111の団体が合成生物学のモラトリアムを要請

環境保護団体や監視機関、その他の団体など111の団体は3月13日、「合成生物学には更なる監督が必要であり、政府はこの分野に対する規制を実施する必要がある」として、これらの規制が実施されるまで合成有機体の公表や商業利用にモラトリアムを実施するよう要請した。団体は報告書の中で、「合成生物学は遺伝子工学の過剰な形態であり、現行の規制及び評価慣行は不適切である」とした上で、連邦政府に対して合成生物学を管理するための具体的な勧告を提示している。 Science Insider “111 Organizations Call for Synthetic Biology Moratorium” (3/13/12)

NIHとイーライリリー社、承認済み及び治験医薬品の公開リソース作成で協力

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)と、イーライリリー社(Eli Lilly and Company)は、数千件に及ぶ承認済み及び治験医薬品の効果を概説した公開リソースを作成すると発表した。NCATSの医薬コレクション(Pharmaceutical Collection)にある3,800件の医薬品がリリー社の最新表現型医薬品発見パネル(Phenotypic Drug Discovery: PD2)によってスクリーニングされ、その結果がhttp://tripod.nih.gov/npc/ で無料公開されるというものである。これらの医薬品や分子の生物学的プロフィールが包括的に利用可能になることにより、治療成果の予測や医薬品開発の向上、より具体的かつ効果的な手法の開発につながる可能性が期待されている。 NIH “NIH and Lilly to generate public resource of approved and investigational medicines” (3/13/12)

大統領府、失業者に職業訓練や雇用サービスを提供する大統領計画の詳細を発表

大統領府は3月12日、国民が需要の高い職業に就職するために必要な技能を身につけられるよう支援することを目的とした大統領の包括的計画の一部として、合理化された再雇用制度の詳細を発表した。大統領は予算教書の中で、雇用主の事情によって失業した者の再就職に必要な技能や支援を提供することを目的とした「ユニバーサル失業者プログラム(Universal Displaced Worker Program)」を発表しており、これを通じて全ての失業者に再就職支援(雇用模索計画や取得すべき技能の評価など)や、年間最高4,000ドルの職業訓練資金、再雇用によって賃金が激減した高齢者への賃金支援などが提供される。また、連邦政府による雇用支援策や情報、訓練、その他の支援を一つに統合した「米国雇用センター・ネットワーク(American Job Center Network)」の新設も提案された。 White House “White House Announces Details on President’s Plan to Provide Americans with Job Training and Employment Services” (3/12/12)

米国石油協会、セルロース系バイオ燃料の義務付けを巡りEPAを提訴

米国石油協会(America Petroleum Institute: API)は、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が2012年の燃料標準で課しているセルロース系バイオ燃料の利用義務付けは「達成不可能」であるとして、ワシントン巡回裁判所(Washington Circuit Court)に提訴した。EPAは製油所に対して、2012年に約865万ガロンのバイオ燃料を購入するよう義務付けているが、本根拠法が施行された2007年に設定された義務付け量(2億5,000万ガロン)よりも大幅に引き下げられた数値である。APIのある幹部は、「EPAによる非現実的な義務付けは、ガソリン生産事業者に対する事実上の税であり、最終的には消費者への負担となる。2012年の方針は規制的不合理である」と主張している。 UPI.Com “API sues EPA over biofuels” (3/13/12)

米国、中国のレアアースの輸出規制をWTOに提訴

オバマ政権は3月12日、中国がレアアースに課している輸出規制を緩和するよう求め、日本、欧州連合(European Union: EU)と共に、世界貿易機関(World Trade Organization: WTO)に提訴した。これに対して中国政府高官は、中国は自国の輸出管理権利を精力的に主張していくと述べた。また、中国の国営通信社、新華社通信は、「本件を巡る米国のいかなる提訴も逆効果を招くであろう」と警告している。米国政府は、中国が世界のレアアースの95%を占め、業界をほぼ独占していることを強調しており、オバマ大統領は、「中国が市場が自ら機能するようにすれば、我々は何の不満もない。しかし中国政府の現在の政策はそれを不可能にしており、これは中国が従うべき規則に違反する」と述べている。本件は、米国においては目前に大統領選挙を控え、中国においては指導部の交代時期という時に行われた。 Washington Post “U.S. challenges China’s curbs on mineral exports; China vows to push back” (3/12/12)

