カリフォルニア州、10.6GWのクリーン・エネルギー調達の一環として最大2GWの長期貯蔵を目指す

カリフォルニア州公益事業委員会(California Public Utilities Commission: CPUC)は8月26日、州内のクリーンエネルギー資源を強化することを狙いとした革新的な一元型調達戦略を発表した。それによれば、2031~2037年に導入される10.6ギガワット(GW)の新興クリーンエネルギー技術の一元型調達の一環として、最大2GWの長期エネルギー貯蔵資源を募集する計画である。発表に添付されたファクトシート計画によれば、2026年から最低12時間の貯蔵が可能なエネルギー資源を最大1GW、複数日間の貯蔵が可能な資源を1GW募集し、2031~2037年の間に稼働開始予定としている。一元型調達戦略には、最大1GWの地熱エネルギー(2031~2037年に稼働予定)と、7.6GWの浮体式オフショア風力発電(2035~2037年に稼働予定)も含まれ、それらの資源の公募は2027年に開始予定となっている。 Utility Dive “California targets up to 2 GW of long-duration storage as part of 10.6 GW clean energy procurement” (8/27/24)

商務省、半導体技術開発についてHP社との予備的規約を発表

8月27日、商務省(Department of Commerce: DOC)は、HP社(HP Inc.)との間で、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下で提案されている最高5,000万ドルの直接資金を提供することを目的として、拘束力のない予備的規約(preliminary memorandum of terms: PMT)に署名したと発表した。提案されている資金は、オレゴン州コーバリスにあるHP社の既存の施設の拡大及び現代化を支援するもので、同施設は、地域で研究開発(R&D)活動から商業的な製造事業に至るまでのHP社による「ラボから製造」エコシステムの一部である。提案されている資金は、生命科学のラボ設備で主要なコンポーネントとなるシリコン機器などの製品の製造を支援する。HP社はコーバリスに47年間にわたって拠点を構え、地域の労働力にコミットしている。今回の提案プロジェクトはそれを基盤とするもので、これによって約150件の建設雇用と100件以上の製造雇用が創出されると試算されている。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with HP to Support Development and Commercialization of Cutting-Edge Semiconductor Technologies” (8/27/24)

公共の電気自動車充電器、バイデン政権発足以来、2倍に

バイデン政権は8月27日、電気自動車(EV)充電器及び代替燃料補給インフラの構築継続を目的として、29州、2つの部族、ワシントンDCに5億2,100万ドルを提供すると発表した。9,200件以上のEV充電器が導入される。バイデン政権が発足して以来、公共のEV充電器の台数は2倍となった。現在、19万2,000台の公共充電スタンドがあり、毎週約1,000台の新規充電器が追加されている。充電インフラの構築は、農村、郊外、都市、部族コミュニティで続いており、民間投資の補完、充電器が最も必要とされている場所での重要な溝の是正につながっている。加えて、本件は「全国ゼロ排出貨物コリドー戦略(National Zero-Emission Freight Corridor Strategy)」と整合しており、米国内の最大規模の貨物コリドーの一つに沿ったトラック用EV充電への投資が行われている。こうした投資は、EVの普及や排出の削減、経済開発、健全なコミュニティを推進する。 Department of Energy “Investing in America: Number of Publicly Available Electric Vehicle Chargers Has Doubled Since Start of Biden-Harris Administration” (8/27/24)

