国立エネルギー技術研究所、水素の安全性評価報告を発表

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は今般、「ガス・タービンや固体酸化物形燃料電池、高温水素製造における水素の安全性評価(The Hydrogen Safety Review for Gas Turbines, SOFC, and High Temperature Hydrogen Production)」を発表した。NETLの水素安全性実地作業プロポーザル(Hydrogen Safety Field Work Proposal)の一環として作成されたもので、水素の生産と輸送と貯留に伴う安全性の課題について、評価及び概説している。水素は多用途の分子であり、クリーンエネルギーの担体として有益であり、自然界に豊富に存在している元素である。水素製造のための新規技術も開発されている。しかし、その一方で、安全面に関する懸念もあり、慎重な工学設計と確実な運用が求められる。報告書は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)や水素によるガス・タービン、燃料開室などによる水素製造などに伴う独自の安全性の問題について概説している。 National Energy Technology Laboratory “NETL HYDROGEN SAFETY REVIEW REPORT NOW AVAILABLE” (8/22/23)

国防イノベーション・ユニットと米宇宙軍、業界を活用して戦術的応答型の宇宙ソリューションの提供を目指す

米宇宙システムに対する軌道上の脅威に、応答性の高いエンド・トゥ・エンドの総合的なソリューションで対処するため、米宇宙軍(U.S. Space Force)は、発射と軌道上の運用インフラの双方を早急に提供できる商業プロバイダーを模索している。米宇宙軍の宇宙システム司令部(Space System Command: SSC)の宇宙サファリ・プログラム局(Space Sfari program Office)は、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と提携し、「戦術的応答型宇宙空間(Tactically Responsive Space: TacRS)」ミッションの次なるミッションとして、「VICTUS HAZE」に取り組む。VICTUS HAZEは、TacRSの更なる進展を可能にする商業能力を特定及び構築することを目指すもので、宇宙サファリ・プログラム局によるTacRSミッション「VICTUS NOX」に続くもの。VICTUS NOXは、軌道上の運用を従来よりも大幅に短期間で始動、確立することを目指す。VICTUS HAZEは、商業能力を活用してエンド・トゥ・エンドの実行を実現することに焦点を当てている。 Defense Innovation Unit “Protecting U.S. Space Capabilities: Defense Innovation Unit and U.S. Space Force Leverage Commercial Industry to Provide Tactically Responsive Space Solutions” (8/23/23)

エネルギー省、社会的に少数派のコミュニティにおけるクリーンエネルギー・イノベーションを支援するプライズ・コンペを開始

エネルギー省(Department of Energy)は8月29日、コミュニティ・エネルギー・イノベーション・プライズ(Community Energy Innovation Prize)を開始した。気候及びエネルギー技術の資金受益で歴史的に少数派となるコミュニティのイノベーションやアントレプレナーシップ、能力強化、経済開発を支援する組織に、最高750万ドルの賞金とメンターシップ機会を提供するコンペである。コミュニティ・エネルギー・イノベーション・プライズは、エネルギー省の包含的エネルギー・イノベーション・プライズ(Inclusive Energy Innovation Prize)とコミュニティ・クリーン・エネルギー同盟プライズ(Community Clean Energy Coalition Prize)の後継プログラムであると同時に、バイデン=ハリス政権の「正義40(Justice40)」イニシアチブを支援する。コミュニティ・エネルギー・イノベーション・プライズには、クリーン・エネルギー・エコシステム・トラック(Clean Energy Ecosystem Track)、製造エコシステム・トラック(Manufacturing Ecosystem Track)、大学トラック(Collegiate Track)の3つのトラックがある。いずれのトラックも3つのフェーズで競い、最初のCONCEPTフェーズで最大34チームが選出され、最初の賞金を受益する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Launches Prize to Support Clean Energy Innovation in Underserved Communities” (8/29/23)

エネルギー省、送配電の許認可をスピードアップさせるため、3億ドルを発表

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は8月29日、送配電の立地や許認可プロセスを加速及び強化することを目的として、最高3億ドルのグラントを州政府、部族政府、地方自治体に提供する資金提供公募(FOA)を発表した。バイデン政権による歴史的な気候及びクリーン・エネルギー目標を達成する一助とする。これは、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)の資金拠出を受け、エネルギー省のグリッド配備局(Grid Deployment Office)が運営管理する「送配電の立地及び経済開発(Transmission Siting and Economic Development: TSED)」グラント・プログラムで、州や地方自治体が送配電能力を拡大する上で直面する課題を克服しつつ、電線の新設及び改良でコミュニティを支援することを意図した新たなイニシアチブである。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $300 Million to Speed Up Transmission Permitting Across America as Part of Investing in America Agenda” (8/29/23)

USPTO、AIを使って先行技術調査を向上させることを検討

米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は、特許プロセスにおいて、人工知能(AI)を使って先行技術(prior art)の調査を向上させるというアイデアを検討している。USPTOが発表した「情報の要請(request for information: RFI)」によれば、発明の新規性を評価するために公共の情報を収集する先行技術調査は、特許の審査プロセスで重要な要素であり、「信頼できる特許権を付与する」というUSPTOのミッションにとって重要である。しかし、先行技術の飛躍的な増加と、技術イノベーションの驚くべきペースにより、最も関連性のある先行技術を迅速に見つけることはより困難になっている。USPTOは今回のRFIを通じて、AIや機械学習といった技術を活用して、既存の特許検索システムの結果を拡大、順位付け、分類することで、それ以外の方法では検索結果リストの上位に表示しないかもしれない先行技術を審査官が利用できるようにするソリューションについて、情報を求めている。 Fedscoop “US Patent Office eyes using AI to improve ‘prior art’ searches” (8/29/23)

