NIH、人間の健康と疾病に関する「マルチ・オミクス」研究に5,030万ドルを提供

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、「健康と疾病のためのマルチ・オミクス・コンソーシアム(Multi-Omics for Health and Disease Consortium)」を設立し、コンソーシアムの初年に約1,100万ドルを提供する。この新たなコンソーシアムは、人間の健康に関する研究を目的として、複数の「オミクス」データの生成と分析を進展させることを狙いとしている。「マルチ・オミクス」とは、ゲノミクス(genomics)、エピゲノミクス(epigenomics)、トランスクリプトミクス(transcriptomics)、プロテオミクス(proteomics)、メタボロミクス(metabolomics)など、異なる「ミクス」研究分野のデータ種を統合する研究手法のことを指す。参加者個人の生物学的サンプルから複数の種類のデータを統合することで、人間の健康と疾病にかかわる分子的因子や細胞的プロセスについてより全体的な見方を得ることが可能になる。コンソーシアムには、5年間で約5,030万ドルが提供される予定(資金の有用性次第)。 National Institutes of Health “NIH awards $50.3 million for “multi-omics” research on human health and disease” (9/12/23)

国防総省、2023年サイバー戦略要旨を発表

国防総省(Department of Defense)は9月12日、機密文書「2023年サイバー戦略(2023 Cyber Strategy)」の非機密要旨を発表した。2023年サイバー戦略は、国防総省が5月に議会へ提出したもので、2022年国家安全保障戦略(2022 National Security Strategy)、2022年国家防衛戦略(2022 National Defense Strategy)、2023年国家サイバーセキュリティ戦略(2023 National Cybersecurity Strategy)の優先事項の実施において基本となる文書である。米国は、サイバー空間で、多様かつ増大的な脅威に直面しており、本戦略は、総合的な抑止を支援するためにサイバー能力を最大限に活用し、国家のパワーにおけるその他の手法・手段と協調させながらサイバー空間の運営に取り組む方法を概説している。 Department of Defense “DOD Releases 2023 Cyber Strategy Summary” (9/12/23)

大統領府、8社からAIリスク管理に向けた自発的コミットメントを取り付け

バイデン政権は発足以来、人工知能(AI)が呈するリスクを管理するため、AIの規制措置に取り組みつつ、大手AI企業と共に責任あるAIの進展のためのステップを講じており、7月には大手AI企業7社から、安全でセキュアで信頼できるAIの開発を進展させる助けとなることに自発的コミットメントを取り付けた。9月12日には、新たに8社がこの自発的コミットメントを表明した。新たに表明したのは、アドビ(Adobe)、コーヒア(Cohere)、IBM、エヌビディア(Nvidia)など8社で、①製品が市場化される前にそれが安全であることを確実にする、②「セキュリティ第一」のシステムを構築する、③公共の信頼を得る、ことにコミットする。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Secures Voluntary Commitments from Eight Additional Artificial Intelligence Companies to Manage the Risks Posed by AI” (9/12/23)

マイクロソフト社、炭素排除の新たな手法に資金提供へ

9月7日、マイクロソフト社(Microsoft)が、石灰岩の特性を生かして大気中の二酸化炭素を排除する炭素捕獲技術の開発に取り組んでいるスタートアップ企業のエアルーム・カーボン社(Heirloom Carbon)に資金提供することが明らかになった。マイクロソフト社はエアルーム・カーボン社から今後10年間で、約2億ドルに相当する炭素クレジットを購入する。同社の直接空気回収(ダイレクト・エアー・キャプチャー、Direct Air Capture: DAC)プロセスは、加工した石灰岩を使って大気から二酸化炭素を取り除くもので、その後、炭素は石灰岩から排除されて地下もしくはコンクリート内に貯蔵される。マイクロソフト社は、2030年までに炭素ネガティブとなる誓約をしている他、2050年までに同社が生産してきた全ての炭素の支払いをすることにコミットしている。エアルーム・カーボン社のルイジアナ州にある施設は先月、エネルギー省(Department of Energy)から最高6億ドルの資金を受益する対象として選出された。 The Hill “Microsoft funding new approach for carbon removal” (9/7/23)

2023年におけるソーラー発電設置は史上初めて30ギガワットを超える見込み

ソーラー・エネルギー業界協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)とウッド・マッキンゼー社(Wood Mackenzie)は9月7日、「2023年第3四半期の米国ソーラー市場洞察(U.S. Solar Market Insight Q3 2023)」を発表した。それによれば、米国内では、2023年に32ギガワット(GW)の新たな発電能力が国内に設置される見込みである。これは前年比52%増となる。ソーラー市場は近年、新型コロナのパンデミックを原因とするサプライチェーン問題が足かせとなり、制限的な貿易政策によって悪化している。しかし、こうした課題が軽減し始め、インフラ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)における政策が実行されることから、全体的なソーラー発電能力は、現在の153GWから、2028年には375GWに増加すると、ウッド・マッキンゼー社は予測している。「米国は現在、世界的なクリーン・エネルギー経済で支配的なプレイヤーであり、フロリダやテキサス、オハイオ、ジョージアといった州は、この雇用成長と経済繁栄の最前線にいる」と、SEIAの社長兼最高経営責任者は語る。 Solar Energy Industries Association “Solar Installations in 2023 Expected to Exceed 30 GW for the First Time in History” (9/7/23)

