10月末に行われた「慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)」と通称される謎の疾患に関する国際会議で最も注目された発言は、新たな発見をした科学者の発表ではなく、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の高官が、「フランシス・コリンズNIH長官(Francis Collins)は、解明が進んでいない本疾病に関する予算を2017年に1,500万ドルに引き上げることを決定した」と発言したことである。これは2016年の760万ドル(試算)の2倍となる。更に、基礎・臨床研究のための共同センターや本疾病に関するデータを管理するセンターを立ち上げるため、12月にはCFSに関する提案を募集する計画であると発表した。CFSは、約30年前にその名称が付けられて以来、多くの研究者や医師が本疾病は心因的なものであると考えるようになった。しかし、2015年には医学研究所(Institute of Medicine)が「本疾病を心因的なものと考えるのは誤りである」とする報告書を発表し、大きな反響を呼んだ。一部のCFS患者は、今回のNIHの動きが本疾病に関する研究への真のコミットメントを示すのか依然として懐疑的である。
Science “NIH to double funding for chronic fatigue syndrome, but patient distrust remains” (11/10/16)