ブルッキングス研究所、「2012年輸出国家:米国大都市部はどのようにして国の成長を牽引しているか」を発表

ブルッキングス研究所(Brookings Institute)の大都市政策プログラム(Metropolitan Policy Program)は、報告書「2012年輸出国家:米国大都市部はどのようにして国の成長を牽引しているか(Export Nation 2012: How U.S. Metropolitan Areas Are Driving National Growth)」を発表した。これは、経済成長の支えとして「輸出」が改めて注目されるようになったことを受け、同研究所が米国大都市部におけるモノやサービスの輸出を分析し、2010年夏に初めて発表した「輸出国家(Export Nation)」の更新版である。今回の報告書では、ファインディングとして、①米国の輸出は経済回復の初年とされる2010年に実質で11%以上の急成長を示した他、経済全体では雇用喪失が続く中、輸出関連の雇用は2010年に約6%増加した、②大都市(上位100都市)は2010年の米国輸出の65%、サービス輸出の75%を占めるなど、米国の輸出成長を支えている、③大不況により、米国輸出は開発途上国へのシフトが加速した、といった点を挙げている。 Brookings “Export Nation 2012: How U.S. Metropolitan Areas Are Driving National Growth” (3/8/12)

GAO報告「エネルギー省による債務保証プログラムは申請書の追跡・審査の改善措置が必要」

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、エネルギー省(Department of Energy)の債務保証プログラム(Loan Guarantee Program: LGP)に関する調査(①LGP申請の状況(ステータス)、及び、②LGPによる申請審査における確立されたプロセスの遵守状況)を行い、その結果を報告書「(LGPは)申請の追跡及び審査の改良措置が必要(Further Actions Are Needed to Improve Tracking and Review of Applications)」として発表した。それによれば、LGPは効率的な管理やプログラムの監督を推進するために必要とされる申請の状況に関する総合的データを取りまとめていない他、申請審査に要する時間は減少しているにも関わらず、GAOがLGPに対してこれらの申請の状況データの提出を要請したところ、データ収集に数ヶ月を要したという。こうしたことからGAOはエネルギー省に対して、①申請の状況追跡を可能にしプログラムの全体的な成果を測定できるよう、目標期限を定めてデータの総合的システムを導入・実施する、②新たな記録管理システムを作り、そこに過去の決定や未来の決定を裏付ける文書も含む、③LGPの信用方針や手続きマニュアルを定期的に更新する、の3点を勧告した。エネルギー省は①の勧告については異を唱えている。 Energy.Gov “Further Actions Are Needed to Improve Tracking and Review of Applications” (3/12/12)

「確実なエネルギー未来のための計画」1年間の進捗報告

オバマ大統領は1年前、外国石油への依存度削減や、消費者や企業のエネルギー費節約を狙いとした政権の取り組みを「確実なエネルギー未来のための計画(Blueprint for a Secure Energy Future)」として発表したが、その取り組みの1年間の進展を示した報告書が3月12日に発表された。報告書のハイライトとして、①オバマ大統領は昨年、「10年弱以内に外国石油への依存度を3分の1削減する」という目標を掲げたが、米国石油ガス生産のブームやより効率的な自動車などにより、石油の純輸入が昨年だけで既に10%削減された。②国内の石油・天然ガス生産は2011年以来、毎年増加している、③オバマ政権は大型自動車向けの燃費基準を初めて設定した他、乗用車の最も厳しい燃費基準を提案した、④エネルギー省(Department of Energy)と住宅都市開発省(Department of Housing and Urban Development)の取り組みにより、100万世帯以上のエネルギー効率改良が実施された、などが挙げられている。 White House “The Blueprint for a Secure Energy Future: One-Year Progress Report” (3/12/12)

GE、大学のシェールガス訓練プログラムに100万ドルを提供

ゼネラル・エレクトリック社(General Electric)とエクソン・モービル社(Exxon Mobil)は3月8日、現在米国内でブームとなっているシェールガス掘削の安全性向上を支援する訓練プログラムを実施する大学に、それぞれ100万ドルを提供することを発表した。コロラド鉱業大学(Colorado School of Mines)、ペンシルバニア州立大学(Penn State University)、テキサス大学オースチン校(University of Texas at Austin)が補助金の受給機関で、これらの大学では、規制監督者や政策策定者が、最新のシェール資源技術やベストプラクティスを学べるような訓練プログラムを実施することになる。 GE reports “GE Gives $1 Million to University Shale Gas Training Programs” (3/9/12)

MIT、「グリーンエネルギー源への移行はレアアース元素の供給危機をもたらす」と警告

環境科学技術誌(Environmental Science & Technology)に発表された報告によれば、石炭火力発電やガソリン自動車から、風力エネルギーや電気自動車へ大規模な移行が行われた場合、既に希少となっている2つのレアアース元素(rare earth elements: REE、ジスプロシウムとネオジム)の需要が今後25年間で600~2,000%増加する可能性があるという。研究を行ったマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の研究者はまた、「これらの2つのREEの生産は年間数%の割合でしか増加していない」と指摘している。REEの供給不足をもたらす要因として、①現行供給の98%を中国が独占していること、②REEは複合的に採鉱されており、個別の元素を採鉱することは経済的に非効率となること、③REEには世界的に環境及び社会的問題が指摘されつつあること、が挙げられている。 Green Car Congress “MIT study finds shift to green energy sources could mean crunch in supply of key rare earth elements” (3/9/12)