NIH、国立心臓・肺・血液研究所の新所長にゲーリー・ギボンズ氏を選出

国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長(Francis S. Collins)は4月5日、NIHの国立心臓・肺・血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute: NHLBI)の新所長として、ゲーリー・ギボンズ氏(Gary Gibbons)を選出したと発表した。ギボンズ氏は、ジョージア州アトランタ市にあるモアハウス医科大学(Morehouse School of Medicine)の心臓血管研究所(Cardiovascular Research Institute)の創設者及び所長、生理学部(Department of Physiology)学長、生理学・医薬教授を務めている。ギボンズ氏が所長を務める心臓血管研究所は、少数派民族の心臓血管医療に関連した優れた発見で知られている。ギボンズ氏は、2012年夏からNHLBI所長を務める予定である。NHLBIはNIH内で3番目に大きい機関で、年間予算は30億ドル以上、917名の連邦職員を抱える。ギボンズ氏はまた、NIHで自身の研究室を有し、少数派民族における予測医療やゲノム医療を中心とした研究を行う。現在、所長代理を務めているスーザン・シュリン氏(Susan B. Shurin)はギボンズ氏の就任後、NHLBI副所長に戻る。 NIH “NIH names Dr. Gary H. Gibbons director of the National Heart, Lung, and Blood Institute” (4/5/12)

NIHフォガティ国際センター、次世代医療研究者教育のため2,000万ドルを助成へ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の国際部門であるフォガティ国際センター(Fogarty International Center: FIG)は、発展途上国における若手医師、獣医、歯科医、科学者のキャリア支援を目的として、メンター制度に基づく研究体験を提供する米国学術機関ネットワークを構築するべく、今後5年間で2,40万ドルを提供する計画を明らかにした。対象となるのは世界27の低・中所得国出身の若手医療研究者400人で、約1年に亘る研究フェローシップが提供される。「フェロー及び学者のためのフォガティ世界医療プログラム(Fogarty Global Health Program for Fellow and Scholars)」により、メンター制度に基づく医療研究教育を提供する5つの大学コンソーシアムに5年間で2,030万ドル(1コンソーシアムあたり約400万ドル)が提供される。また、NIHのその他の17機関も、この取り組みに資金提供を行う計画である。 NIH “NIH awards $20M over five years to train next generation of global health researchers” (4/4/12)

2011年のエンジェル投資、回復傾向が継続

ニューハンプシャー大学(University of New Hampshire)のベンチャー研究センター(Center for Venture Research)の報告書によれば、エンジェル投資市場は、2008、2009年と大幅な縮小を記録した後、2010年に投資額及び投資件数ともに上昇傾向が始まり、2011年もそれが継続したという。2011年の投資合計額は225億ドル(前年比12.1%増)、エンジェル投資を受益した新規事業は6万6,230件(同7.3%増)であった。活動している投資家数は31万8,480人(2011年)で、前年比20%の大幅増を記録した。投資額及び投資件数が増加するにつれ、より大型の投資案件も増えており、エンジェル投資に対する楽観的見解は継続されているようである。部門別では、ソフトウェア部門へのエンジェル投資が最も多く(23%)、次いで医療(19%)、産業・エネルギー(13%)、バイオテクノロジー(13%)となっている。産業・エネルギー部門への投資は過去数年間にわたって好調で、クリーン技術の人気が継続していることが分かる。出口戦略としては、合併吸収が54%を、倒産が24%を占めた。半分強が収益のある形で終わっており、エンジェルの出口戦略による年間リターンは18~28%となっている。ただしこの数値はかなり変動的である。 University of New Hampshire “THE ANGEL INVESTOR MARKET IN 2011: THE RECOVERY CONTINUES” (4/3/12)

USPTOとNISTがIP理解評価ツールを公表

特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)と米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の製造拡大パートナーシップ(Manufacturing Extension Partnership: MEP)は3月30日、製造事業者や中小企業、アントレプレナー、個人発明家が各自の知的財産(IP)に関する知識を容易に評価できるウェブベースのツール、「IP理解評価ツール(IP Awareness Assessment Tool、http://www.uspto.gov/inventors/assessment/)」を公表した。多くの中小企業所有者や個人発明家達は知的財産権に関する認識が不十分で、それによってもたらされる機会を逃していることがしばしばある。そこでUSPTOとNISTのMEPは、知的財産権に関する知識の普及を目的として、IP理解評価ツールを開発した。利用者は、それぞれのプロジェクトや事業目標に沿った形でIP問題に関する認識を測定し、強化することができるようになる。 USPTO.Gov “USPTO and NIST Unveil New IP Awareness Assessment Tool” (3/30/12)

NSF、「コンピューティング探求」アワードで新たに4件の助成を発表

国立科学財団(National Science Foundation: NSF)のコンピューター・情報科学工学局(Directorate for Computer and Information Science and Engineering: CISE)は4月3日、「コンピューティング探求(Expeditions in Computing)」アワードとして、新たに4件のプロジェクトへの助成を発表した。各受賞チームは今後5年間で1,000万ドルを受益し、これはNSFによるコンピューター科学研究への投資としては最大規模となる。コンピューティング探求アワードは2008年に最初の助成が発表されて以来、これまでに14件の助成が行われ、その分野は多岐に渡る。今回助成が発表された研究分野は、ロボット工学及びスマートシステム(2件)、ビッグデータ関連の新技法及び手法(1件)、拡張的なプログラム設計及び検証(1件)となっている。今回の受益チームの主幹大学は、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)、ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)、イェール大学(Yale University)となっている。 NSF “NSF Announces New Expeditions in Computing Awards” (4/3/12)

