エネルギー省、社会的に恵まれない地域のエネルギー研究支援に3,600万ドルを発表

過去において連邦研究資金の受益が一般的に少ない州と領土に科学資金が届くことを確実にするため、エネルギー省(Department of Energy)は8月22日、「競争的研究を促進するための確立されたプログラム(Established Program to Stimulate Competitive Research: EPSCoR)」を通じて、19州で行われる39件の研究プロジェクトに3,600万ドルを提供すると発表した。このグラントは、適格の機関にいる科学者の革新的アイデアをエネルギー省の国立研究所の先端能力と結びつけるもの。科学者を支援しつつ、米国にとって重要な地域で優れた研究を実施するために必要な専門性と能力を構築することは優先事項の一つである。このプログラムを通じて、競争的なエネルギー関連の研究を実施する科学者の科学的知識と地理的多様性の双方を進展させる。 Department of Energy “Department of Energy Announces $36 Million to Support Energy-Relevant Research in Underrepresented Regions of America” (8/22/24)

NIST、デジタル・アイデンティティのガイドライン草案を発表、最後のパブコメを募集

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は8月21日、「デジタル・アイデンティティ・ガイドライン(Digital Identity Guidelines)」(NIST特別出版物800-63改訂4)(NIST Special Publication 800-63 Revision 4)」及び付属出版物(companion publications)を更新し、パブコメの募集を行った。更新は、2023年に行われた4カ月に及ぶパブコメ受付と1年にわたる外部との関与を通じてNISTが受理した数多くのフィードバックを反映したものとなっている。ガイドラインは、デジタル・ウォレットやパスキー、物理的なIDなど、人々が自分の身元を証明するために使用する様々な手法についてガイダンスを提供するもので、政府のサービスにアクセスする際のアイデンティティ証明プロセスにおいて、セキュリティ、プライバシー、アクセス性を確実にすることを狙いとしている。NISTは、今回の更新版について10月7日までパブコメを受け付ける。 National Institute of Standards and Technology “NIST Releases Second Public Draft of Digital Identity Guidelines for Final Review” (8/22/24)

DARPA、地域商業化アクセラレータを開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、DARPA商業化アクセラレータ(DARPA Commercial Accelerators)として全国で5件の優れた技術アクセラレータを選出した。DARPAの資金提供を受けた技術の迅速な商業化と拡大を促進するのが狙い。選出された地域の商業化アクセラレータは、①キャピタル・ファクトリー(Capital Factory)(拠点:テキサス州オースティン)、②CIMIT(ボストンにあるマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital))、③FedTech(ハイペリオン・テクノロジーズ社(Hyperion Technologies LLC)(バージニア州アーリントン)、④SRIインターナショナル(SRI International)(カリフォルニア州メンロー・パーク)、⑤ノースカロライナ無線研究センター(Wireless Research Center of North Carolina)(ノースカロライナ州ウェイク・フォレスト)。DARPA商業化アクセラレータは、DARPAの資金を受けた適格の企業と協力し、初期段階の技術の開発に取り組む。こうした取り組みは、地域の優れた商業化及び起業に関する人材及び投資家ネットワークへのアクセスや、DARPAの実施者を敵対者でない民間投資資本及び米国企業と結びつけるといった点で、大幅な影響をもたらす可能性がある。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Launches Regional Commercial Accelerators” (8/22/24)

エネルギー省、エネルギー効率回転融資基金の確立に6,600万ドルを発表

「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は8月23日、15の州と2つの領土(プエルトリコ、米バージン諸島)が、「エネルギー効率回転融資基金資本化グラント・プログラム(Energy Efficiency Revolving Loan Fund (RLF) Capitalization Grant Program)」から合計6,600万ドルのアワードを受益すると発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)の支援を受けて実施され、州と領土が、エネルギー効率の監査/改良/改修を行い、エネルギー効率を高め、建造物の快適さを向上させるための融資とグラントを発行する回転資金を確立もしくは強化できるよう資金を提供する。RLFプログラムは、コミュニティが、クリーンエネルギー経済から恩恵を受け、住宅や建造物の快適さを高める助けとなり、バイデン大統領の気候目標を支援する。今回のアワードは、RLF基本化グラント・プログラムの3回目のアワードで、エネルギー省は今年後半に新たなアワードを発表する予定である。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces 17 States and Territories to Receive $66 Million to Establish Energy Efficiency Revolving Loan Funds” (8/23/24)

