オーク・リッジ国立研究所、産業放射性同位体のイリジウム192の生産へ

放射性同位体のイリジウム192は、溶接や鋳物などの金属部品の構造的欠陥や損傷を発見する上で重要である。石油や天然ガスのパイプラインの完全性評価や、造船や自動車などの製造品質を確実にするための評価に使用されることが多い。しかし、米国はその調達を海外からの購入に依存している。エネルギー省(Department of Energy)の同位体プログラム(Isotope Program)は2023年後半に、工業用ガンマ線撮影技法を供給する民間企業のQSAグローバル社(QSA Global Inc.)(マサチューセッツ州)と共に、イリジウム192の国内生産に着手する合同生産開発合意を発表した。その一環として、オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は、QSAグローバル社と協力し、原子炉ターゲット設計を完成させ、その後、照射済みターゲットを梱包し、QSAへ返送する手順の準備に取り掛かる。 Oak Ridge National Laboratory “ORNL to produce critical industrial radioisotope Ir-192 as part of DOE partnership with private company” (2/9/24)

米海軍、無人海中車両プログラムの事業者を選出

太平洋上やその他の論争的な環境での戦闘で勝利する上で、水中戦は重要な要素であり、米軍は特に、多様な能力を備えた「大排気無人海中車両(Large Displacement Unmanned Underwater Vehicles: LDUUVs)」のフリートを必要としている。LDUUVの取り組みで重要な能力の一つに、積荷や、水面下や海底戦などで敵対者に効果的なエフェクターを運搬できる耐久性の高い海底船のニーズがある。こうした課題に対処するため、海軍(Navy)の先端海中システム・プログラム局(Program Office Advanced Undersea Systems: PMS394)は、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と共に、これらの海事シナリオで変革的効果を持つ可能性がある商用技術の特定に取り組んでいる。そして今般、DIUは、厳正な評価を行い、オーシャニング・インターナショナル社(Oceaneering International)など3社にプロトタイプ契約を発注した。        Defense Innovation Unit “U.S. Navy Selects Vendors for Unmanned Undersea Vehicle Program” (2/8/24)

DARPA、商業ドローンにミッション・オートノミーを追加

商業ドローン技術は急速に進歩しており、軍事及び非軍事の様々なミッションにコスト効果が高くて頑強な能力をもたらしている。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「早急な実験的ミッション・オートノミー(Rapid Experimental Missionized Autonomy: REMA)」プログラムは、オペレータとの接続が切断された際に、事前に定義されたミッションをドローンが自動で継続できるようにすることを狙いとしたプログラムである。プログラムは、敵対者の措置を凌ぐため、1か月間隔で移行する新たな不可知論的ドローン・オートノミー能力を継続的に提供することに焦点を当てている。REMAプログラムは18か月間にわたり、2つの技術分野に分かれて実施される。一つは、ドローン・オートノミー・アダプター・インターフェースで、こちらは、アンドゥリル社(Anduril)、RTX社が契約を受注した。もう一つの技術分野は、ミッション特定のオートノミー・ソフトウェアで、レイドス社(Leidos)、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman Corporation)、ソアテック社(SoarTech)が契約を受注した。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA’s REMA Program to Add Mission Autonomy to Commercial Drones” (2/8/24)

国土安全保障省、2024年に50人の人工知能専門家を採用する初のイニシアチブを開始

国土安全保障省(Department of Homeland Security)のアレハンドロ・マヨルカス長官(Alejandro Mayorkas)と最高情報責任官(Chief Information Officer: CIO)及び最高人工知能責任官(Chief Artificial Intelligence Officer: CAIO)のエリック・ハイセン氏(Eric Hysen)は2月6日、2024年に50人の人工知能(AI)技術専門家を採用することを目的とした初の採用運動、「AI部隊(AI Corps)」を発表した。AI部隊は、AI及び機械学習の技術やモデル、アプリケーションの専門家によって国土安全保障省の労働力を強化するものであり、AIの安全でセキュアな使用を確実にしつつ、プライバシーや市民権、市民的自由を保護する政策イニシアチブを支援する。 Department of Homeland Security “DHS Launches First-of-its-Kind Initiative to Hire 50 Artificial Intelligence Experts in 2024” (2/5/24)

IARPA、量子コンピューティングのエラーを起こしやすい構成要素の解決に取り組む

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は2月1日、量子コンピュータ分野のハードウェア及びソフトウェアのイノベーションを抑制する障害の克服に焦点を当てた、新たな量子コンピューティング・プログラムの開始を発表した。プログラムの名称は、「もつれた論理量子ビット(Entangled Logical Qubits: ELQ)」。論理量子ビット間のオペレーションにおけるエラー修正手法と耐障害性について研究する。量子ビットにおけるノイズは現在、耐障害性のある量子コンピューティングを確立する上で主要な障害となっており、これを軽減することが目的である。ELQイニシアチブは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zürich)、ハーバード大学(Harvard University)、インスブルック大学(University of Innsbruck)、シドニー大学(University of Sydney)の4つの学術機関に研究契約を発注した。 Nextgov “IARPA launches program to solve error-prone building blocks of quantum computing” (2/5/24)

