SLAC国立加速器研究所の所長にジョン・サラオ氏指名

スタンフォード大学(Stanford University)は7月17日、物理学者で科学のリーダーであるジョン・サラオ氏(John Sarrao)が、SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)の第6代所長に指名されたと発表した。サラオ氏は現在、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)の副所長(科学・技術・工学担当)(deputy director for science, technology & engineering)で、化学、地球及び生命科学、グローバル精査、シミュレーションとコンピュテーション部門を監督している。同氏は、10年間にわたりSLAC国立加速器研究所の所長を務め、昨年秋に退任の意向を発表していたチ・チャン・カオ氏(Chi-Chang Kao)の後任となる。サラオ氏は10月2日にSLAC国立加速器研究所の所長に就任する。 Stanford University ” John Sarrao named director of SLAC National Accelerator Laboratory” (7/17/23)

「米国はプラスチックの収集とリサイクルを拡大及び標準化すべき」との研究報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「インフラにおけるリサイクル・プラスチック:現行の慣行と理解と機会(Recycled Plastics in Infrastructure: Current Practices, Understanding, and Opportunities)」と題する報告書を発表した。報告書によれば、プラスチック廃棄物の収集を拡大及び標準化し、リサイクルを強化し、インフラでのプラスチック廃棄物の新たな応用を模索することは社会にとって経済的及び環境的な関心事である。リサイクルされたプラスチックは、活用されていない資源であり、米国におけるプラスチック廃棄物管理システムを向上するには、連邦、州、地方自治体レベルでの公共部門による行動が必要である。報告書はまた、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)と運輸省(Department of Transportation)が調整された政府の対応を推進及び維持する方法について具体的な勧告を提示しており、これには、インフラにプラスチック廃棄物を使用するという経済的及び社会的に有益な応用に関する評価も含まれる。 National Academies “U.S. Should Expand and Standardize Plastics Collection and Recycling, Study Potential Uses in Infrastructure, Says New Report” (7/18/23)

米国とインド、クリーンエネルギーのパートナーシップを進展

エネルギー省(Department of Energy)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)とインドの石油・天然ガス省(Ministry of Petroleum and Natural Gas)のハルディープ・シン・プリ大臣(Hardeep Singh Puri)は7月18日、3回目となる米印戦略的クリーン・エネルギー・パートナーシップ(U.S.-India Strategic Clean Energy Partnership: SCEP)閣僚会合を実施した。同パートナーシップは2021年9月に開始されたもので、政府、産業、その他の関係機関の取り組みの焦点を、エネルギー安全保障やクリーン・エネルギー・イノベーション、エネルギー移行を支える脱炭素化努力に当てつつ、クリーン・エネルギー・アクセスを確実にすることを目指す。第3回SCEP会合は、インドのニューデリーで開催され、米印両政府による合同声明が発表された。合同声明によれば、会合を通じて双方は、両国間のエネルギー協力の重要性が増していることに言及した他、二国間のクリーン・エネルギー関与の重要性と、エネルギー安全保障の強化、クリーン・エネルギー・イノベーションの機会創出などに関するSCEPの達成を強調した。 Department of Energy “U.S. and India Advance Partnership on Clean Energy” (7/18/23)

商務省、データ・プライバシー枠組みプログラムの新しいウェブサイトを立ち上げ

商務省(Department of Commerce)は7月17日、「データ・プライバシー枠組み(Data Privacy Framework: DPF)」プログラムのウェブサイトを立ち上げた。これにより、適格の米国企業は、自己認定によって、欧州連合と米国の間のデータ・プライバシー枠組み(EU-U.S. Data Privacy Framework: EU-U.S. DPF)へ参加することができ、EUの法規を順守した形で国境を超えた個人データの移行を進めることができる。大西洋を挟む両地域のデータ・フローは、年間1兆ドル以上の貿易及び投資を支えていると考えられており、EU-U.S. DPFは、米国の経済のあらゆる部門で様々な規模の企業の経済的機会を支えるメカニズムを提供する。DPFプログラムは、欧州経済圏からの個人データ移行について、手頃な費用で合理化されたメカニズムへアクセスできることから、特に中小規模の事業者にとって価値のあるものとなっている。 Department of Commerce “Data Privacy Framework Program Launches New Website Enabling U.S. Companies to Participate in Cross-Border Data Transfers” (7/17/23)

国防総省の最高デジタル・AI担当局が発足から1周年

国防総省(Department of Defense)の最高デジタル・AI担当局(Chief Digital & Artificial Intelligence Office: CDAO)は今年の7月で、発足から1周年を迎えた。その間、国防総省内のデジタル変革及び人工知能(AI)の創出や実践、運営において様々な達成を果たした。CDAOは2021年12月に発表され、2022年6月1日に発足した。様々な達成の中で最も重要な点として、国防AIシステムの基礎を導入したことが挙げられる。これには、AIのニーズ階層や、2023年度に国防総省のAI有効化(AI-enablement)への道筋を概説した5つの戦略的イニシアチブ(デジタル人材管理、データの品質向上、AI/機械学習の足場、ビジネス業績測定、連合統合全領域指揮統制(Combined Joint All-Domain Command & Control: CJADC2)システム)を確立したことが含まれる。 Department of Defense “Chief Digital & Artificial Intelligence Office Celebrates First Year” (7/19/23)

