世論調査で米国の科学リーダーシップへの懸念が示される

非営利団体リサーチ!アメリカ(Research!America)が行ったオンライン世論調査の結果によれば、米国民の半数以上が、「米国は2020年まで科学・技術・医療分野で世界のリーダーである」という考えに疑問を持っていることが示唆された。また大多数(91%)が「中国やインドが科学技術投資を増加させる中、米国が世界のリーダーシップを維持することは極めて重要である」との認識を示している。調査結果によれば、米国民は特に医療研究への資金削減を懸念しているという。 UPI.Com “Poll: U.S. slipping in science leadership” (3/15/12)

キャップ&トレードはエネルギー技術イノベーションに十分なインセンティブをもたらさないとの研究報告

「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)」に発表された研究報告によれば、排気削減を目的としたキャップ&トレード・プログラム(CTP)は、民間セクターによる革新的な技術開発を促進するインセンティブを本質的にもたらさないという。研究を行ったローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)のマーガレット・テイラー研究員(Margaret Taylor)は、「予め設定された低コストでの汚染物質削減の達成にある程度成功したCTPは、より適切な汚染管理目標の一助となり得る研究開発のインセンティブを削減する」と述べている。テイラー氏は、2つのCTP(米国内における二酸化硫黄市場を対象にしたCTPと、北東部及び中部大西洋地域における酸化窒素市場を対象としたCTP)から得られたデータを基に研究を行った。 Berkeley Lab “New Research Suggests Cap and Trade Programs Do Not Provide Sufficient Incentives for Energy Technology Innovation” (3/15/12)

評判の高い大学ランキング発表

英国の高等教育出版、タイムズ高等教育(Times Higher Education)は3月15日、2012年の大学評判ランキング(Top Universities by Reputation 2012)を発表した。それによれば上位10大学は、米国、日本、英国で占められ、上位30大学にはカナダ、スイス、シンガポール、中国が加わっている。この大学評判ランキングは、世界中の高等教育機関を対象としたアンケート調査の結果に基づくもので、回答者はそれぞれの分野で研究及び教育で優れた大学を予め指定された6,000件以上の大学から選ぶというものであった。ランキングによれば、1位はハーバード大学(Harvard University、2年連続)、次いで、②マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)、③ケンブリッジ大学(University of Cambridge)、④スタンフォード大学(Stanford University)、⑤カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)となっており、8位に東京大学が入っている。 Christian Science Monitor “World rankings: top 10 universities around the globe” (3/15/12)

トムソン・ロイター社が世界のIP状況に関する報告書を発表

トムソン・ロイター社(Thomson Reuters)は、2011年における世界のイノベーション及びブランド保護に関する傾向をまとめた報告書を2件発表した。これらは「2011年イノベーションの現状:鍵となる12の技術分野とそのイノベーションの状況(2011 State of Innovation: Twelve Key Technology Areas and Their States of Innovation)」と、「2011年商標報告:商標の活動、進展及び重要な変化(2011 Trademark Report: Trademark Activity, Evolution and Important Changes)」である。同社では、これらの報告書のキーファインディングとして、①2011年における家庭用電気器具(domestic appliance)及び医療機器技術部門の特許がそれぞれ前年比12%増と最も増加した、②自動車業界では代替燃料自動車技術の特許活動が最も盛んで、2011年には世界で1万9,078件の特許出願が行われた、③バイオ分野の知財活動の成長が目覚い、④中国におけるブランド保護活動が他国におけるそれを凌いでいる、といった点を挙げている。 Thomson Reuters “Patent and Trademark Trends 2011: Thomson Reuters Evaluates the State of Global IP” (3/13/12)

バイオ企業、資金調達がより困難に

かつて小規模で革新的なバイオ企業は格好の投資対象であったが、近年はバイオ企業に対するベンチャーキャピタル投資が減少している。ベンチャーソース社(VentureSource)によれば、ベンチャーキャピタリストによる2011年のバイオ企業への投資額は39億2,000万ドルで、これはピークだった2007年の61億7,000万ドルを大きく下回っている。こうした背景には、厳しい経済環境を受け、ベンチャーキャピタルファンドはリスキーかつ高価なバイオ企業への投資を控えつつあること(対照的にインターネットのスタートアップへの投資はより利益が見込め、安価で規制上の不確実性が少ないと考えられている)、新規株式公開によるリターンが期待以下となっていることがある。中には、バイオ企業への投資から完全撤退するベンチャーファンドもある。結果として、バイオ企業は資金源確保のために、人材削減や鍵となる業務の外注など、様々な倹約に取り組んでいる。 Wall Street Journal “Biotech Funding Gets Harder to Find” (3/16/12)

