米国アカデミー、EPAに社会科学を活用するよう勧告

米国アカデミーの下部組織である米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)における科学全般を評価した報告書「環境保護のための科学:今後の道のり(Science for environmental protection: the road ahead)」を発表した。NRCは報告書の中で、「EPAはこれまでに排出ガスや工場の煙突、下水システムといった明確な環境汚染問題に対処してきたが、現在はナノテクノロジーや蔓延する化学物質及び原料(必ずしも管から放出されるとは限らない)などの分野でより難しい規制問題に直面している」とした上で、EPAで行われている科学やデータ収集、監視、モデリングをより統合させること、社会科学の専門性を強化することを勧告している。報告書は、今後の環境規制や方針を決定する上で、社会科学面での情報は有益であると述べている。 Nature News Blog “Report calls on US environment agency to embrace social sciences” (9/5/12)

NSFの再編、国際科学を重視

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のスブラ・スレシュ長官(Subra Suresh)は2年前の就任以来、積極的に国際科学協力を推進してきたが、9月6日に発表されたNSF再編でその傾向がより顕著になった。再編後、NSFの70億ドル予算の大半が充当される7つの研究及び教育部門の長の他、9つのより小規模なプログラムの長がスレシュ長官に直接報告を行うことになる他、両極のプログラム及びサイバーインフラのオフィスは長官室から移動して学問別の部門に組み込まれる。ただし国際活動関連は、その他のグループと合併して長官の管轄下にとどまる。今回の再編(来月実施)により、長官の組織運営上の役割を軽減し、長官が外部のコミュニティと対話する時間を増やし、より大きな問題に対処できるようにすることが狙いであるという。 National Science Foundation “NSF Reshuffling Highlights Global Science” (9/6/12)

NIH、自閉症COEプログラムに1億ドル

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は自閉症センター・オブ・エクセレンス(Autism Centers of Excellence: ACE)の研究プログラムを主導する9人の研究者に対して、今後5年間で1億ドルのグラントを提供すると発表した。NIHは2007年に、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorders: ASD)の原因に関する集中的かつ協調的研究プログラムを行うことを目的として、ACEプログラムを発足させた。今回の受益者が主導するチームは、ASDにおける性差やASDと限定的な言語能力の関係などについて研究を行う。 National Institutes of Health “NIH awards $100 million for Autism Centers of Excellence Program” (9/4/12)

エネルギー省、メタンハイドレードの研究活動14件に助成

エネルギー省(Department of Energy)は8月31日、未来のエネルギー供給源として注目されているメタンハイドレードの可能性について知識を深めるため、全国で14件の研究プロジェクトに助成を行うと発表した。メタンハイドレードは、内部に天然ガスが含まれた立体の氷格子構造になっており、陸地及び海岸沖で発見されている。今年初めに行われた実験で、メタンハイドレードから天然ガスを安全に抽出することに成功しており、メタンハイドレードの可能性を更に追求するため、今回の研究プロジェクトが選出された。 Department of Energy “Energy Department Advances Research on Methane Hydrates – the World’s Largest Untapped Fossil Energy Resource” (8/31/12)

エネルギー省、コスト競争力のあるソーラー発電の技術開発に関する新投資計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は8月29日、サンショット・イニシアチブ(SunShot Initiative)の一環として、太陽光発電(PV)及び太陽熱発電(CSP)技術のコスト低減につながるイノベーションの加速を目的として、5件の研究プロジェクトに投資を行う計画を発表した。これらの投資を通じて、業界や大学、国立研究所の研究チームが、エネルギー省の科学利用者施設(Scientific User Facilities:全国に存在するエネルギー省施設において、毎年1万人以上の科学者・工学者に最先端の機器へのアクセスを提供)で共同研究を行う。今回の投資は、科学利用者施設における既存のツールを利用して研究を行うプロジェクト(2件、合計90万ドル)と、科学利用者施設における新規ツールの開発につながる研究を行うプロジェクト(3件、合計260万ドル)の二つに分けられている。 Department of Energy “Energy Department Announces New Investments to Accelerate Breakthroughs in Cost-Competitive Solar Energy” (8/29/12)

