エネルギー省、電力グリッド現代化に、州政府及び部族国家に1億2,500万ドルを発表

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は9月5日、「グリッドの対応力に関する州政府と部族向け公式グラント(Grid Resilience State and Tribal Formula Grants)」として合計1億2,500万ドルを受益する第7次コホートを発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)の資金拠出を受けて行われ、エネルギー省のグリッド配備局(Grid Deployment Office)が運営管理する。第7次コホートには、7州と5つの部族国家が含まれる。2023年5月以来、エネルギー省はこのグラントを通じて5億8,050万ドルを配分している。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $125 Million in Grid Resilience Grants for States and Tribal Nations to Modernize Electric Grid” (9/5/23)

DARPA、海上のスムーズな航行を目的とした「DRAG」プログラム開始

船舶やボート、無人水中車両(uncrewed underwater vehicles: UUVs)は、海面を進む際、水面が船体に接することによる摩擦や波を原因とするドラッグ(抵抗)を経験する。海水が船体の周囲を動きまわるのにあわせて、穏やかな層流が混沌とした乱流へとなってドラッグは高まり、車両は乱流状態の中で加速するために更なるパワーを必要とする。こうしたドラッグの影響を克服することを目的として、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、「ドラッグを軽減する設計幾何学(Drag Reducing Architected Geometries: DRAG)」プログラムを発表した。DRAGプログラムは、走行中及び完全な乱流状態でのドラッグを軽減することを目的として、船舶及びUUVの船体の最適な形状及び表面の特性を作り出すことを目指す。これによって、速度と耐久性が増すと同時に、使用燃料及び排出が削減されると期待されている。プログラムは、様々なマテリアルの構造や形状、塗装について研究し、海水が船体と接触する際の摩擦を低減することに取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “Slipping Smoothly Through the Sea” (9/8/23)

DARPAのPOWERプログラム、電力ビームの伝達を設計するチームを選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「光学無線による継続的なエネルギー伝達(Persistent Optical Wireless Energy Relay: POWER)」プログラムの第一フェーズに入る。本プログラムは、空中での無線電力移送を通じてエネルギーの分配に革命をもたらすことを狙いとしている。今回、RTX社(RTX Corporation)、ドレーパー研究所(Draper Laboratory)、BEAM社(BEAM Co.)の3チームが選出され、光学無線による電力伝達の設計及び開発に取り組む。高速エネルギー・ネットワークは、国防において決定的な優位をもたらす可能性がある。現在、実用的で柔軟で適用力のある無線エネルギー・ウェブにとって必要な「効果的な伝達」が欠けている。複数の中継装置を経由させるマルチホップ・ネットワーク上で繰り返し伝播波を電力に変換する際に生じる転換損失は容認しがたく、効果的な伝達によってこれを克服することができる。第一フェーズには、重要技術のベンチトップ実証が含まれ、20カ月間にわたって行なわれる見込みである(更に3か月延長の可能性を含む)。 Defense Advanced Research Project Agency “POWER Program Selects Teams to Design Power Beaming Relays” (9/7/23)

特別競争プロジェクト(SCSP)、秋期報告書を発表

特別競争プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)は9月12日、秋期報告書「生成AI:イノベーション力の未来(Generative AI: The Future of Innovation Power)」を発表した。報告書は、生成AIの短期的な意味合いと、急速に変化する状況に適応するための勧告について、米政府上級高官へ当てたメモの形式で書かれ、6つの文書で構成されている。これらのメモは、イノベーション力、経済、ガバナンス、防衛、外交政策、諜報に関連する生成AIに焦点を当てたもので、先週、個別に発表された。SCSPのCEO兼社長のイリ・バジュラクタリ氏(Ylli Bajraktari)は、「米中間の戦略的競争は、現在の世界的な政局を特徴づける要素である。米国は、国家競争力のために生成AIの育成に向けて今こそ行動すべきである」と述べる。 Special Competitive Studies Project “Special Competitive Studies Project Releases Fall Report” (9/12/23)

米空軍、原子力発電所のパイロットのための高速マイクロリアクターを選出

米空軍(U.S. Air Force)がアラスカ州のエイールソン空軍基地(Eielson Air Force Base)に計画している初の原子力マイクロリアクターは、オクロ社(Oklo)の液体金属冷却高速リアクターとなる予定である。国防後方支援局(Defense of Logistics Agency: DLA)は、空軍省(Department of Air Force: DAF)の代理として、8月31日、カリフォルニア州サンタクララを拠点とする原子力技術企業、オクロ社のオーロラ・パワーハウス(Aurora Powerhouse)をエイールソン空軍基地のパイロット事業の対象に選出し、先端原子力エネルギー技術のパイロットを実施するため、30年間の費用固定契約を同社へ発注する可能性へ向けた調達プロセスを開始することを記した「アワード意向通知(Notice of Intent to Award: NOITA)」を発表した。2019年度の国防承認法(2019 National Defense Authorization Act)の要件に基づき、DAFの「マイクロリアクター・パイロット・プログラム(Micro-Reactor Pilot Program)」は、長期的な電力購入契約の下、一つの空軍基地に電力を供給するために認可されたマイクロリアクターを、2027年12月31日までに少なくとも1基、構築、運用することを目指している。DAFは2021年10月に、最初のマイクロリアクター拠点としてエイールソン空軍基地を選出していた。 Power “U.S. Air Force Selects Fast Microreactor for Nuclear Power Pilot” (8/31/23)

