米電力信頼度協議会(NERC)、グリッドの信頼性に対する新たなリスクとしてエネルギー政策を指摘

北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corporation:NERC)は8月21日、「2023年 電力信頼組織の信頼性リスク優先事項報告(Electric Reliability Organization (ERO) Reliability Risk Priorities Report)」を発表した。報告書は、グリッドの信頼性にとって大幅に増加し、相互依存しているリスクのトップとして、エネルギー政策を挙げている。その他の4つは、グリッドの変革、異常気象への対応力、セキュリティ・リスク、重要インフラの相互依存性性で、これらの4つのリスクは、2021年版の報告書にも含まれていたが、エネルギー政策は今回初めて追加された。立法府が脱炭素化や分散化、電気化に焦点を当てている中、エネルギー政策は早急な変化を促進すると予測されており、「全ての政策策定者と規制担当官の間、そして大型電力システムの所有者と運用者の間で、調整と協力を強化する必要があることは明白である」と報告書は結論づけている。 Utility DIVE “NERC assessment identifies new risk to grid reliability: energy policy” (8/23/23)

バイデン癌ムーンショット、APRA-Hによるエモリー大学主導のCUREITプロジェクトの開始を発表

バイデン癌ムーンショット(Biden Cancer Moonshot)は8月23日、「RNAのコード化による免疫遺伝子チューニングを介した不治の病の治療(Curing the Uncurable via RNA-Encoded Immunogene Turning: CUREIT)」プロジェクトの開始を発表した。これは、免疫システムを訓練して癌やその他の疾病に対してより効果的に戦えるようにし、最終的に生命を救うことにつながる、一般化が可能なmRNAプラットフォームを開発することを狙いとしている。CUREITは、ジョージア州のエモリー大学(Emory University)のチームが主導し、医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)から最高2,400万ドルの資金を受益する。CUREITの目標は、効果的な免疫反応(免疫細胞が腫瘍を標的、攻撃するよう促すなど)のスイッチをオンにするために利用できるmRNA及び関連技術のツールボックスを作ることである。 White House “As Part of President Biden’s Unity Agenda, Biden Cancer Moonshot Announces Launch of ARPA-H’s CUREIT Project Led by Emory University to Develop New Tools to Strengthen the Immune System and Save Lives” (8/23/23)

IARPA、ファッション・スマート衣服への取り組みを主導

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は先般、パフォーマンスし、コンピュータ化された衣服を現実のものとすることを目指す最先端のプログラムを開始した。これは、「スマート電力とネットワーク化した繊維システム(Smart Electrically Powered and Networked Textile Systems: SMART ePANTS)」プログラムで、衣服のような触り心地で、動き、機能する「アクティブ・スマート繊維(Active Smart Textiles: AST)を開発する唯一最大の投資である。このイノベーションによって、諜報コミュニティ、国防総省(Department of Defense)、国土安全保障省(Department of Homeland Security)、その他の機関は、耐久性があってすぐに着用することができ、音声や映像、ジオロケーションを記録できる衣服を利用できるようになる。競争的な「広範な官庁公示(BAA)」を通じて、SRIインターナショナル社(SRI International)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)など5つの機関に、SMART ePANTSの一次研究契約が発注された。 Office of the Director of National Intelligence “IARPA LEADS FIRST-OF-ITS-KIND EFFORT TO FASHION SMART CLOTHING” (8/22/23)

ダレス空港近郊のソーラー・パネル、3万7千世帯へ電力を供給へ

ワシントンDC地域に位置するダレス国際空港(Dulles International Airport)から飛び立つ旅行客は間もなく、滑走路付近に設置された20万枚のソーラー・パネルを目にすることになる。これは、米国の空港に建設されたものとしては最大規模の再生可能エネルギー・プロジェクトである。ドミニオン・エナジー社(Dominion Energy)とメトロポリタン・ワシントン空港公社(Metropolitan Washington Airports Authority)は8月22日、835エーカーとなる本プロジェクトの着工式を行った。本プロジェクトにより、100メガワットのソーラー発電と50メガワットの電池貯蔵能力が追加され、これは約3万7,000世帯分の電力を供給するのに十分な内容である。300人の雇用を創出する見込みで、2026年に完成予定である。しかし、バージニア州の農村地域の郡は、農地の損失や、景観の悪化、建設の騒音について苦情を申し立て、ソーラーの拡大に反対している。 AP News “Biden-Harris Administration Announces $48 Million In Grid Resilience Grants for States and Tribal Nations to Modernize Electric Grid” (8/17/23)

連邦インフラ・プロジェクトにおける米国製品の使用強化のための最終ガイダンスを発表

バイデン大統領は一般教書演説で、連邦が資金提供を行うインフラ・プロジェクトに使用される建設資材は米国製であることを確実にするとコミットを表明した。このコミットメントを果たす形で、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は8月14日、インフラ・プロジェクトにおける米国製品の使用を強化するための最終ガイダンスを発表した。最終ガイダンスは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)の法定要件(連邦が資金提供するインフラ・プロジェクトに使用される製造品、建設資材、鉄鋼は米国製であること)の実践を支援するものとなる。 White House “Biden-⁠Harris Administration Releases Final Guidance to Bolster American-Made Goods in Federal Infrastructure Projects” (8/14/23)

