オバマ選挙陣営、「包括的エネルギー戦略(All of the Above Energy Strategy)」に石炭を加える

オバマ大統領の再選キャンペーン用のウェブサイトで、大統領が1期目に支援したエネルギー資源として「クリーンコール(clean coal)」が加えられた。これは、オバマ選挙陣営が石炭業界に敵対的であるとの批判に敏感になっていることを示唆する動きである。最近までこのページで石炭に関する言及はなく、石炭業界の強力な支援者であるエド・ホイットフィールド下院議員(Ed Whitfield、ケンタッキー州選出共和党)はこの点を議会公聴会で指摘していた。再選キャンペーン用ウェブサイトでは、火力発電所からの炭素排出削減を目標とした技術研究開発への政権の助成活動について記載している。ホイットフィールド議員は、石炭が追加されたことについて「象徴的なもの」とした上で、石炭部門に影響を及ぼす環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)による規制を再び批判した。 Wall Street Journal “Obama Camp Adds Coal to ‘All of the Above’ Energy Strategy” (5/11/12)

単一細胞ゲノミクス・センターが開設

細胞間の相違を分析することは生物学上の重大な問題を解明する上で極めて重要と考えられているが、それを実際に行うことは非常に難しい。こうした中、ブロード研究所(Broad Institute)の遺伝子分析プラットフォーム(Genetic Analysis Platform)のウェンディ・ウィンクラー所長(Wendy WInckler)は、同研究所内に単一細胞ゲノミクスを専門とする研究センターを開設したことを発表した。この単一細胞ゲノミクス・センター(Single-Cell Genomics Center)は、ブロード研究所とフルイジム社(Fluidigm Corporation)の協力によるもので、双方から専用の人員と施設が提供されると共に、フルイジム社の機器を利用する。単一ゲノミクス部門に重点を置いた研究所は今後増えていくと予想されており、本件はその先駆けとなる。 Nature News Blog “Single cell genomics center launched” (5/9/12)

農務省の国立食品・農業研究所(NIFA)に新所長が就任

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)は5月9日、国立食品・農業研究所(National Institute of Food and Agriculture: NIFA)の新所長に、昆虫学者でオレゴン州立大学(Oregon State University)の元学部長及び同大学のオレゴン農業試験所(Oregon Agricultural Experiment Station)の所長であったソニー・ラマスワミー氏(Sonny Ramaswamy)が正式に就任したと発表した。NIFAはUSDAにおける研究活動の鍵となる部門で、ランドグラント大学システム(Land-Grant University System)及び提携組織が実施する研究・教育プログラムに助成金給付を行っている。NIFAは前所長のロジャー・ビーチー氏(Roger Beachy)が2011年5月に退任して以来、正式な所長が不在となっていた。 Nature News Blog “Entomologist takes charge of US agricultural research institute” (5/9/12)

米国教育進展評価(NAEP)で平均点が上昇

米国内の8年生を対象に物理科学、生命科学、地球科学、宇宙科学の知識を問う米国教育進展評価(National Assessment of Educational Progress: NAES)の最新結果によれば、その平均点(300点満点)が2009年の150点から2011年は152点に上昇したという。僅かの上昇のように見えるが、NAESは7,290校から12万2,000人の生徒を対象とした大規模なものであることから、統計的には重要な上昇と考えられる。また、平均点の上昇は全ての学識レベルの生徒の間で広範に見られたという。一方で、人種や性別による差が引き続き存在している点に懸念を示す専門家もいる。 New Scientist “America’s report card – science skills improving” (5/10/12)

オバマ政権、米国における渡航・観光業強化のための取り組みを発表

2012年1月19日に米国への渡航及び米国内での観光業の大幅な強化を狙いとした行政命令(Executive Order)を発表したオバマ大統領は、5月10日、関係機関や地域コミュニティ、民間セクターなどからのフィードバックを反映した形で、渡航・観光強化に関する新たな取り組みを発表した。観光省などの観光専門機関を持たない米国では、商務省(Department of Commerce)、内務省(Department of Interior)、国土安全保障省(Department of Homeland Security)、農務省(Department of Agriculture)、中小企業庁(Small Business Administration)といった複数の連邦省庁による様々な取り組みが行われている。今回の発表では、①国際的な観光キャンペーン活動などを含む「渡航先・観光先としての米国」の推進、②査証免除プログラム(Visa Waiver Program)の強化・拡大や査証プロセスの合理化など、米国入国のためのプロセスの改良、③米国内の空港におけるセキュリティ過程の改良や外国語による観光サービスの拡大など、米国内での渡航・観光経験の向上、の3点が柱となっている。 White House “Obama Administration Continues Efforts to Increase Travel and Tourism in the United States” (5/10/12)

