米国の宇宙観光業は2014年に発進の可能性

連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)の商業宇宙運輸局担当副長官(associate administrator for the Office of Commercial Space Transportation)は3月20日、議会で証言を行い、オバマ政権は宇宙観光業の始動に向けて準備していること、その規模は今後10年以内に10億ドルとなると予想していることを明らかにした。乗客を大気圏外へと運ぶロケット開発計画が現在進行しており、商業飛行サービスは2013年か2014年の開始を目標としているという。航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は宇宙飛行に関して2つの民間企業と契約しており、その一つ、SpaceX社(Space Exploration Technologies)は4月30日に国際宇宙ステーション(International Space Exploration)への打上げ試験を実施する予定である。 Reuters “U.S. space tourism set for takeoff by 2014, FAA says” (3/20/12)

2011年、起業活動は低下

ユーイング・マリオン・カウフマン財団(Ewing Marion Kauffman Foundation)は3月19日、米国内における新規事業設立状況に関する年間報告「カウフマン・アントレプレナー活動指数(Kauffman Index of Entrepreneurial Activity)」を発表した。それによれば、2011年に米国民(成人で非事業所有者)が事業を興した割合は年間0.32%で、これは2010年から5.9%の下落となった。それでも、大不況以前の水準を引き続き上回り、過去16年間で最高の水準を維持している。また、ベンチャー企業の創立者が他者を雇用する「雇用主」となる割合は低く、創立者が雇用に慎重になっていることが伺える。こうした背景には、大不況による失業で起業する者が増えている点、経済的不透明性により起業者は雇用に慎重になっている点が指摘されている。 Kauffman Foundation “New Business Startups Declined in 2011, Annual Kauffman Study Shows” (3/19/12)

超党派の上院議員グループが生産税控除(PTC)の延長を提案

超党派の上院議員グループが3月15日、連邦生産税控除(Production Tax Credit: PTC)の2年間延長を提案した。提案したのは、チャック・グラスレー議員(Chuck Grassley、アイオワ州選出共和党)、マーク・ユーダール議員(Mark Udall、コロラド州選出民主党)、スコット・ブラウン議員(Scott Brown、マサチューセッツ州選出共和党)、トム・ハーキン議員(Tom Harkin、アイオワ州選出民主党)など7名の議員である。グラスレー議員はPTCの延長に関して、「税制改革努力により、このインセンティブは近いうちに対処・修正されるであろうが、その一方で風力エネルギーによって生まれる雇用や機会を放棄すべきではない」と述べた。PTC延長の提案について、米国風力エネルギー協会(American Wind Energy Association: AWEA)のデニス・ボード最高経営責任者(Denise Bode)は、歓迎の意を示した。法案提出の数日前には、輸送法案にPTCの1年間延長などが盛り込まれた超党派修正案が上院で却下された他、PTCの即時廃止が盛り込まれた修正案が下院で提出されるなど、PTCを巡る動きが慌しくなっている。 Renewable Energy World.Com “Bipartisan Group of Senators Propose New PTC Extension” (3/19/12)

世界のソーラーPV市場は2011年に40%増の成長

NPDソーラーバズ社(NPD Solarbuzz)の報告によれば、2011年に世界で設置されたソーラーPVは前年比40%増の27.5ギガワットとなったという。このことは、大規模な一元型の発電システムに比べ、本技術がいかに早く導入できるかを示す。こうした急増により、2011年の世界売上は前年比12%増の930億ドルに達したという。また、GTMリサーチ社(GTM Research)の分析によれば、米国のソーラー業界は2011年に109%の成長を示し、1,855メガワットのプロジェクトが設置されており、これは過去最高を大きく上回り、米国はついに「ギガワットレベル」に到達した。2012年の予測については、米国におけるソーラー業界へのグラント・プログラムが失効することや、欧州におけるインセンティブの削減が積極的に行われていることなどが不確定要素となっているが、欧州における需要の不振を中国や米国で補うことができれば、2012年の市場は予想よりもかなり良くなるであろうと考えられている。 Think Progress “As U.S. Installations Doubled, Global Solar PV Market Grew 40% In 2011 To 27 GW” (3/19/12)

GE、航空機の翼の防氷塗装につながる可能性のあるナノテクデザインを開発

GEグローバル・リサーチ社(GE Global Research)は、ナノ構造による防氷塗装技術につながる有望な研究結果を発表した。この技術により、氷の付着が劇的に削減され、平面における氷の形成により時間がかかるようになるという。航空会社は翼の防氷策として膨大な防氷剤や加熱システムを利用していることから、本件は、航空業界に大きな経費削減をもたらす可能性がある。GE社の発表によれば、この研究は水をはじくナノ構造を持つハスの葉の研究が元になっている。ただし、商業的な実行可能性からはまだ遠く、ナノテク表面及び塗装の商業的利用には更なる開発が必要であると同社は警告している。 Industry Week “GE Harnesses Nanotechnology, Nature to Help Save Airlines Cash” (3/19/12)