NIST、重要ハイテク業界における米国の競争力について報告

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、世界的競争力や経済成長、国家安全保障にとって重要な技術に関する報告書を議会へ提出した。「米国COMPETE法(American COMPETE Act)」と題する報告書で、①人工知能、②モノのインターネットと製造におけるモノのインターネット、③量子コンピューティング、④ブロックチェーン技術、⑤新規かつ先端のマテリアル、⑥無人配達サービス、⑦付加製造、の7つの技術について、経済効果やサプライチェーンの脆弱性、政策勧告を分析している。これらの技術の中には、まだ研究段階のものもあれば、既に経済の多くの分野に取り入れられているものもあるが、全てに共通する重要な点として、①最先端の研究インフラ及び器具を備えた施設への継続的な連邦支援、②官民パートナーシップでラボから市場への技術移転を加速させることなどが特定された。 National Institute of Standards and Technology “NIST Delivers Report on American Competitiveness in Critical High-Tech Industries” (8/17/23)

オースティン・ボナー氏、大統領府副最高技術責任官(政策担当)に昇進

オースティン・ボナー氏(Austin Bonner)が、大統領府副最高技術責任官(政策担当)(deputy chief technology officer for policy)に昇進したことが明らかになった。同氏は現在、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)に所属し、様々な通信問題を担当している。今回の昇進は、こうした活動を基盤としたもので、ボナー氏の昇進を発表したEメールには、「過去1年間、ボナー氏は、大統領府における様々な通信の問題について取り組みを先導してきた。(中略)彼女のリーダーシップ・スキルと専門性をその他の主要な技術政策の優先事項に活用することを楽しみにしている」と書かれている。ボナー氏は、OSTP入局前は、連邦通信委員会(Federal Communications Commission)に務めていた。 Fedscoop “Austin Bonner promoted to deputy chief technology officer for policy” (8/17/23)

空軍研究所、エクストリーム・コンピューティング施設を開設

空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)は、ニューヨーク州ローマの情報総局(Information Directorate)に新たなエクストリーム・コンピューティング施設(Extreme Computing Facility)を開設、8月8日に除幕式が行われた。同施設は、国防研究において重要な要素となり、国の防衛と兵士へ画期的技術を届けることを目的として、利用可能な最先端の量子コンピューティング技術を駆使する。除幕式には、ニューヨーク州選出のチャールス・シューマー上院多数党院内総務(Charles Schumer、Senate Majority Leader)及びカーステン・ジリブランド上院議員(Kirsten Gillibrand)が出席し、両議員は、量子コンピューティング・プログラムを更に進展させることを目的として、新たに4,400万ドルの連邦資金を確保したことを明らかにした。AFRL情報総局の上級高官は、「エクストリーム・コンピューティング施設は、先端コンピューティング技術の加速的開発、統合、導入に新たな時代が訪れたことを告げる」と述べた。 Air Force Research Laboratory “AFRL opens state-of-the-art Extreme Computing facility, announces $44 million in additional funding” (8/14/23)

CSIS、「中国は量子技術のリーダーか?」

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)の中国パワー・プロジェクト(China Power Project)は8月14日、「中国は量子技術のリーダーか?(Is China a Leader in Quantum Technologies?)」と題する論文を発表した。習近平国家主席の下、中国は、最先端の戦略的技術で競合、主導する努力を倍増し、新興の量子技術分野に手厚い投資を行っている。記事は、量子技術を3つの主要な種類(量子検知、量子通信、量子コンピューティング)に分類し、中国の取り組みについて概説、分析している。近年、量子技術で目覚ましい進展を遂げている中国は、量子検知については、自国を際立たせることは行っていないが、量子通信の分野では世界的なリーダーと広く目されている。また量子コンピューティングについては、一部の側面では世界的リーダーである米国に後れを取っているものの、中国の科学者は目覚ましい進展を実現し、早急に進展している。総合的に見ると、中国の量子能力は着実に発展しているものの、同国の将来の進展には課題も予想されている。量子技術は、米中間で高まる技術競争の新たな側面として浮上している。 China Power Project CSIS “Is China a Leader in Quantum Technologies?” (8/14/23)

エジソン電気研究所(EEI)、社長兼CEOにダン・ブルイエット氏を任命

エジソン電気研究所(Edison Electric Institute: EEI)は8月16日、EEIの社長(President)兼次期最高経営責任者(Chief Executive Officer Elect)としてダン・ブルイエット氏(Dan Brouillette)を任命した。2023年10月1日付けで同役職に就任し、2024年1月には社長兼最高経営責任者(President and CEO)となる。現社長兼CEOのトム・クーン氏(Tom Kuhn)は、2023年12月31日付で退任する計画を発表していた。ブルイエット氏は現在、世界的なエネルギー移行企業、センプラ・インフラストラクチャー社(Sempra Infrastructure)の社長を務めており、その前には、第15代エネルギー長官(Secretary of Energy)を務めていた。また、エネルギー及び核兵器問題に関して大統領の主要な補佐官であり、大統領国家安全保障会議(President’s National Security Council)及び副大統領国家宇宙会議(Vice President’s National Space Council)のメンバーでもあった。 Edison Electric Institute “EEI Board Names Dan Brouillette President and Chief Executive Officer Elect” (8/16/23)