NSFのイノベーション部隊(I-Corps)、起業的労働力の訓練と全国的な経済効果を実現

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月22日、NSFイノベーション部隊(Innovation Corps: I-Corps)プログラムの効果に関する隔年報告書を発表した。I-Coprsの影響を示したもので、I-Corpsプログラムを実施している3つの連邦機関(NSF、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、エネルギー省(Department of Energy))での実践の詳細も含まれている。今回の報告書には、I-Corpsプログラムが、①起業的労働力の訓練、②技術の移行、③経済効果の実現、④イノベーション・エコシステムの育成、という4つの急務な国家的ニーズにどのように応答しているかについてまとめている。報告書によれば、NSFのI-Corpsプログラムが2012年に開始して以来、2,500以上のチームが参加し、その半分以上にあたる約1,400チームがスタートアップを立ち上げ、その後の資金として累積31億6,000万ドルを調達している。 National Science Foundation “NSF I-Corps trains an entrepreneurial workforce, enables economic impact nationwide” (6/22/23)

商務省、半導体サプライチェーン強化計画を発表

商務省(Department of Commerce)は6月23日、米国CHIPS(CHIPS for America)を通じて半導体サプライチェーンへの投資の戦略的目的を概説した「成功のためのビジョン(Vision for Success)」を発表した。このビジョン報告書の目標には、①サプライチェーンの対応力の強化、②米国技術リーダーシップの進展、③活気のある米国工場クラスターの支援、が含まれる。また、そのビジョンを進展させるため、資金提供公募(FOA)「商業製造施設(Commercial Fabrication Facilities)」ならびに大規模な半導体サプライチェーン・プロジェクトの応募申請プロセスを発表した。より小規模なプロジェクトのためのプロセスは今秋後半に発表される予定である。大規模な半導体サプライチェーン・プロジェクトには、マテリアル及び製造機器施設プロジェクトで資本投資額が3億ドル以上に相当するものが含まれる(それ以下は小規模プロジェクトに該当する)。商務省は、最初に米国CHIPSのFOAを発表して以来、既に約400社から半導体プロジェクトの構築に関心を示す声明を受け取っている。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Outlines Plan to Strengthen Semiconductor Supply Chains as Part of Investing in America Agenda” (6/23/23)

GAO、国防総省における人工知能のガイダンスについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は6月29日、「人工知能:国防総省は調達への情報提供となる省全体でのガイダンスが必要(Artificial Intelligence: DOD Needs Department-Wide Guidance to Inform Acquisitions)」と題する報告書を発表した。国防総省(Department of Defense)は、人工知能(AI)の能力を開発中である一方、民間部門は長年にわたってAIを調達しており、GAOは今回、企業13社からAI調達の慣行について聞き取りを行った。その一例として、一部の企業は、AIプロジェクトの契約交渉を行う際、知的財産やデータの権利を考慮することの重要性を指摘した。国防総省の一部は既にAIを使用しているが、省として一貫性を確実にするための省全体のAI調達ガイダンスは発表されていない。GAOは、民間企業の慣行を参考にして、国防総省全体のガイダンスを策定するよう勧告した。 Government Accountability Office “Artificial Intelligence: DOD Needs Department-Wide Guidance to Inform Acquisitions” (6/29/23)

エネルギー省、脱炭素化と温室効果ガスの正味ゼロ排出を支援する大学主導プロジェクトに1,700万ドル以上を発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon management: FECM)は6月21日、地球科学に関連する新規学術課程や、人文科学主導型の科学・技術・工学・数学(HDSTEM)の学際的訓練の支援など、適格の大学における新規で初期ステージの研究開発を支援するため、最高1,770万ドルの資金が有用であると発表した。FECMの大学訓練研究(University Training and Research)プログラムが資金提供公募(FOA)を発表した。同プログラムは、伝統的に不利な状況にあるコミュニティに研究開発機会を創出し、学生研究者の革新的で多様な思考を活用することを目指す。今回のFOAでは、焦点先として、①少数派を対象とした機関の学生向けの客員研究員プログラムを確立し、温室効果ガスの正味ゼロ排出を支援する研究を実施する、②HDSTEMプロジェクトを支援し、学際的な学生訓練や技術開発を促進する、など5つの分野が挙げられている。 Department of Energy “DOE Announces Over $17 Million for University-Led Projects Supporting Decarbonization and Net-Zero Greenhouse Gas Emissions” (6/21/23)