オバマ大統領、産業エネルギー効率の推進を目的とした大統領令に署名

オバマ大統領は8月30日、産業エネルギー効率への投資促進を目的とした大統領令(Executive Order)に署名した。熱電併給(combined heat and power: CHP)システムなどの産業エネルギー効率手段を通じて、今後10年間で最高1,000億ドルの燃料費が節約ができる他、雇用創出の促進や、米国製造部門の強化につながると期待されている。大統領令ではまた、エネルギー、商務、農務の各省(Departments of Energy, Commerce, and Agriculture)と環境保護庁(EPA)に対して連邦レベルの行動を協調させると同時に、産業エネルギー効率への投資推進につながる政策や技術支援を州政府に提供するよう指示している。更に、2020年までにCHPの能力を新たに40ギガワット増やし、現行の50%増とすることを新たな国家目標として打ち立てている。 White House “President Obama Signs Executive Order Promoting Industrial Energy Efficiency” (8/30/12)

EPA、気候変動の影響を研究する事業14件に900万ドルを助成

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、気候変動によって引き起こされる過酷な天候が大気や水の質に及ぼす影響の可能性を研究する全国14件のプロジェクトに対して、合計900万ドルのグラントを提供すると発表した。そのうちの一つであるマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)は、74万9,931ドルを受益する。MITのプロジェクトは、先端の統計技術を使い、観測やモデルから得られる情報を元に米国内の過去及び未来の過酷な大気質事象の原因及び発生について研究するものである。MITの他、カリフォルニア公共政策研究所(Public Policy Institute of California)、ミシシッピ州立大学(Mississippi State University)など13機関・大学が本グラントを受益した。 Environmental Protection Agency “MIT Researchers Awarded $750,000 Grant to Study Climate Change Effects” (8/22/12)

ニューヨーク州立大学アルバニー校のナノスケール科学工学カレッジとナノテク製造会社が提携

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(Andrew M. Cuomo)は8月29日、米国太陽光発電コンソーシアム(U.S. Photovoltaic Consortium: PVMC)と、ハドソンバレーを拠点とするナノテク製造会社、セレス・テクノロジーズ社(Ceres Technologies)が2,000万ドル規模のパートナーシップを組み、セレス社がPVMCに製造機器を提供する最初の企業となることを発表した。PVMCは、次世代太陽光発電システムの開発、商業化、製造を加速させることを目的として活動する産学官コンソーシアムで、ニューヨーク州立大学(State University of New York: SUNY)アルバニー校(University at Albany: UAlbany)のナノスケール科学工学カレッジ(College of Nanoscale Science and Engineering: CNSE)が抱えるアルバニー・ナノテク複合施設(Albany NanoTech Complex)内に本部を構えている。CNSEは、ナノ科学やナノ工学など新興学術部門における教育や研究、開発、導入を専門とする世界初の大学である。セレス社では本パートナーシップを通じ、今後5年間で250人以上のグリーンエネルギー雇用が創出されると試算している。また本パートナーシップを支援するため、ニューヨーク州はセレス社に76万4,000ドルの税控除(Excelsior Tax Credits)を提供した。 Nanowerk “$20 million partnership between SUNY College of Nanoscale Science and Engineering and nanotechnology manufacturer Ceres Technologies” (8/29/12)

GAO、「内務省によるオフショア掘削リスク評価能力は限定的」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が作成(7月30日付けで8月29日に公開)した報告書によれば、「内務省(Department of Interior)は、2010年のBP社による原油流出事故後、省内の監督体制を改革・強化したにもかかわらず、オフショア掘削プロジェクトのリスクを特定・評価する能力は依然として限定的である」という。GAOは報告書の中で、「内務省は安全性改革では評価できるものの、省内再編や最近発表された政策変更の最終的な有効性は不明のままである」とした上で、懸念点をいくつか指摘している。 The Hill “Report: Interior has ‘limited’ ability to gauge offshore drilling risks” (8/29/12)