NSB-NSFメリット・レビュー委員会、「情報の要請」を発表

米国科学審議会(National Science Board: NSB)と米国科学財団(National Science Foundation: NSF)によるメリット・レビュー委員会(NSB-NSF Commission on Merit Review)は先般、現行のメリット・レビューの基準/方針/プロセスの効果に関する評価への情報提供及びそれらに関する勧告の草案及び提案への情報提供を求める「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。関心のある者は、このRFIに関して発表された「科学コミュニティ宛ての書簡(Dear Colleague Letter with Requests for Information)」に記載されている6件のトピックについて、洞察や提案を提供することができる。本委員会は、メリット・レビューの基準/方針/プロセスの見直しを行っており、これらを改定することで、NSFのミッションとの整合性や明確さを高め、NSFのミッションを支援、進展させるプロジェクトを特定するプロセスにおいて公平さと競争性と透明性を改善できるかどうかを検討している。 National Science Foundation “NSB-NSF Commission on Merit Review issues Request for Information” (8/23/24)

米国大手企業の投資がコミュニティソーラーと分散型エネルギーの成長を加速

コミュニティソーラーの設置済み容量が全国で7ギガワット(GW)を超える中、米国の大手企業がコミュニティソーラー及びその他の分散型ソーラーへ投資を行い、クリーンエネルギー目標を達成する一助としつつ、コミュニティに更なる恩恵をもたらしている。コミュニティソーラーとは、地元のソーラー施設を複数の購読利用者がシェアする仕組みで、顧客は、生産された電力に対する自分のシェアを電気代のクレジットとして受け取る。屋根上ソーラーシステムを設置することができない利用者に、ソーラー発電の経済的及び環境的恩恵へのアクセスを提供するものである。米国大手企業によるソーラーコミュニティ・プロジェクトの一例として、次のようなものがある。①マイクロソフト社(Microsoft)とピボット・エネルギー社(Pivot Energy)は、最大500メガワットのコミュニティ規模のソーラー・プロジェクトを開発する5か年パートナーシップを発表、2025年から、年間10億キロワット時以上の電力を生産、②ウォルマート社(Walmart)はネクサンプ社(Nexamp)との契約を更新・拡大し、6州で26件のコミュニティ・ソーラー・プロジェクトを創出、最大1万3,000世帯の購読契約者を支援、約800万ドルの年間電気代の節約が可能になる。 Coalition for Community Solar Access “Unprecedented Investment by Major US Brands Driving Growth of Community Solar and Distributed Energy” (8/23/24)

エネルギー省、送電計画者を対象に「平等」に焦点を当てた技術援助

送電計画者を対象に、送電計画プロセスにエネルギー平等を取り入れることを支援する11カ月間の技術援助(technical assistance: TA)が計画されており、現在、送電計画者からの応募を受け付け中である。応募の締め切りは10月30日で、選出は12月1日に発表される。TAは2025年の1~11月に実施される計画である。このTAは、エネルギー省(Department of Energy)のグリッド配備局(Grid Deployment Office)がパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)とのパートナーシップで実施する「包含的送電計画(Inclusive Transmission Planning: ITP)」プロジェクトの一環。TAの間、PNNLは、独自に調整した資源を開発し、訓練及びウェブセミナー、直接的なコンサルティングを実施し、先端のモデリング及び分析を提供する。 Pacific Northwest National Laboratory “New Equity-Focused Technical Assistance for Transmission Planners” (8/21/24)

