エネルギー省、エネルギー・コミュニティに労働力開発機会を提供するため350万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は8月25日、国内の地域コミュニティが既存のエネルギー資産を別の目的で再利用するためのロードマップを作成できるよう支援するため、最高350万ドルの連邦資金が有用であると発表した。これは、「エネルギー資産の再利用のための能力強化(Capacity Building for Repurposing Energy Assets)」イニシアチブで、地域経済の大部分が伝統的に石炭や石油、天然ガス発電施設やインフラなどのエネルギー資産によって支えられてきたコミュニティが、エネルギーシステムの活性化や環境への影響への対処、エネルギー資産の閉鎖に伴う課題への対策に必要とされる技術能力を強化し、労働力を開発することを支援する。「エネルギー資産の再利用のための能力強化」イニシアチブは、ENERGYWERXがDOEとのパートナーシップによって管理運営している。 Department of Energy “DOE Announces $3.5 Million to Provide Workforce Development Opportunities in Energy Communities” (8/25/23)

エネルギー省、国内の航空機、鉄道、船舶を電気化する高エネルギー貯留ソリューションの開発に3,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月1日、航空、鉄道、海上輸送部門の電気化を加速させる一助として、次世代の高エネルギー貯留ソリューションの開発に最高3,000万ドルの資金を発表した。エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が管理する「鉄道と海上と航空機の電気化の開拓(Pioneering Railroad, Oceanic and Plane Electrification: PROPEL-1K)」プログラムで、1,000ワット時/1キログラム(1,000 Watt-hour per kilogram (Wh/kg))及び1,000ワット時/1リットル(1,000 Watt-hour per liter (Wh/L))のエネルギー密度の貯留システムの開発を目指す。輸送部門は、米国内の年間の温室効果ガス(GEG)排出全体の約29%を占める。普通自動車及び小型商業車両が、輸送部門のGHG排出の58%を占めており、電池駆動型の電気自動車は多くの用途において低排出ソリューションとして台頭しつつある。輸送部門のGHG排出の残りの42%は、長距離トラック(23%)、航空(8%)、鉄道(2%)、海上(3%)で、電池及び燃料電池は潜在的なソリューションであるが、大型車両や船舶、航空機においては、現行及び予想されている次世代の電気エネルギー貯留技術で達成可能な最大エネルギー密度は現時点では低すぎる。PROPEL-1Kは、既存の最先端選択肢に比べて格段に優れた改良を達成するため、エネルギー貯留に関する代替手法を模索する。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $30 Million to Develop High-Energy Storage Solutions to Electrify Domestic Aircraft, Railroads & Ships” (9/1/23)

バイデン政権、電気自動車への移行、既存工場の改良、既存労働者の再雇用支援に155億ドルを発表

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は、現行の工場を改良して電気自動車(EV)対応へ移行させ、良質の雇用とEVへの正しい移行を支援することに主たる焦点を当てた一連の資金及び融資(合計155億ドル)を発表した。その主な内訳は次の通り。①米国の製造工場をEV及び部品の製造工場へと転換することを促進するため、国内製造転換グラント(Domestic Manufacturing Conversion Grant)として20億ドルの資金提供公募(FOA)を発表した。②「先端技術自動車製造融資プログラム(Advanced Technology Vehicles Manufacturing Loan Program)」として、現在、製造施設の拠点となるコミュニティで質の高い雇用を維持するための自動車製造転換プロジェクトに最大100億ドルの融資を発表した。③電気自動車向け電池及びグリッドの国内製造の拡大、現在海外から輸入されている電池マテリアル及び部品の国内サプライチェーンの強化に35億ドルを提供することを計画した「意向通知(Notice of Intent: NOI)」を発表した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $15.5 Billion to Support a Strong and Just Transition to Electric Vehicles, Retooling Existing Plants, and Rehiring Existing Workers” (8/31/23)

