風力エネルギーで世界のエネルギー需要を満たすことが可能との報告

カーネギー科学研究所(Carnegie Institution for Science)のケン・カルデイラ氏(Ken Caldeira)などによる新たな研究の結果、世界のエネルギー需要を満たすのに十分な量の風力エネルギーが存在するという。同氏らの研究結果は9月9日付の「ネイチャー気候変動(Nature Climate Change)」で発表された。研究チームは、地表風(surface wind:地上や海洋に建つタワーによって支えられたタービンを使って発電)と高高度風(high-altitude wind:タービンとカイトを組み合わせた技術によって発電)から生産できる電力量を、モデルを使って算出した。研究はこれらの技術の地球物理学的な限界を分析するもので、技術的及び経済的要素は考慮されていない。それによれば、地表風からは最大400テラワット以上の電力が、高高度風からは同1,800テラワット以上の電力が生産できる可能性があるという。現在、世界の電力消費は約10テラワットで、上述した風力エネルギーによって需要の20倍~100倍以上の電力を生産することが可能となる。 Carnegie Institution for Science “Enough wind to power global energy demand” (9/10/12)

カリフォルニア州公共ユーティリティ委員会がエネルギー効率努力の成功を報告

カリフォルニア州公共ユーティリティ委員会(California Public Utilities Commission: CPUC)が9月4日に発表した報告書「2010-2011年 エネルギー効率の年間進捗評価報告(2010-2011 Energy Efficiency Annual Progress Evaluation Report)」によれば、CPUCが承認したエネルギー効率プログラムにより、2010-2011年に5,900ギガワット時の電力が節約されたという。これは、60万世帯以上の年間電力量に相当し、2つの大型発電所分に相当するという。さらに二酸化炭素排出量は380万トン削減されたと試算されており、これは70万台以上の車の排出量に相当する。 California Public Utilities Commission “CPUC REPORT OUTLINES ENERGY EFFICIENCY SUCCESS; CONSUMERS HELP STATE AVOID BUILDING NEW POWER PLANTS AND IMPROVE ENVIRONMENT” (9/4/12)

農務長官、スマートグリッド導入への融資合計が目標の2億5,000万ドルに達する

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)のトム・ビルサック長官(Tom Vilsack)は9月7日、スマートグリッド技術への融資提供が目標の2億5,000万ドルに達したと発表した。オバマ政権は、「安全確実なエネルギー未来のための計画(Blueprint for a Secure Energy Future)」の一部として、電力システム最新化のための枠組みを提示し、農務省の地方ユーティリティ・サービス(Rural Utility Service)を通じてスマートグリッド技術の導入に2億5,000万ドルの融資を行うことを目標として掲げていた。全国の10州で9件の電力共同組合(electric cooperatives)やユーティリティ企業が、合計約2億7,000万ドルの融資を受けている。 U.S. Department of Agriculture “Secretary Vilsack Announces USDA Has Reached Its Goal to Fund $250 Million in Smart Grid Improvements” (9/5/12)

労働費の上昇が米国製造業回帰の唯一の要因ではないとの調査結果

「中国などで労働費が上昇していることが要因となり、米国製造業が国内で復活しつつある」というのが一般的な見解であるが、プライスウォーターハウス・クーパーズ社(PricewaterhouseCoopers: PwC)の報告書「米国製造業の帰国?(A Homecoming for U.S. Manufacturing?)」によれば、労働費の上昇以外にも様々な要素が米国製造業の復活に影響しているという。PwCは、リショアリングの決断に影響する重要な要素として、①輸送及びエネルギー費、②通貨の変動、③米国市場の需要、④米国内の人材、⑤資本の有用性、⑥税・規制環境、⑦米国労働費の7点を挙げている。 PricewaterhouseCoopers “Rising Labor Costs Not the Sole Factor Influencing Potential U.S. Manufacturing Resurgence, Says PwC US” (9/12/12)

2012-2013年世界競争力指数が発表される

世界経済フォーラム(World Economic Forum)が9月5日に発表した「2012-2013世界競争力指数(The Global Competitiveness Report 2012-2013)」によれば、スイスは4年連続で1位となった。シンガポールも昨年同様2位で、昨年4位だったフィンランドが3位に浮上した。このほか、オランダ(5位)、ドイツ(6位)、英国(8位)となっており、欧州北部及び西部の国がトップ10の大勢を占めた。米国は7位(昨年5位)、日本は10位となっている。BRICS諸国の中では、中国が3つ順位を落として29位となったものの、BRICS諸国の中では依然としてトップである。米国は、マクロ経済の脆弱性の増大や一部の制度的問題などが企業経営者の懸念となり、4年連続で順位を落としているが、イノベーション力は依然として世界トップとなっている。 World Economic Forum “Persisting Divides in Global Competitiveness as Switzerland, Singapore and Finland Top Competitiveness Rankings in 2012” (9/5/12)