温室効果ガスは塩水帯水層に1世紀分貯蔵できるとの報告

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の研究者チームが「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)」に発表した研究報告によれば、米国の深塩水帯水層は火力発電から発生する二酸化炭素を少なくとも1世紀分貯蔵する能力があるという。これらの排気物を捕獲・貯蔵するシステムの経済性には疑問が残っているものの、本研究は同システムが抱える主要な問題に対処するものである。炭素捕獲・隔離(carbon capture and storage: CCS)の有望な貯蔵場所として、深塩水帯水層が挙げられているが、その許容能力に関する予測は、数年分から数千年分と幅広い。こうした中、MITの研究チームは、層の究極的な許容能力のみならず、二酸化炭素注入の割合も考慮し、二酸化炭素がどのように岩に浸透するかをモデル化した。 MIT News “Greenhouse gas can find a home underground” (3/20/12)

NSFの新たなイノベーション部隊(I-Corps)が始動

国立科学財団(National Science Foundation: NSF)は、2012年春季クラスとして、新たに25件のイノベーション部隊(Innovation Corps: I-Corps)を選出した。これは、経済的に実行可能な製品につながる可能性を秘めた新興技術概念を見つけるNSFの努力の一環として行われているもので、過去にNSFの助成を受けた発見(基礎研究)が対象となっている。今回のI-Corpsのカリキュラムは3月20日にスタンフォード大学(Stanford University)で行われるワークショップから始まり、官民セクターの専門家によるガイダンスの他、技術概念の商業的可能性を評価するため、5万ドルのグラントを受ける。 National Science Foundation “New NSF I-Corps Teams Begin Work” (3/19/12)

メルク社、大学との共同研究を目的とした非営利研究機関を設立

製薬大手のメルク社(Merk)は3月15日、非営利研究機関「カリフォルニア・バイオ医療研究所(California Institute for Biomedical Research: Calibr)」を設立すると発表した。Calibrは今後、約150人の科学者を採用し、その所長にはスクリプス研究所(Scripps Research Institute)の化学者兼アントレプレナーのピーター・シュルツ氏(Peter Schultz)が就任する。製薬企業は、社内研究開発予算を削減する一方、新薬につながる糸口を求めて大学との協力を積極的に深めようとしている。ファイザー社(Pfizer)による「治療イノベーション・センター(Centers for Therapeutic Innovation)」が米国内の特定の大学医療センターとの協力を狙いとして設立されたのとは異なり、メルク社のCalibrは、特定機関との関係は持たず(ただしシュルツ氏はスクリプス研究所に籍を置き続ける)、世界中の大学からの研究提案を受け付ける。 Nature News Blog “Merck forms non-profit research institute for academic collaborations” (3/15/12)

米国とガーナが新たな二国間パートナーシップを発表

米国政府は3月16日、ガーナ政府との間で、二国間の相互関係を強化し、様々な経済開発問題で協力支援を深めていくことを目的とした二国間パートナーシップを結んだ。これにあたり、米エネルギー省(Department of Energy)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)とガーナ財務省(Ministry of Finance)のクワベナ・デュフォア長官(Kwabena Duffuor)が、オバマ大統領による「成長のためのパートナーシップ(Partnership for Growth: PfG)」イニシアチブに基づく「原則声明(Statement of Principles)」に署名した。原則声明では、当面の目標としてガーナの電力部門の投資及び改革の強化に重点を置くことなどが盛り込まれている。省庁横断型イニシアチブであるPfGの一環として、エネルギー省はガーナ政府と共に同国内の電力部門の改革に取り組む。電力部門の改革は、より広範な経済成長をもたらす重要な手段と考えられている。PfGに参加する連邦機関には、国務省(State Department)、米国国際開発庁(United States Agency for International Development: USAID)、財務省(Department of Treasury)などがある。また、PfGイニシアチブの第一弾として、ガーナの他に、エルサルバドルやタンザニア、フィリピンなどが参加している。 Energy.Gov “United States Announces New Bilateral Partnership with Ghana” (3/16/12)

オバマ政権、「強い市・強いコミュニティ大統領府評議会」を発足

オバマ大統領は3月15日、「強い市・強いコミュニティ大統領府評議会(White House Council on Strong Cities, Strong Communities: SC2)」を設立する行政命令(Executive Order)に署名した。SC2評議会は、2011年6月に始まったSC2パイロット・イニシアチブの成功に基づき、長期的かつ重大な経済開発問題に直面しているコミュニティの経済開発を促進するため、連邦政府機関と地元の間に新たなパートナーシップを確立するものである。SC2評議会は省庁横断型の評議会で、住宅都市開発省(Department of Housing and Urban Development)内に設立され、19の連邦機関がSC2の実践で協力し、同プログラムを全国的に拡大するための基盤を作る。また、地域の能力強化や経済成長促進に関する政策を大統領に勧告する予定である。 White House “Obama Administration Establishes White House Council on Strong Cities, Strong Communities” (3/15/12)