大統領府、AI人材に連邦政府での就職を呼びかけ

バイデン大統領は昨年10月、「安全でセキュアで信頼できる人工知能の開発と使用に関する大統領令(Executive Order on Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence)」に署名した。この大統領令は、米国がAIに対処するための野心的な議題を概説している他、「国家AI人材急増(National AI Talent Surge)」を発足させた。バイデン政権は、政府の事業を向上させるためにAIを責任ある形で活用し、AIを取り巻くスマートな政策と規制を行うことで、人々の権利、安全性、プライバシーを守り、研究開発を強化し、そうすることで米国が最先端のAIイノベーションで世界をリードし続けられるようにすることを支援する献身的な人材を募集している。大統領府は、「短期的な職種から長期的な職種、キャリア初期から高度な専門家、技術的及び非技術的な仕事など、米国内で様々な役割がある」とし、AI人材に連邦政府内での仕事に応募することを呼び掛けている。 White House “A Call to Service for AI Talent in the Federal Government” (1/29/24)

国防総省、LLMの未知のリスクに焦点を当てたAIバイアス懸賞金を開始

国防総省(Department of Defense)の最高デジタル及び人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)は、2つ行われる予定のAIバイアス・バウンティ(AI Bias Bounty)演習の1回目を開始した(バウンティは「懸賞金」)。バイアス・バウンティは、AIシステムにおけるバイアスを検知する助けとなることを目的とした、新たなクラウドソース型の取り組みである。最初の演習は一般市民が対象で、2つ目の演習は今後発表される。2つのAIバイアス・バウンティは、コンダクターAI-バグクラウド(ConductorAI-Bugcrowd)とバイアスバウンティ.AI(BiasBounty.AI)とのパートナーシップで、CDAO国防デジタル・サービス総局(CDAO Defense Digital Services Directorate)の助言を受けながら開発及び実行されるもので、CDAOの責任あるAI部門(Responsible AI (RAI) Division)が指揮を執る。最初のAIバウンティ演習の目標は、大規模言語モデル(LLM)における未知のリスク分野を特定することである。この演習では、一般市民が参加してバイアスを検知することを奨励しており、参加者は、得点と評価に基づいて報奨金を獲得することができる。 Department of Defense “CDAO Launches First DOD AI Bias Bounty Focused on Unknown Risks in LLMs” (1/29/24)

インテル社、オハイオ州での200億ドルのプロジェクトを遅延

インテル社(Intel)は、オハイオ州で進めていた200億ドルの半導体製造プロジェクトの建設計画を遅延する。市場の課題に直面し、国内の半導体業界の成長を目的とした米政府によるグラント資金の滑り出しが遅い中、今回の発表が行われた。インテル社の当初の計画では、2025年に半導体製造計画がスタートする予定であったが、プロジェクトの関係者によれば、現在のところ、製造施設の建設が終わるのは2026年後半と予想されている。大型の半導体プロジェクトが遅延することは時々あり、台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.: TSMC)は最近、米国の助成金を巡る交渉に伴い、アリゾナ州での400億ドルの半導体製造複合施設の建設を遅延すると発表した。 Wall Street Journal “Intel Delays $20 Billion Ohio Project, Citing Slow Chip Market” (2/2/24)

ロスアラモス国立研究所、2023年度に州内企業に9億3,000万ドルを支出

ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)は、2023年度(9月30日締め)の経済効果報告(Economic Impact Report)を発表した。LANLは年間予算40億ドルで、ニューメキシコ州で主要な経済牽引者となっている。報告書の主要な考察点として、①LANLは州内で最大の雇用主である、②2023年度の雇用者数は1万5,932名と過去最大で、給与総額は18億ドル、③ニューメキシコ州内の企業に9億3,000万ドルを支出し、1億5,500万ドルの総収入税を納めた、の3点が挙げられている。また、LANLは、メンターシップ及び技術共有を通じて、企業の成長を支援している。2023年度には、ニューメキシコ中小企業支援プログラム(New Mexico Small Business Assistance)を通じて、州内の212の中小企業と共に206件のプロジェクトを実施し、新たに5,100万ドルを引き付けるなどした。 Los Alamos National Laboratory “Economic Impact 2023: Los Alamos National Laboratory spent $930 million with New Mexico businesses, $1.8 billion in employee salaries” (1/31/24)

大統領府、調整された連邦研究を通じて新興の汚染懸念に対処

国家科学技術委員会(National Science & Technology Council: NSTC)の新興汚染懸念戦略チーム(Contaminants of Emerging Concern Strategy Team)は昨年、飲料水における新興汚染の一連の検知と評価を設定することを目的とした研究イニシアチブを発表した。新興汚染懸念(Contaminants of emerging concern: CEC)とは、人体もしくは環境に害を及ぼす可能性がある環境汚染物質(新規に特定されたもの及び再浮上したもの)を指す。この戦略チームは2024年1月、「国家新興汚染研究イニシアチブ実践計画(National Emerging Contaminants Research Initiative Implementation Plan)」を発表した。本計画は、環境内の汚染を特定、追跡、軽減するための措置を概説したもので、3つの分野(①省庁間の調整と措置、②知識管理とデータ共有、③コミュニティの関与とコミュニケーション)で長期的及び短期的な活動に焦点を当てている。 White House “Addressing Contaminants of Emerging Concern through Coordinated Federal Research” (1/19/24)

