技術業界、2024年選挙で誤解を招くAI使用への対策にコミットを表明

技術企業大手は2月16日、ミュンヘンで行われた「ミュンヘン・セキュリティ会議(Munich Security Conference: MSC)」で、2024年に世界で行われる選挙で、誤解を招く人工知能(AI)が使用されることを防ぐことに取り組む誓いを表明した。2024年には、世界40カ国以上で40億人以上が投票する選挙が実施される。「2024年の選挙で誤解を招くAIの使用に対抗する技術合意(Tech Accord to Combat Deceptive Use of AI in 2024 Elections)」には、アドビ(Adobe)、アマゾン(Amazon)、グーグル(Google)、Xなど、20社が署名した。署名企業は、①誤解を招くAI選挙コンテンツ(Deceptive AI Election content)関連のリスクを軽減する技術の開発及び実践、など8件の具体的なコミットメントに同意した。 AI Elections accord “TECHNOLOGY INDUSTRY TO COMBAT DECEPTIVE USE OF AI IN 2024 ELECTIONS” (2/16/24)

インド、フェルミ研究所の新たな粒子加速器への寄与となる建設段階を正式に開始

インドの原子力エネルギー省(Department of Atomic Energy: DAE)は、米国内での長さ215メートルの粒子加速器の建設への参加について、マイルストーンに達した。これは、「プロトン改良計画IIプロジェクト(Proton Improvement Plan II project: PIP-II)」として知られるもので、DAEは先般、米エネルギー省(Department of Energy)に、インドが、フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)のPIP-IIプロジェクトへの寄与において、研究開発段階から建設段階へと正式に進んだことを通知した。この重要な移行は、約20年に及ぶ米印間の科学的パートナーシップを強固にする。去る6月に、インドのナレンドラ・モディ首相(Narendra Modi)とバイデン大統領が会談し、最先端の科学インフラについて両国間の協力を深めることで合意した。その結果として発表されたホワイトハウスの声明は、DAEがPIP-II加速器の協調的開発に向け、物的寄与を行うことを強調していた。PIP-IIは、海外パートナーからの大幅な寄与を受けて米国内に建設される初めての粒子加速器で、フランス、インド、イタリア、ポーランド、英国の機関が、加速器の建設に、技術や設備、専門性を寄与する。 Fermilab “India formally begins construction phase for contributions to Fermilab’s new particle accelerator” (2/15/24)

テネシー大学=オーク・リッジ・イノベーション研究所、2つのコンバージェント研究イニシアチブを選出

テネシー大学=オーク・リッジ・イノベーション研究所(University of Tennessee-Oak Ridge Innovation Institute: UT-ORII)は、新たなコンバージェント研究イニシアチブ(Convergent Research Initiative: CRI)として、循環バイオ経済システムと放射線医薬品治療の2件を選出した。今後5年間、テネシー大学(UT)とオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNLは、各イニシアチブに2,000~4,000万ドルを投資する。新しい2件のCRIは、UTとORNLの合同研究チームが提出した54件のプロポーザルの中から選出された。UT-ORIIの新たな循環バイオ経済システムのCRIチームは、ORNLとUT農業研究所(UT Institute of Agriculture)が州内の自動車産業及び農業/森林産業という2つの重要な産業と共に築いてきた長期的な活動の利点を活用する。このチームは、新興の科学を用いて、持続可能な炭素源からマテリアルを生産し、低エネルギーかつ低炭素強度の循環農業及び製造へのシフトを開拓すること目指す。一方、UT-ORIIの放射線医薬品治療のCRIチームは、ORNL、UTノックスビル校(UT Knoxville)、UT医療科学センター(UT Health Science Center)の人材とリソースから恩恵を受けると期待されている。 Oak Ridge National Laboratory “UT-ORII selects two new UT-ORNL convergent research initiatives” (2/15/24)

商務省、レガシー・チップの国内供給強化に向け、グローバルファウンドリーズと予備的規約

バイデン政権は2月19日、現世代・成熟ノードの半導体生産に関する国内サプライチェーンの対応力を強化し、競争力を押し上げ、経済及び国家安全保障能力を支援するため、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下、約15億ドルの直接資金を提供する件で、商務省(Department of Commerce)とグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries: GF)が、拘束力のない予備的な規約覚書(preliminary memorandum of terms: PMT)に署名したと発表した。この資金を通じて、GFの最新施設の建設や大幅な能力拡大、現代化を支える。具体的には、約15億ドルのCHIPS資金は、①ニューヨーク州マルタにある300ミリメートルの最新製造施設の建設、②同地にある既存の自動車用半導体施設の能力拡大、③バーモント州バーリントンにある既存の製造施設の現代化、に充当される。これらのプロジェクトで、今後10年間に、約1,500名の製造雇用と約9,000名の建設雇用の創出が見込まれている。今回の発表は、商務省がCHIPS及び科学法の下で発表する3件目のPMTとなる。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with GlobalFoundries to Strengthen Domestic Legacy Chip Supply for U.S. Auto and Defense Industries” (2/19/24)

大統領府、インフレ低減法による住宅エネルギー費用低減について発表

バイデン大統領の歴史的な「米国への投資(Investing in America)」議題を通じて、バイデン政権は、勤労米国世帯のためのあらゆる費用削減に取り組んでいる。その一つ、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)は既にクリーンエネルギー・ブームを巻き起こし、大統領就任以来発表された民間部門のクリーンエネルギーへの取り組み(3,600億ドル)に寄与している。また、2023年8月の世論調査によれば、過半数の米国民がこうしたプログラムを支持している。バイデン政権は2月12日、連邦パートナー、非営利組織、慈善団体をホワイトハウスに招集し、消費者への情報提供とアウトリーチの努力の拡大を図った。政権は、消費者や地方自治体の高官、提唱者が利用できるインフレ低減法の住宅エネルギー・プログラムについて新たな連邦資源を発表し、複数の非営利組織がアウトリーチ努力を拡大するコミットメントを発表した。 White House “FACT SHEET: Lowering Home Energy Costs Through President Biden’s Inflation Reduction Act” (2/14/24)