商務省実施のテック・ハブに378件の応募書類提出

商務省(Department of Commerce)の経済開発局(Economic Development Administration: EDA)は、地域技術及びイノベーション・ハブ(Regional Technology and Innovation Hubs)(通称「テック・ハブ(Tech Hubs)」)のフェーズ1に関する競争的公募で、数百件の申請書を受理したと発表した。本件は、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の重要な要素である。テック・ハブのフェーズ1は、米国内の地域にテック・ハブを指定し、業界や高等教育機関、研究所、州及び地方自治体、経済開発機関、労働力パートナーを結集させて技術イノベーションのエコシステムを活性化させることを狙いとする。また、フェーズ1では別途、将来のテック・ハブ開発を加速させることを目的として、約1,500万ドルの戦略的開発グラントを提供する。今年後半には、テック・ハブに指定された応募機関を対象に、実践のためのグラントについて、フェーズ2の募集が行われる予定である。地域技術及びイノベーション・ハブのフェーズ1は、2023年5月12日から8月15日の応募期限までの間に、合計378件の応募申請書が提出された。そのうち28%は、テック・ハブ指定への応募、22%は戦略的開発グラントへの応募、50%は双方への応募となっている。EDAは、少なくとも20件のテック・ハブ指定を行い、約30件の戦略的開発グラント(1,500万ドル)の提供を決定する予定である。 Economic Development Administration “Biden-Harris Administration’s Tech Hubs Competition Applications Show Nationwide Excitement for Investing in America’s Technological Future’” (8/30/23)

クルーズ社、シアトルとワシントンDCでロボタクシーの事業へ

ゼネラル・モーターズ社(General Motors: GM)の子会社で自動運転車会社のクルーズ社(Cruise)は8月28日、ワシントン州シアトルとワシントンDCの2都市で、手動によるデータ収集を開始したと発表した。両都市で商業サービスを開始するための最初の一歩となる。データ収集は、地元の運転環境や気候などについて情報を収集するため、ロボタクシーを手動で走行させて行う。次のステップは、都市のマッピングである。同社は8月中旬に、本社があるサンフランシスコ市で、ドライバーレスのロボタクシー・サービスを24時間商業的に実施するための許認可をカリフォルニア州から取得していたが、その後の数週間に複数の事故が発生し、州の規制当局から市内を走行するロボタクシーの車両を即時半減するよう要請されていた。こうした中での、シアトル市とワシントンDCという両海岸都市への活動拡大となる。クルーズ社が両都市でのドライバーレス試験走行について許認可を取得したか否かは不明である。同社は両都市の他、ジョージア州アトランタ、ドバイなど、世界の16都市で、マッピング、試験走行、自動運転車の導入を行っており、その中には日本も含まれる。 Tech Crunch “Cruise is bringing its robotaxis to Seattle and Washington, DC” (8/28/23)

OMB、「米国製」の条項に関する最終ガイダンスを発表

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は8月14日、連邦の資金援助を使って行われるインフラ・プロジェクトの要件に関する最終ガイダンスを発表した。最終ガイダンスは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)に基づくもので、同法には、「ビルド・アメリカ、バイ・アメリカン法(Build America, Buy America Act)」が含まれている。ガイダンスは連邦省庁の長官宛てで、「連邦資金によって行われるプロジェクトは、鉄、鋼鉄、製造品、プロジェクトに使用される建設資材が、米国内で製造されたものでない場合は、連邦資金の提供は行われない」ことを確実にすることを目的としている。ガイダンスは、「米国内で製造されたもの」について具体的な定義を示しており、例えば、鉄及び鋼鉄は、「初期の溶融段階から塗装までの全ての製造プロセスが米国内で行われること」とし、製造品については、「米国内で製造され、米国内で採鉱、生産、製造された部品の費用が製造品の全ての部品の総費用の55%以上であること」などとしている。また、「インフラ」についての詳細な定義なども提示している。 SSTI “OMB issues final guidance on Made in America provisions” (8/31/23)

