OECDが技能戦略イニシアチブを開始

経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development: OECD)は「教育、技能、トレーニングへの投資増大は、未来における堅実で持続可能的かつ共用の成長の鍵である」として、各国政府が経済的柔軟性を構築し、雇用創出を拡大し、社会的団結を強化することを支援するためのイニシアチブ「技能戦略(Skill Strategy)」を開始した。そしてこれにあわせて、報告書「技能・雇用・生活の改善:技能政策への戦略的アプローチ(Better Skills, Better Jobs, Better Lives. A Strategic Approach to Skills Policies)」を発表した。報告書は、「多くの国で重点とすべきことは、若者が労働市場で必要とされる技能を取得することを支援することである」と指摘している。現在、高失業率が問題となっているものの、技能労働者が不足しているため、多くの雇用主が適切な人材を確保できずにいる。OECDの技能戦略は、国がそれぞれの強みと弱みを分析するための枠組みを示すとともに、労働者の技能開発に関する様々な勧告を行っている。 OECD “OECD launches Skills Strategy to boost jobs and growth” (5/21/12)

オバマ政権、エネルギー・データ・イニシアチブを開始

オバマ政権は、総括的エネルギー戦略の一環として、膨大なエネルギー・データを技術と創意工夫によって国民の生活に活用する、「エネルギー・データ・イニシアチブ(Energy Data Initiative: EDI)」を開始した。EDIの目標は、アントレプレナーがこれらのデータを活用して電気代やガソリン代の節約につながるツールを作り出すよう促すことである。これらの取り組みは、イノベーションを活性化させ、経済成長や雇用創出につながることが期待されている。EDIの始動に伴い、大統領府とエネルギー省(Department of Energy)はシリコンバレーで行われたワークショップ「エネルギー・データ・ジャム(Energy Data Jam)」に参加した。 White House “Unlocking the Power of Energy Data” (5/22/12)

44%の企業幹部が「持続可能性はビジネスにとり重要」と回答

アクセンチュア社(Accenture)が米国、日本、ドイツ、中国、ブラジル、インドなどの上級企業幹部250名を対象に行ったアンケート調査の結果によれば、回答者の44%が「持続可能性はビジネスにとり重要である」と回答していることが分かった。新興市場国においてはその数値は64%となっている。「企業の今後の成長にとり、持続可能性は重大である」と回答した者は78%で、その回答が70%を下回ったのは日本のみであった。アクセンチュア社による報告書では、その他のキーファインディングとして、①顧客からの需要が持続可能性イニシアチブへの投資の主たる要因となっている、②持続可能性への投資は主に「ビジネス成長の一助となっている」と回答した者の割合(41%)は、「経費削減につながっている」と回答した者の割合(22%)のほぼ2倍となっている、などが挙げられている。また、持続可能な製品及びサービスへの対応に関する勧告として、①急速に変化する顧客の期待をより良く理解・推測するため、分析論能力などの強化、②顧客との関与を深めるため、ソーシャル・メディアを基盤とするプラットフォームの構築、③事業及びサプライチェーン能力の見直し、を挙げている。 Environmental Leader “Accenture: 44% of Senior Execs say Sustainability ‘Critical’ to Business” (5/23/12)

シリコンバレーにダイヤモンド生産工場設置

合成ダイヤモンドメーカーのエレメント・シックス社(Element Six)は、シリコンバレーに米国で初めてのダイヤモンド生産工場を開設した。早ければ6月にも製品の出荷が可能であるという。工場では約20人が雇用される見込みである。高度に自動化された施設で、化学蒸着(chemical vapor deposition: CVD)法を用いてダイヤモンドの生産が実施される。ダイヤモンドは電子機器関連業界を含め、様々な形で利用されている。エレメント・シックス社はこれまでに英国に生産工場が1件あるのみであったが、合成ダイヤモンドの軍事応用の可能性もあることなどから、米国での工場開設となった。 EE Times “Silicon Valley’s latest product–diamonds” (5/23/12)

諸外国、米国生物薬剤企業を積極的に誘致

米国研究製薬工業協会(Pharmaceutical Research and Manufacturers of America: PhRMA)の委託を受けてバテル技術パートナーシップ・プラクティス社(Battelle Technology Partnership Practice)が作成した報告書によれば、世界の各国は厳しい予算環境にもかかわらず、イノベーションを推進する政策やプログラムに大型投資を行い、米国から生物薬剤企業を誘致しようと努力しているという。報告書は生物薬剤企業が既に存在する国(日本、カナダ、ドイツなど)及び新興国(ブラジル、チリ、中国など)を対象に調査を行っており、多くの国々が公的支出を削減している一方で、生物薬剤企業の存在を誘致及び成長させるために研究開発のインセンティブを拡大し続けているという。PhRMAのジョン・カステラニ社長兼最高経営責任者(John J. Castellani)は、「各国政府は、生物薬剤研究企業がもたらす経済及び雇用創出の潜在的効果を認識している。米国は同様のイノベーション推進政策を講じなければ、医療イノベーションにおける世界的リーダーシップが危機にさらされるであろう」と述べている。 PR Newswire “New Study Details Foreign Efforts To Lure Biopharmaceutical Companies” (5/17/12)

