エネルギー省、重要鉱物の国内サプライチェーン強化に1,700万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy: DOE)は2月15日、レアアース元素及びその他の重要鉱物ならびに石炭ベースのマテリアルを生産する施設の設計と建設を支援する3件のプロジェクトに1,700万ドル以上を提供すると発表した。資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。これらのプロジェクトは、国内サプライチェーンを強化し、重要鉱物とマテリアルの増大する需要に対応し、信頼性の低い海外からの調達を軽減する可能性がある。「重要鉱物及び石炭ベース資源のマテリアル生産のための基本工学設計プロジェクト(Front-End Engineering and Design (FEED) Studies for Production of Critical Minerals and Materials from Coal-Based Resources Project)」の下、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校理事会(Board of Trustees of the University of Illinois at Urbana-Champaign)、ウィナー・ウォーター・サービス社(Winner Water Services, Inc.)、テトラ・テック社(Tetra Tech, Inc.)が選出された。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests $17 Million to Strengthen Nation’s Critical Minerals Supply Chain” (2/15/24)

量子技術に関するIEC/ISO合同技術委員会が発足

国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission: IEC)と国際標準化機構(International Organization for Standardization: ISO)は最近、新たに「量子技術に関する合同技術委員会(Joint Technical Committee (JTC) on Quantum Technologies)」を形成することを承認した。この量子技術に関するJTCは、英国規格協会(British Standards Institution: BSI)が事務局長として管理し、韓国の代表が議長となる。米国国家規格協会(American National Standards Institute: ANSI)は、ISO-IEC/JTC3(量子技術)(ISO-IEC/JTC3 Quantum technologies)の米国国家委員会技術諮問グループ(U.S. National Committee TAG)の管理者として、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)を選出した。NISTは、新しいJTC3(量子技術)への関与に関心のある全ての米国当事者に、参加を呼び掛けている。ISO-IEC/JTC-3の第1回全体会議は5月後半に韓国のソウルで開催される予定である。 National Institute of Standards and Technology “New IEC/ISO Joint Technical Committee on Quantum Technologies—Inviting Participants for the U.S. National Committee Technical Advisory Group” (2/9/24)

エヌビディア社、新たな部門で300億ドルのカスタム・チップ市場の機会を目指す

情報筋によれば、エヌビディア社(Nvidia)はクラウド・コンピューティング企業や先端人工知能(AI)プロセッサなどを対象としたカスタムメイドのチップの設計に焦点を当てた新たなビジネス部門を構築中である。AIチップの世界的な設計者及び供給事業者である同社は、急成長しつつあるカスタムメイドのAIチップ市場の一部を確保し、自社製品の代替品開発を追求している数多くの企業から自社を防御しようとしている。エヌビディア社のH100及びA100チップは、一般的な多目的AIプロセッサとして利用されているが、技術企業各社は、具体的なニーズに対応するチップを社内開発することに取り組み始めている。こうした中、エヌビディア社は、競合会社に流れつつあるこれらの企業のカスタムAIチップ開発を援助する役割を試みている。情報筋によれば、エヌビディア社の幹部は、アマゾン(Amazon.com)やメタ(Meta)、マイクロソフト(Microsoft)などの企業の代表者と会い、これらの企業におけるカスタム・チップ製作について協議したという。広範なカスタム・チップ市場の規模は、2023年は約300億ドルで、これは世界的なチップ売上の約5%を占める。 Reuters “Exclusive: Nvidia pursues $30 billion custom chip opportunity with new unit” (2/9/24)

GAO、SBIRについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は2月13日、「中小企業技術革新制度:より良いデータと、ベンチャー・キャピタル所有企業の適格性に関する明確な定義が必要(Small Business Innovation Research: Better Data and Clarity on Eligibility of Venture Capital-Owned Businesses Are Needed)」と題する報告書を発表した。ベンチャー・キャピタルやヘッジ・ファンド、プライべート・エクイティ企業が所有する中小企業へのSBIRアワードについて調査したもので、こうしたアワードは、2021-2023年度に大幅に増加している。その主な理由は、国防総省(Department of Defense)によるアワードの増加である。しかし、国防総省は、こうした企業に関するデータの信頼性に疑問があると認識している。また、一部の連邦省庁は、これらの企業が所有する中小企業がどのような状況であればプログラムに適格となるのかについて十分に理解していない可能性がある。GAOは、①国防総省は、適格の中小企業にSBIRアワードを特定する際に使用するデータの信頼性問題に効果的な対処が行われているか、監視をすること、②SBIRはベンチャー・キャピタル運営企業やヘッジ・ファンド、プライベート・エクイティによる所有の異なるレベルの適格性について、全ての連邦省庁が理解できるよう更なる策を講じることを勧告している。 Government Accountability Office “Small Business Innovation Research: Better Data and Clarity on Eligibility of Venture Capital-Owned Businesses Are Needed” (2/13/24)

FTC、生成AIに関する投資とパートナーシップについて調査を開始

連邦取引委員会(Federal Trade Commission: FTC)は1月25日、生成AI企業と大手クラウド・サービス・プロバイダが関係する最近の投資及びパートナーシップについて、情報を提供するよう求める命令書を発行した。命令書を受けたのは、アルファベット(Alphabet, Inc.)、アマゾン・コム(Amazon.com, Inc.)、アンソロピックPBC(Anthropic PBC)、マイクロソフト(Microsoft Corp.)、オープンAI(OpenAI, Inc.)の5社で、マイクロソフトとオープンAI、アマゾンとアンソロトピック、グーグルとアンソロトピックの3つの異なる投資に関するもの。FTCは、①具体的な投資またはパートナーシップに関する情報(投資/パートナーシップの合意及び戦略的根拠を含む)、②具体的なパートナーシップまたは投資の実務的な意味合い(新製品の発表に関する決定や権利のガバナンスまたは監督、定期会合のトピックを含む)、など4点に関連する情報を要請している。 Federal Trade Commission “FTC Launches Inquiry into Generative AI Investments and Partnerships” (1/25/24)