サムソン社、テキサス大学の半導体エコシステムに370万ドルのコミットメントを発表

サムソン・オースティン・セミコンダクター社(Samsung Austin Semiconductor)は9月1日、テキサス大学(University of Texas: UT)によるテキサス州中央部の半導体エコシステムに370万ドルの投資を発表した。サムソン社は、「この資金は、テキサス州中央部の半導体エコシステムを強化する」とした。この発表は、業界や学術機関、政府高官、学生が集い、半導体業界や、大学構内で行われる革新的研究、テキサス州が半導体製造におけるリーダーシップを継続する機会について議論するUT半導体デー(Semiconductor Day)の中で行われた。UTによれば、パートナーシップには、UTの工学スクール(Cockrell School of Engineering)などで半導体製造について研究する大学生や大学院生をリクルート及び支援することや、研究開発支援、ラボ施設の改良のための資金が含まれる。 kxan “Samsung announces $3.7 million commitment to UT for ‘semiconductor ecosystem’” (9/1/23)

シーメンス財団、電気自動車充電部門における労働力開発促進イニシアチブを立ち上げ

シーメンス財団(Siemens Foundation)は9月6日、電気自動車(EV)の充電部門における包含的な労働力を促進するため、10年間で3,000万ドルを投じる「全ての人を充電の将来へ(Everyone Charging Forward)」と称するプログラムを開始すると発表した。「全ての人を充電の将来へ」は、EV充電部門の急速な成長によって業界内で有技能労働者の需要が大幅に高まっていることへの対応として創出された。シーメンス財団は、この労働力開発イニシアチブを通じて、あらゆる背景を持つ個人が職への公平なアクセスを得られることを確実にし、米経済の脱炭素化と強化に有意義な貢献をすることを目指す。シーメンス財団は全国知事協会(National Governors Association: NGA)及び全国都市研究所リーグ(National League of Cities Institute: NLC)と協力し、より包含的なEV充電労働力の開発に関するベスト・プラクティスの中央ハブを構築する。また、ノースカロライナ教育ビジネス委員会(North Carolina Business Committee for Education: NCBCE)と電気自動車インフラ訓練プログラム(Electric Vehicle Infrastructure Training Program: EVITP)と提携して、社会的に少数派となっているコミュニティの人々がEV充電部門で良好賃金の技術系職にアクセスできる経路を創出することに取り組む。 Siemens Foundation “Siemens Foundation launches $30 million initiative to drive inclusive workforce development in the electric vehicle charging sector” (9/6/23)

エネルギー省、クリーンエネルギー・ソリューション業界の関与と調整を支援するため1,500万ドル以上を発表

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は9月7日、「重要技術産業の協調的調整に関するラボ・コール(Collaborative Alignment for Critical Technology Industries Lab Call)」から2件のプロジェクトに1,550万ドルを提供すると発表した。2件のプロジェクトは、国立研究所主導で、業界と関係機関による作業部会を確立し、業界全体における導入上の課題を協調的に特定し、その解決を目的とした勧告とベストプラクティスを策定し、その実践を開始する。選出されたのは、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)がアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)などと協力して取り組む「長期的なエネルギー貯留技術の進展のための全国コンソーシアム(National Consortium for the Advancement of LDES Technologies)」と、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)がアルゴンヌ国立研究所、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)などと協力して取り組む「クリーン水素技術の協調的調整(Clean Hydrogen Technology Alignment Cooperative: CHyTAC)」コンソーシアムの2件。 Department of Energy “DOE Announces Over $15 Million Towards Two Projects to Support Industry Engagement and Alignment …
Read more

ORNL、国立研究所発技術とアントレプレナーを結びつけるプログラムを開始

オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は、新しいアントレプレナー・スタートアップ・プログラム「サファリ(Safari)」を開始した。これは、エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions)による「技術の商業化加速慣行(Practices to Accelerate the Commercialization of Technologies: PACT)」プログラムに続くスタートアップ・プログラムである。サファリ・プログラムは、出口(exit)後のアントレプレナー(少なくとも1つの企業を立ち上げたアントレプレナー)を、世界的な科学専門家によって開発され、商業的に該当性のある技術と結びつけ、それによって新規ビジネスの基盤の提供につなげることを模索する。ORNLは、研究所の研究開発ミッションを通じて開発され、製造、エネルギー及びユーティリティ、マテリアル、科学、分析機器、輸送における応用が可能な数百件のイノベーションのポートフォリオを持っている。 Oak Ridge National Laboratory “New program to connect entrepreneurs with national laboratory-developed technologies” (9/8/23)

NETL、CO2_T_COM輸送コスト・モデルの更新版を発表

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は、業界の意思決定者や計画立案者、研究者が、二酸化炭素の捕獲場所から地下の貯留所もしくは有益な製品に転換される場所までパイプラインで移送する際の費用を計算する助けとなるオープン・ソース・ツールの更新版を発表した。ツールは、エネルギー省(Department of Energy)化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)の支援を受けて作成されたもので、「FECM/METL 二酸化炭素輸送コスト・モデル(FECM/NETL CO2 Transport Cost Model: CO2_T_COM)」として知られている。エクセルをベースとしたツールで、液体状態の二酸化炭素をパイプラインで輸送する際の売上や資本、運用及び資金調達費用を試算することができる。 National Energy Technology Laboratory “NETL RELEASES UPDATED VERSION OF CO2_T_COM TRANSPORT COST MODEL” (9/7/23)