エネルギー省、海洋エネルギー進展に約1,600万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は2月6日、潮力エネルギー(tidal energy)の研究・開発・実証のパイロット拠点開発を目的として、2件の革新的な海洋エネルギー・プロジェクトが合計600万ドルを受益すると発表した。「潮力エネルギー研究開発実証パイロット拠点(Tidal Energy Research, Development, and Demonstration Pilot Site)」プログラムの下、ワシントン州に拠点を置く「オーカス電力・光コーポレーティブ(Orcas Power and Light Cooperative: OPALCO)」(非営利のユーティリティ機関)が主導するチームと、メイン州ポートランドに拠点を置くORPC社(海洋エネルギー企業)が主導するチームが選出された。今回の発表は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から合計3,500万ドルの拠出を受けて実施される5つのフェーズの最初のフェーズとなる。また、コミュニティ主導の河川潮汐エネルギー(current energy)研究開発プロジェクトとして、アラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska Fairbanks)のアラスカ・エネルギー電力センター(Alaska Center for Energy and Power)が950万ドルを受益する。潮汐は予測可能性が極めて高く、その他の再生可能エネルギーのバランスを図る助けとなり、100%クリーンな電力グリッドに大きく貢献できる可能性がある。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests Nearly $16 Million to Advance Marine Energy in the U.S.” (2/6/24)

NSF、将来の農業技術とソリューションに投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、人口の増加や栄養関連の疾病の高まりと格差、気候対応力による食品と栄養の不安定さへの対策で複雑な課題に対処する新たな技術に投資する。この投資は特に、脆弱で社会的に不利なコミュニティのニーズに対処し、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)との提携によって実施される。今回、「NSFコンバージェンス・アクセラレータ トラックJ:食品と栄養の安全保障(NSF Convergence Accelerator’s Track J: Food & Nutrition Security)」のフェーズ1の参加チームの中から合計7つの学際チームがフェーズ2へと進み、各最大500万ドルを受益する。NSFは6件のフェーズ2チームに合計3,500万ドルの研究投資を行い、USDAが1件のチームに投資する。NSFは本トラックを通じて、米国内で、健全で安全で手頃な費用の食品へのアクセスを確実にし、持続可能な農業森林と食品慣行を創出する食品システムの変革を支援することを狙いとしている。 National Science Foundation “NSF leads a $35M federal investment in future agricultural technologies and solutions” (2/6/24)

NIH、情報技術センターのディレクターとしてショーン・ムーニー氏を選出

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のモニカ・ベルタニョリ長官(Monica M. Bertagnolli)は、NIHの情報技術センター(Center for Information Technology: CIT)の所長にショーン・ムーニー氏(Sean Mooney)を指名した。3月中旬に就任する。CITの前所長だったアンドレア・ノリス氏(Andrea Norris)は2022年9月に退任しており、現在は、イヴォア・ディソウザ氏(Ivor D’Souza)が長官代理を務めている。ムーニー氏は、CIT所長として、世界的に高名なスパコンや最先端のネットワークなどを含む約4億ドルのポートフォリオを監督する。ムーニー氏は現在、ワシントン大学医学院(University of Washington (UW) School of Medicine)の教授(バイオメディカル・インフォマティクス及び医学教育)。 National Institutes of Health “NIH selects Dr. Sean Mooney as director of the Center for Information Technology” (2/8/24)

NSF、バイオにヒントを得た変革的なソリューションの開発に約1,000万ドルを投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、複雑な社会的及び経済的課題に対して生物学的システムからヒントを得た新規のソリューションを進展させるため、975万ドルを投資する。今回、「NSFコンバージェンス・アクセラレータ トラックM:バイオにヒントを得た設計イノベーション(NSF Convergence Accelerator’s Track M: Bio-Inspired Design Innovations)」のフェーズ1として15件の学際チームが選出された。このトラックは、生体システムを活用し、科学者、工学者、実践者の専門性を取り入れながら、環境の悪化を軽減し、インフラや製造、農業、食品生産、人間の健康などに関連する課題の軽減につながる新規の手法及び技術に活かすことを目指す。受益チームは、今後9カ月間にわたり、初期のアイデアを概念実証へと高め、チームのメンバーやパートナーを特定し、コンバージェンス・アクセラレータのフェーズ1におけるイノベーション・カリキュラムに参加する。 National Science Foundation “NSF invests nearly $10M to develop transformative bio-inspired solutions” (2/8/24)

国防総省、戦略的影響拡大に向けてDIU報告書を発表

8年前にアッシュ・カーター国防長官(Ash Carter)(Secretary of Defense)が、脅威の状況に変化が生じていることを受け、米国の技術的優位性を維持することを目的とした広範な戦略的イニシアチブの一環として、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)を創設した。現在、我々が直面する問題の急務性は同じであるが、それに対応する時間は危険なほどに短縮されている。こうした中、ロイド・オースティン国防長官(Lloyd J. Austin III)は去る4月、DIUを再編し、直接報告する体制とし、DIUの影響を高める計画を策定するよう指示した。この判断は、中国やロシアへの対抗策及び世界的な脅威への対処で商用初の技術が果たす中心的役割を反映するものである。今回発表されたDIU3.0は、必要とされる早急な戦略的効果を実現するための①焦点、②行動、③DIUが活用する資源、の重要なシフトを概説するものである。DIU1.0は、国防総省と技術部門のコミュニケーションを確立し、DIU2.0は、国防イノベーションの問題は商業技術ソリューションで解決できることを証明し、DIU3.0は、主要な衝突を抑止する、もしくは戦闘を余儀なくされた場合は勝利できるようなスピードと規模で、国防総省が最良の商業技術とイノベーションを活用できることを確実にすることを目指している。 Defense Innovation Unit “DIU 3.0: Scaling Defense Innovation for Strategic Impact” (2/7/24)