DARPA、サイバーセキュリティにおける新たなゴールド・スタンダードを模索

デベロッパーやサイバー空間の防衛者は、頑強なセキュリティ状況を維持するために、ソフトウェアとハードウェア内のリスクを正確に理解している必要がある。現在、高度なサイバー攻撃は複数の脆弱性をリンクさせてセキュリティ措置を迂回したり、重要で高価値の機器に侵入するなどしているが、重要な脆弱性が修正されず、重要性の低い問題に資源が充当されるという事態はしばしば起きている。このような中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「知的ゼネレーションのセキュリティ・ツール(Intelligent Generation of Tools for Security: INGOTS)」プログラムは、攻撃者が搾取を試みる前に、高度に重大で連鎖性のある脆弱性を特定、修正することを目指す。INGOTSは、プログラム分析と人工知能(AI)を駆使し、ウェブ・ブラウザやモバイルOSなど、現代の複雑なシステム内に潜む脆弱性を測定する新技法を開拓する。2つのフェーズ(①ツールと技法の研究や設計、開発など、②これらのツールと技法の成熟化、高度化など)で合計3年間にわたって実施される。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Seeks a New Gold Standard in Cybersecurity” (6/23/23)

DARPA、戦術的に重要な状況で、米国と同盟パートナー間の信頼性の高い通信を確実にする技術を開発

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「戦術的に重要な状況の確実かつ対応力のあるネットワーク上でのセキュアな携行機器(Secure Handhelds on Assured Resilient networks at eh tactical Edge: SHARE)」プログラムは今般、戦術的活動において、米軍と国際同盟国との間のセキュアで対応力のある情報共有を可能にするソフトウェアとネットワーキング技術の開発及び統合に成功した。SHAREソフトウェアは軍部のエンドユーザーのモバイル機器で作動し、同盟軍とのリアルタイムな情報共有が可能になっている。SHAREプログラムは2017年秋に開始され、2023年に国防総省の戦術的攻撃キット製品センター(Tactical Assault Kit (TAK) Product Center)に正式に移行した。 Defense Advanced Research Project Agency “Ensuring Reliable Communications Between U.S., Allied Partners at the Tactical Edge” (6/22/23)

DAPRAのANCILLARYプロジェクト、垂直離着陸型飛行機の初期概念開発に取り組むチームを選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、現在使用されている大型の発射装置及び着陸/回収機器を必要とせずに導入、回収できる垂直離着陸(vertical takeoff and landing: VTOL)型の無人航空システム(uncrewed aerial system: UAS)の初期運用システム及び実証システムの概念設計に取り組む9社を選出した。DARPAの「先端航空機-わずかなインフラでの発射と回収 (AdvaNced airCraft Infrastructure-Less Launch And RecoverY: ANCILLARY)」プログラムは、低重量で積載量が大きく、長い耐久時間を備えたVOTL型UASに必要な革新的機体構造及び重要技術の飛行実証事業を行うことを最終的な目標としている。エアロバイロンメント(AeroVironment)やAVXエアクラフト(AVX Aircraft)など今回選出された9社は、6カ月に及ぶフェーズIa(Phase Ia)の間、海軍及び海上のミッションを念頭に置きながら、VTOL UASの設計開発に取り組んだ後、より詳細な機体の設計活動を目的とした競争的プロポーザルを提出する。 Defense Advanced Research Project Agency “ANCILLARY Project Selects Teams to Develop Initial Concepts for VTOL X-Plane” (6/22/23)