DARPA、廃材の再使用を目的として強度で持続可能なマテリアルに転換

米陸軍工兵隊(U.S. Army Corps of Engineers)によれば、国防総省(Department of Defense)の前線作戦基地で生まれる固形廃棄物の80%以上は、廃材、ボール紙(段ボール)、紙である。これは、兵士一人当たり一日約13パウンドの廃棄物に相当し、しばしばごみ廃棄場で処分されるか、現場で埋められている。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「国防のための廃棄物アップサイクリング(Waste Upcycling for Defense: WUD)」プログラムは、廃材やボール紙、紙などを、軽量で強度があり、持続可能なマテリアルに転換して、様々な国防総省の場面で再使用するためのエンド・トゥー・エンド・プロセスの研究開発(R&D)に取り組む。WUDが成功すれば、国防総省の廃棄物処理の負担を軽減し、サプライチェーンの物流負担を和らげ、国防総省の建設と防衛に関連する全体的な炭素排出を削減する一助となると同時に、持続可能な建築マテリアルへの道筋を開くことになる。 Defense Advanced Research Project Agency “Turning Scrap Wood into Strong, Sustainable Materials for Re-use” (7/20/23)

アルゴンヌ国立研究所と国立再生可能エネルギー研究所、アラスカ州における揚水発電の可能性を提示

農務省(U.S. Department of Agriculture)によれば、アラスカ州は全米の中で最も温暖化が進んでおり、この結果、海岸の浸食、暴風雨の被害の甚大化、海氷の退却などにつながっている。アラスカ州の大規模かつ多様な環境は、独特のエネルギー・ニーズと課題を生み出している。このようななか、エネルギー省(Department of Energy)のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)が、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)と共に、同州で大規模なエネルギーを貯留し、グリッド対応力を強化する効率的な方法として揚水発電の可能性について調査した。その結果、アラスカ州における揚水発電は、より多くの風力及びソーラー発電を電力グリッドに統合し、二酸化炭素排出を削減する可能性が認められた。両国立研究所による今回の研究は、炭素排出削減の実行可能な技術としての揚水発電の検証と共に、クリーンエネルギー政策及び規制の開発と投資判断を行う際のガイダンスも提示している。 Argonne National Laboratory “Harnessing the power of water: Argonne and NREL study shows the potential of pumped storage hydropower in Alaska” (7/20/23)

DARPA、次世代のマイクロエレクトロニクス製造を通じて研究開発エコシステムの持続を目指す

将来のマイクロシステム・イノベーションに焦点を当て、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、「次世代マイクロエレクトロニクス製造(Next-Generation Microelectronics Manufacturing: NGMM)」プログラムでの取り組みを開始する11チームを選出した。フェーズ0の取り組みにより、3Dヘテロジニアス・インテグレート(3D heterogeneously integrated: 3DHI)(3D異種集積)マイクロシステムを製造する国内センターの創出へ向けた次のステップへの情報提供となる基礎研究を確立する。今回選出されたのは、アプライド・マテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)、アリゾナ州立大学(Arizona State University)、BRIDGなど11の組織。NGMMのフェーズ0チームは、代表的な3DHIマイクロシステムの定義や分析、専門家の勧告に取り組む他、これらのマイクロシステムを製造するための機器やプロセス、ハードウェア及びソフトウェア・ツール、施設要件の特定に取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “Next-Generation Microelectronics Manufacturing Aims to Sustain R&D Ecosystem” (7/20/23)

半導体業界団体、半導体の対中輸出への新たな制限に警告

米国半導体業界を代表する半導体業界協会(Semiconductor Industry Association: SIA)は7月17日、バイデン政権に対し、半導体の対中国輸出に追加の制限を加えることで半導体部門にもたらし得るディスラプティブな影響について警告を発した。大統領府は、「米政府は、米国の国家安全保障を脅かす可能性がある技術への中国のアクセスを制限することだけに焦点を当てている」と主張している。SIAは、「米国半導体企業が中国市場への継続的アクセスを保有することは、昨年のCHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)の前向きな影響を損なわないようにするためにも重要である」と主張する。一方、国家安全保障会議(National Security Council: NSC)の広報官は、「政権の輸出管理は、国家安全保障の意味合いを含む技術に焦点を当てるよう慎重に調整されている」と述べている。 Nextgov “Semiconductor industry group warns against new limits on chip exports to China” (7/17/23)

NIST、ポスト量子暗号技術の標準化プロセスに追加のデジタル署名候補を発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が2022年9月に追加のポスト量子暗号技術(Post-Quantum Cryptography: PQC)デジタル署名スキームを募集したところ、50件の提出があり、そのうち全ての提出要件を満たすデジタル署名候補は40件であった。今回の評価及び分析ラウンドは数年間にわたって行なわれる見通しである。NISTは候補となる40件全てについてフィードバックを募集している。NISTは、2024年4月に、5回目となるPQC標準化会議を開催する計画である。量子コンピューティングの大幅な開発と進展を受け、NISTは2016年12月に、量子耐性のある公開鍵暗号アルゴリズムを選出するPQC標準化プロセスへのプロポーザルを公募した。3回にわたる評価と分析を行った後、NISTは標準化候補となる最初の一連のアルゴリズム(3つのデジタル署名スキーム)を発表しており、今回の追加公募となった。 National Institute of Standards and Technology “NIST Announces Additional Digital Signature Candidates for the PQC Standardization Process” (7/17/23)