NSFのアワードに関する最近のトレンドを詳述した報告書発表

米国科学審議会(National Science Board: NSB)は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の2021年度メリット・レビュー・ダイジェスト(FY 2021 Merit Review Digest)を発表した。アワードを受益したプロポーザル/受益しなかったプロポーザル、NSFのアワードにプロポーザルを提出し、受益した個人及び組織の特徴などについて年間統計の要旨をまとめたものである。NSFはこうした年間報告を1977年以来、毎年NSBへ提出している。ハイライトとして以下のような点が挙げられている。①NSFは2021年度に1万1,344件の新規競争的アワードを授与しており、全体的な採択率(funding rate)は26%であった。これは2020年度の28%より低く、その理由として新型コロナのパンデミックに対処するRAPIDアワードが減少した点が挙げられる、②NSFが2021年度に受理したプロポーザルは前年よりやや多かったが、プロポーザルの総数は2018年に提出された総数を約10%下回る。その主な要因は、締め切りを設定しないポリシーを導入した総局が増えたことである、③NSFは2021年度のプログラム予算として年間87億ドルの議会年間予算を受理し、パンデミックの大幅な影響を受けた個人と組織の援助を目的として米国救済計画法(American Rescue Plan Act)から追加で6億ドルを受理した。 National Science Foundation “New Report Details Recent Trends in NSF Awards” (7/11/23)

エネルギー省、住宅用エネルギー効率契約事業者の訓練を行う州に1億5,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は7月17日、次世代の住宅用エネルギー契約事業者のための訓練を開始する州政府への資金提供計画を発表した。バイデン大統領による「インフレ低減法(Inflation Reduction Act)」から資金提供を受けて実施される「州ベースの住宅エネルギー効率契約業者訓練グラント・プログラム(State-Based Home Energy Efficiency Contractor Training Grants Program)」は、住宅用エネルギー効率及び電気化契約事業者の訓練や検査、認証の費用低減を目的として、州政府に1億5,000万ドルを提供する。このプログラムは、「契約事業者訓練グラント(Contractor Training Grants)」とも呼称され、住宅用効率及び電気化プロジェクトを目的とした労働力訓練プログラムの開発と実施のための資金を州政府へ提供し、米国民の電気代節約の一助とする。 Department of Energy “Biden- Harris Administration Announces $150 Million for States to Train Residential Energy Efficiency Contractors Through Investing in America” (7/17/23)

エネルギー省の先端マテリアル及び製造技術局が新たな局長を発表

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は7月17日、EEREの先端マテリアル及び製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office: AMMTO)の新たな局長(Director)として、クリストファー・サルダナ氏(Christopher J. Saldaña)が選出されたと発表した。サルダナ氏は、AMMTO局長として、「人々を意欲付け、イノベーションを促進して米国エネルギーの未来のためにマテリアルと製造に変革をもたらす」というAMMTOのミッションを実行する役割を担う。市場の課題に対処すること、製造技術やマテリアル、持続可能なサプライチェーンを進展させる機会を特定して、米国の経済競争力を高め、正味ゼロ排出経済を追求することを責務とする。サルダナ氏は、DOEに参画する前は、2014年からジョージア工科大学(Georgia Tech)機械工学科(George W. Woodruff School of Mechanical Engineering)に務めていた。 Department of Energy “DOE’S Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office Announces New Director, Christopher Saldaña” (7/17/23)