エネルギー省、新規かつ革新的な建造物エネルギー基準に2億4,000万ドル以上を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月27日、19の州及び地方自治体を対象に、新たなエネルギー効率基準もしくは革新的な建造物エネルギー基準の導入と実践を目的として、19の州及び地方自治体に2億4,000万ドル以上を提供すると発表した。これらの改良は、住民や商業建造物の運用者が電気代を節約する一助となる。国立研究所が7月に発表した報告書によれば、建造物性能基準は電力グリッドの対応力を強化し、異常気象や長期停電の間に失われる可能性がある人命の救出につながる。既存の商業及び多世帯住宅建造物は、建造物性能規準のような革新的基準の下、エネルギー代や温室効果ガス排出を削減することができる。受益プロジェクトの一例として、オハイオ州シンシナティは、州内の複数の市で構成されるチームを先導して、建造物性能規準の開発と導入に取り組み、「オハイオ高性能建造物ハブ(Ohio High Performance Buildings Hub)」(建造物の所有者を資金調達のソリューションやインセンティブなどと結びつけるワンストップ・ショップ)を創設することを目的として1,000万ドルを受益する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces Over $240 Million for New and Innovative Building Codes to Save Consumers Money, Reduce Impacts of Climate Change” (8/27/24)

NSF、STEM教育における2年制大学のイノベーションに1,450万ドルの初期投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「STEM教育における2年制大学のイノベーション(Innovation in Two-Year College in STEM Education: ITYC)」プログラムを通じて、初期の一連のアワードを発表、1,450万ドルを投資する。このプログラムは、2年制大学(コミュニティ・カレッジ)におけるSTEM教育で、革新的で証拠ベースの慣行を進展させる変革的なプロジェクトを支援することを狙いとしている。ITYCプログラムの目標は、①イノベーションの進展、平等なアウトカムの推進、2年制大学のSTEM教育におけるあらゆる学生の広範な参加を目指す取り組みで、学生を中心に置くこと、②革新的で学際的で学校全体の取り組みを通じて、多様な学生及び教員層の潜在能力と人材を育成する2年制大学の能力を強化すること、の2点。今回の初のアワードでは、合計35件(18州及びワシントンDC)の受益機関が発表された。 National Science Foundation “U.S. National Science Foundation investing $14.5M in inaugural Innovation in Two-Year College in STEM Education awards” (8/27/24)

気候ベンチャー・キャピタル、ハリス氏を支援

気候関連のベンチャー・キャピタルや創立者の著名人が、カマラ・ハリス大統領候補(Kamala Harris)を支援するために団結し、選挙シーズンにおけるクリーン技術の政治的影響力を強化しようとしている。オーバーチュア社(Overture)の創立者であるショミク・ダッタ氏(Shomik Dutta)は、「新興の気候産業家の中には、まだ十分に活用されていない政治的パワーと潜在能力が大幅にある」と述べる。同氏は、「気候はカマラを支持する(Climate for Kamala)」イニシアチブの背後にいる一人であり、同イニシアチブはハリス氏の選挙運動資金として500万ドル以上を調達することを予定している。「気候はカマラを支持する」は、既に250万ドルのコミットを得ており、9月にニューヨーク市で行われる年次イベントの気候週間NYC(Climate Week NYC)で、資金調達イベントを開催する計画である。 Axios “Climate VCs gets organized around Kamala Harris” (8/26/24)

エネルギー省の諮問委員会、独自のAIデータ・センター試験台を要請

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー長官諮問委員会(Secretary of Energy Advisory Board)は7月30日、「人工知能及びデータ・センターインフラへの電力供給に関する勧告(Recommendations on Powering Artificial Intelligence and Data Center Infrastructure)」と題する報告書をジェニファー・グランホルム・エネルギー長官(Jennifer Granholm)へ提出した。この中で諮問委員会は、エネルギー省独自のAIデータ・センターを作り、エネルギー使用を削減する方法について研究することを提案した。エネルギー省は、AIデータ・センターに電力供給するためのエネルギー需要の急速な増大と、それに伴い新たな電力生産が化石燃料によって行われた場合の気候目標への影響という脅威に直面している。諮問委員会は、「データ・センター規模のAI試験台」をエネルギー省内に作ることによって、エネルギー省や学術機関、業界の科学者が、データ・センターのエネルギー効率の強化や、グリッドへの負担のかけ方に柔軟性をもたせる一助とすることが可能になるとしている。 Axios “Energy Department’s advisers call for agency’s own AI data center testbed” (8/26/24)

