NIH、健康なヒトの細胞と組織における遺伝的変異の調査に1億4,000万ドル

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、共通資金(NIH Common Fund)の新たなプログラムとして、「ヒトの組織における体細胞モザイク現象(Somatic Mosaicism Across Human Tissues: SMaHT)」ネットワークを開始する。これは、人間の身体の細胞と組織にはどれぐらいの遺伝的変異が存在するのかという知識に変革をもたらすことを狙いとしている。体細胞のモザイク現象により、細胞の機能が変更される可能性があり、人間の一生を通して発達や疾病、加齢、その他の身体的測定に影響を及ぼす可能性がある。SMaHTネットワークは5年間で1億4,000万ドルを受益し、ヒトの組織における広範な体細胞モザイク現象について発見し、それを分類することを目指す。NIHは、SMaHTネットワークを構築するため、調達センターやゲノム特性化センター、データ分析センターなど、22件のアワードを発表している。 National Institutes of Health “NIH launches $140 million effort to investigate genetic variation in normal human cells and tissues” (5/11/23)

バイデン政権、米国内の水力の現代化と進展に約4億ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月8日、水力発電の現代化と海洋エネルギーの進展を目的として、約6億ドルを提供する計画を発表した。現在、「水力発電の維持と強化インセンティブ(Maintaining and Enhancing Hydroelectricity Incentives)」プログラムへの応募申請を受け付け中である。同プログラムでは、超党派インフラ法(Bipartisan infrastructure Law)からの資金拠出を受け、既存の適格な水力発電施設を対象に、水力発電施設の維持及び強化に最高5億5,400万ドルのインセンティブを提供する。エネルギー省はまた、試験的な実証拠点及びコミュニティ主導型の潮・潮流エネルギー・プロジェクトに4,500万ドルを提供する資金提供公募も発表した。こちらは、潮・潮流エネルギーの研究開発実証拠点に対する初の大規模な投資となる。本投資も、超党派インフラ法から資金が拠出される。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Releases Nearly $600 Million to Modernize and Advance Water Power Across America” (5/8/23)

CDCのロシェル・ワレンスキー長官、6月30日付で退任へ

疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)のロシェル・ワレンスキー長官(Rochelle Walensky)は5月5日、職員との会合の中で、6月30日付で同職を退任することを発表した。ワレンスキー長官は、米国の新型コロナ対策で主要な役割を担った人物で、その退任は、消失しつつあるパンデミックの国家的管理において新たな段階を象徴する。昨年、「CDCは新型コロナのパンデミックへの効果的な対応ができていない」との批判を受け、ワレンスキー長官は、広範な組織変更計画を発表した。これには、科学的ファインディングの迅速な発表や、理解しやすいガイダンスなどが含まれる。ある感染症の専門家は、「困難な組織改革に着手したばかりの今、ワレンスキー長官が退任するのは納得いかない」と語る。大統領府は昨年から、同長官の退任の可能性に備えて後任探しの準備をしていたが、今の所決定しておらず、長官移行計画はまだ発表されていない。7月1日までに後任の長官が決定する可能性もあるが、誰かが長官代理を務める可能性もある。 Washington Post “CDC Director Rochelle Walensky to step down June 30” (5/5/23)

スタンフォード・ドーア・スクール・オブ・サステナビリティが最初の焦点分野を発表

スタンフォード・ドーア・スクール・オブ・サステナビリティ(Stanford Doerr School of Sustainability)は、最初の「フラッグシップ・デスティネーション(Flagship Destination)」(代表的な目的)として、「大気中の温室効果ガスの排出」を挙げた。フラッグシップ・デスティネーションとは、地球規模の高い影響力を持つソリューションとなる可能性を秘めた、野心的かつ意欲的なターゲットのことを指す。同スクールでは今後、数多くのフラッグシップ・デスティネーションを発表していく予定である。最初のフラッグシップ・デスティネーションは、年間に数ギガトンの二酸化炭素相当を大気から排除するソリューションの開発を呼びかける。新たなフラッグシップ・デスティネーションは、スクール及び大学全体の関係者からのインプットとフィードバックを通じて策定される。 Stanford Doerr School of Sustainability “Stanford Doerr School of Sustainability announces its first focus area” (4/13/23)

政策策定者が「デジタル平等」を確実にしなければ、米国民はAIの恩恵を受け損なうとの報告

人工知能(AI)の最近の急発展は既に、経済的及び社会的恩恵をもたらしているが、米国内における不適切なデータ収集は、一部の米国民がこれらの恩恵を受けることができないことを意味する。データ・イノベーション・センター(Center for Data Innovation)が発表した報告書「デジタル平等2.0:データ格差の是正方法(Digital Equity 2.0: How to Close the Data Divide)」によれば、不適切なデータ収集を原因とする不平等の悪化を回避するため、政策策定者は、より公平かつ良質のデータ収集を推進すべきであるという。なぜなら、データは、医療ケアや教育、金融サービス、その他におけるアウトカムにとってますます重要になりつつあるからだ。報告書は、増大する個人間のデータの溝(「データ格差(data divide)」と呼称される)を埋めるため、一連の政策措置を勧告している。報告書は、このデータ格差に対処するための16のステップを勧告しており、具体的には、①プライバシーとデータ使用の間のバランスを図る国家データ・プライバシー法案を可決する、②プライバシー強化技術に標準とベスト・プラクティスを確立する、などが挙げられている。 Information Technology & Innovation Foundation “Americans Will Miss Out on Benefits From AI Unless Policymakers Ensure “Digital Equity,” Report Argues” (5/6/23)