CBO、大統領の2013年度予算案分析結果を発表

議会予算局(Congressional Budget Office: CBO)は3月16日、オバマ大統領による2013年度予算案に関する分析を発表した。これによれば、大統領の予算案が実現した場合、①2012年の赤字は1兆3,000億ドル(対GDP比8.1%)に達し、これはCBOのベースライン予測の赤字よりも820億ドル多い、②2013年の赤字は9,770億ドル(同6.1%)に縮小し、これはCBOのベースライン予測赤字よりも3,650億ドル多い、③赤字の対GDP比はその後低下し続け、2017年には2.5%となるが、その後は再上昇し、2022年には3.0%に達する、④2013~2022年の10年間の赤字は6兆4,000億ドル(同期間の対GDP比3.2%)となり、これはCBOのベースライン予測赤字よりも3兆5,000億ドル多い、という。 Congressional Budget Office “CBO Releases An Analysis of the President’s 2013 Budget” (3/16/12)

VCのクライナー・パーキンスがエネルギーベンチャー向け新ファンドの資金調達へ

カリフォルニア州にあるベンチャーキャピタル会社のクライナー・パーキンス・カーフィールド&バイヤーズ社(Kleiner Perkins Caufield & Byers)が、初期段階ファンドのために資金調達を開始する計画であることが、関係者の話で明らかになった。同社はこれまでに、グーグル社(Google Inc.)やジンガ社(Zynga Inc.)などの技術系企業を支援している。今回で15回目の初期段階ファンドとなり、規模は前回と同様(14回目となった2010年のファンドでは約6億5,000万ドルが調達された)となる見込みであるという。関係者の話によれば、新ファンドでは、若手技術企業、クリーン技術のスタートアップ、初期段階の生命科学企業に投資が行われる見込みであるという。最近の技術ブームやベンチャー支援企業による新規株式公開(IPO)が話題となっているにもかかわらず、過去10年間におけるベンチャーキャピタル投資のリターンの多くは低迷しており、こうした中でクライナー社による新ファンドの資金調達が行われることになる。 Wall Street Journal “Kleiner Perkins Raising New Fund” (3/16/12)

中国の風力エネルギー企業が、米国初の研究開発オフィスを開設

中国の風力タービン・メーカー大手、明陽風力発電グループ社(Ming Yang Wind Power Group Limited)は、ノースカロライナ州ローリーにあるノースカロライナ州立大学(NC State University)研究パーク・技術キャンパス、センテニアル・キャンパス(Centennial Campus)に米国で初となる北米研究開発センターを開設した。同センターでは、発電能力の強化と電気コストの低下を目的として、最先端のオフショア風力タービン研究が実施される。ベブ・パーデュー州知事(Bev Perdue)は、産業規模としては州内初となる風力タービン研究開発施設の開設を歓迎した。明陽社の幹部は、センテニアル・キャンパスを研究開発拠点に選んだ理由として、同地域にいる学際的で有望な人材を活用できる点と、ノースカロライナ州立工学大学(NC State College of Engineering)に隣接している点を挙げた。 STEELGURU “Chinese Wind Power Company puts first R&D office in US” (3/18/12)

DARPA長官、グーグルに転職

国防高等研究計画局(Defense Advanced Projects Research Agency:DARPA)のレジーナ・デュガン長官(Regina Dugan)が今後数週間以内に退任し、グーグル社(Google)の幹部に就任することが明らかになった。DARPA長官としての就任は3年弱となるが、DARPA報道官によれば、「グーグル社で上級幹部の職を提示され、それを承諾した。同社のような革新的企業を断ることはできないと感じたようだ」という。サイバーセキュリティと次世代製造に重点を置いたデュガン長官の取り組みは、大統領府から強い支持を得、国防総省(Department of Defense)が比較的緊縮予算となる中でもDARPAの予算は維持された。論争的な発言は行う同長官はしばしば分極的存在となった他、同長官が共同設立し、現在もその一部を所有する防衛企業、レッドX防衛社(RedX Defense)への数十万ドルに上るDARPA契約に対して国防総省の監察長官の査察が入るなどしている。 Wired “Exclusive: Darpa Director Bolts Pentagon for Google” (3/12/12)

クリーンエネルギー投資が2011年に過去最高を記録

調査会社のクリーン・エッジ社(Clean Edge, Inc.)は3月13日、「2012年クリーンエネルギー・トレンド(Clean Energy Trends 2012)」報告を発表した。それによれば、2011年には太陽光発電やバイオ燃料、風力エネルギーに記録的な投資が行われ、これらの市場は前年比31%増の2,460億ドルに達したという。米国に拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)によるクリーン技術への投資は2010年の51億ドルから2011年は30%増の66億ドルに達した。また、米国VC投資に占めるクリーン技術の割合は、2011年に過去最高となる23%に達した。そして、これらの投資を受け、風力発電や太陽光発電の費用は劇的に低下しているという。報告書は更に、2012年の主要トレンドとして、①軍によるクリーンエネルギー開発、②「ポスト原発」のよりクリーンな未来へと向かう日本、③大規模な商業建造物の改良による大型省エネの実現、④「廃棄物の資源化」技術への注目と投資、⑤新たなエネルギー貯蔵解決策によるグリッドの強化、の5点を挙げている。 Think Progress “Clean Energy Investments Hit Record Highs in 2011, U.S. Clean Tech VC Funding Jumps 30%” (3/13/12)