IBM社とグーグル社、中国が台頭する中、日米の量子コンピューティング推進に1億5,000万ドルを寄付

IBM社とグーグル社(Google)は、シカゴ大学(University of Chicago)と東京大学の量子コンピューティング研究に1億5,000万ドルを寄付する。日米両国は、本件で急成長する中国の一歩先である状況の維持に向けて取り組んでいる。IBM社が両大学に1億ドルを、グーグル社が同5,000万ドルを寄付する。中国は量子コンピューティングに手厚い投資を行っており、米国の研究者は、「中国の研究所は最近、進展しており、一部の分野では競争的になっている」と語る。今回の日米間のパートナーシップは、中国と米国主導の諸国(日本や欧米諸国などの同盟国)との間で、セキュリティと経済成長の意味合いを持つ科学的研究の分裂が増大していることを示す一例である。「我々は、より根本的な研究で同盟国を頼りにする必要がある」と、ラーム・エマニュエル駐日米国大使(Rahm Emanuel)は語っており、同大使によれば、パートナーシップは昨年7月に東京大学の学長の訪問を受けた際に生まれたという。署名式は、広島でのG7に合わせて同地で行われた。 Wall Street Journal “IBM, Google Give $150 Million for U.S.-Japan Quantum-Computing Push as China Looms” (5/17/23)

NSFとNOAA、気候変動の影響とリスク評価のモデリングのためのセンターを立ち上げ

保険及び再保険業界は、気象や気候情報を金融及び社会的リスクへと解釈しているが、業界の焦点は、気候変動データや将来の状況を特性化する助けとなる予測を取り入れるよりも、壊滅状況のモデルを使用することに当てられている。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)は今般、気候変動の壊滅的な影響とリスク評価のモデリングに焦点を当て、保険部門のニーズをより良く支援することを目的とした「業界・大学共同研究センター(Industry-University Cooperative Research Center: IUCRC)」の創出を共同で支援する。ICURCは、NSFが開発したコンソーシアムで、大学の教員及び学生が業界のメンバーと協力し、米経済のある部門の集合的ニーズに焦点を当てた研究の影響を加速させることに取り組むものである。今回新設されるIUCRCは、NSFとNOAAの共同管理によって運営される。 National Science Foundation “NSF-NOAA partner to promote the creation of centers for modeling catastrophic impacts and risk assessment of climate change” (5/16/23)

FDA、動物のバイオテクノロジー開発業者向けにツールを提供

食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は5月10日、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)との合同プロジェクトとして、動物のゲノムを改変することで革新的な動物バイオテクノロジー製品を作り出す研究者及び企業を対象に、重要な新しい資源を提供することを狙いとした取り組みに着手する。FDAは、革新的な動物製品の開発の進展を促進することにコミットしており、そのために規制プロセスの確実性を高め、研究開発を奨励し、動物の「意図的ゲノム改変(Intentional Genomic Alteration: IGA)」市場の効率的かつ予測可能な経路を支援している。こうした中、開発業者、規制当局ともに、ゲノム改変には、動物の健康に影響を及ぼしたり、肉類や牛乳、卵の安全性に影響するかもしれない意図しない改変が発生する可能性があるとの認識を示し、開発業者は安全な製品を生産する助けとなるようなツールの必要性を表明してきた。こうしたニーズに対応するため、FDAはNIST主導のプロジェクトに協調的に取り組み、必要とされている資源を収集する。具体的には、プロジェクトを通じて、牛と豚のIGAを特性化するための標準計測を作成することを狙いとしている。 Food and Drug Administration “FDA Announces Project to Provide Key Tool for Animal Biotechnology Developers” (5/10/23)

NSF、新興技術のキャリア経路となる新規手法について意見を募集

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は5月8日、「科学コミュニティ宛ての書簡(Dear Colleague Letter: DCL)」を発表し、新興技術分野で働くことに関心のある人材向けに頑強で魅力的な経路に投資することについて、関連する課題と機会の情報の提供を求めた。NSFはDCLの中で、「重要かつ新興の技術のイノベーションを加速させるには、高度なスキルを持つ国内労働力が重要である。このDCLを通じて得られる見解は、NSFが多様な国内人材を引き付け、維持する上での課題に対応する新たな機会を培うことに貢献する」と書いている。NSFは、先端製造や先端マテリアル、先端無線、人工知能、バイオテクノロジーなどの分野で多様な人材をリクルートするための新たな手法を模索している。 National Science Foundation “NSF seeks input on novel approaches to emerging technology career pathways” (5/8/23)

バイデン政権、米国エネルギーインフラをいち早く安全・クリーンにするための優先事項を概説

バイデン政権は5月10日、超党派で行われる許認可改革法案の一部として一連の優先事項を発表し、議会にそれらを承認するよう要請した。具体的には、「2023年米国エネルギー安全保障構築法案(Building American Energy Security Act of 2023)」に盛り込まれている重要な改革への支持を表明した上で、「重要な送電能力の強化」や「連邦用地におけるエネルギー・プロジェクト許認可の加速」、「150年前に制定された鉱業法の改正と国内の重要鉱物の責任ある開発の推進」といった優先事項を法案に含めるよう要請した。また、許認可プロセスを合理化するための勧告として、①許認可の効率性と予測可能性を改善する、②効率的な許認可に必要なデータ収集を強化する、③重複的で煩雑な分析とレビューを縮小する、などを提示している。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Outlines Priorities for Building America’s Energy Infrastructure Faster, Safer, and Cleaner” (5/10/23)

