アリアント・エネルギー社、二酸化炭素ベースの長期貯蔵の実証に期待

アリアント・エネルギー社(Alliant Energy)のユーティリティ部門であるウィスコンシン・パワー・アンド・ライト社(Wisconsin Power and Light)とマディソン・ガス・アンド・エレクトリック社(Madison Gas and Electric Co.)、ウィスコンシン公益サービス社(Wisconsin Public Service Corp.)は、ウィスコンシン州公益サービス委員会(Public Service Commission of Wisconsin)に対し、ウィスコンシン州ポートエイジ近郊に、最高20メガワット(MW)の二酸化炭素をベースとするエネルギー貯蔵システムを建設することを承認するよう要請した。本件は、「コロンビア・エネルギー貯蔵プロジェクト(Columbia Energy Storage Project)」と呼称されるプロジェクトで、イタリアのスタートアップ、エネルギー・ドーム社(Energy Dome)が開発した新たな長期貯蔵概念(圧縮された二酸化炭素を使って従来型のタービンを稼働させる)を試験する。同社によれば、この技術により、リチウムやその他の重要鉱物を必要とせずに、約75%の往復効率を達成できる可能性があるという。この実証プロジェクトの目的は、新しい貯蔵技術がどのように同社のグリッド運用に最適に活用できるかを評価することである。 Utility Dive “Alliant Energy utility wants to demonstrate nation’s first CO2-based long-duration ‘energy dome’” (8/20/24)

仮想発電はパイロット規模を超えるものの、政策・技術的課題が残存

ウッド・マッキンゼー(Wood Mackenzie)が7月29日に発表した報告書「2024年 北米仮想発電所市場(North America virtual power plant (VPP) market 2024)」によれば、仮想発電所(Virtual power plants: VPP)は北米市場で現在、321の市場で1,459件の事例が展開され、33ギガワット(GW)の能力を有しており、「北米においてはパイロットの規模を十分に超えている」という。ただし、こうしたVPPの能力は、分散型エネルギー資源能力全体のわずか19.5%で、従来型の商用・産業需要応答と、住宅のサーモスタット・プログラムが不均衡な割合を占めている。報告書は、「VPPの可能性を大幅に実現するには、効果的なプログラム設計、支援的な州及び連邦政策、卸売市場参加への障害の低減、先端メータリング及び住宅エネルギー管理技術の広範な普及が必要である」としている。 Utility Dive “Virtual power plants ‘well past pilot scale,’ but policy and tech challenges remain: WoodMac” (8/22/24)

自動車売上に占める電気及びハイブリッド自動車のシェアが2024年第2四半期に上昇

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は8月26日、「米国内で自動車売上に占める電気及びハイブリッド自動車(ハイブリッド自動車/プラグイン式ハイブリッド電気自動車/電池電気自動車)のシェアは、2024年第1四半期(17.8%)に微減した後、同年第2四半期(18.7%)に上昇した」と発表した。電気及びハイブリッド自動車の市場シェアの微増は、主としてハイブリッド電気自動車(HEV)の売上増によるもので、同売上は前年同期比30.7%増加した。高級電気自動車の売上は引き続き好調で、2024年第2四半期の高級自動車売上全体の32.8%を占めた。電池電気自動車(BEV)の平均取引価格(政府のインセンティブを含まない)は、2024年1月の5万7,405ドルから同年6月の5万6,371ドルに低下した。テスラ社(Tesla)は引き続き電気自動車市場を先導しているが、メーカー別に見た全電気自動車売上に占める割合は過半数を割り、2024年第2四半期は48.9%となった。 Energy Information Administration “U.S. share of electric and hybrid vehicle sales increased in the second quarter of 2024″ (8/26/24)

