BIO、ワクチン開発に更なるイノベーションと投資が必要と提言

バイオテクノロジー・イノベーション協会(Biotechnology Innovation Organization: BIO)は1月25日、「感染症に関するワクチンのイノベーションと予防抗体の現状(The State of Innovation in Vaccines and Prophylactic Antibodies for Infectious Diseases )」と題する報告書を発表した。ワクチン開発における最新の科学と投資のトレンドを分析したもので、それによれば、世界のワクチン及び予防接種のパイプライン上には、約250の新規の臨床段階のプログラムがあり、それ自体は大きな有望性を秘めているものの、その約30%は新型コロナを対象としたものであること、そしてベンチャー資本投資が不十分であることが指摘されている。また、予防抗体の臨床パイプラインにあるプロジェクトはわずか16件で、ワクチンに比べて小規模である。報告書は、投資の溝を埋め、強く必要とされているワクチンと抗体を市場化するため、プラットフォーム技術による新規手法の開発を迅速化すること、利用可能なワクチンへの患者のアクセスを強化すること、ワクチンに関する誤情報に対策を講じることなどを勧告している。 Biotechnology Innovation Organization “New BIO Report Finds More Innovation & Investment Needed in Vaccine Development” (1/25/24)

商務省、気候対応力の強化を目的とした業界開発試験場(IPG)に8,500万ドルを投資

商務省(Department of Commerce)と米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)は1月23日、実用的な気候情報の開発と使用を推進する「業界開発試験場(Industry Proving Grounds: IPG)」プログラムに8,500万ドルを投資すると発表した。IPGプログラムは、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)から資金拠出され、NOAAの国立環境情報センター(National Centers for Environmental Information: NCEI)が主導する。IPGプログラムは、①金融と再保険、②小売りと建築、③工学、の3つの業界に焦点を当てており、NCEIは、業界パートナーと共に、部門ごとに適したデータツールやユーザー・フレンドリーな形での気候データの提供に継続的に関与していく。NCEIは、より関連性のあるデータ製品の開発に焦点を当てることで、部門ごとに特定された気候情報ニーズの溝をふさぐことと、気候変動の影響に最も脆弱なコミュニティにより良いサービスを提供するため、環境及び社会経済データを混合させた一連の製品の拡大を目指す。 National Oceanic and Atmospheric Administration “Biden-Harris Administration invests $85M for Industry Proving Grounds program to strengthen climate resilience through Investing in America agenda” (1/23/24)

USPTOとNOAAが気候技術の進展で協調的合意に署名

商務省(Department of Commerce)傘下の米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)と米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)は、気候変動に対する米国の対応力の強化、環境への対応の推進、持続可能な経済開発の奨励につながる気候/海洋/環境経済を進展させる技術分野のイノベーションを進展させることに、両機関が協力して組むことを記した覚書(memorandum of understanding: MOU)に署名した。MOUによって、両機関は提携を続けることが可能になり、NOAAの研究及び技術は国民により良いサービスを提供し、将来の気候への準備が整ったソリューションを意欲づけることができる。MOUには、職員の交換プログラムや、将来の取り組み分野に関する定義も盛り込まれている。これには、協調的プログラム、データ共有、気候と環境対応を支援する政策が含まれる。 U.S. Patent & Trademark Office “USPTO, NOAA sign collaborative agreement to advance climate technology” (1/24/24)

エリック・シュミット氏、新たな慈善的科学団体を立ち上げ

グーグル社(Google)の元CEOであるエリック・シュミット氏(Eric Schmidt)とその妻のウェンディ氏が、新たに「シュミット・サイエンス(Schmidt Sciences)」と呼ばれる慈善的科学団体を開始する。科学及び技術で非伝統的な研究分野に資金提供することが目的である。新たな組織は、シュミット夫妻が資金提供し、人工知能(AI)やその他の最先端技術に関する先見的リーダーとなっているシュミット・フューチャーズ(Schmidt Futures)の科学的ミッションから発展したものである。コンピュータ科学者で、シュミット・フューチャーズの共同CEOを務めるスチュワート・フェルドマン氏(Stuart Feldman)がシュミット・サイエンスを主導する。シュミット・サイエンスの中核的な焦点には、AI、先端コンピューティング、天体物理学及び宇宙、バイオ科学、気候が含まれる。 Axios “First look: Former Google CEO Eric Schmidt launches new science charity” (1/17/24)

大統領府、大統領令発令後の主要なAI行動を発表

バイデン大統領は3か月前、人工知能(AI)の有望性をとらえ、リスクを管理する上で、米国が主導することを確実にするよう、画期的な大統領令(Executive Order: EO)を発令した。EOは、AIの安全性とセキュリティを強化し、米国民のプライバシーを保護し、公平な市民的権利を進展させ、消費者と労働者のために立ち上がり、イノベーションと競争を推進し、世界中で米国のリーダーシップを進展させることなどのための抜本的な行動を指示している。ブルース・リード副首席補佐官(Bruce Reed)(Deputy Chief of Staff)は1月29日、ホワイトハウスAI評議会(White House AI Council)を招集した。評議会では、様々な連邦省庁のトップ高官が、EOで課せられた90日間の行動を完了したことや、EOがより長期的な枠組みで課したその他の重要な指示の進展について報告した。 White House “Fact Sheet: Biden-⁠Harris Administration Announces Key AI Actions Following President Biden’s Landmark Executive Order” (1/29/24)

