NSF、研究不正の調査業務を停止 大学機関に一任へ

サイエンス誌(Science)は6月2日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の監察総監室(Office of Inspector General: OIG)が予算削減と人員縮小に伴い、研究不正の調査業務を停止したと報じた。今後は不正申し立てに対応する調査権限を大学などの資金受領機関へ委ねるプロセスに移行する。トランプ大統領就任に伴い、OIGは不正行為を追跡する権限を失ったほか、政府が進める連邦機関の規模縮小措置により、同室の24%に当たる22人の職員が削減され、調査業務の継続が事実上困難になったことが背景にある。1980年代に発生した複数の研究不正を受けて設立された同組織は、約35年間に亘り、大学による隠蔽や調査不備を厳格に監視・独自調査してきた。今後は申し立ての評価、調査、捜査に加え、報告書評価もなくなるとし、現場では監視を止めることが科学的誠実性をどう向上させるのかとの声が上がっている。また政権の「研究不正の取り締まり強化」方針と逆行しているとの指摘もあるが、NSFは健全性確保に努めるとコメントしている。

Science “Exclusive: NSF watchdog unit is no longer investigating research misconduct” (06/02/26)
https://www.science.org/content/article/exclusive-nsf-watchdog-unit-no-longer-investigating-research-misconduct