中国は間もなく世界トップのAIイノベーターに

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は8月26日、「中国は間もなく世界トップのAIイノベーターになるかもしれない(China May Soon Be the Top AI Innovator in the World)」と題する報告書を発表した。それによれば、人工知能(AI)に関する中国の絶え間ない推進と戦略的投資は、同国がAI分野で米国と対等となる、もしくは米国を上回るのは時間の問題であることを示唆している。輸出管理を通じて中国の先端技術へのアクセスを制限しようとする米国の広範な努力にもかかわらず、これらの措置の効果は限定的で、それどころか中国が国内のエコシステムの成長を進展させることを促すという逆効果につながっている。報告書のキーファインディングとして、①中国はAIの研究論文を先導し、生成AIで競争的になっている(ただし米国の論文の方が影響力は高く、引用や民間部門の関与も多い)、②清華大学は中国の大手AIスタートアップの主要ハブになっている、③中国の大規模言語モデルは米国モデルとの性能の溝を埋めつつある、などが挙げられている。報告書はまた、AIの開発及び導入を強化することを目的として、米国政策策定者への勧告も提示している。 Information Technology & Innovation Foundation “China May Soon Be the Top AI Innovator in the World, New Report Finds” (8/26/24)

米国、IPEFサプライチェーン協定の下、協力のための重要部門及び主要物品を特定

米政府は8月23日、サプライチェーンの対応力強化を目的とした「インド太平洋経済枠組み(Indo-Pacific Economic Framework: IPEF)サプライチェーン協定」の下、潜在的な協力のための重要部門及び主要物品のリストを発表した。参加国は、IPEFサプライチェーン協定の下で協力する重要部門と主要物品のリストを策定することにコミットし、それらはIPEFサプライチェーン評議会(IPEF Supply Chain Council)を通じて共有される。米国の重要部門及び主要物品リストには、①農業、②化学、③消費者製品、④重要鉱物及び鉱業、⑤エネルギー/環境産業(先端電池、炭素管理/捕獲技術などを含む)、⑥医療産業(医療機器、個人保護機器などを含む)、⑦情報通信技術製品(視聴覚技術、半導体などを含む)、⑧輸送と物流(航空及び航空コンポーネント、自動車部品などを含む)、が挙げられている。 Department of Commerce “U.S. Identifies Critical Sectors and Key Goods for Potential Cooperation under the IPEF Supply Chain Agreement” (8/23/24)

エネルギー省、クリーンで再生可能な地熱エネルギーの費用削減と拡大に3,100万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は8月26日、国内の地熱エネルギーの進展を目的として6件のプロジェクトに最高3,100万ドルを投資すると発表した。受益するのは、クレムソン大学(Clemson University)、イノベイティブ・ダウンホール・ソリューションズ社(Innovative Downhole Solutions Inc.)、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)などで、強化地熱システムの建設の改善や、地熱貯留層によって業界のエネルギー・ニーズを削減できる方法の実証に取り組む。現在、国内の地熱資源は約4ギガワット(GW)の電力を生産しているが、エネルギー省の最近の分析によれば、強化地熱システムの進展により、2050年までに少なくとも90GWの確実で柔軟な電力をグリッドへ供給できる可能性がある。これらは、エネルギー省の強化地熱ショット(Enhanced Geothermal Shot)の目標(2035年までに強化地熱システムの費用を90%削減する)と、エネルギー省の産業熱ショット(Industrial Heat Shot)の目標(2035年までに費用競争力の高い産業熱脱炭素化技術を開発し、排出を少なくとも85%削減する)を支える。通常電気エネルギーを蓄える従来型のエネルギー貯蔵電池に比べ、地熱エネルギー貯留(reservoir thermal energy storage: RTES)技術は地熱エネルギーを地下に直接100時間以上蓄えることができ、電力を必要としない。 Department of Energy ” Biden-Harris Administration Invests $31 Million to Reduce Costs and Expand Clean, Renewable Geothermal Energy” (8/26/24)