エネルギー省、二酸化炭素排除のイノベーションに130万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は8月28日、大気から二酸化炭素を直接排除することで二酸化炭素汚染を軽減する技術の商業化プログラムへ向けて、合計130万ドルを受益する13件のセミファイナリストを発表した。これは、「イノベーション・クラスターのための直接空気回収エネルギー・プログラム・プライズ(DAC (direct air capture) Energy Program for Innovation Cluster Prize)」で、画期的なDAC技術を支援するため、エネルギー省が主催し、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)の資金拠出を受けて実施されている賞金コンペの一つ。今回選出されたセミファイナリストは各10万ドルの賞金を受け取り、次の段階である「動かす(Move It)」フェーズ(ソリューション実施へ向けた実証)へ進む資格を得る。そしてMove Itフェーズの勝者は、最終段階の「証明する(Prove It)」フェーズ(ソリューション実践の成功を実証する)へ進む。 Department of Energy “DOE Announces $1.3 Million Toward Innovations in Carbon Dioxide Removal” (8/28/23)

エネルギー省、重要鉱物の国内サプライチェーン強化を目的として3,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月21日、レアアース及びその他の重要鉱物及びマテリアルを国内の石炭ベースの資源から国内生産するための費用を低減する一助として、最高3,000万ドルを提供すると発表した。資金は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。エネルギー省は、「産業及び製造用途を目的とした重要鉱物及びマテリアルの先端加工(Advanced processing of Critical Minerals and Materials for Industrial and Manufacturing Applications)」と題する資金提供公募(FOA)を発表した。このFOAは、米経済、クリーン・エネルギー、国家安全保障にとって重要な国内サプライチェーンを構築する一助として、非伝統的な資源を開拓するプロジェクトを模索する。応募者はまた、それぞれが提案するプロジェクトの社会的な考慮及び影響にも慎重に対処する必要があり、初期における積極的かつ有意義なコミュニティとの関与が重視される。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $30 Million to Build Up Domestic Supply Chain for Critical Minerals” (8/21/23)

中国は、米国の規制が厳しくなる中、密かに海外の半導体人材をリクルート

中国政府は、2018年までの10年間、潤沢な資金を得て行われていた「千人計画(Thousand Talents Plan: TTP)」プログラムの下、海外で教育を受けたエリート科学者をリクルートしていた。米国の捜査当局による科学者を対象とした捜査が行われる中、中国は密かに、新たな名称と形式で本イニシアチブを復活させていた。TTPに代わる主要プログラムは「啓発(Qiming)」と呼称され、産業・情報技術省(Ministry of Industry and Information Technology)が監督している。この改良版リクルート活動を通じて、住宅購入補助や42万~70万ドルの賞与といった恩恵が提供されている。情報筋によれば、「啓発」を通じて、半導体などの重要もしくは機密分野を含む科学技術部門から人材のリクルートが行われている。前身のプログラムとは異なり、賞の発表などは行われず、中央政府のウェブサイトにも掲載されていない。その点は本件が慎重を要する事案であることを反映している。 Reuters “Insight: China quietly recruits overseas chip talent as US tightens curbs” (8/24/23)

NSFの資金を受けた18チーム、量子規模のセンサーで人類に恩恵をもたらす研究を開始

新しいセンサーによって、いつの日か、医師が細胞内の感染を見つけたり、地質学者がショベルなどを使わずに地下に埋蔵されている鉱物を発見する日が来るかもしれない。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)から2,900万ドルの資金を受ける18の研究チームによるプロジェクトの狙いは、自然が持つ微細な量子規模の特性を生かして人間に新たな機会を創出することである。18チームは大学の研究者で構成され、NSFの「量子システムにおける変革的進展のための量子検出の取り組み(Quantum Sensing Challenges for Transformational Advances in Quantum Systems)」プログラムの下で受益する。各チームは4年間で100~200万ドルを受益し、量子の特性(もつれなど)を活かして、従来は測定不可能であったものを正確に測定するセンサー技術の開発に取り組む。 National Science Foundation “Quantum-scale sensors to yield human-scale benefits with new backing from NSF” (8/22/23)