オーク・リッジ国立研究所、地熱ヒートポンプが炭素排出と電力グリッドに及ぼす影響について調査

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)が主導で行ったモデリング分析は、今後数十年間に米国内で地熱エネルギーが広く導入されれば、いかに電力システムの負担が緩和され、炭素排出が軽減されるかを詳しく示している。研究者は、2022-2050年に地熱ヒートポンプ(geothermal heat pumps: GHPs)が商業及び住宅建造物に広く普及されるシミュレーション・モデルを構築した。その結果、GHPsの大幅な普及(商業及び住宅建造物)と戸建て住宅の外壁の改善により、2050年までに70億メトリック・トン以上の炭素排出削減が可能であるという。そのうち30億メトリック・トン以上の削減は、電力部門によるもので、残りは建造物部門における天然ガス煖房からGHPsへの置換によるものである。 Oak Ridge National Laboratory “ORNL study projects geothermal heat pumps’ impact on carbon emissions and electrical grid by 2050” (2/14/24)

NSF、生物学的及び化学的な検知用途の技術開発を促進

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、化学的及び生物学的検知に関する様々な課題に対処する革新的な技術及びソリューションの開発に1,040万ドルを投資する。コンバージェンス・アクセラレータ(Convergence Accelerator)の「トラックL:現実世界の検知用途(Track L: Real World Chemical Sensing Applications)」の下、フェーズ1として16の学際チームが選出された。トラックLにはまた、NSFとスウェーデン政府の2つの研究・イノベーション機関との間で初となる共同研究活動が含まれている。トラックLは、化学的検知や検知技術、ロボティクス、バイオ製造、コンピュテーショナル・モデリングなどにおける豊富な基礎知識及び最近の進展を基盤とし、環境品質や工業農業、食品の安全性、疾病の検知及び診断などに関連する課題に対処する。今後9カ月間にわたり、初期のアイデアを概念実証へと発展させ、フェーズ1イノベーション・カリキュラムへの参加などを経て、フェーズ2のプロポーザル提出へ向かう。 National Science Foundation “NSF spurs technology development of biological and chemical sensing applications” (2/13/24)

NSFの資金を受けた新たなインフラ、生命システムにおける要素プロセスの研究に変革的能力をもたらす

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は2月13日、生命システムの理解について新たなレベルを実現する新規のインフラ建設支援として、約2,000万ドルのアワードを発表した。この研究は、世界に持続可能な食糧を提供し、炭素の捕獲を加速し、エレクトロニクスやその他の製品に重要なレアアース元素や鉱物を持続可能な形で抽出することを支援する。このアワードにより、コーネル大学(Cornell University)の「コーネル高エネルギー・シンクロトロン光源(Cornell High Energy Synchrotron Source: CHESS)」に「生命科学と環境科学と農業及び植物科学のためのX線(X-rays for Life Sciences, Environmental Sciences, Agriculture and Plant Sciences: XLEAP)」が建設される。XLEAPは、米国内の研究者が活用できる施設で、NSFの「中規模研究インフラ1(Mid-Scale Research Infrastructure 1)」の一環として資金が提供される。XLEAPの施設には、最先端の機器が整備され、科学者は、現在では不可能な形で生物の要素を詳細に研究することができる。 National Science Foundation “New NSF-funded infrastructure will transform ability to study elemental processes in living systems” (2/13/24)

IARPA、ハッカーの心理を研究する4年間の取り組みにアワードを発表

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は、ハッカーの知的バイアスを武器化して敵対的な侵入の試みを阻止する取り組みの一環として、サイバー攻撃者の心理を研究する活動を開始した。これは、「サイバー心理の情報に基づくネットワーク防衛セキュリティの再考(Reimagining Security with Cyberpsychology-Informed Network Defenses: ReSCIND)」プログラムで、意思決定の先天的なバイアスや認知的脆弱性といった攻撃者の人間的な限界を利用し、攻撃に混乱をもたらすことを狙いとする。これまでにもサイバー犯罪による認知的バイアスの利用に関する研究や、ハッカーの心理に関する研究などが実施されているが、今回の新しい取り組みでは、攻撃者自身のバイアスを利用するサイバーセキュリティ措置に焦点を当てる。プログラムは4年間にわたって行なわれる予定で、チャールス・リバー・アナリティクス(Charles River Analytics)、グラマテック(GrammaTech)など5社に契約発注が行われた。 Nextgov “IARPA makes awards in 4-year effort studying hacker psychology” (2/12/24)

エネルギー省、科学的完全性に関する方針を更新

エネルギー省(Department of Energy)は1月19日、科学的完全性に関する新たな方針を発表した。新しい要件がいくつか追加されたが、それらは研究者が従うプロセスを大幅に変更するものではない。例えば、新しい方針は、「エネルギー省の人員は、政治的目的などの理由で、科学的もしくは技術的ファインディングを抑制したり、不当に遅延させたり、修正することはできない」としている。以前の方針には、容認できない動機付けとして「政治的目的」を明確には特定しておらず、また、容認できない慣行として「不当な遅延」は言及されていなかった。新しい方針には、内部告発者の保護に関する理解促進のセクションが含まれ、省内の科学的完全性の状況について年次報告を作成することをエネルギー省に義務付ける要件が追加された。 Department of Energy “DOE P 411.2B, DOE Scientific Integrity Policy” (1/19/24)