ロジウム・グループ、インフレ低減法後の米国の排出予測を発表

ロジウム・グループ(Rhodium Group)は7月20日、「2023年の調査:インフレ低減法後の米国排出予測(Taking Stock 2023: US Emissions Projections after the Inflation Reduction Act)」と題する報告書を発表した。ロジウム・グループは毎年、現行の政策や経済成長見通しなどに基づき、米国における将来の温室効果ガスの排出について独立した予測を提示している。9版目となる今年のベースライン・モデルには、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)という気候変動に関する議会の有意義な措置が含まれた。2023年6月時点の一連の現行政策により、米国の排出は、2035年に、2005年水準を32~51%下回ると予測される。2030年までに温室効果ガスの排出が29~42%削減される見込みで、これは前年までの予測から意義のある形での逸脱となるが、パリ気候協定(Paris Agreement)(2030年までに2005年水準の50~52%削減)下での米国の誓約の達成には不十分である。 Rhodium Group “Taking Stock 2023: US Emissions Projections after the Inflation Reduction Act” (7/20/23)

米政府、コスタリカとの新たなパートナーシップで半導体サプライチェーンの機会を模索

国務省(Department of State)はコスタリカ政府と新たなパートナーシップを結び、世界的な半導体エコシステムの多様化と成長を図り、対応力が高く、セキュアで持続可能な半導体の世界的価値連鎖を創出する機会を模索する。このパートナーシップは、2022年CHIPS法(CHIPS Act of 2022)で設けられた国際技術安全保障及びイノベーション基金(International Technology Security and Innovation Fund)によって実現した。米国は、現在進行中のデジタル変革のペースに半導体サプライチェーンが付いていけることを確実にする上で、コスタリカをパートナーとして見ている。 パートナーシップは、コスタリカの現在の半導体業界の展開や規制枠組み、労働力及びインフラのニーズを点検することから始まる。この点検の成果は、この重要な部門の開発に関する将来の共同作業への情報提供となる。 Department of State “New Partnership with Costa Rica to Explore Semiconductor Supply Chain Opportunities” (7/14/23)

DARPA、複雑な社会経済システムにおける先端の知識キュレーションの創出に取り組む

知識キュレーション(knowledge curation)には、多くのソースからの情報入手を伴う。これには、それらの選別、要因と因果関係の特定、関連するデータセットの発見などがある。知識キュレーションは、意思決定プロセスにおける重要なステップであるにもかかわらず、手動で行われるのが一般的で、この点は、アナリストや意思決定者がしばしば、複雑な社会経済システムで重要な要素を見逃すことを意味する。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、「協調的な知識キュレーション(Collaborative Knowledge Curation: CKC)」と題する公募を発表した。CKCはDARPAの「先端研究概念(Advanced Research Concepts: ARC)」のトピックの一つ。CKC公募は、「どのようにして我々は知識キュレーションを部分的に自動化し、アナリストや意思決定者が複雑で独立したシステムにおける気付きを取得、維持する一助とできるか?」という疑問に関するアイデアを募集する。CKCは、アナリストや意思決定者が、複雑な社会経済システムでより徹底的かつ早く、知識のキュレーションを行う上で、機械はどのような助けとなるかという点を模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “Creating Advanced Knowledge Curation for Complicated Socioeconomic Systems” (7/17/23)

エネルギー省、炭素捕獲/移送/貯留技術の導入加速に約2,300万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は7月11日、炭素管理技術について、地域に即した技術援助と、関係機関との密接な関与を提供する16件のプロジェクトに合計2,340万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトは14州で実施され、大学と民間企業の双方に拠点を置き、炭素管理開発事業者と地域のコミュニティを結びつけ、炭素の捕獲/移送/貯留技術の商業的導入の進展へ向けて、共同作業の育成と教育を目指す。今回の支援の主要な要素は、現行及び計画されている炭素の捕獲/移送/貯留インフラの影響を受けているコミュニティとの密接な関与を取り入れることで、プロジェクトの技術的側面に関する一般市民の理解促進につなげる。エネルギー省の国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)が選出されたプロジェクトの管理運営を担当する。 National Energy Technology Laboratory “DOE INVESTS MORE THAN $23 MILLION FOR REGIONAL PROJECTS TO ACCELERATE U.S. CARBON CAPTURE, TRANSPORT AND STORAGE TECHNOLOGY DEPLOYMENT” (7/11/23)

