バイデン政権、クリーンエネルギーへの投資促進と気候危機対策を目的とした200億ドルのコンペ開始

ハリス副大統領は7月14日、バイデン政権の第2回「米国への投資(Investing in America)」視察の締めくくりと、全国のコミュニティにおけるバイデノミクスの影響を強調する一環として、クリーンエネルギー向け金融ネットワークを活用して、汚染削減につながる新規プロジェクトへの投資を大規模に拡大するコンペ(200億ドル)を開始すると発表した。資金は、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の温室効果ガス削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund)の一部として拠出される。ハリス副大統領は、歴史的に黒人を対象とした大学の一つ、コピン州立大学(Coppin State University)でこの発表を行った。200億ドルは、2つの別個かつ補完的なコンペを通じて配分される。いずれも、全国規模のクリーンエネルギー金融ネットワークを結集させてクリーンエネルギーの機会があらゆる地域の米国民に届けられることを確実にすることを狙いとしている。実施されるコンペは、「国家クリーン投資基金(National Clean Investment Fund: NCIF)」コンペ(140億ドル)(民間部門と協力して全国の数万件のクリーン技術プロジェクトに、アクセス性が高く手頃な費用の金融を提供する全国的なクリーン金融機関2~3か所にグラントを提供)と、「クリーン・コミュニティ投資アクセラレータ(Clean Communities Investment Accelerator: CCIA)」コンペ(60億ドル)(NCIFと連携し、クリーン技術プロジェクトに資金提供を行うコミュニティ融資機関に資金と技術援助を提供する2~7件のハブ的な非営利組織を支援)の2つ。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Launches Historic $20 Billion Competition to Catalyze Investment in Clean Energy Projects and Tackle the Climate Crisis” (7/14/23)

バイデン政権、スマート機器のサイバーセキュリティ・ラベル・プログラムを発表

バイデン政権は7月18日、米国民が、より安全で、サイバー攻撃への脆弱性が低いスマート機器を容易に選ぶことができるよう援助するサイバーセキュリティの認証及びラベル表示プログラムを発表した。これは、連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)が提案する「米国サイバー信頼マーク(U.S. Cyber Trust Mark)」プログラムで、一般的な機器(スマート冷蔵庫やスマート電子レンジ、スマートテレビなど)のサイバーセキュリティ基準を引き上げるもの。エレクトロニクスや家電製品、消費者製品の製造事業者や小売業者、業界団体は、自分達が販売する製品のサイバーセキュリティを高めることに任意のコミットメントを表明している。今回、コミットメントを表明した企業には、アマゾン(Amazon)、ベストバイ(Best Buy)、グーグル(Google)、米国LGエレクトロニクス(LG Electronics U.S.A.)などが含まれる。提案されているプログラムの下、サイバーセキュリティ基準に合致する製品に、新たに作られた「米国サイバー信頼マーク(U.S. Cyber Trust Mark)」のロゴが貼付される。プログラムの目標は、消費者が自宅で利用する製品のセキュリティについて、情報に基づく判断ができるようツールを提供することである。FCCは、任意のサイバーセキュリティ・ラベル・プログラム(案)の始動について、一般からのコメントを模索する予定である。 White House “Biden-⁠Harris Administration Announces Cybersecurity Labeling Program for Smart Devices to Protect American Consumers” (7/18/23)

米陸軍、量子情報科学研究センターを指定

陸軍(Army)のクリスティン・ウォームス長官(Christine E. Wormuth)(Secretary)は、米陸軍戦闘能力開発司令部(U.S. Army Combat Capabilities Development Command: DEVCOM)の陸軍研究所(Army Research Laboratory: ARL)を、「国防総省量子情報科学研究センター(Department of Defense Quantum Information Science Research Center)」の一つ(全部で4か所)に指定した。2023年6月14日付けの通達で、ウォームス長官は、「DEVCOM ARLには、主要な量子情報科学(QIS)及びQISによって実現する技術とシステムに関して、所内外の取り組みがある」と述べた。今回の指定により、DEVCOM ARLの研究者は、高レベルの政府作業部会に参加し、次の国家量子イニシアチブ(National Quantum Initiative)やその他の国家レベルの戦略の開発、官民組織との関与を通じてQISの研究開発を加速させることに従事する。 U.S. Army “Army designates Quantum Information Science Research Center” (7/5/23)