大統領府、エネルギー費用の低減と手頃な費用の住宅のエネルギー効率と気候対応力を高める措置と投資を発表

大統領府は5月11日、連邦が支援する住宅に気候リスク及び軽減措置を取り入れることを目的に、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」の一部として、住宅都市開発省(Department of Housing and Urban Development: HUD)による新たな措置を発表した。具体的に、HUDは、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)の「グリーン及び対応力の改良プログラム(Green and Resilient Retrofit Program: GRRP)」に8億3,000万ドルの資金を投入し、また、この新たなプログラムのための融資コミットメント権限として40億ドルを得た。さらに、HUDと連邦住宅局(Federal Housing Administration: FHA)、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)は、新規住宅のエネルギーの性能と効率性を強化し、住宅所有者や借主がお金を節約できるようにする最新のエネルギー基準を採択することを提案した。HUDは、最新のエネルギー基準を使って住宅を建設することで、低・中所得者層が35%以上のエネルギー費用が節約できると試算している。その他、ソーラーをより手頃な費用にするための取り組みとして、HUDは、昨夏に作成された全国ガイダンスに基づき、米国世帯が低コストのソーラー発電を利用できるようにすることに取り組むとしている。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces New Actions and Investments to Lower Energy Costs, and Make Affordable Homes More Energy Efficient and Climate Resilient for Hard-Working Families” (5/11/23)

バイデン大統領、モニカ・バータグノリ氏を国立衛生研究所の長官に指名

バイデン大統領は5月15日、モニカ・バータグノリ氏(Monica Bertagnolli)を国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の長官に指名する意向を表明した。バータグノリ氏は世界的に著名な腫瘍外科医、癌研究者、教育者であり、根本的知識を模索し、人間の健康を推進するというNIHのミッションを実現する上で必要なビジョンとリーダーシップを兼ね備えた医師である。現在は、国立癌研究所(National Cancer Institute: NCI)の所長で、女性として初めてNCI所長を務めている。バイデン大統領は、声明の中で、「バータグノリ氏は、キャリアを通じて科学的発見を開拓し、癌予防や患者の治療を向上させるために可能なことを追求している。また、あらゆるコミュニティの患者が質の高いケアにアクセスできるよう努力している。バータグノリ氏はNCI長官として、癌ムーンショット(Cancer Moonshot)を進展させてきた」と述べた。 White House “President Biden Announces Intent to Nominate Dr. Monica Bertagnolli as Director of the National Institutes of Health” (5/15/23)

国防総省、「競争的研究の促進を目的とした国防確立プログラム」助成結果を発表

国防総省(Department of Defense)は、「競争的研究の促進を目的とした国防確立プログラム(Defense Established Program to Stimulate Competitive Research: DEPSCoR)」のアワードとして28の共同的学術チームへ1,800万ドルを提供すると発表した。DEPSCoRは、十分に活用されていない州/準州の高等教育機関の基礎研究インフラを強化することを意図した能力強化プログラムである。「DEPSCoRにより、素晴らしい基礎研究能力を持ちながらも、国防総省に活用されていない機関を活用し、米国の科学工学研究能力を強化することが可能になる」と、国防総省の基礎研究局(Basic Research Office)の高官は語る。 Department of Defense “DoD Announces Awards Under the Defense Established Program to Stimulate Competitive Research” (5/10/23)

国防総省、「ニーズ地点での製造」を実現する技術開発を支援

国防長官室(Office of the Secretary of Defense)の製造技術プログラム(Manufacturing Technology Program: OSD ManTech)は、厳しい環境で先行配備される武力を支援するソリューションを競う「ニーズ地点のチャレンジ 売り込みイベント(Point of Need Challenge Pitch Event)」の勝者を発表した。3月8-9日にARM研究所(ARM Institute)で開催されたイベントでは、国防総省(Department of Defense)の製造イノベーション研究所(Manufacturing Innovation Institutes: MIIs)の加盟企業が創出した技術が披露された。国防総省は、2012~2021年の間に9件のMIIを立ち上げた。チャレンジ・イベントでは、MIIから提出された63件の概念論文の中から選出された11件の論文の売り込みが行われた。売り込みは13名の審査員で構成される審査委員会によってレビューを受け、委員会は、5つのMIIによる6件のプロジェクトを勝者としてManTech局長が承認するよう勧告した。プロジェクトは、①兵士の医療・健康・栄養チャレンジ(Warfighter Medical, Health, and Nutrition Challenge)、②戦闘継続チャレンジ(Staying in the Fight Challenge)、③サイバー・チャレンジ(Cyber Challenge)の3つのチャレンジをカバーしている。 Department of Defense “Make It Where You Need It: OSD Program Funds Technology to Enable Point-of-Need Manufacturing” (5/12/23)

エネルギー省、現代的で信頼性と対応力の高いクリーンエネルギー・グリッド支援に2,600万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月10日、ソーラーや風力、エネルギー貯留やその他のクリーンエネルギー資源がどのようにして信頼性が高く効率的な米国電力グリッドを支えることができるかについて実証する8件のプロジェクトに、2,600万ドルを提供する計画を発表した。これらのプロジェクトは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受け、国内15か所(13州とプロエルトリコ)で革新的なエネルギー技術を配備し、変化する需要に自動的に対応できるグリッドを構築、支援する。このプログラムの名称は、「ソーラーと風力のグリッド・サービスと信頼性の実証プログラム(Solar and Wind Grid Services and Reliability Demonstration program)」で、受益する研究チームは、ユーティリティ機関、研究所、大学、業界で構成される。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests $26 Million to Support a Modern, Reliable, and Resilient American Clean Energy Grid” (5/10/23)