米国内のロボットハブの特徴と意義に関し報告

米国経済研究局(National Bureau of Economic Research: NBER)が「製造事業者の年間アンケート調査(Annual Survey of Manufactures)」のデータを使って、米国内の製造事業者におけるロボットへの投資の特徴と地域性について調査し、それによって経済への何らかの影響が明かになるかどうかを調べた。最近発表されたその報告書によると、ロボットの導入やその集約率(従業員一人当たりのロボットの数)は、事業者の年数ではなく、その規模に密接に関連していることが明らかになった。報告書は、米国製造におけるロボットの使用状況について、事業者の特性や地域別に表示している。本件は、米国製造におけるロボットの使用について事業者レベルで分析を行った初の報告書で、約3万5,000の事業者に関するデータを活用して実施された。報告によれば、ロボットを所有している事業者には、より多くの従業員がおり、従業員一人当たりの収入は低く、生産労働者の割合はより高く、資本支出もより多い。 SSTI “The characteristics and implications of Robot Hubs around the US” (4/27/23)

カリフォルニア州、米国でR&D集約産業による付加価値生産の4分の1を占める(2020年)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、研究開発(R&D)集約産業による付加価値生産で、最大の割合を占めているのはカリフォルニア州で、こうした産業による付加価値生産(2兆4,000億ドル)の約25%を占めた(2020年)。R&D集約産業には、情報技術サービス、ソフトウェア、製薬、航空・宇宙探査機などが含まれる。次に割合が大きかったのは、テキサス州(8.0%)、ワシントン州(6.2%)、ニューヨーク州(5.2%)、マサチューセッツ州(4.5%)となっている。 National Center for Science and Engineering Statistics “California Accounted for a Quarter of U.S. Value-Added Production by R&D-Intensive Industries in 2020″ (5/8/23)

NSF、新たに6つのEPSCoRトラック1アワードを発表、イノベーションの地域を全国に拡大

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「競争的研究を促進するための確立されたプログラム(Established Program to Stimulate Competitive Research: EPSCoR)」を通じて、6つの地域でのプロジェクトに各2,000万ドルのアワードを授与した。EPSCoRプログラムは、全国的に科学的進展を進め、発見を高めるためのインフラを構築及び強化することを狙いとしたプログラム。プロジェクト・インフラ改良プログラム(Research Infrastructure Improvement Program: RII)トラック1(RII Track-1)の受益者は、医療ケアと学際的研究をトランスフォーマティブな言語ベースのデータ科学へと変換させる人工知能(AI)を使いながら、気候変動がエネルギーと水のシステムやバイオ製造、山火事の管理にもたらす影響に対処する野心的な研究を追求する。今回EPSCoRを受益するのは、バイオ科学及び先端製造、3D印刷などの研究能力を構築、統合することで先端バイオ製造のリーダーとなることを目指すアイオワ州のプロジェクト、気候や人口、技術的な変化がエネルギーと水のシステムにもたらす影響に積極的に対処するため、イノベーション・ソリューションと能力強化のシステムの進展に取り組むアイダホ州のプロジェクトなど、合計6つの州で実施されるプロジェクト。 National Science Foundation “NSF announces 6 new EPSCoR Track-1 awards to expand the geography of innovation across the nation” (5/8/23)

商務・労働・教育省が、FDIを通じて質の高い雇用を増やす「セレクト・タレントUSA」を発表

商務省(Department of Commerce)、教育省(Department of Education)、労働省(Department of Labor)の長官は5月2日、セレクト・タレントUSAの開始を発表した。セレクト・タレントUSAは、これらの省による合同のイニシアチブで、海外の多国籍企業が、米国内に新規事業を確立もしくは既存事業の拡大をする中、必要とされる労働力の増大に対応するため、有技能労働者のパイプラインを構築する助けとなるものである。外国人投資家が地元や州のパートナーシップを構築すること、それぞれで伝統的な人材開発手法を米国に適用させること、そして米国独自の競争的優位性である多様性と有技能労働力を育成することを支援するものである。セレクト・タレントUSAは、米国内に良好賃金雇用をもたらす海外直接投資(FDI)を推進する各省の取り組みを支援する。商務省、労働省、教育省は今年、ドイツ、スイス、オーストリアの市場に焦点を当てたプログラムを試験的に行う。 Department of Commerce “U.S. Departments of Commerce, Labor, and Education Announce SelectTalentUSA, New Partnership to Increase Quality Jobs through FDI” (5/2/23)

NSF、新たな技術/イノベーション/パートナーシップ総局のための投資ロードマップ開発に意見を募集

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は5月1日、「CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)」に基づき、NSFの技術/イノベーション/パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)のための投資ロードマップを開発するため、一般からの意見を募集する「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。業界や学術機関、非営利組織、政府、ベンチャー・キャピタル、市民ソサエティなど、あらゆる部門の個人や組織から、TIPの投資の優先付けと焦点について意見を募集する。CHIPS及び科学法は、TIP総局に、米国の競争力を進展させることと、10件の重要技術分野で米国の労働力を開発し、5つの社会/国家/地戦略分野における課題に対処することを目的として、3年間の枠組みでトランスレーショナルな研究に関する投資判断のガイドとなるロードマップを作成するよう任命した。 National Science Foundation “NSF seeks input to develop an investment roadmap for its new Directorate for Technology, Innovation and Partnerships” (5/1/23)