ペンシルバニア州、経済開発戦略を発表、新たに2,000万ドルの投資基金予算を要請

ペンシルバニア州のジョシュ・シャピロ知事(Josh Shapiro)と同州のコミュニティ及び経済開発省(Department of Community & Economic Development: DCED)は先般、「州経済開発戦略(Statewide Economic Development Strategy)」を発表した。約20年ぶりの包括的戦略であるという。より競争的で包含的、革新的な経済を構築するため、ペンシルバニア州政権は、農業、エネルギー、生命科学、製造、ロボティクスと技術、の5部門を、焦点及びリソースの投資先として特定している。これらの部門のいくつかは既に州の基盤となっているが、全てを揃えることで、研究開発、アントレプレナーシップ、企業と労働力の誘致と維持、経済成長において、ペンシルバニア州は競争的な存在になると政権は考えている。シャピロ知事は、2025会計年度予算案の中で、ペンシルバニア州内の最良の研究開発資産を活用し、大規模なイノベーションを支援するため、2,000万ドルの投資資金を要請している。 SSTI “PA releases new economic development strategy; budget calls for new $20M innovation fund” (2/8/24)

カリフォルニア州、天然ガス資源から撤退するには2045年までに最大37ギガワットの長期貯蔵が必要

カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission: CEC)は今般、「カリフォルニア州内における長期エネルギー貯蔵の価値を評価する(Assessing the Value of Long-Duration Energy Storage in California)」と題する報告書を発表した。それによれば、既存の天然ガス資源を維持する場合、カリフォルニア州独立系統運用機関(California Independent System Operator)は2045年までに最大5ギガワット(GW)の長期エネルギー貯蔵能力が必要となる可能性がある。一方、より大規模な脱炭素化と、州内の天然ガス資源の潜在的な撤廃を目指す場合、2045年までに最大37GWの長期エネルギー貯蔵能力が必要となる可能性がある。カリフォルニア州の政策策定者は、州のクリーン・エネルギー移行において長期エネルギー貯蔵が果たす潜在的な役割に注目している。その一例として、昨年12月には、フォーム・エネルギー社(Form Energy)の鉄空気電池貯蔵プロジェクト建設に3,000万ドルのグラントを発表した。 Utility Dive “California could need up to 37 GW of long-duration storage by 2045 to retire gas resources: report” (2/6/24)

商務省、米国AI安全性研究所の幹部を発表

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina Raimondo)は2月7日、米国AI安全性研究所(U.S. AI Safety Institute: AISI)を率いる執行リーダーシップ・チームの主要メンバーを発表した。AISIの初代所長には、エリザベス・ケリー氏(Elizabeth Kelly)が、最高技術責任官(Chief Technology Officer: CTO)にはエルハム・タバッシ氏(Elham Tabassi)がそれぞれ就任する。AISIは、バイデン大統領による大統領令(Executive Order)の下で商務省に指示された責務を支援するため、NISTの傘下に設立された。初代所長に任命されたケリー氏は現在、大統領府国家経済会議(National Economic Council: NEC)で経済政策担当大統領特別補佐官(Special Assistant to the President for Economic Policy)を務めている。今後は、AISI所長として、執行リーダーシップ、経営、管理、監督を行い、商務省やNIST、政府内のその他のAI政策や技術イニシアチブとの調整を行う。 Department of Commerce “U.S. Commerce Secretary Gina Raimondo Announces Key Executive Leadership at U.S. AI Safety Institute” (2/7/24)

商務省、AIの安全性に特化した初めてのコンソーシアムを立ち上げ

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina Raimondo)は2月8日、「米国AI安全性研究所コンソーシアム(U.S. AI Safety Institute Consortium: AISIC)」の創設を発表した。AISICは、AIのクリエイター、利用者、学術機関、政府、業界の研究者、市民社会組織の代表が団結して、安全で信頼できる人工知能(AI)の開発と導入に取り組むコンソーシアムで、米国AI安全性研究所(U.S. AI Safety Institute: USAISI)の傘下に位置づけられる。このコンソーシアムは、バイデン大統領による画期的な大統領令(Executive Order)に概説された優先的措置(レッドチームのためのガイドラインの開発、能力評価、リスク管理など)にも寄与する。AISICは、最先端のAIシステム及びハードウェアの制作と利用の最前線にいる企業や組織、米国内最大手企業、最も革新的なスタートアップや市民社会組織、学術チームなど、200以上のメンバー組織で構成される。 National Institute of Standards and Technology “Biden-Harris Administration Announces First-Ever Consortium Dedicated to AI Safety” (2/8/24)

商務省、CHIPS・科学法から研究・開発・労働力に50億ドル以上を投入

商務省は2月9日、国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)を含め、半導体関連の研究/開発/労働力の取り組みに50億ドル以上を投資する計画であることを発表した。これらの投資は、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)及び大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の実践の一部として行われ、半導体R&Dにおける米国のリーダーシップを進展させ、新技術の商業化に必要な時間と費用の削減などをもたらす。大統領府はまた、政権の上級高官や業界、学術機関、シンクタンク、州及び地方自治体、労働者の代表と共に、研究・開発・労働力に関する会合を行い、NSTCへの50億ドル以上の投資計画や半導体労働力への投資計画などについても発表した。 Department of Commerce “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces Over $5 Billion from the CHIPS and Science Act for Research, Development, and Workforce” (2/9/24)