NIST、半導体研究開発に関するオープン・コンペを発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は2月1日、半導体の製造/梱包/アセンブリのためのデジタル・ツインに関するオープン・コンペについて、意向通知(notice of intent)を発表した。連邦広報(Federal Register)によれば、CHIPS研究開発局(CHIPS Research and Development Office)は、半導体事業のためのデジタル・ツインに焦点を当てた製造USA研究所(Manufacturing USA Institute)を1か所確立することを模索している。加えて、コンペには、こうしたデジタル・ツインを物理的なプロトタイプ施設で検証することも含まれる。本件について、NISTは5年間で2億ドル以上をコミットしている。CHIPS R&D局は2024年第2四半期にコンペの正式な発表を行う予定である。 FEDSCOOP “NIST previews open competition for semiconductor research and development” (2/1/24)

アリゾナ州立大学、オープンAI社と共同作業、高等教育におけるAIの将来を描く

アリゾナ州立大学(Arizona State University: ASU)は1月18日、高等教育機関としては初めて、オープンAI社(OpenAI)と共同作業を行うと発表した。オープンAI社が1年前にチャットGPT(ChatGPT)を発表して以来、生成AIツールを導入する組織は急増している。ASUとオープンAI社の共同作業により、チャットGPTエンタープライズ(ChatGPT Enterprise)の高度な能力を高等教育に取り入れることが可能になり、大学における学習や創造性、学生の成果を強化する新たな前例を作ることにつながる。ASUは、チャットGPTエンタープライズの革新的な使用を実践するため、教員及びスタッフからの提案を募集する。重視すべき主要な点として、①学生の成功を高める、②革新的研究のための新たな手段を形成する、③組織的プロセスを合理化する、の3点が挙げられている。 Arizona State University “A new collaboration with OpenAI charts the future of AI in higher education” (1/18/24)

ARPA-H、経口薬で代謝性疾患の治療を目指す

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は2月1日、「経口の革命:健康の変革を目的とした電気薬学とmRNA治療の実現(Revolutionizing the Oral route: delivery of electroceuticals and mRNA therapeutics for transforming health: REO)」プロジェクトを発表した。REOプロジェクトは、糖尿病や肥満などの代謝性疾患を治療する2種類の固有な経口治療薬の創出を狙いとしている。米国の人口の50%以上が代謝障害を有しているが、現在の治療は頻繁な注射または侵襲的手術を必要とすることから、患者は治療に消極的である。REOプロジェクトはこうした治療の代わりに、消化器系に作用する2種類の経口薬の開発に取り組む(錠剤サイズの機器を経口摂取して胃腸内にmRNAを投与し、次に電気薬学となる機器を経口投与して、電気的刺激治療する)。REOの予算は最大6,560万ドル。マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)がプロジェクトのリード機関となっている。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H announces project to treat metabolic diseases with oral pills” (2/1/24)

OSTP、「オープン科学の1年」の一周年を記念

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は1年前、「オープン科学の1年(Year of Open Science)」を開始し、連邦政府として、オープンで公平でセキュアな研究を進展させるための措置を発表した。2023年を通じて、連邦機関は、学生や研究者、大学、民間企業、図書館、財団を含む様々なコミュニティと関与し、科学技術が米国内のコミュニティに平等な恩恵をもたらすことを確実にするバイデン=ハリス政権の取り組みを強化した。連邦機関による取り組みは、①オープン科学政策の強化、②オープン科学インフラへの投資、③オープン科学スキル構築における研究コミュニティへの支援、④コミュニティとの関与を通じてオープン科学への広範な参加を促す、の5点を主要なテーマとして実施された。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Marks the Anniversary of OSTP’s Year of Open Science” (1/31/24)

NETL等、海洋が温室効果ガスを排除する方法を調査

ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)の研究者は国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)と協力し、海洋がどのようにして大気から炭素を排除するのかを調査するためのブイ・ベースの光ファイバー・センサーを開発し、ファインディングを作成する。このファインディングは、大気中の温室効果ガス・レベルを削減する海洋ベース技術の開発を進展させる可能性がある。NETLの研究科学者は、「これまでの所、大気から過剰な二酸化炭素を排除する取り組みの大半は主に陸上で実施できるものに焦点を当てられているが、超大規模な二酸化炭素排出を達成するにはあらゆる種類の技術を調査する必要があり、それには海洋における自然の炭素捕獲及び貯蔵プロセスを活用することも含まれる」と語る。本研究チームは、ピッツバーグ大学(主幹)、NETL、業界パートナーで構成され、今回、海洋二酸化炭素排除(mCDR)技術の開発加速を目的として、合計3,600万ドルを受益する11件のプロジェクトの一つ。資金は、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)から受益する。 National Energy Technology Laboratory “NETL, Partners Set Sail on Project To Monitor How Oceans Remove Greenhouse Gas” (1/31/24)