エネルギー省、重要マテリアルの国内サプライチェーン強化に1億5,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月6日、米国内で重要鉱物及びマテリアルを生産するために、コスト効果に優れ、環境的に責任のあるプロセスを進展させることを目的として、最高1億5,000万ドルの資金を提供すると発表した。資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出され、増大する重要鉱物及びマテリアルの需要に対応し、海外からの供給への依存を軽減する助けとなる。今回発表された資金提供公募(FOA)「重要マテリアルのイノベーションと効率性と代替(Critical Material Innovation, Efficiency, and Alternatives)」では、具体的に、①国内で重要鉱物及びマテリアルの新規供給開発につながる技術またはプロセス、②重要鉱物及びマテリアルを抽出する際に生じる廃棄の一部であるその他のマテリアルから付加価値製品を創出する、③重要鉱物及びマテリアルの抽出・生産・分離・加工に関する低コストで環境的に責任のある次世代技術、などを目的とした研究開発実証プロジェクトを支援する。応募者は、提案するプロジェクトによる社会的検討事項及び影響にも対処する必要がある。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $150 Million to Strengthen Domestic Critical Material Supply Chains” (9/6/23)

NIST、新興技術の標準開発戦略に関する意見を募集

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、新興技術の標準開発に関するバイデン政権の米国の関与戦略を実践する方法について、パブコメを募集する。NISTは今般、「重要及び新興技術に関する米政府の国家標準戦略の実践に関する情報の要請(Request for Information on Implementation of the United States Government National Standards Strategy for Critical and Emerging Technology)」を通達した。大統領府が5月に発表した「重要かつ新興技術に関する国家標準戦略(National Standards Strategy For Critical And Emerging Technology)」は、人工知能(AI)や量子情報技術、半導体といった技術の国際標準開発の取り組みへの支援を概説し、そのプロセスにおける米国のリーダーシップの重要性を強調している。NISTは今回のパブコメを通じて、新興技術の標準開発に関する米国の関与を強化することに伴う利点とリスク、こうした開発に参加する際に民間部門が直面する課題、といったトピックについて意見を収集する。 FEDSCOOP “NIST to seek input on White House strategy for emerging tech standards development” (8/30/23)

エネルギー省、水力発電の継続的導入強化に1,300万ドル以上を投資

エネルギー省(Department of Energy)は9月6日、水力発電の進展に焦点を当てた7件の研究開発プロジェクトに1,300万ドル以上を投資すると発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの資金拠出を受けて実施されるもので、現在、発電を行っていないダムで水力発電を行うための技術を進展させ、揚水式発電(pumped storage hydropower: PSH)の拡大を加速させる。選出された7件のプロジェクトは、①現在、非発電となっているダムを、環境的に持続可能な発電インフラと共に改良する技術の開発(2件)、②PSHの導入を加速する技術の進展及び開発(3件)、③エネルギー省の水力発電技術局(Water Power Technologies Office)と広範囲な関与をしていない新興組織による水力研究開発(2件)に焦点を当てている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests More Than $13 Million to Enhance Continued Deployment of Hydropower” (9/6/23)

IARPA、大規模言語モデルの脆弱性軽減ツールに関するイベントを実施へ

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は、人工知能(AI)や機械学習ツールをサポートする大規模言語モデル内の脆弱性と脅威に対処するツールの有用性を分析するため、新たな契約形態を考案している。IARPAが8月25日に発表した募集前通知(pre-solicitation notice)は、「バイアスの影響と顕著な生成AIの限界(Bias Effects and Notable Generative AI Limitations: BENGAL)」と称される研究開発調達と10月24日にワシントンDCで予定されているプロポ―ザー・デーのイベント計画を詳述している。通知は、「BENGALの目標は、大規模言語モデルの脅威状況について理解し、それらを定量化し、脆弱性と脅威に対処するか、不完全なモデルで柔軟に対応する方法を見つけることであると述べる。プロポ―ザー・デーでは、5分間を上限としてプロジェクトに整合する能力を強調するライトニング・トークが最大20件行われる計画である。 Nextgov “IARPA teases event for large language model vulnerability mitigation tools” (8/29/23)

エネルギー省、地層水素の可能性の模索に2,000万ドルを発表

最近、自然に累積された地下の水素(「地層水素(geologic hydrogen)」と呼ばれる)に関心が見られることから、エネルギー省(Department of Energy)は9月7日、費用と環境への影響が最も少ない形で地下での水素生産を促進できる技術の開発に、最高2,000万ドルを提供すると発表した。本件は、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)による地層水素の予備的トピック(Geologic Hydrogen Exploratory Topic)で、この予備的トピックの下で2件の資金提供公募(FOA)が発表された。一つは、「予備的トピックG:鉱物学的プロセスの促進を通じた地層水素の生産(Exploratory Topic G: Production of Geologic Hydrogen Through Stimulated Mineralogical Processes)」で、地下に存在する鉱床を基にした水素生産を促進する技術を模索する。もう一つは、「予備的トピックH:水素貯留地管理のための地下工学(Exploratory Topic H: Subsurface Engineering for Hydrogen Reservoir Management)」で、地層水素の抽出に関連する技術に焦点を当てている。hon地層水素予備的トピックは、最も困難な業界を脱炭素化するのに十分な水素の生産につながる可能性がある。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $20 Million to Explore Potential of Geologic Hydrogen” (9/7/23)