NIST等、合成生物学の安全ツールを開発へ

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、非営利組織の工学生物学研究コンソーシアム(Engineering Biology Research Consortium: EBRC)と2年間の共同研究協定を交わした。核酸合成に関連する人工知能(AI)の潜在的な誤用から防護することを目的として、スクリーニング及び安全ツールの開発に取り組む。核酸合成は、成長中の合成生物学分野で、有望であると同時に深刻なリスクも含んでいる。バイデン大統領は先に発表した大統領令(Executive Order)で、NISTを含む複数の機関に、AIの進歩を踏まえ、核酸合成に関する標準やベスト・プラクティス、実践ガイドを開発するよう指示した。NISTによる今回の共同作業は、そのタスクを実施するものである。NISTとEBRCのパートナーシップは、核酸合成における安全性とセキュリティを確実にするために必要なインフラを特定及び説明することを狙いとしている。共同契約の一環として、業界や大学、政府機関、その他の関連する機関から見解を募集する。 National Institute of Standards and Technology “NIST, Nonprofit Research Consortium to Develop Safety Tools for Synthetic Biology to Defend Against Potential Misuse of AI” (2/16/24)

エネルギー省、第2次年間公平行動計画を発表

バイデン大統領が2023年2月16日に通達した大統領令14091号(Executive Order 14091)「連邦政府を通じた人種的公平と社会的に恵まれないコミュニティへの支援の更なる進展(Further Advancing Racial Equity and Support for Underserved Communities Through the Federal Government)」への返答として、エネルギー省(Department of Energy)は2月14日、「2023年公平行動計画(2023 Equity Action Plan: EAP)」を発表した。本計画は、これまでのエネルギー省による進展と、全ての米国民のための公平性を更に進展させる上で実践していく戦略を概説したものである。2023年公平行動計画は、公平性を進展させるための新たな優先的戦略として、①エネルギー省全体のコミュニティ恩恵計画(DOE-wide Community Benefits Plan)枠組みを確立する、②公平な成果を促進するため、メリット・レビュー(Merit Review)プログラムを更新する、など5点が提示されている。また、2022年公平行動計画以来の大幅なマイルストーンの達成事項として、データ情報に基づく意思決定を促進するためのデータ収集における溝への対処や、エネルギー省の資金提供機会へ新規の申請者が応募できる機会を増やした、などが記されている。 Department of Energy “DOE Announces Second Annual Equity Action Plan” (2/14/24)

一般市民の科学への信頼は引き続き高いが、関与は低い

米国科学審議会(National Science Board: NSB)が2月14日に発表した「科学技術:一般市民の認識と意識と情報源(Science and Technology: Public Perceptions, Awareness, and Information Sources)」と題する報告書によれば、多くの米国民が、科学は社会に恩恵をもたらすと引き続き考えているが、専門的な科学者との科学的活動への関与は極めて少なく、人々が科学的プロセスに精通しているかどうかは、科学機関に対する彼らの考え方に呼応している。報告書に記載されている情報は、①科学技術に対する一般市民の認識、②科学的研究プロセスに関する一般市民の精通性、③科学的情報源及び活動との一般市民の関与、の3つに分けられる。米国成人の間で、科学者への信頼は、教育水準や所得によって異なり、大学院の学位を取得している米国成人の42%が科学への大幅な信頼を表明している一方、高校卒業以下の成人のその割合は21%となっている。また、米国民が科学について知識を得る源は、専門的な科学的情報源よりも、一般的なニュース源が多い傾向にある。 National Science Foundation “Public Trust in Science Remains High, but Engagement is Low” (2/14/24)

エネルギー省、クリーンで再生可能な地熱エネルギーの拡大に6,000万ドルを投資

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の支援として、エネルギー省(Department of Energy)は2月13日、強化地熱システム(enhanced geothermal systems: EGS)の有効性と拡張性の実証に取り組む3件のプロジェクトに最大6,000万ドルを提供すると発表した。資金は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。受益する実証プロジェクトは、革新的技術と様々な開発技法を使って、地球上にある豊富な熱資源の捕獲に取り組み、地熱エネルギーが確実でコスト効果の高い電力を数千万の世帯や企業に提供できる可能性を実証する。これらのプロジェクトは、エネルギー省の「強化地熱ショット(Enhanced Geothermal Shot)」(2035年までにEGSの費用を90%削減することを目指す)の目標も支援する。今回、受益するのは、シェブロン・ニュー・エナジーズ(Chevron New Energies)、フェーボ・エネルギー(Fervo Energy)、マザマ・エネルギー(Mazama Energy)の3社。 Department of Energy “Biden- Harris Administration Invests $60 Million to Expand Clean, Renewable Geothermal Energy” (2/13/24)

エネルギー省、二酸化炭素輸送の基本工学設計研究への投資を継続する意向

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon management: FECM)は、二酸化炭素を人為的な排出源から二酸化炭素転換拠点または地質的貯蔵拠点へと輸送する計画を支援及び加速させるための基本工学設計(front-end engineering and design: FEED)に資金を提供する資金提供公募(FOA)を再び発表する意向である。FOAの資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)から拠出される。二酸化炭素の輸送手段は、パイプライン、トラック、鉄道、小型船舶、船舶を含む全ての手段が考慮の対象となる。発電所やエタノール施設など、二酸化炭素排出源は、多くの場合、地質的貯蔵地点の近くには位置しておらず、これらを結びつける輸送ネットワークが必要となる。FOAが発表される場合、3回目の締め切り日は2024年度の第3四半期になる可能性がある。 Department of Energy “DOE Plans To Continue Investing in Carbon Dioxide Transport Front End Engineering and Design (FEED) Studies” (2/15/24)