商務省、製造雇用の恩恵を示した報告書を発表

商務省(Department of Commerce)の経済統計局(Economics and Statistics Administration: ESA)は5月9日、製造業従事者の賃金や福利厚生を分析した報告書「製造雇用の恩恵(The Benefits of Manufacturing Jobs)」を発表した。それによれば、製造業従事者の平均時給(雇用主によって提供される福利厚生も含めた総合的な時給)は、38.27ドルで、非製造業従事者の平均時給32.84ドルと比べると17%高いことが明らかになった。またこの他にも、①製造業従事者の教育水準は着実に上昇しており、2011年には同従事者の53%が少なくとも何らかの大学教育を受けている(1994年は43%であった)、②製造業はSTEM(科学、技術、工学、数学)教育への依存を高めつつある、といった点が明らかになった。 Economics & Statistics Administration “New U.S. Commerce Department Report: Manufacturing Jobs Provide Higher Pay, More Benefits” (5/9/12)

米国への外国投資が停滞

外国企業を親会社とする約160社の米国企業で構成される非営利ビジネス組織、「国際投資のための組織(Organization for International Investment: OFII)」は5月10日、米国内における外国投資が停滞しているとした上で、外国企業の米国支社の雇用1件につき、3件の米国内雇用が支えられていることなどから、外国投資を強化することは米国の経済成長にとり重要であるとの見解を示した。外国投資が停滞している要因として、米国の複雑な税制と世界的競争の激化が指摘されている。OFIIの調査報告によれば、外国企業の米国支社は2,100万人の雇用(直接的、間接的)を支えており、これは雇用全体の12.2%に相当するという。しかし、2009年の世界的投資のうち米国向けとなったのは約19%で、これは1999年の41%に比べると激減している。 Reuters “Job-creating foreign investment in U.S. lags” (5/10/12)

各国の科学アカデミー代表による「G科学声明」が発表される

来るG8サミットに先立ち、世界15カ国の科学アカデミーは5月10日、世界の指導者らに向け、科学技術が世界的課題の解決の一助となり得る手法について注目するよう要請した「G科学声明(G-Science Statement)」を発表した。今回発表されたG科学声明では、「水とエネルギーのニーズにいかにして同時に対応するか」「自然災害や技術災害からの回復力をいかに構築するか」「温室効果ガス排出削減目標の進展を正当化するためのより正確な測定方法」といった世界的問題を対象としている。従来はサミット参加国の科学アカデミーがサミットに先立ち声明を発表していたが、今回初めて「G科学声明」という表現が使用された。今回のG科学声明には、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、モロッコ、ロシア、南アフリカ、英国、米国の15カ国の科学アカデミー代表が署名した。 National Academies “Science Academies Issue ‘G-Science’ Statements to Call World Leaders’ Attention to How Science and Technology Can Help Solve Global Challenges” (5/10/12)

エネルギー省が開発中のハイブリッド・クラウドが今後の連邦クラウドモデルとなる可能性

エネルギー省と国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は、私的なクラウド・サービスと商業的なクラウド・サービスを組み合わせ、安全確実なハイブリッド型クラウドを構築中である。このクラウド環境は、今後エネルギー省内のその他の部門でも利用可能となり、更にその他の連邦機関に導入される可能性もある。5月3日に行われた「政府ITリーダーシップ・フォーラム(Government IT Leadership Forum)」でエネルギー省とNNSAのIT担当幹部が説明したところによると、鍵となる技術として、クラウド・サービスの仲介(broker)や安全保障を目的としたアクセス制御、アイデンティティ管理、スマートメータリングなどが挙げられている。こうしたハイブリッド型クラウド環境は、その他の連邦機関にとりモデルとなる可能性がある。 Information Week “DOE Hybrid Cloud May Be Model For Future” (5/10/12)

GAO、連邦政府は必ずしも電子廃棄物を責任ある形で管理していないと報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が3月に発表した報告書「電子廃棄物:使用済みの連邦電子機器が環境的に責任ある形で処分されていることを確実にするための行動が求められる(Electronic Waste: Actions Needed to Provide Assurance That Used Federal Electronics Are Disposed of in an Environmentally Responsible Manner)」によれば、連邦政府は依然として、政府から出た電子廃棄物の責任ある処理に関して多くの問題を抱えているという。報告書では、具体的なキーファインディングとして、①連邦政府では毎週1万点のコンピューターが処分されている、②いくつかの連邦機関においては電子廃棄物処理の管理に向けて取り組みが行われているものの、いずれも「連邦政府が電子廃棄物を責任ある形で処分している」とはいえない内容である、③処分方法としては、寄付、その他の連邦機関への送付、リサイクル業者の利用、オークションなどがあるが、それらの多くの最終的な行方は不明となっている、といった点が指摘されている。こうした中、現在上下両院で提案されている「責任ある電子機器リサイクリング法(Responsible Electronics Recycling Act: RERA)」は、これらの問題に対処する内容となっているという。 Environmental Leader “GAO Report Finds Feds Not Always Managing Own E-Waste Responsibly” (5/10/12)