国防総省、IoT情報アーキテクチャを研究する米国とフィンランドのチームに助成

国防総省(Department of Defense)は8月22日、将来の通信システムに革命的進展をもたらす可能性がある基礎問題について調査する米国とフィンランドの学術研究者チームを、アワードの受益者として選出したと発表した。これは、「二国間学術研究イニシアチブ(Bilateral Academic Research Initiative: BARI)」によるアワードで、受益者チームの「無線通信とIoT(モノのインターネット)のための自己プログラムが可能なメタサーフェス・ネットワーク(Self-Programmable Metasurface Networks for Wireless Communications and IoT)」は、ニューヨーク市立大学(City University in New York)のアンドレア・アル教授(Andrea Alu)と、フィンランドのアールト大学(Aalto University)のセルゲイ・トレチャコフ教授(Sergei Tretyakov)が先導する。BARIプログラムは、米国とパートナー国の学術チームが、それぞれのスキル・セットと資源を統合し、ハイリスクの基礎研究を追求できるよう支援するプログラム。今回の件では、4年間の活動期間に、米国研究チームは、国防次官補(研究工学担当)局内(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering)の基礎研究局(Basic Research Office)から最高400万ドルを、フィンランドのチームは同国の研究評議会(Research Council of Finland)から最高300万ユーロ(約330万ドル)を受益する。 Department of Defense “U.S.–Finland Team Receives Bilateral Academic Research Award to Advance Future Information Architecture for IoT” (8/22/24)

GAO、OSTPへの優先事項公開勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月22日、「優先事項公開勧告:大統領府科学技術政策局(Priority Open Recommendations: Office of Science and Technology Policy: OSTP)」を発表した。GAOは2023年5月にOSTPに7件の優先事項勧告を提示しており、それ以来、OSTPは2件の勧告を実践した。GAOは今般、新たに3件の優先事項勧告を追加し、OSTPへの勧告は合計8件となった。これらの勧告は、①気候変動リスクの管理、②戦略的計画とデータの改善を通じた国家目標への対処、③人工知能(AI)の規制、④研究セキュリティ・リスクへの対処、に分けることができる。GAOは、連邦政府がお金を節約し、GAOのハイリスク・リスクに掲げる問題に対処し、政府事業を大幅に改善することを手伝う目的で、毎年1,000件以上の勧告を提示している。 Government Accountability Office “Priority Open Recommendations: Office of Science and Technology Policy” (8/22/24)

GAO、没入型技術について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月22日、「没入型技術:多くの非軍事当局が拡張現実/仮想現実などを使用もしくは使用を計画(Immersive Technologies: Most Civilian Agencies Are Using or Plan to Use Augmented Reality, Virtual Reality, and More)」と題する報告書を発表した。物理的環境とデジタルコンテンツを統合する没入型技術の使用は、エンターテイメントの枠を超え、教育や訓練などにも拡大している。GAOは23の非軍事連邦当局に没入型技術の使用及び計画について尋ねた。多くの当局が同技術を使用しており、特に訓練に使用されることが多い。例えば、国土安全保障省(Department of Homeland Security)は、武器の使用に関する法規取り締まり訓練の一環としてシミュレーターを使用している。GAOの調査によれば、15の連邦当局がその使用を拡大する計画である。一方、課題としては、「サイバーセキュリティ要件の順守」「高費用」などが挙げられた。 Government Accountability Office ” Immersive Technologies: Most Civilian Agencies Are Using or Plan to Use Augmented Reality, Virtual Reality, and More” (8/22/24)

エネルギー省、農村・遠隔地域におけるクリーンエネルギー・プロジェクトに最高4億ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)のクリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations: OCED)は8月22日、米国内の農村及び遠隔地域を対象に、コミュニティに焦点を当てた革新的なクリーンエネルギー・ソリューションを促進するため、最高4億ドルを提供する「意向通知(Notice of Intent: NOI)」を発表した。バイデン大統領の超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの資金拠出を得て行われ、商業的に利用可能な様々なクリーンエネルギー技術の導入を支援し、農村及び遠隔地域の住民への恩恵と実行可能性を実証し、最終的には広範な導入を奨励するのが目的である。この投資計画は、クリーンエネルギー・システムを実証し、農村または遠隔地域に住む人々への測定可能で持続可能な恩恵を実現することなどを狙いとしたコミュニティ主導のプロジェクトに資金提供する「農村または遠隔地域のエネルギー改善(Energy Improvements in Rural or Remote Areas: ERA)」プログラムの一環。OCEDは、16~69件程度のプロジェクトに、200万~5,000万ドルの資金を提供し、それぞれ5~50%を最低限とする非連邦資金による分担を義務付ける計画である。 Department of Energy “OCED Announces Plans to Fund up to $400 Million for Clean Energy Projects in Rural and Remote Areas Across the Nation” (8/22/24)