IBM社、中国から後退する新たな米技術大手に

米国と中国の緊張が高まる中、IBM社は、中国での存在を縮小しようとする一連の米企業に仲間入りした。欧米への依存度を低下しようとする中国の努力は、国内市場での競争を激化させており、米国企業大手は事業拠点を他国に移すことを検討している。ウォールストリート・ジャーナル紙(Wall Street Journal)の報道によれば、マイクロソフト社(Microsoft)は中国でのクラウド・コンピューティング及びAI研究事業を縮小することを視野に入れており、5月には、中国国内の数百人の社員に、他国への移転を検討するよう求めた。また、ニューヨークタイムズ紙(New York Times)の報道によれば、米国のベンチャー・キャピタル企業も中国のスタートアップへの投資から手を引き始めている。更に8月23日の複数の報道によれば、IBM社は、中国国内の研究開発(R&D)部門を閉鎖することが明らかになった。同社は同部門を海外の別の施設へ移す計画であると報じられている。ウォールストリート紙の今年初めの報道によれば、中国政府は、技術部門での自給自足を目指し、国内企業に、米国技術企業による支配を奪い、追い出すよう奨励している。 Axios “IBM is latest U.S. tech giant to pull back from China” (8/26/24)

ニューイングランド地域、州の脱炭素化目標達成には、大規模な再生可能構築が必要

独立系統運用機関ニューイングランド(Independent System Operator (ISO) New England)が作成した報告書草案(8月16日発表)「クリーンエネルギー移行のための経済計画:明日のグリッドの経済的課題を照らす(Economic Planning for the Clean Energy Transition: Illuminating the Economic Challenges of Tomorrow’s Grid)」(草案)によれば、ニューイングランドのシステムは、2050年までに州の脱炭素化目標を達成するには、97ギガワット(GW)の大規模な再生可能エネルギー(新たな風力/ソーラー/電池能力)の構築が必要となる可能性がある。ニューイングランド地域内の6州は、21世紀半ばまでに、再生可能エネルギーを使って煖房や輸送システムの電気化に取り組み、排出を1990年の水準から少なくとも80%削減する政策を策定している。これにより、同地域のピーク負荷は2030までに夏から冬へ移行し、気候が温暖な年と寒さが厳しい年の電力需要に大きな差が生じる。ISOニューイングランドは、「長期エネルギー需要は、短期間の寒波の間の高需要に対応する一助となるかもしれないが、同地域は、合成天然ガスや小型モジュール炉(small modular reactor: SMR)などの調整可能なゼロ炭素発電も必要となるだろう」と述べる。 Utility Dive “New England may need ‘vast renewable build-out’ by 2050 to meet state decarbonization goals: ISO” (8/23/24)

ニューヨーク州、新たなグリッド計画プロセスと手頃な費用を通じて電気化推進

ニューヨーク公益サービス委員会(New York Public Service Commission)は8月15日、エネルギーの手頃な費用に関する低所得者向けパイロット・プログラムを承認すると共に、将来のグリッド・インフラのニーズを特定、開発するための手順を開始した。両プログラムとも、住宅や輸送の電気化を目指す州の取り組みを支援する。新たなグリッド計画の枠組みは、増大する電力需要に対応するためユーティリティ機関が送電グリッドを拡大するのに伴い、地理的な境界やサービス領域を超えて調整することを確実にするものである。委員会は、主要なユーティリティ機関に、必要な改良について調査、特定するための長期的な調整計画プロセスを提案するよう求めた。一方、同州の「手頃な費用のエネルギー保証(Energy Affordability Guarantee)」パイロット・プログラムは、「Emパワー+」(EmPower+)プログラムに参加する約1,000件の低所得層顧客に、独自に調整した光熱費援助を提供するもので、それによって住宅空間や温水の完全電気化をした際に、電力代支出が世帯の年間所得の6%を超えないようにすることを目指す。 Utility Dive “New York encourages electrification with new grid planning process, affordability pilot” (8/19/24)