米政府、デュアルユースの可能性がある生物研究について新たな審査を義務付け

米国政府は3月29日、連邦政府機関に対して、重要性の高い病原体や毒素15件が関与する連邦助成研究について、その潜在的リスクを体系的に審査することを義務付ける新たな方針を公表した。これには、H5N1型鳥インフルエンザも含まれる。この新たな審査体制は、その利用方法に善悪の二面性がある研究について、「懸念対象研究のデュアルユース利用(dual use research of concern: DURC)」のリスク削減を意図したものである。今回の新DURC政策により、既にDURC政策を実施している国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)と疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)ではその内容が拡大される他、機密扱いとなっていない生物研究への助成を行っているその他の連邦機関でも新DURC政策が導入されることになる。対象となる全ての連邦政府機関は、プロジェクト(提案中及び既に実施中のもの)を審査し、DURCの可能性が見つかれば、当該連邦機関、研究所、主席研究者は「リスク緩和計画」を策定することが求められる。 Science Insider “U.S. Requires New Dual-Use Biological Research Reviews” (3/29/12)

大統領府による「雇用を創出するイノベーションの保護」の取り組み

大統領府が2010年6月に「知的財産取り締まりに関する合同戦略(Joint Strategic Plan on Intellectual Property Enforcement)」を発表し、知的財産の取り締まり強化に関する33の具体的な行動計画を示してから約2年となったが、大統領府の知的財産取り締まり調整官(US Intellectual Property Enforcement Coordinator)であるビクトリア・エスピネル氏(Victoria Espinel)は第2次年間報告書を議会へ送付した。報告書のハイライトの一例として、①民間部門による自発的行動として、複数の企業がオンラインの違法医薬品対策を目的とした非営利団体を設立したり、クレジットカード企業や支払い処理企業が模造品・偽造品の販売削減を目的としたベストプラクティスに取り組むことで合意した、②立法上の改革として、2012年度国家防衛承認法(National Defense Authorization Act: NDAA)で、連邦当局による知的財産権の取り締まり支援策が創設された、③中国対策として、米政権は中国政府による知的財産権取り締まり強化を繰り返し主張しており、これらの努力は中国政府による本問題へのコミットメントにつながった、といった点が挙げられている。 White House “Safeguarding America’s Job Creating Innovations” (3/30/12)

エネルギー長官、政権によるビッグデータ・イニシアチブの一環として新研究所設立を発表

エネルギー省(Department of Energy)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は3月29日、オバマ政権による「ビッグデータ研究開発イニシアチブ(Big Data Research and Development Initiative)」の一環として、500万ドルを投じてスケーラブル・データ管理・分析・視覚化(Scalable Data Management, Analysis and Visualization: SDAV)研究所」を設立すると発表した。ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)が中心となり、6つの国立研究所と7つの大学が、スパコンによるデータの管理や視覚化を支援する新手法の開発に取り組む。これにより、科学者がエネルギー省の研究施設を使い、新たな発見につながることが期待されている。「科学的発見は、あらゆる研究や様々な分野において、新たな見識を求めて膨大なデータセットを効率的に管理、検索することが鍵となりつつある」とチュウ長官は述べた。 Wall Street Journal “U.S. Energy-Efficiency Program Falls Short, Report Says” (3/20/12)

下院の科学・宇宙・技術委員会、新ランキングメンバー及び新委員を発表

下院の科学・宇宙・技術委員会(Committee on Science, Space, and Technology)の民主党議員達は、ジェリー・コステロ議員(Jerry F. Costello、イリノイ州選出民主党)を宇宙・航空小委員会(Subcommittee on Space and Aeronautics)のランキングメンバーとして、またスザンヌ・ボナミチ下院議員(Suzanne Bonamici、オレゴン州選出民主党)を研究・科学教育小委員会(Subcommittee on Research and Science Education)及び技術・イノベーション小委員会(Subcommittee on Technology and Innovation)の委員として選出し、3月28日の本委員会で承認された。コステロ議員は、ガブリエル・ギフォーズ議員(Gabrielle Giffords)が不在している間及び辞任後、ランキングメンバー代理を務めていた。ボナミチ議員は空席を埋めるための特別選挙で選出された後、新委員として任命された。 Committee on Science, Space & Technology “Committee Democrats Appoint New Ranking Member and Fill Subcommittee Vacancies” (3/28/12)

オバマ政権、FAAの新長官にフエルタ氏を指名

オバマ大統領は、現在連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)の長官代理を務めているマイケル・フエルタ氏(Michael Huerta)を正式な新長官として指名した。上院に承認されれば、任期5年となる。ランディ・バビット前FAA長官(Randy Babbitt)が2011年にバージニア州で飲酒運転して逮捕された後に辞任してから、当時副長官であったフエルタ氏が長官代理を務めていた。フエルタ氏の指名を受け、航空業界団体の「米国のための航空会社(Airlines for America)」は歓迎の意を表明し、上院に早期承認するよう求めた。 Air Transport World “Obama taps Huerta for 5-year term as FAA head” (3/29/12)