米航空会社が米政府にEUの炭素税への対応を要請

米国の大手航空会社を代表するロビー団体、「米国のための航空会社(Airlines for America)」はオバマ政権に対して、欧州連合(European Union: EU)が実施する二酸化炭素の排出取引制度(Emissions Trading System:ETS)に対して何らかの行動を起こすよう求めている。ETSはEU内で二酸化炭素排出権取引市場を形成するもので、今年の1月1日から対象がEU内を離着陸する国際航空会社にも拡大された。対象となる航空会社は機体から排出される二酸化炭素をカバーする許可量を購入しなくてはならない。「米国のための航空会社」は、EUに対する独自の訴訟を取り下げ、米国政府が国連機関の一つである国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization)を通じて本件への申し立てを行うよう要請している。 Wall Street Journal “U.S. Airlines Seek Action on EU Carbon Tax” (2/27/12)

GAO、国家安全保障分野における連邦調達のグローバル化を懸念

政府説明責任局(GAO)は、連邦機関が利用する情報技術(IT)サプライチェーンについてその主要リスクに関する調査を行い、報告書「国家安全保障関連の連邦機関はリスクへのより良い対応が必要(National Security-Related Agencies Need to Better Address Risks)」として発表した。それによれば、国家安全保障関連の連邦機関(エネルギー省、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)、司法省(Department of Justice: DOJ)、国防総省(Department of Defense: DOD)の4つ)はいずれも、ITのサプライチェーンを世界的に依存していることは連邦情報制度に複合的なリスクをもたらす脅威があることを認識しているものの、エネルギー省とDHSはサプライチェーン保護措置の定義ができておらず、こうした措置の遵守を実践するための手順や監視能力が開発されておらず、DOJについてはサプライチェーン保護措置の定義はなされているものの、これらの措置の遵守を実践するための手順や監視能力が開発されていないという。一方、DODについてはサプライチェーンのリスク管理で大きな進展が見られているという。GAOは前出の3省について、ITサプライチェーンのリスクに対応する方針や手順、監視能力を開発、文書化するよう勧告しており、いずれの省も概ねその勧告に同意しているという。 GAO “National Security-Related Agencies Need to Better Address Risks” (3/23/12)

米国製造業同盟が連邦インフラ事業からの中国排除に向け運動を開始

連邦議会が経済の活性化と雇用創出につながることを期待して輸送歳出法案(2年間で1,090億ドル)の審議を進める中、米国製造業同盟(Alliance for American Manufacturing: AAM)は3月26日、連邦政府による大型インフラ事業から中国企業を排除することを狙いとした運動、「米国製とすべき(Should Be made in America)」を開始した。AAMはまず、カリフォルニア州のサンフランシスコとオークランドをつなぐベイブリッジ(Bay Bridge)で数千トンの中国製鉄鋼が使用されていることを非難する大規模広告を橋の両端に掲げるなどした。AAMは、「中国は米国と同様の市場アクセスを提供していない」と批判しており、AAMのエグゼクティブ・ディレクターであるスコット・ポール氏(Scott Paul)は、「中国は世界貿易機関(World Trade Organization: WTO)による政府調達合意(Government Procurement Agreement)に署名していないことから、米国はインフラ事業から中国供給業者を排除する自由がある」と述べている。 Industry Week “Alliance for American Manufacturing: Keep China Out of U.S. Infrastructure Projects” (3/27/12)

共和党議員、エネルギー省とEPAを統合する法案を提出

下院のマーシャ・ブラックバーン議員(Marsha Blackburn、テネシー州選出共和党)は3月下旬、エネルギー省と環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)を統合して一つの省とする法案を提出した。過去には2011年に、リチャード・バー上院議員(Richard Burr、ノースカロライナ州選出共和党)が同様の法案を提出したことがある。ブラックバーン議員による法案は、両機関における重複を削減することを狙いとしており、同議員は、連邦業務の数十億ドルに上る重複を指摘した政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)の最近の報告書を指摘している。ブラックバーン議員は、「両機関を統合することで、次年度だけで30億ドル以上を節約できる」としている。 Government Executive “GOP lawmaker looks to merge Energy and EPA” (3/26/12)

オバマ政権、バイオマス研究開発イニシアチブへの助成を発表

大統領府は3月22日、先端バイオ燃料、バイオエネルギー、高価値のバイオベース製品の研究開発を支援するため、向こう3年間で最高3,500万ドル(議会の予算承認が必要)を提供する計画を発表した。これは、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)とエネルギー省(Department of Energy)による共同プログラム、「バイオマス研究開発イニシアチブ(Biomass Research and Development Initiative: BRDI)」で、経済的かつ環境的に持続可能な再生可能バイオマス資源の開発と、再生可能燃料やバイオベース製品の普及を支援することを狙いとしている。受益対象となる技術分野は、①バイオマス原料及びその供給の改良につながる研究開発実証活動、②セルロース系バイオマスの利用強化につながる費用効果的技術を支援する研究開発実証活動、③バイオ燃料開発の分析手法、の3つである。 Energy.Gov “Obama Administration Announces New Funding for Biomass Research and Development Initiative” (3/22/12)

