大統領府、国内の重要鉱物サプライチェーン拡大を目的として6億7,500万ドルのプログラムを開始

大統領府は8月9日、エネルギー省(Department of Energy)を通じて、バイデン大統領の「超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される6億7,500万ドルの重要鉱物研究・開発・実証・商業化プログラム(Critical Materials Research, Development, Demonstration, and Commercialization Program)」の策定と実践について、情報の提供を求める「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。本プログラムは、経済的不利であると同時に、クリーンエネルギーへの移行における障害となっている国内の重要鉱物サプライチェーンの脆弱性に対処するものである。今回のRFIは、本プログラムの構造や、資金提供のタイミングと配分、選出基準について、業界、学術機関、研究所、政府機関、地方自治体、労働組合、一般市民などからの情報提供を要請している。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Launches $675 Million Bipartisan Infrastructure Law Program to Expand Domestic Critical Materials Supply Chains” (8/9/22)

エネルギー省、石油・天然ガス部門からメタン排出を削減するため、3,200万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月5日、石油及び天然ガスの生産地域でメタン排出の検知、定量化、削減を支援するため、新規の監視・測定・軽減技術の研究開発活動に最高3,200万ドルを提供する計画を発表した。「革新的なメタンの測定、監視、軽減技術(Innovative Methane Measurement, Monitoring, and Mitigation Technologies: iM4 Technologies)」と題する今回の資金提供公募(FOA)で選出されるプロジェクトは、効率的で対応力があり、漏出のない米国天然ガス・インフラを確実にすることを助け、世界のメタン排出を2030年までに2020年の水準から30%削減するというバイデン大統領の国家目標を支える。 Department of Energy “DOE Announces $32 Million to Reduce Methane Emissions from Oil and Gas Sector” (8/5/22)

国防総省、「5G後の革新」プログラムが新たに3つのプロジェクトを開始

国防総省(Department of Defense)の「5G後の革新(Innovate Beyond 5G: IB5G)」プログラムは最近、業界や学術機関との間で「5G-to-NextG」無線技術のための協調的パートナーシップを引き続き進展させる3つの新プロジェクトを開始した。「国防総省は、5G-to-NextG無線技術の進展と概念実証に重要な関心を持っている」と、IB5Gプログラムのサミット・ロイ部長(Sumit Roy)は述べる。3つのプログラムは、①オープン6G(Open6G)(オープン無線アクセス・ネットワーク(Open Radio Access Networks: Open RAN)での6Gシステム研究を活性化させることを狙いとした業界と大学の協調的取り組み)、②ジリニウム・リサーチ社(Zylinium Research)との「スペクトル・エクスチェンジの安全保障と拡張性(Spectrum Exchange Security and Scalability)」プロジェクト(無線ネットワークのユーザー需要が高まる中、スペクトル共有技術の重要性は高まっており、ジリニウム・リサーチ社はこうした需要に対応する「スペクトル・エクスチェンジ」を開発)、③IB5Gはノキア・ベル・ラボ(Nokia Bell Labs)と協力し、メガヘルツからギガヘルツまでの大型で対応力のある「大規模マルチ・インプット/マルチ・アウトプット(Massive Multi-Input/Multi-Output (MIMO)」プロジェクトを開始した。Massive MIMOは、無線戦術通信の対応力と処理能力を高める能力があることから、兵士にとっては重要な成功要素である。 Department of Defense “Three New Projects for DOD’s Innovate Beyond 5G Program” (8/2/22)

エネルギー省、クリーンエネルギー製造及びリサイクルの強化に7億5,000万ドルを投入

大統領府は8月3日、エネルギー省(Department of Energy)を通じて、7億5,000万ドルの新たな「先端エネルギー製造及びリサイクル・グラント・プログラム(Advanced Energy Manufacturing and Recycling Grant Program)」に関する情報を求める「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。本プログラムは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受け、クリーンエネルギー製品の生産もしくはリサイクル、または石炭コミュニティの施設で先端の温室効果ガス排出削減機器の導入に取り組む中小製造事業者を支援する。更に、こうした投資の他、プログラムを通じて、国内のクリーンエネルギー・インフラの拡大や国内サプライチェーンの強化、米国経済の全面的な脱炭素化目標実現へ向けた支援を行う。本RFIは、エネルギー省の製造及びエネルギー・サプライチェーン局(Office of Manufacturing and Energy Supply Chains)が主導し、プログラムを通じて、セキュアで信頼性の高いクリーンエネルギー・サプライチェーンを効果的に強化する方法や、石炭鉱業や石炭火力発電所の閉鎖を経験したコミュニティの開発・経済活性化を支援する方法について、一般からの意見を募集している。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Advances $750 Million Program to Strengthen Clean Energy Manufacturing and Recycling” (8/3/22)

