液体・気体輸送パイプラインの自動遠隔制御遮断弁に関する新規制標準の必要性を指摘

米国では、天然ガスや原油、液化二酸化炭素などを輸送するために50万マイル以上のパイプラインが使用されている。これらの輸送パイプラインは最も安全かつ効率的な大量輸送手段の一つであるが、パイプラインに破裂が生じると、爆発や火災、有害マテリアルの環境への放出といった事態につながる可能性がある。米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が作成した報告書「緊急時におけるパイプラインのタイムリーな遮断を確実にする:破裂軽減弁を導入する時(Ensuring Timely Pipeline Shutdowns in Emergencies: When to Install Rupture Mitigation Valves)」は、自動遠隔制御による遮断弁(「破裂軽減弁(rupture mitigation valves)」)を、人口密集地や環境的配慮が必要な地域にある既存の液体及び気体輸送パイプラインに導入するか否か、また導入する時期について判断するための規制標準及び基準について評価している。こうした弁は新規のパイプライン及びパイプライン区分には既に義務付けられており、破裂が生じた際に迅速な遮断が可能になっている。報告書は、「既存のパイプライン・システムは条件や状況が様々であり、そのことは破裂軽減弁の遡及的な導入は、実現可能性や複雑さ、費用、恩恵の面で大きく異なる可能性があることを意味する。それ故、既存のパイプラインに広範囲に破裂軽減弁を導入することは、現時点では推奨されていない」としている。 National Academies “Assessing the Need for New Regulatory Standards for Automatic and Remote-Control Shutoff Valves on Existing Liquid and Gas Transmission Pipelines ― New Report” (2/15/24)

ITIF、インドは5年以内に半導体施設5か所以上を追加可能と分析

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は今般、「世界の半導体バリューチェーンでインドがより大きな役割を担う可能性に関する評価(Assessing India’s Readiness to Assume a Greater Role in Global Semiconductor Value Chains)」と題する報告書を発表した。それによれば、インドは、世界の半導体のバリューチェーンにおいて遥かに大きな役割を担う可能性がある。報告書は、米印両政府に重要かつ新興技術の合同イニシアチブについて情報提供となることを目的として作成されたもの。ITIFは、「インドは、28ナノメートル以上のレガシー半導体を生産する工場を誘致しつつ、今後5年間に、半導体のアセンブリ/試験/梱包(assembly, test, and packaging: ATP)部門での存在を最大で5件拡大できる可能性がある」と結論している。ただし、その機会を確実にとらえるためには、インド政府は主要な投資政策を支持し、有益な規制とビジネス環境を維持しつつ、予測不可能性をもたらす措置を避ける必要があるとしている。 Information Technology & Innovation Foundation “India Could Add Five or More Semiconductor Facilities in Five Years If It Makes the Right Policy Moves, New ITIF Report Concludes” (2/14/24)

NREL、ヒートポンプの恩恵を分析

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立エネルギー技術研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)の研究者が発表した報告書によれば、米国の数百万世帯がヒートポンプの利用によって恩恵を受けるが、それをさらに魅力的なものにするには、技術の導入費用を下げる必要がある。報告書は、米国内で大気を熱源とするヒートポンプの費用と恩恵を定量化したもので、気候や、熱源、住宅の種類など様々な要素を考慮している。報告書の分析では、ヒートポンプを使うことで、米国世帯の過半数(ヒートポンプの効率性によって62~92%)でエネルギー代の低減が見られるという。断熱の向上など住宅の耐候化が進めば、その割合は、82~97%に上昇する。ただし、導入費用が高いため、経済的に導入が可能なのは、米国世帯の少ない一部に限られるとしている。 National Energy Technology Laboratory “News Release: Benefits of Heat Pumps Detailed in New NREL Report” (2/12/24)

ソーラー及び電池貯蔵が2024年における米国の新規発電能力の81%を占めるとの見込み

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が発表した最新の予備的月間発電在庫(Preliminary Monthly Electric Generator Inventory)によれば、開発事業者及び発電所は、2024年に62.8ギガワット(GW)のユーティリティ規模の発電能力を新たに追加する計画である。これは、2023年の40.4GWを55%上回り、業界活動が継続的に拡大していることを示唆する。EIAは、2024年の新規追加能力の最大規模(58%)をソーラーが占め、次いで電池貯蔵が23%を占めると予測している。EIAの予測によれば、2024年におけるユーティリティ規模のソーラーの新規能力が予定通り(36.4GW)行われれば、過去最大となる見通しで、前年(18.4GW)のほぼ2倍となる。新規のユーティリティ規模のソーラー能力は、半分以上を3州が占め、テキサス州(35%)、カリフォルニア州(10%)、フロリダ州(6%)となっている。EIAは、電池貯蔵の新規能力も前年のほぼ2倍になると予測している。 Energy Information Administration “Solar and battery storage to make up 81% of new U.S. electric-generating capacity in 2024″ (2/15/24)