エネルギー省、科学的ソフトウェアの開発と使用に関する科学について報告

エネルギー省(Department of Energy)は、2021年12月に開催された「科学的ソフトウェアの開発と使用に関する科学(Science of Scientific-Software Development and Use)」会議に基づき、今般、「科学的ソフトウェアの開発と使用に関する科学:ソフトウェアへの投資は科学への投資(The Science of Scientific Software Development and Use: Investment in Software is Investment in Science)」と題する報告書を発表した。報告書には、作業部会(会議)の一環として、選出された3つの「優先的研究の方向性(Priority Research Directions: PRDs)」と3つの重要な横断型テーマ(crucial crosscutting themes)が記載されている。PRD1は、「デベロッパーの生産性とソフトウェアの持続可能性を強化する次世代ツールの開発」、PRD2は、「チーム・ベースの科学的ソフトウェアの開発と使用を総合的に向上させる手法とツールの開発」、PRD3は、「信頼できるソフトウェア集約型科学のための手法とツールとインフラの開発」となっている。また、分野横断型のテーマとして、「科学的ソフトウェアの開発と使用を向上させる方法についてより良い理解を得るには、人間と技術的要素の双方を考慮する必要がある」などが挙げられている。 HPC wire “DOE Report on The Science of Scientific Software Development and Use” (8/21/23)

エネルギー省、全国的な脱炭素努力を支援するため、二酸化炭素輸送システムの構築に資金を提供予定

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は8月25日、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)を通じて資金拠出される「二酸化炭素輸送インフラの資金とイノベーションの将来成長グラント(Carbon Dioxide (CO2) Transportation Infrastructure Finance and Innovation (CIFIA) Future Growth Grants)」プログラムの公募(FOA)を行う意向通知(notice of intent: NOI)を表明した。CIFIA将来成長グラントは、米国内で二酸化炭素排出を削減する一助となる二酸化炭素輸送インフラの拡大に焦点を当てるプログラムである。米国の炭素輸送システムは既に大規模に行われており、今後の炭素捕獲プロジェクトによる二酸化炭素の大規模な捕獲と貯留も見込まれている。炭素捕獲・貯留業界の急速な成長に対応するには、二酸化炭素を輸送するインフラを大幅に拡大する必要がある。このFOAは2023年第4四半期に行われる見込みである。 Department of Energy “DOE Announces Intent to Fund Buildout of a Carbon Dioxide Transportation System to Support National Decarbonization Efforts” (8/25/23)

PCAST、国家ナノテクノロジー・イニシアチブに関する第7次評価報告を発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は8月18日、「国家ナノテクノロジー・イニシアチブに関する第7次評価(The Seventh Assessment of the National Nanotechnology Initiative)」と題する報告書を発表した。国家ナノテクノロジー・イニシアチブ(NNI)は、2003年の発足以来、マイクロエレクトロニクスやmRNAワクチン、次世代エネルギー技術の開発の原動力となっている。評価報告書は、NNIの成功と、成熟したこの分野の広範な該当性を反映する形で、連邦ナノテクノロジーの調整について3つの主要な勧告を提示している。それらは、①大統領は議会と協力し、21世紀ナノテクノロジー研究開発法(21st Century Nanotechnology Research & Development Act)の終了もしくは大幅な見直しに取り組むこと、②大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)長官は大統領府国家科学技術会議(National Science and Technology Council: NSTC)の事務局長(Executive Director)と協力し、ナノスケール科学工学技術小委員会にナノテクノロジー戦略の計画・実践・広報に関する連邦調整のリーダーシップを継続するよう指示すること、などが含まれる。 White House “PCAST Releases Report Outlining Seventh Assessment of the National Nanotechnology Initiative” (8/18/23)

エネルギー省、クリーンエネルギー研究開発を推進する中小企業に1億2,600万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月25日、クリーンエネルギー及び脱炭素化、サイバーセキュリティ及びグリッドの信頼性、核融合エネルギー、核不拡散などエネルギー省のミッション分野に対処するプロジェクトに取り組む90の中小企業に106件のアワード(合計1億2,600万ドル)を提供すると発表した。106件のグラントが提供される90社は27州に及ぶ。今回選出されたのは、エネルギー省の中小企業技術革新制度(SBIR)及び中小企業技術移転制度(STTR)のフェーズIIの研究開発プロジェクト。アワードの平均は1件あたり1~2年間で110万ドルとなっている。 Department of Energy “DOE Announces $126 Million for Small Businesses to Pursue Clean Energy Research and Development” (8/25/23)

NIST、量子コンピュータによる攻撃に抵抗できる暗号アルゴリズムを標準化へ

昨年、量子コンピュータの攻撃に抵抗できることを意図した4つのアルゴリズム(CRYSTALS-Kyber、CRYSTALS-Dilithium、SPHINCS+、FALCON)を選択した米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、これらのアルゴリズムを標準化するプロセスを開始した。これは、世界中の組織がこれらの数学的ツールをそれぞれの暗号化インフラに統合できるようにするための最終ステップとなる。NISTは8月24日、昨年選出した4つのアルゴリズムのうちの3つについて標準の草案を発表し、世界中の暗号化技術コミュニティからのフィードバックを要請した(締め切りは11月22日)。残りの1つのアルゴリズム(FALCON)の標準の草案は1年以内に発表される予定である。また、NISTはこの4つ以外にも、新たに複数のアルゴリズムを選択しており、作業は継続される。 National Institute of Standards and Technology “NIST to Standardize Encryption Algorithms That Can Resist Attack by Quantum Computers” (8/24/23)