水力発電は増加の見通しながら、気候変動により未来が不確実

8月8日に発表された報告書「環境研究レター:米国本土における水力発電の長期的な水=エネルギー計画に気候変動が様々な規模で及ぼす影響(Environmental Research letters: Multi-scale impacts of climate change on hydropower for long-term water-energy planning in the contiguous United States)」によれば、南西部の一部の地域を除き、水力発電は今後、増加する見通しである。また、太平洋北西部においては、将来的に、温暖化によって雨が増え、山々に雪の塊として蓄えられる水量が減少すると考えられている。こうした季節的な変化は、水管理担当者やグリッド運用者にとって課題となるだろう。報告書は、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)を中心とした研究者チームが作成したもので、水力発電の生産量は、既に干ばつに直面している南西部の一部の地域を除き、一般的に、短期的(2020-2039年)には約5%、中期的(2040-2059年)には約10%増加すると予測されている。ただし報告書の執筆者は、「気候変動の未来は不確実であるため、潜在的な水力発電量の幅は広範囲である」と強調している。また、季節的な変化も米国内における水の管理方法に大きな意味合いをもたらす可能性がある。 Pacific Northwest National Laboratory “Hydropower Generation Projected to Rise, but Climate Change Brings Uncertain Future” (8/21/24)

エネルギー省、過去最大規模のフェローを送り出し

エネルギー省(Department of Energy)は8月21日、「クリーンエネルギー・イノベーター・フェローシップ(Clean Energy Innovator Fellowship: CEIF)」の2024年クラスを発表、38州、ワシントンDC、プエルトリコにおける68の重要エネルギー組織にフェローを配属した。受け入れ機関は26州のエネルギー局、13の自治体ユーティリティ機関、12州のユーティリティ委員会、10の部族事業体、6件の電力協同組合、1件のグリッド運用事業者となっている。CEIFは、多様な背景を持つ若手の大学卒業生やエネルギー専門家をリクルートし、指定されたメンターの下、最大2年間を受け入れ機関のクリーンエネルギー・プロジェクトの支援に費やす。フェローは電力システムの脱炭素化や交通・業界の電気化などの取り組みの一助となるソリューションを進展させる直接的な経験を得る。エネルギー省は、フェローがCEIFプログラムにフルタイムで参加することを支援するため、競争力のある奨学金と、教育及び専門能力の開発機会を目的とした手当を提供する。今年のCEIFプログラムの新しい点として、エネルギー省の州及びコミュニティ・エネルギー・プログラム局(Office of State and Community Energy Programs)との協力で、州エネルギー局からの受け入れ機関応募を募集したこと、先住民エネルギー政策及びプログラム局(Office of Indian Energy Policy and Programs)の支援を得て部族事業体へのフェロー配属を拡大したことが挙げられる。 Department of Energy “Largest DOE Fellowship Class to Date Will Help Advance Clean Energy Projects Across the Country” (8/21/24)

米国の風力エネルギーの未来の成長を示す各種年次報告

エネルギー省(Department of Energy)が8月21日に発表した複数の2024年版年次市場報告は、過去1年間における米国風力エネルギー部門の対応力と可能性を示している。報告書によれば、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)の成立が、短期的な風力導入予測の大幅な増加につながり、業界は継続的な課題に直面してはいるものの、国内の風力サプライチェーンへの数十億ドルの投資の意欲付けとなった。昨年のバイデン政権のリーダーシップの下、風力発電は米国の電力全体の10%以上を提供し、新規の発電能力の12%を占め、108億ドルの資本投資をもたらし、12万5,000件以上の米国雇用を支えた。更に、IRAの成立を受け、風力エネルギーの短期予測は30%以上増加し、2026年まで年間15ギガワット以上の、2030年までに年間約20ギガワットの成長が見込まれている。今回、発表された年次報告書は、「陸上ベースの風力市場報告(Land-Based Wind Market Report)」(ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)作成)、「オフショア風力報告(Offshore Wind market Report)」(国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy laboratory)作成)、「分散型風力市場報告(Distributed Wind Market Report)」(パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)作成)の3点。 Department of Energy “Annual Reports Present America’s Growing Wind Energy Future” (8/21/24)