドルの資金を提供するもので、希望する組織はまず、提案するトピック分野やパートナー、地理的場所に関する中核的情報と共に概念骨子申請書を提出する必要がある。NSFは今般、提出者のプロポーザル作成を支援するため、次のステップへ進む約700件の概念骨子申請書を全て公表した。これは、「応募者が互いのパートナーを見つけ、協力することができれば、応募とその後に確立されるエンジンは強化される」との考えに基づくもの。NSFはまた、「地域イノベーション・エンジン・プログラム(Regional Innovation Engines program)」のタイプ2アワード(Type-2 award)の応募期限も発表した。 SSTi “NSF’s Regional Innovation Engines program releases info on all concept outlines, sets Type-2 award deadlines” (7/28/22)

約20州がトラックの電気化計画を推進

米国の17州とワシントンDC、及びカナダのケベック州は7月27日、2050年までに販売される中型・大型自動車を100%電気自動車とすることを目標に努力する行動計画に署名した。この行動計画は、「調整的な大気使用管理を目指す北東部州(Northeast States for Coordinated Air Use Management: NESCAUM)」の手助けを受けて作成された。行動計画には、地方自治体の立法議員が電気トラック・バスの導入促進を狙いとした法案を作成する際に検討すべき政策勧告が含まれている。勧告には、充電インフラを拡充すること、車両フリートに電気自動車の使用データの提出を義務付けること、車両フリートとして電気トラックを購入する場合に、従来型のトラック購入との差額の一部に州政府が助成金を提供することが含まれる。 Utility Dive “Nearly 20 states push ahead with truck electrification plan” (7/28/22)

エネルギー省、新規のエネルギー技術に取り組む中小企業に約1,000万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は7月11日、米国のエネルギー消費を大幅に削減できる可能性がある先見的なエネルギー技術に取り組む中小企業20社に、約1,000万ドルを提供すると発表した。今回の資金提供は、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)による予備的トピック(Exploratory Topic)-「アントレプレナーのエネルギー発見支援(Supporting Entrepreneurial Energy Discoveries: SEED)」の一環。受益プロジェクトは、根本的に新しい形でバイオ燃料を生産する技術、重要マテリアル及びレアアース元素を効率的に抽出・濃縮・純正化する技術、持続可能な航空燃料及び再生可能ディーゼルを生産する技術、データ・センター冷却システムを開発する技術など、広範な技術分野に及ぶ。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces Nearly $10 Million to Small Businesses Nationwide Working on New Energy Technology” (7/11/22)

大統領府、電力代の低減とクリーンエネルギー雇用創出を目的とした新たなソーラー・イニシアチブを開始

バイデン=ハリス政権は、エネルギー省(Department of Energy)を通じて7月27日、米国世帯を信頼性の高いクリーンエネルギーと結びつけ、電力代を低減し、良好賃金の雇用を国内のソーラー業界で創出することを目的とした新たなイニシアチブの開始を発表した。この関連でエネルギー省は、厚生省(Department of Health & Human Services: HHS)との協力の下、「低所得世帯エネルギー援助プログラム(Low-Income Home Energy Assistance Program: LIHEAP)」やその他の低所得援助プログラムを通じて、米国世帯とソーラー・エネルギー及び電力代の低減を結びつける「コミュニティ・ソーラー購読プラットフォーム(Community Solar Subscription Platform)」の試験的取り組みを、5州及びワシントンDCが支援すると発表した。エネルギー省はまた、社会的に恵まれないコミュニティでソーラー・エネルギーのキャリアを活性化させるため、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から1,000万ドルが拠出されると発表した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Launches New Solar Initiatives to Lower Electricity Bills and Create Clean Energy Jobs” (7/27/22)

「クリーン水素」へ向けて原子力・水素業界が協力

議会で気候一括法案が崩壊する可能性が高く、「クリーン水素」の未来に新たな疑念が生じつつある中、原子力業界と水素企業が、両エネルギー資源の協力に特化した新たな同盟を形成する。この同盟は、「原子力水素イニシアチブ(Nuclear Hydrogen Initiative)」と呼ばれ、40のメンバーで構成される。その同盟は7月26日、「原子力電力で生産される水素を支援する新たな政策を開発、推進する計画である」と発表した。両技術の組み合わせは、排出削減ツールとしての低炭素水素の可能性を巡る議論で概ね見落とされてきた。しかし、原子力水素は、近いうちに、インフラ法から資金拠出を受けたプログラムの一環として、エネルギー省(Department of Energy)から数十億ドルの支援を受ける可能性があり、支援を受ける4つの水素ハブの少なくとも1つは原子力エネルギーを取り入れることが義務付けられる。原子力水素イニシアチブは、政策策定者との情報共有に加え、原子力水素の購入者とのパートナーシップを推進し、投資家と関与し、研究開発活動を促進する。ただし、ロビー活動には従事しないとしている。 E&E News “Nuclear option? What’s next for ‘clean’ hydrogen” (7/27/22)

気候法案の頓挫や貿易問題を受け、米国のクリーンエネルギー導入が55%減少

米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)による2022年第2四半期の市場報告によれば、風力及びソーラー発電を含む米国のクリーンエネルギープロジェクトの導入率は今年4-6月期に前年同期比で55%低下した。その原因として、議会の動きがなかったこと、貿易問題、新型コロナに関連する遅れが挙げられている。議会では、バイデン大統領による気候法案(クリーン電力への数千億ドルの税クレジットを含む)が、ジョー・マンチン議員(Joe Manchin)(ウェストバージニア州選出民主党)に拒否され、頓挫した。気候法案の崩壊は、中国への大きな依存から離れようとする新興の努力に打撃となったと、米国最大のソーラー・パネル生産者であるファースト・ソーラー社(First Solar Inc)のトップは語る。 Reuters “U.S. clean energy installations down 55% on climate bill fail, trade issues -report” (7/27/22)