DHS科学技術総局、目的物の検知・追跡アルゴリズムの開発事業に資金を提供

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、アラバマ州にあるスタートアップ企業、アナリティカルAI社(Analytical AI)に19万9,500ドルを提供すると発表した。同社は、持ち主が不明のカバンなどの目的物を人々と結びつけ、その人々が敷地内に入った時から出ていくまでを追跡する人工知能(AI)アルゴリズムの開発に取り組む。S&Tのシリコン・バレー・イノベーション・プログラム(Silicon Valley Innovation Program: SVIP)は、「ソフトターゲットの確保(Securing Soft Targets)」(ソフトターゲットは、「警備や警戒が薄く、軍事攻撃やテロ攻撃の標的となりやすい場所や人の意)と題する公募の下、ビデオ・カメラの映像から特異な状況を自動検知し、誤差を削減して人間のパフォーマンスを最適化し、脅威的状況への対応を強化するため遅延を最小限化するソリューションを模索した。これらは、学校やスポーツ・イベント、交通システム、ショッピングモール、礼拝所などで利用できる可能性がある。アナリティカルAI社のデータセット分析手法と、持ち主が不明のカバンの取扱者を追跡できるほぼリアルタイムの前後監視能力により、目的物の場所と所有の変化を検知できる。 Department of Homeland Security “News Release: DHS S&T Awards Funds to Birmingham, AL, Startup Developing Object Detection and Tracking Algorithms for Securing Soft Targets” (6/15/23)

DHS科学技術総局、プライバシーを保護するデジタル認証財布及び検証のソリューションを模索

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、渡航、移民及び市民権の状況、雇用など、様々な目的でデジタル認証を使用する際に、個人のプライバシーを保護する一連のツールを創出、改良、実践することを目的とした公募を発表した。「プライバシーを保護するデジタル認証財布及び検証(Privacy Preserving Digital Credential Wallets & Verifiers)」と題する公募で、S&Tのシリコン・バレー・イノベーション・プログラム(Silicon Valley Innovation Program: SVIP)が管理運営する。本公募を通じて、米国市民権・移民業務局(United States Citizenship and Immigration Services: USCIS)などDHSの部門やオフィス向けに、プライバシーを保護するデジタル認証エコシステムを支える最先端のソリューションを模索する。 Department of Homeland Security ” News Release: DHS S&T Seeks Solutions for Privacy Preserving Digital Credential Wallets & Verifiers” (6/22/23)

ITIF、ロボティック・オートメーションの強化はEコマース用の物流施設の生産性を向上と提言

科学技術政策シンクタンクの情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は今般、「物流施設における生産性の問題を解決するため、政策策定者はロボティック・オートメーションを支持すべき(Why Policy makers Should Support Robotic Automation to Solve the Productivity Crunch in Logistics Facilities)」と題する報告書を発表した。消費者がより多くの商品をオンラインで購入する中、倉庫及び保管業界は、米国内での商品配達需要の増大に直面している。「生産性の問題に対処し、労働者の福利を向上させるため、政策策定者は、物流施設におけるロボティック・オートメーションを支持する措置を確立する必要がある」と、報告書では分析されている。またITIFは、政策策定者が物流施設におけるロボットの採用とイノベーションを促進すべき理由として、①企業の生産性向上を支援し、その効果として、サプライチェーンの対応力を高める、②企業が短期的な収益に焦点を当てていることに起因するロボティクス機器の投資不足に対処する、といった点を挙げた上で、①オートメーションとロボティックスへの投資を奨励する税政策を実施、②政府の倉庫におけるロボティック・オートメーションを優先付け、③米国科学財団(National Science Foundation: NSF)によるロボティック研究への資金を増加、など10件の政策勧告を提示している。 Information Technology & Innovation Foundation “Increasing Robotic Automation Will Boost Productivity in Logistics Facilities Used for E-Commerce; New Report Proposes 10-Part Plan to Spur Adoption and Innovation” (6/26/23)