グリーン雇用は2010年の総雇用の2.4%

労働省(Labor Department)の3月22日の発表によれば、2010年における「グリーン雇用(green job)」の割合は米国総雇用の2.4%に達したという。労働省がこうした調査結果を発表するのはこれが初めてである。従来、グリーン雇用の定義には総意がなく、雇用統計を算出するのが困難であったが、労働省はグリーン雇用の構成内容として、「製造、建設、ユーティリティ、その他の部門で、主となる機能が環境に優しい製品やサービスに寄与する仕事」とした。ハイブリッド自動車製造や太陽発電、耐候化建設プロジェクトなどは含まれるが、主として有機野菜を販売する食料品店やレストランの雇用はグリーン雇用に含まれない。調査結果によれば、2010年におけるグリーン雇用は310万人で、その大半は民間部門という。民間部門では製造業が最も多く、他には建設、専門科学・技術サービスでグリーン雇用が多い。 Washington Post “Labor Dept.: Green jobs account for 2.4% of employment in 2010” (3/22/12)

カリフォルニア州、和解金1億2,000万ドルで電気自動車のインフラ整備へ

カリフォルニア州のエドモンド・ブラウン知事(Edmund G. Brown Jr.)は3月23日、電力契約を巡る訴訟でNRGエナジー社(NRG Energy Inc.)と合意に達し、その和解金1億2,000万ドルを使って州内に電気自動車用充電ステーション・ネットワークを建設する計画であると発表した。NRGエナジー社は、少なくとも200カ所の公共高速充電ステーションと1,000地点で1万件のプラグイン・ユニットを建設する。同知事はまた、州内で走行する無公害車の台数を2025年までに150万台とするための基盤となる行政命令を発した。カリフォルニア州の発表に対して、「憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)」は、「今回の和解は、過去の暗い問題を明るい未来へと移行させるものである。よりクリーンで確実な未来を構築する一助となる創造的なリーダーシップを我々は歓迎する」と述べている。 Unions of Concerned Scientists “California Governor’s $120 Million Settlement Advances Electric Vehicle Infrastructure” (3/23/12)

エネルギー省、元鉱山地におけるニュートリノ実験計画を断念

エネルギー省は、巨大な素粒子物理学研究所の開発計画を断念する方向である。これは、イリノイ州のフェルミ国立加速研究所(Fermi National Accelerator Laboratory、通称:フェルミ研究所、Fermilab)で計画されている、長基線ニュートリノ実験(Long-Baseline Neutrino Experiment: LBNE)で、従来の計画ではサウスダコタ州のホームステーク鉱山(Homestake gold mine、現在は廃棄地)に巨大な粒子検出器を計画する予定であったが、その予算は15億ドルと試算されている。今後も緊縮予算が続くと予想されていることから、その予算を充当できないのが、計画断念の理由である。エネルギー省科学局(Office of Science)のウィリアム・ブリンクマン部長(William Brinkman)は、3月19日付けでフェルミ研究所所長宛に送った書簡の中で、より管理可能な形で同様の目的を達成できる可能性がある代替計画を策定するよう求めた。このため、ホームステークに何らかのニュートリノ検出器を建設する可能性はまだ残されている。 Science Insider “DOE Scraps Plans for Neutrino Experiment in Mine” (3/22/12)

オバマ政権、先端自動車向け軽量材料開発のために1,420万ドルの新助成計画を発表

大統領府は3月22日、先端自動車向けのより強力かつ軽量な材料の開発・導入を加速するため、エネルギー省(Department of Energy)を通じて1,420万ドルの新たな助成を行う計画であると発表した。これは、自動車メーカーがこれらの新材料を使って自動車の燃費を向上させると同時に安全性や性能の維持及び改良に取り組むことを支援するものである。エネルギー省による助成は、①高性能の炭素繊維複合材料を開発するためのモデリング・ツールの開発、②先端鉄鋼を開発するためのモデリング・ツールの開発、③エネルギー効率自動車及びトラック・エンジン向けの軽量かつ強力な新合金に関する研究、という材料研究開発の3つの分野で行われる計画である。 Energy.Gov “Obama Administration Announces $14.2 Million in New Funding to Develop Lightweight Materials for Advanced Vehicles” (3/22/12)

アジア系人口が増加傾向

商務省(Department of Commerce)の国勢調査局(Census Bureau)は、2010年の国政調査結果短信「2010年アジア系人口(The Asian Population: 2010)」を発表した。それによれば、アジア系の人口は2001年から2010年の間に、その他のどの人種よりも増加率が高かったという。同期間に、アジア系人口(「アジア単独」または「アジア及びその他一つ以上の人種との組み合わせ」と回答した人口の合計)は45.6%増加しており、そのうち、「アジア単独」とした回答者の割合は43.3%の増加となった。いずれも、米国総人口の増加率(9.7%)よりも高くなっている。この結果、米国総人口の1,470万人(4.8%)がアジア単独となり、この他に「アジア及びその他一つ以上の人種との組み合わせ」と回答した者(260万人、0.9%)とあわせると、米国総人口の5.6%がアジア系となる。 Commerce.Gov “2010 Census Shows Asians are Fastest-Growing Race Group” (3/22/12)