米国、よりクリーンな生産の推進を目的に米州高等教育パートナーシップを開始

米国とコスタリカは9月5日、中南米地域における持続可能な製造と経済成長を推進することを狙いとして、3年間の高等教育パートナーシップを開始した。このパートナーシップは、よりクリーンな生産手法の導入につながる現代的労働力の創出や、地域協力の育成、「米州の繁栄への道(Pathways to Prosperity in the Americas)」の目標達成、米国・中米間自由貿易協定(CAFTA-DR)加盟国内の環境協力の推進の一助となることが期待されている。国務省(Department of State)の支援を受けたこの教育パートナーシップは、「開発のための高等教育(Higher Education for Development: HED)」と「世界環境センター(World Environment Center: WEC)」が共同で行う多国間の取り組みである。イリノイ工科大学(Illinois Institute of Technology)がHEDやWECと協力して米州大学ネットワークを主導し、その他の米国大学やコスタリカ、ドミニカ共和国などの大学とパートナーを組み、よりクリーンな生産や持続可能な産業開発に関する研修やカリキュラムの強化などに取り組むことになる。 Department of State “United States Launches Higher Education Partnership to Promote Cleaner Production Across the Americas” (9/5/12)

QS世界大学ランキングでMITが1位

9月11日に発表された「QS世界大学ランキング(QS World University Rankings)」によれば、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)が昨年の1位だったケンブリッジ大学(University of Cambridge)を抜いて1位となった。ケンブリッジ大学は2位、ハーバード大学(Harvard University:2004~2009年の1位)が3位となっている。上位6大学のうち4大学を英国大学が占めるなど英国勢が健闘しているが、米国大学の圧倒的優位は変わらない。同ランキングは、大学や雇用主における評判、教員1人あたりの論文引用件数、職員と学生の比率、国際化に基づいて作成されている。MITの成功要因として、国際化に積極的に取り組んでいる点や科学技術を重視する姿勢が挙げられている。 Business Insider “MIT Claims Top Spot In World University Ranking” (9/11/12)

OECD報告「学費の高騰は必ずしも大学入学の抑止要因とならず」

経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development: OECD)が発表した報告書「2012年教育概況:OECD指標(Education at a Glance 2012: OECD Indicators)」によれば、学生ローンやその他の支援プログラムが広く存在している場合、学費の高騰は若い人々が大学へ入学するか否かを決断する上で必ずしも抑止要因とならないという。同報告書は、OECD加盟34カ国と非加盟国の教育データを分析する年次報告書で、これによれば、学費の高騰が問題となっているものの、学生融資プログラムなどが充実している国(英国、オーストラリア、カナダ、米国など)では、大学入学率が世界でも高い一方、学費が低い(或いはゼロである)ものの、学生支援システムが最低限である国(オーストリア、フランスなど多くの欧州諸国)では大学入学率が低いという。 The Chronicle “OECD Report Links Higher-Education Access With Student Support, Despite Tuition” (9/11/12)

国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)が大型再編

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の国立ヒトゲノム研究所(National Human Genome Research Institutes: NHGRI)のエリック・グリーン所長(Eric D. Green)は9月10日、NHGRIのミッションの広範な変化に対応するため、NHGRIを大型再編すると発表した。再編は10月1日に実施される。再編の中心は、NHGRIの4つの外部研究プログラム(Extramural Research Program)を部門(division)レベルに格上げすることである。それらは、①ゲノム科学部(Division of Genome Sciences:基礎的なゲノム研究開発の監督など)、②ゲノム医薬部(Division of Genomic Medicine:ゲノムの医療科学及び臨床ケアへの応用を支援)、③ゲノム社会部(Division of Genomics and Society:ゲノム研究と社会問題に関するプログラムの拡大推進)、④外部運営部(Division of Extramural Operations:グラント管理や科学レビュー、その他外部研究プログラムの運営に関するもの)となっている。 National Institutes of Health “NHGRI reorganized to meet expanding research mission” (9/10/12)

米国研究評議会(NRC)、次世代先端気候モデルの必要性を主張

米国研究評議会(NRC)は、「先端気候モデリングのための国家戦略(A National Strategy for Advancing Climate Modeling)」と題する報告書を発表し、米国内で行われている気候モデルの取り組みをより統合的かつ効率的に行い、より詳細で小規模な気候予測が可能となるよう努力する必要があると主張した。米国における気候モデリングへの取り組みは多様化しており、それゆえの効果もある一方で重複も見られるため、報告書は、気候モデリングに取り組む各団体に対して、独自の手法を追求すると同時に、国レベルで採択された共通のモデリング枠組みの中で研究を続けるよう勧告している。報告書の作成委員会はまた、米国の気候モデリング研究を発展させるため、今後20年間における段階的な戦略を示している。 National Academies “Next Generation of Advanced Climate Models Needed, Says New Report” (9/7/12)