炭素隔離リーダーシップ・フォーラム、炭素管理業界の成熟に伴い、次のステップを検討

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は7月12日、炭素捕獲・貯留技術の進展を目的とした国際的な共同作業の育成に取り組む組織、「炭素隔離リーダーシップ・フォーラム(Carbon Sequestration Leadership Forum: CSLF)の事務局としての役割から退くことを発表した。エネルギー省でFECM担当次官を務めるブラッド・クラブツリー氏(Brad Crabtree)(Assistant Secretary)は、「過去20年にわたり、DOEがCSLFの事務局を務めてきたことは、大きな名誉であった。CSLFは、国際的なパートナーシップと知識共有を促進する有益な存在であり、我々が現在目にしている炭素捕獲・貯留プロジェクトやインフラの効果的な拡張を実現する助けとなってきた」と述べた。CSLFの加盟政府が組織の今後の選択肢を検討する中、FECMは、その他のプラットフォームを通じて彼らとの関与及び協力を継続する計画である。 Department of Energy “Carbon Sequestration Leadership Forum Considers Next Steps as Carbon Management Industry Matures” (7/12/23)

エネルギー省、炭素ベース資源から重要鉱物・マテリアルを生産する研究に3,200万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は7月14日、レアアース元素及びその他の重要鉱物・マテリアルを国内の炭素ベース資源から生産する施設の構築の一助となるプロジェクトに3,200万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。「重要鉱物及びマテリアルを石炭ベース資源から生産するための初期工学・設計研究(Front-End Engineering and Design (FEED) Studies for Production of Critical Minerals and Material from Coal-Based Resources)」と題するFOAで、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出される。国内のサプライチェーンを強化し、重要鉱物の増大する需要への対応を支援し、海外資源への依存を低減することを目指す。FEED研究は、技術的要件を確立・定義するもので、プロジェクトの範囲やスケジュール、費用、将来の施設建設及び運用の間のリスク低減に焦点を当てる。これらの施設は、米国内の豊富な石炭及び石炭副産物資源を使用することで、地域のコミュニティに健全な環境を作り出すことにも貢献する。 National Energy Technology Laboratory “DOE INVESTS $32M FOR PROJECTS TO STUDY PRODUCTION OF CRITICAL MINERALS AND MATERIALS FROM COAL-BASED RESOURCES” (7/14/23)

国立エネルギー技術研究所、二酸化炭素特定データベースで炭素捕獲及び貯留プロジェクトを強化

正味ゼロ炭素排出の電力部門及び経済を創出することは、一連の複雑な技術と応用を必要とする膨大な取り組みである。「二酸化炭素特定データベース(CO2-Locate database)」は、ユーザーが必要な情報を早急かつ正確に入手できる中央一元型プラットフォームで、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)が開発した「エネルギー・データ・エクスチェンジ(Energy Data eXchange: EDX)」で発表された。このデータベースは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出を受けて開発された革新的製品の一つである。研究者は、このデータベースを使い、リスク分析やその他のニーズを通じて、情報に基づくサイト選出決定ができるようになる。 National Energy Technology Laboratory “IARPA LAUNCHES EFFORT TO DEVELOP PHOTOREALISTIC SITE MODELS” (7/12/23)