連邦科学機関を再編する大型新法が研究者にもたらす意味

可決・成立までにされた2年以上かかった大型法「CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)」(通称CHIPS法)は、世界的な技術競争で米国が中国の先を進み続けられるよう、5年間で2,800億ドルを投資するという高い目標を掲げている。同法は、米国のイノベーション政策にここ十年以上で最大の変化をもたらすと考えられるが、研究者は、すぐに新たな資金が急増することを期待すべきではないという。具体的に、CHIPS法は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の予算を5年間で倍増し、エネルギー省(Department of Energy: DOE)科学局(Office of Science)の予算を45%増加させ、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の研究予算を50%増額させることを要請しているが、これらの資金は「承認」されたものであって、「誓約」されたものではなく、毎年、議会の歳出委員会の決定に委ねられる。唯一確定している歳出増は、半導体業界向けの520億ドル(5年間)と半導体製造向けの240億ドルの税クレジットである。また、同法は、これらの科学機関が予算を必要としない指令(directive)を通じて行う組織運営方法にも大幅な変更をもたらす。例えばNSFは、商業的可能性や社会的影響のあるイノベーションを育成する新たな技術総局を創出することが可能になる。更に、NSFとエネルギー省に規定された新たな要件により、農村州は両機関から資金拠出を受けることが見込まれる。 Science “What a big new U.S. law that reshapes science agencies could mean for researchers” (7/29/22)

大統領府、コミュニティの気候変動と異常気象への対応力の強化に10億ドル以上を投入

ハリス副大統領、国土安全保障省(Department of Homeland Security)のアレハンドロ・マヨルカス長官(Alejandro Mayorkas)、連邦緊急管理局(Federal Emergency Management Agency: FEMA)のディアン・クリスウェル長官(Deanne Criswell)は8月1日、米国内のコミュニティが気候と災害に対する対応力を強化できるよう支援する2つの競争的グラント・プログラム(合計11億6,000億ドル)について採択プロジェクトを発表した。「対応力のあるインフラとコミュニティの構築(Building Resilient Infrastructure and Communities: BRIC)」の全国コンペで選出された大型対応力プロジェクトと、「洪水軽減援助(Flood Mitigation Assistance: FMA)」プログラムで選出されたコミュニティ規模の洪水軽減プロジェクトに、それぞれ資金が拠出される。2021年度の資金として、BRICに10億ドル、洪水軽減援助プログラムに1億6,000万ドルが用意されている。バイデン大統領はこれまでにBRICプログラムのための資金倍増を発表しており、2022年度は23億ドルと歴史的な水準になっている。FEMAはBRICプログラムで、10件のFEMA地域全てでプロジェクトを選出した。これらは53の州及び準州、ワシントンDC、271の地域社会を網羅する。洪水軽減援助プロジェクトは、19州と72の地域社会を網羅する。 Department of Homeland Security “Biden-Harris Administration Announces over $1 Billion in Project Selections to Make Communities More Resilient to Climate Change and Extreme Weather Events” (8/1/22)