環境防衛基金、気候リーダーシップ州の更新情報について報告

環境防衛基金(Environmental Defense Fund)は今般、「気候コミットメントを結果へ転換:州レベルの気候ターゲットに関する更新情報(Turning Climate Commitments Into Results: An Update on State-level Climate Targets)」を発表した。それによれば、気候リーダーシップの州がそれぞれの排出ターゲットを達成することができれば、米国は国としての気候目標に意義のある形で近づくことができるという。報告書は、「気候コミットメントを有する州政府が、汚染を大規模な形で制限することを目的として、野心的で包括的な政策を採択すれば、米国が掲げる2030年の目標へ向けた残りの排出の格差を43%縮めることができる」としている。一方、現状路線で追加の政策措置がない場合、これらの州とプエルトリコによる集合的な排出削減は、それぞれのコミットメントを大きく下回ると予想されている。環境防衛基金は、州の気候コミットメントに合致するための政策として、①法的拘束力のあるターゲットを設定し、早期に大幅な削減を達成、②既存の権限を使って汚染を制限、③法的拘束力のあるターゲットを設定、③汚染の制限と政策を組み合わせ、クリーン技術の開発・導入を促進、などを挙げている。 Environmental Defense Fund “Report: Climate Leadership States Could Cut U.S. “Emissions Gap” in 2030 by Nearly Half, if Governors Deliver on Commitments” (7/13/23)

バイデン=ハリス政権、国家サイバーセキュリティ戦略実践計画を発表

バイデン=ハリス政権は先般、国家サイバーセキュリティ戦略(National Cybersecurity Strategy: NCS)を発表した。そして7月13日には、NCSで提示した大胆かつ積極的なビジョンを実現するためのロードマップとして、「国家サイバーセキュリティ戦略実践計画(National Cybersecurity Strategy Implementation Plan: NCSIP)」を発表した。NCSIPは、影響力の高い65件以上の連邦イニシアチブを詳述したもので、これには、サイバー犯罪と戦うことで米国民の雇用を保護することや、高まりつつあるデジタル経済で卓越した存在でいるために必要な有技能のサイバー労働力を育成することなどが含まれる。NCSIPは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)、その他の主要な政権イニシアチブと共に、米国インフラの再構築への投資を保護し、クリーンエネルギー部門を開発し、米国の技術及び製造基盤の国内回帰を促す。NCSIPの各イニシアチブには、それを責務とする機関が割り当てられ、完了までのスケジュールが組まれている。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Publishes the National Cybersecurity Strategy Implementation Plan” (7/13/23)

国防総省、生成AIの潜在的なマイナス面に躊躇しつつ、生成AIへの取り組みは継続

国防総省(Department of Defense)の最高デジタル及び人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)の高官は7月11日、ランド研究所(Rand Corporation)が主催したイベントで、「国防総省は、生成人工知能(AI)の能力がどのように機能するかについてより良い理解を得、それらの使用に関する測定を開発しようと試みているが、AIモデルが誤った応答を生成している点は引き続き懸念している」と述べた。CDAOの副担当官であるマーギー・パルミエリ氏(Margie Palmieri)によれば、国防総省による生成AI使用への手法は、「使用事例ベース」で、国防総省はコンピュータ・ビジョンや自然言語処理、その他の機械学習アルゴリズムの使用を継続し、重要なタスクを完遂している。生成AIには有望性がある一方、パルミエリ氏は、「我々が見つけたことは、生成AIの潜在的なマイナス面に十分な注意が払われていないということである。具体的には、生成AIが作り出す幻覚(hallucination)を指す」と警告する。そして、「これは国防総省にとっては大きな問題であり、我々は業界とより密接に協力して、これらのマイナス面に取り組みたい」と加えた。 Nextgov “DOD experimenting with generative AI, even as ‘potential downsides’ give officials pause” (7/12/23)