OSTP、重要新興技術リストの更新版を発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は2月12日、米国の国家安全保障にとって重要となる可能性がある重要新興技術(critical and emerging technologies: CETs)の更新版リストを発表した。2024年の更新版には、米国イノベーションの新たな経路を示したり、国家安全保障を強化できる可能性がある技術が概説されている。2024年更新版のCETには、先端コンピューティング、人工知能、クリーン・エネルギー生成及び貯蔵、人と機械のインターフェース、宇宙技術及びシステムなど18件が含まれている。 White House Technology Laboratory “White House Office of Science and Technology Policy Releases Updated Critical and Emerging Technologies List” (2/12/24)

OSTP、セキュアで公平な研究エコシステムを支援するためのガイダンス更新版を発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は2月14日、米国内で、セキュアで公平な研究エコシステムを支援することを狙いとした2件のメモを通達した。これらの文書は、利益相反の開示形式並びに海外の人材勧誘プログラムについて、連邦機関のガイドとなるものである。1件目は、「一般的な開示形式の使用に関する政策(Policy Regarding Use of Common Disclosure Forms)」と題するメモで、連邦機関がプロポーザルを評価する際に使用する一般的な開示形式の使用に関するガイダンスである。政府が、コミットメントの利益相反や海外政府による活動との重複の可能性を特定する一助となるものである。2件目は、「海外の人材勧誘プログラムに関する連邦研究当局のためのガイドライン(Guidelines for Federal Research Agencies Regarding Foreign Talent Recruitment Programs)」で、海外の人材勧誘プログラムの定義や、海外人材勧誘プログラムに関する連邦職員のためのガイドラインなどが提示されている。 White House “OSTP Issues Updated Guidance to Support a Secure and Fair Research Ecosystem” (2/14/24)

NIST、改定されたボールドリッジ賞プログラムを開始、対応力と長期的成功に焦点

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は2月14日、改定された「ボールドリッジ・パフォーマンス卓越賞プログラム(Baldrige Performance Excellence Award Program)」を発表した。改定版は、対応力と長期的成功のロールモデルとなる組織を特定、表彰することに焦点を当てている。組織的な対応力に関する文献と、ボールドリッジ卓越枠組み(Baldrige Excellence Framework)を基に設定された一連の基準を使い、結果に焦点を当て、合理化された評価プロセスが特徴である。現在、2024年のボールドリッジ賞への応募受付が行われており、米経済、製造、サービス、中小企業、医療ケア、教育及び非営利部門の5部門で受け付け中。最終的な締め切りは4月2日となっている。 National Institute of Standards and Technology “NIST Launches Renewed Baldrige Award Program to Focus on Resilience and Long-Term Success” (2/14/24)

NISTの研究者、AIの倫理的研究に歴史的な前例の適用を提案

もし我々が偏ったデータに基づいて人工知能(AI)システムを訓練すると、それらは、採用の判断や融資の申請などに影響する偏った判断につながる可能性がある。どのようにすれば、我々は、健全な倫理原則を反映させたAIシステムの訓練を行っていることを確実にできるだろうか? 米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の学際研究チームが、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers: IEEE)の専門誌に2月に発表した論文によれば、我々は既にその問題への回答を持っている。論文は、「我々は、科学者が長年、人間を対象とした研究で実践してきたのと同じ基本原則を実践すべきである」と述べる。これらの原則は、①人への敬意(respect for persons)、②善行(beneficence)、③正義(justice)の3点で、これは、1979年に発表された「ベルモント報告(Belmont Report)」の中核的アイデアで、人間を対象とした研究を行う際の米政府の方針に大きな影響をもたらした。ベルモント報告における「人を対象とした原則」をAI研究に適用することで、信頼性と責任あるAIの使用へ近づくことができると、NISTの研究者は説明する。 National Institute of Standards and Technology “NIST Researchers Suggest Historical Precedent for Ethical AI Research” (2/15/24)

NISTの新たなデータベース「フォーエバー・ケミカル」、科学者の環境汚染の監視の一助に

シミのつきにくい衣服やファストフードの包み紙などは、「パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(per- and polyfluoroalkyl substances: PFAS)」と呼ばれる製造化学物群からその機能の多くを得ているが、一部のPFASには、癌やその他の深刻な健康被害の原因となる可能性を示す証拠が見つかっている。政府機関や環境団体は、PFASの監視を強化しているが、PFASには数千もの異なる化学構造があり、高い信頼を持って測定できるものはごくわずかである。PFASは継続的に新たな種類が発見されていることから、既知及び未知のPFAS化学構造について科学コミュニティの知識を収集及び整理する一元化されたデータベースを維持することは困難である。こうした問題に対処するため、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、他者が、化学分析データのPFASを特定及び分類することを助けるデータベースを開発した。この種のデータベースは初めてで、環境汚染の監視やその他の用途に有益となる可能性がある。このPFASデータベースの利用は無料でダウンロードが可能である。 National Institute of Standards and Technology “New NIST Database of ‘Forever Chemicals’ Will Help Scientists Monitor Environmental Pollution” (2/15/24)