商用宇宙業界、宇宙領域認識の視覚化及び分析の進展と拡張を目的としたツールを提供

米政府は、宇宙領域認識(space domain awareness: SDA)の複数のミッション分野で、一連のソフトウェア視覚化ツールを導入している。これらのツールは効果的であるものの、業界による最新技術を常に取り入れられるとは限らない。また、政府の視覚化及び分析ツールを米国の国境を超えた所で共有することは容易ではない。宇宙事業が直面するこれらの問題に対処するため、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のグローバル宇宙イノベーション・プロジェクト(Global Space Innovation Project: GSIP)は、データ視覚化及び分析を目的とした2件のプラットフォームのプロトタイプ作成に取り組んでいる。ティブコ社(Tibco)とエクソアナリティク社(ExoAnalytic)が開発中のこれらのシステムは、政府が現在使用している一連のツールを拡張し、SDAのミッションを強化することが期待されている。GSIPの優先的目的の一つは、人工知能(AI)及び機械学習(ML)を活用して、商用及び政府の地上及び宇宙ベースのセンサー・データによるグローバル・ネットワークを収集、分析、視覚化することである。各プロトタイプの実証及び評価を経た後、米国及び同盟国の政府と商業部門は、ソフトウェア・アプリケーションとプラットフォームの購入が可能になる。 Defense Innovation Unit “Commercial Space Industry Providing Tools To Advance and Augment Space Domain Awareness Visualization and Analytics” (7/29/22)

ハーバード成長研究所、2030年までに急成長する経済圏を予測

ハーバード大学(Harvard University)の成長研究所(Growth Lab)が発表した経済的複雑性アトラス(Atlas of Economic Complexity)によれば、2030年までに最も成長する経済圏は、中国、ベトナム、ウガンダ、インドネシア、インドと予想されている。パンデミックの影響が消散する中、アジア、東欧、東アフリカで長期的な成長が予想されている。中国は、過去十年間に達成した成長の鈍化が予測されているものの、住民一人当たりの経済成長は最大である。成長研究所は、各国の輸出に組み込まれた生産能力の多様性と複雑性を指数化した「経済複雑性指数(Economic Complexity Index: ECI)」の新たな国別順位(2000-2020年)を発表した。パンデミックで貿易に混乱がもたらされているにもかかわらず、諸国の順位は意外なほど一定している。2020年のECIランキング上位国は安定しており、順番に、日本、スイス、ドイツ、韓国、シンガポールとなっている。英国は10位、米国は12位、中国は16位。 Harvard University “Harvard Growth Lab projects fastest-growing economies to 2030” (7/27/22)

エネルギー省技術移転局、EPICプライズのラウンド2を開始

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は、米国製EPICプライズ(American-Made EPIC Prize)のラウンド2(Round 2)を開始した(EPICは、「イノベーション・クラスターのためのエネルギー・プログラム(Energy Program for Innovation Clusters)」の略)。400万ドルのコンペで、エネルギー分野のスタートアップ及びアントレプレナーを支援する高インパクトのアイデアを実践する地域インキュベーターに賞金を授与するものである。EPICプライズ・ラウンド2のコア・インキュベータ・プログラムは、①エネルギーのスタートアップ及びアントレプレナーを支援する計画の設計、②革新的で拠点をベースとする計画の実践、③成功の実践、という3つのフェーズで構成される。フェーズ1は早速開始され、参加者は3か月をかけてプログラムの設計に取り組む。OTTはまた、その他3つのプログラム局と提携し、ボーナス・プライズ(Bonus Prize)として、400万ドルのコア・インキュベータ・プログラムの賞金に加え、水力及び(または)ブルー経済、建築技術、ソーラー技術を支援するインキュベーターに50万ドルが用意されている。 Department of Energy “Office of Technology Transitions Launches EPIC Prize Round 2” (8/2/22)

GAO、空軍による中小企業研究プログラムについて報告

政府説明責任局は7月21日、「中小企業研究プログラム:空軍は新たなアワード・プロセスによって一部の分野で成功(Small Business Research Programs: Air Force Had Success in Some Areas with New Awards Process)」と題する報告書を発表した。空軍(Air Force)は2018年6月に、中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer: STTR)のアワードに関して、「オープン・トピック・プロセス」を導入し、新たな中小企業を引き付け、空軍向けの技術ソリューションの早期実現を図った。GAOによれば、この新たなプロセスによって、企業側は、空軍のニーズに合致する技術ソリューションを提案できる裁量が大きくなり、結果的に空軍によるSBIR/STTRの取り組みは向上した。ただし、データと評価の間には溝があり、空軍がこの新しいプロセスの効果を十分に評価する能力が制限されている。GAOは、空軍に対し、より良いデータ収集を行うよう勧告している。 Government Accountability Office “Small Business Research Programs: Air Force Had Success in Some Areas with New Awards Process” (7/21/22)