米国のクリーンエネルギー未来に革命をもたらす大型部品の革新的製造

現在、伝統的な鋳造と鍛造手法を用いて大型の金属部品を米国内で生産することは不可能で、このことは、生産コストの上昇や、企画から生産までの日数の長期化、海外サプライチェーンへの依存拡大につながっている。こうした中、「ニア・ネット・シェイプ(Near net Shape: NNS)(ほぼ最終形状の意)」製造手法は、製造費用及び関連する時間の削減につながる。エネルギー省(Department of Energy)の先端マテリアル・製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office: AMMTO)は2023年9月、風力タービンのローター・ハブのための大型砂型鋳造を印刷する3Dプリンタ(先端鋳造セル)の開発、構築、改良に取り組むGEリサーチ社(GE Research)に約1,500万ドルを提供した。更に2024年2月には、AMMTOと水力発電技術局(Water Power Technologies Office)が、2件目のプロジェクトへの資金として1,500万ドルを提供した。こちらは、オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)が主導するプロジェクトで、革新的なロボット工学ハイブリッド型付加製造プロセスの開発に取り組む。これら2件のプロジェクトは、米国が大型金属部品を製造するための国内知識と能力を構築し、米国のクリーン・エネルギーなどの製造部門を強化する上で重要である。 Department of Energy “Innovative Large Parts Manufacturing to Revolutionize America’s Clean Energy Future” (2/16/24)

EPA、2023年の発電所排出データを発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は先般、48州における発電所からの年間排出データ(2023年)を発表した。全国的に、2023年の排出は、2020年以来、最大の排出削減を示している。排出の削減は主として、化石燃料火力発電の混合における変化と効率性の強化によるものである。2023年のデータは、2022年に比べ、石炭発電が18%減少し、天然ガス発電が8%増加していること、そして石炭施設における二酸化硫黄の排出率は7%、酸化窒素の排出率は3%、それぞれ改善していることを示している。1990年から2023年の間に、二酸化硫黄の年間排出は96%減少し、酸化窒素の年間排出は90%減少した。発電部門の長期的な排出削減傾向は、大気汚染の軽減と公衆衛生の保護につながる。 Environmental Protection Agency “EPA releases 2023 power plant emissions data” (2/15/24)

EPAの大気許認可により、ニューヨークのオフショア風力プロジェクトが前進

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は2月15日、エンパイア・オフショア・ウィンド社(Empire Offshore Wind LLC.)に大気清浄法(Clean Air Act)に基づく許認可を通達した。オフショア風力ファームは、ニューヨーク州ロングアイランドの南方12海里沖、ニュージャージー州ロング・ブランチの東方17海里沖の領海外大陸棚(Outer Continental Shelf)にある連邦水域に建設される。透明性を確実にするため、EPAは、最終的な許認可取りまとめの前にパブコメを募集した。エンパイア・ウィンド・プロジェクトには、最大147基のオフショア風力タービン、2件のオフショア・サブステーション、電力移送のために必要な関連ケーブルが含まれる。オフショアの建設は2024年に開始の見込みで、4年間で完成する予定である。 Environmental Protection Agency “EPA Air Permit Advances New York Offshore Wind Farm Project” (2/15/24)

OMB、連邦プログラムをカバーした検索可能なツールを立ち上げ

バイデン政権は2月15日、政府の透明性の強化と、個人や組織政府機関に資金を提供する連邦プログラムへのアクセス性の強化を目的として、検索可能なツール「連邦プログラム・インベントリ(Federal Program Inventory: FPI)」の運用を開始した。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は、「FPIのリリースにより、関心のある当事者(一般市民や議会関係者、監督機関を含む)は、連邦プログラムの支出(試算及び実績)、応募申請者の適格性、目的を模索できるようになる。FPIは、SAM.govやUSASending.govなどの既存の政府資源からデータと情報を引き出し、具体的なプログラムの支出、アワードの受益者、利用可能なグラント機会について、詳細な情報を提示する。 Fedscoop “OMB launches searchable tool covering federal programs” (2/15/24)

NSF、平等な水のソリューション進展のため980万ドルを投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)はNSFコンバージェンス・アクセラレータ(Convergence Accelerator)プログラムの「トラックK:平等な水のソリューション(Track K: Equitable Water Solutions)」のフェーズ1として、15の学際研究チームを選出、980万ドルを投資する。トラックKは、NSFによる基礎研究への投資と、NSFコンバージェンス・アクセラレータの2つのワークショップ(「変化する地球のための水の管理(Managing Water for a Changing Planet)」と、「気候対応力と水資源(Climate Resilience and Water Resources)」)を基盤としている。選出されたチームは、今後9カ月にわたり、初期のアイデアを概念実証へと発展させ、新たなチーム・メンバー及びパートナーを特定し、NSFのコンバージェンス・アクセラレータ・フェーズ1イノベーション・カリキュラムに参加する。フェーズ1が終了する時点でフェーズ2へ向けた正式なプロポーザルとソリューションの実現可能性を実証する取り組みに参加する。 National Science Foundation “NSF invests $9.8M to advance equitable water solutions” (2/15/24)

国防総省、革新的技術の調達と実用化を加速

国防総省の国防次官室(研究及び工学担当)(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering)は、「革新的技術の調達と実用化の加速(Accelerate the Procurement and Fielding of Innovative Technologies: APFIT)」パイロット・プログラムを通じて資金を受益する新たなプロジェクトを発表した。これらのプロジェクトは、2024年度に選出される最初のプロジェクトで、今後更なる選出が見込まれている。APFITプログラムの目的は、技術から生産へ迅速に移行させ、兵士が必要とする技術の実用化を加速させることであり、中小企業または非伝統的な国防契約事業者によって開発された技術が優先される。APFITは、2022年度国防授権法(National Defense Authorization Act for FY22)によって設立された。米議会は2022年度にAPFITに1億ドルの予算を充当し、2023年度は1億5,000万ドルに増額した。 Department of Defense “DOD Announces Next Round of Projects to Receive Funding From the Pilot Program to Accelerate the Procurement and Fielding of Innovative Technologies (APFIT)” (2/15/24)