国立炭素捕獲センター、技術試験及び実証の時間が15万時間に到達

エネルギー省(Department of Energy)と国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)が2009年に設立した国立炭素捕獲センター(National Carbon Capture Center: NCCC)は最近、15万時間の技術試験実施という大きな節目を達成した。NCCCは、炭素管理技術の試験と実証の米国イノベーションの礎石となる施設で、サザン・カンパニー(Southern Company)が、エネルギー省の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon management: FECM)とNETLとの間の共同契約を通じて、アラバマ州ウィルソンビルにあるNCCCを運営している。NCCCは、発電所や産業の炭素排出源から温室効果ガスの排出を削減したり、捕獲した二酸化炭素を有益な製品に転換したり、大気から二酸化炭素を直接捕獲するための技術の開発と導入を加速させることを目的として、世界中のイノベーターと共に取り組んでいる。 National Energy Technology Laboratory “NETL-Sponsored National Carbon Capture Center Hits 150,000 Hours of Technology Testing and Demonstration” (2/14/24)

エネルギー省、混合藻類及び湿った廃棄物原料の研究開発へ資金提供の意向

エネルギー省(Department of Energy)のバイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office: BETO)と化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon management: FECM)は2月13日、藻類やその他の湿った廃棄物原料を低炭素の燃料、化学剤、農業製品に変換するための研究開発(R&D)に資金提供を行う意向を発表した。「混合藻類の転換研究に関する機会(Mixed Algae Conversion Research Opportunity: MACRO)」の資金提供機会(FOA)は、二酸化炭素の使用や、転換技術、湿った藻類原料の使用を制限する製品開発における溝に対処する。これらの原料は新興の資源であるが、十分に活用されていない。その理由は、その可変性や独自の化学構成、貯蔵の困難さが理由となって転換が難しいためである。FOAは2023年3月に発表予定で最高1,880万ドルの資金が予定されており、トピック分野として、①海草及び藻類廃棄物を低炭素燃料及び製品に転換する、②藻類バイオマスを低炭素農業製品に転換する、の2点が挙げられている。        Department of Energy “DOE Issues Notice of Intent to Fund Mixed Algae and Wet Waste Feedstocks R&D for Biofuels and Bioproducts” (2/13/24)

エネルギー省、先端二酸化炭素排除技術のパイロット規模の試験に最高1億ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は2月12日、米国内で商業的に実行可能な二酸化炭素排除産業の開発を支援するため、最高1億ドルを提供する「炭素ネガティブ・ショット・パイロット(Carbon Negative Shot Pilots)」と題する資金提供公募(FOA)を発表した。このFOAは、大気中から二酸化炭素を直接排除して、地層やバイオベース、及び海洋の貯留層に貯蔵するか、付加価値製品に転換することで、二酸化炭素汚染を削減する排除技術を実証及び拡張するパイロット・プロジェクトや試験施設を支援する。今回のFOAは、関心分野として、①小規模なバイオマス炭素排除及び貯蔵パイロット、②小規模な石灰化パイロット、③複数経路の二酸化炭素排除試験施設、の3点が挙げられている。 Department of Energy “DOE Announces Up to $100 Million for Pilot-Scale Testing of Advanced Carbon Dioxide Removal Technologies” (2/12/24)

エネルギー省、電気ヒートポンプの国内製造加速に6,300万ドルを投資

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は2月14日、住宅用ヒートポンプ、ヒートポンプ給湯器、その他のヒートポンプのシステム及びコンポーネントの国内製造の成長を加速させることを目的として、6,300万ドルが有用であると発表した。インフレ低減法(Inflation Reduction Act)からの投資で、国防生産法(Defense Production Act: DPA)を使って主要なクリーン・エネルギー技術(ヒートポンプを含む)の国内生産を強化する。2023年11月には、第1次ラウンドとして、ヒートポンプ及び部品の製造に1億6,900万ドルの資金が拠出されており、今回の公募は第1次ラウンドの成功に基づいて実施される。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $63 Million to Accelerate Electric Heat Pump Manufacturing Across America as Part of Investing in America Agenda” (2/14/24)

DARPA、環境への影響が少ない形で海洋エネルギーを確保・転換を目指す

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、溶存有機物、植物プランクトン、動物プランクトン、さらにはマイクロプラスチックを使って、海洋に配備されたセンサーに継続的にエネルギーを補給し、寿命を延長させる可能性を模索する。DARPAの新しいプログラム「生物学的海中エネルギー(BioLogical Underwater Energy: BLUE)」プログラムは、海洋バイオマス及びその他の物質の豊富でエネルギー密度の高い形態を利用し、環境への影響が少ない形でエネルギー問題の解決に取り組む。BLUEプログラムは30カ月にわたって実施され、新規で継続的、持続可能性があり、環境への影響が少ないエネルギー供給によって、遠洋に配備されたセンサー・システムに超長期耐久性と高い積載能力を提供することの実証に取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “BLUE Aims to Capture, Convert Ocean Energy with Low Environmental Impact” (2/15/24)