バイデン政権、AI企業大手からAIのリスク管理を目的とした任意のコミットを確保

バイデン政権は7月21日、人工知能(AI)企業大手7社をホワイトハウスに招集し、これらの企業から、AI技術の安全でセキュア、透明性のある開発へと進む一助となることへ任意のコミットメントを確保した。任意のコミットメントを発表したのは、アマゾン(Amazon)、アンソロピック(Anthropic)、グーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)、オープンAI(OpenAI)など7社。これらの新興技術を開発している企業には、その製品が安全であることを確実にする責務がある。AIの可能性を最大限にするため、バイデン=ハリス政権は、業界が最高水準を維持し、イノベーションが米国民の権利と安全性を犠牲にして発展することがないよう確実にすることを奨励している。AI企業大手7社は、①製品を一般市民へ発表する前に、それらが安全であることを確実にする、②セキュリティを優先するシステムを構築する、③一般市民の信頼を獲得する、ことにコミットしている。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Secures Voluntary Commitments from Leading Artificial Intelligence Companies to Manage the Risks Posed by AI” (7/21/23)

DARPA、AIエージェントに人とのやり取りや学習について教えるチームを選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「環境主導の概念的学習(Environment-driven Conceptual Learning: ECOLE)」プログラムの一環として、複数の大学チーム及び業界チームが、言語及び視覚的なインプットから継続的に学習する能力を有する人工知能(AI)エージェントの創出に取り組む。創出されたAIエージェントは、人と協力する能力を持ち、時間的制約のある国家安保障の分析に取り組む間、人と協力して画像やビデオ、マルチメディア文書の分析を行う。こうした場面では信頼性と頑強性が重要となる。ミッションに重要な分析などの使用事例においては、適切な信頼性とコンピテンスを備えたAIが必要とされる。ECOLEプログラムは、DARPAの専門家が、「こうしたAIシステムを作り出す上で重要である」と指摘する3つの分野(根本的理論、AI工学、人とAIのチーム)の一つ。「人とAIのチーム」に取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “Class is in Session: Teams Selected to Teach AI Agents to Interact with People & Learn” (7/18/23)

ITIF、「海外の薬価管理は年間25件の新薬開発を奪い、寿命を低くし、医療支出を引き上げている」と報告

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)が発表した報告書「薬価管理の隠れた犠牲:少ない新規治療と世界の医療費の上昇(The Hidden Toll of Drug Price Controls: Fewer New Treatments and Higher Medical Costs for the World)」によれば、米国以外の経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development: OECD)加盟国における薬価管理は、年間560億ドル以上のバイオ医薬品研究開発(R&D)費削減をもたらし、年間25件の新薬開発を不可能にしている。ITIFは、32カ国における処方箋薬価を分析し、「これらの国々が、米国にタダ乗りする代わりに正当な金額を支払った場合、製薬会社の収入は2,540億ドル増加(2018年)し、そのうち564億ドルはR&Dに投資されたであろうと計算した。富裕5か国(日、伊、独、仏、英)が米国と同様に管理を解除するだけでも、世界は年間12件の新薬から恩恵を受けることができるだろうと、報告書は分析している。 Information Technology & Innovation Foundation “Foreign Price Controls Deprive the World of 25 New Drugs Per Year, Lowering Life Expectancy and Raising Medical Expenditures, New Study Finds” …
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「調整によってグリッド改良費用は数十億ドルを節約でき、電力化を加速させることが可能」との報告

輸送やその他の部門の電力化により、将来の電力グリッドには増大する負荷に対処できる能力が必要である。これは、インフラ改良が高額となることを意味する可能性があるが、スタンフォード大学(Stanford University)による新たな報告書によれば、こうした改良の多くは不要かもしれない。その代わりに、家庭や企業にソフトウェアを導入し、様々な消費者需要や資源を調整することで、グリッドの高い信頼性を達成できる可能性がある。そしてこうした調整は電力グリッドの信頼性向上につながるだけでなく、例えば異常気象の際に最大負荷を低下させる助けとなる。「こうした調整が広範に実施されれば、ユーティリティ企業やその顧客はグリッド・インフラの改良で数十億ドルを節約できる可能性がある」と、報告書は分析している。 Stanford University “Coordination could spare billions in grid upgrade costs and accelerate electrification” (7/14/23)