学問分野ベースの教育研究が大学の科学・工学教育を向上させる可能性

米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書によれば、学問分野ベースの教育研究(Discipline-based education research: DBER)から得られる見識は、大学における科学・工学の教育向上の一助となる可能性があるものの、未だ、教育方法改善に向けた広範な導入にはつながっていないという。「科学・工学部門の教員や機関、社会などは高品質なDBER及びそこから生まれる証拠ベースの教育戦略を支持すべきである」と、報告書はまとめている。DBERは、特定の学問分野で学生がどのように学習するかという点に関する調査研究を総合的にまとめ、教育方法の改善策を見付け出すことを目的とした研究である。 National Academies “Findings From Discipline-Based Education Research Could Improve Undergraduate Science and Engineering Teaching But Are Not Yet Widely Used” (5/21/12)

原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長が辞任

原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)のグレゴリー・ヤツコ委員長(Gregory Jaczko)は5月21日、辞任を表明した。委員長就任から3年目となる同委員長は、NRCの政策を巡る批判や、「職員の間に敵対的な労働環境を生み出している」との非難を受けていた。NRCの監察長官は2011年6月に、ヤツコ委員長のリーダーシップに疑問を呈する報告書を発表している。また、ヤツコ委員長はユッカマウンテン核廃棄物処分場の閉鎖を推進していたが、多くの共和党議員の反発を買った他、元上司であるハリー・リード上院院内総務(Harry Reid、ネバダ州選出民主党)の支援も失うことになった。一方、同委員長は福島県での原発事故後、NRCによる一連の規制イニシアチブを主導してきた。ヤツコ委員長は後任が決まり次第辞任するとしているが、反対派は即時辞任を求めている。 Nature News Blog “Jaczko resigns from Nuclear Regulatory Commission” (5/22/12)

NIH、疼痛教育のセンター・オブ・エクセレンスを選出

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の疼痛コンソーシアム(Pain Consortium)は、「疼痛教育のセンター・オブ・エクセレンス(Centers of Excellence in Pain Education: CoEPE)」として、11の医科大学を選出した。疼痛コンソーシアムは国立薬物乱用研究所(National Institute on Drug Abuse: NIDA)や国立小児医療・人間発達研究所(Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development)などNIHの研究所やセンターで構成され、疼痛の研究強化やNIH研究所・センターの研究者間の協力推進などを行っている。今回選出されたCoEPEは今後、医科・歯科・看護学・薬科大学向けに、疼痛管理カリキュラム資源の開発、評価、提供などを行い、疼痛及びその治療に関する教育の強化に取り組むことになる。 National Institutes of Health “NIH selects 11 Centers of Excellence in Pain Education” (5/21/12)

NSH・NIH等、大学生物学教育の改革を目的とした全国的イニシアチブを開始

国立科学財団(National Science Foundation: NSF)、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、ハワード・ヒューズ医療研究所(Howard Hughes Medical Institute: HHMI)は、大学における生物学教育の改革を目的とした全国的イニシアチブ、「大学における生命科学教育のためのパートナーシップ(Partnership for Undergraduate Life Sciences Education: PULSE)」を開始した。NSFはNIHやHHMIの支援を受けながら2006年より科学コミュニティと生物学教育に関する対話を開始しており、2011年に報告書「大学生物学教育におけるビジョンと改革:行動の呼びかけ(Vision and Change in Undergraduate Biology Education: A Call to Action)」を発表している。今回発表されたPULSEはこの2011年報告書で示されたファインディングを実践するための戦略実現を狙いとするもので、大学生物学教育の体系的改革にリーダー的存在として寄与する「ビジョンと改革のリーダーシップ・フェロー(Vision and Change Leadership Fellows)」の募集も行われている。 PR Newswire “National Initiative Launched to Change the Way Biology Departments Approach Undergraduate Education” (5/15/12)

2015年までに米国内の非住宅施設建設の半分が「グリーン」に

マグロウ・ヒル建設社(McGraw-Hill Construction)が建設業界企業を対象に行ったアンケート調査の結果によれば、2015年までに米国内の非住宅建設は2011年に比べて73%増加すると予測されており、不況の影響で停滞していた建設業界は今後、人材不足に直面する可能性があることが分かった。また、この非住宅建設のほぼ半分が「グリーン」建設となる見込みであることから、エネルギー効率や水の効率、責任ある用地管理、大気質、環境に優しいビルの認証といった分野で経験を持つ労働者の需要が最も高くなると予想されている。アンケート調査結果によれば、企業は今後のこうした人材の不足に懸念を示しており、マグロウ・ヒル建設社では、新たな技能を有する労働者を確保し、グリーンなビルへの需要を満たし、事業をより競争的なものとするために、企業はグリーン戦略を立てる必要があると勧告している。 Think Progress “Half of U.S. Nonresidential Construction To Be ‘Green’ By 2015: Firms Must Embrace Sector ‘To Stay Competitive’” (5/18/12)