NIH助成審査に厚生省が介入 ピアレビュー覆す内容変更要求も

サイエンス誌(Science)は6月1日、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)が、傘下の国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が採択を承認した全ての助成に対し、政治的任用者らによる追加審査プロセスを導入したと報じた。専門外職員を含む同省の審査チームが、科学的妥当性を検証する従来の査読(ピアレビュー)の結論を覆し、研究規模やデザイン、文言の大幅な変更を求めるようになっているという。追加審査は新規提案のみにとどまらず、年次資金の交付を待つ継続中の事業も対象で、既に最終年を迎えた事業に対し、実現不可能な臨床試験の追加を要求するケースもあるという。記事は2025年4月から多様性など特定の文言を検知するシステム運用が開始したことについて触れ、現場は研究への政治介入や検閲を深く懸念していると伝えた。助成交付の遅延について、NIHは年度末までに予算の全額消化を目指すとする一方、厚生省側は研究計画の変更を伴う資金配分の決定について、研究強化に向けた通常のプロセスと説明している。

Science “Exclusive: HHS is now weighing in on science in NIH grants” (06/01/26)
https://www.science.org/content/article/exclusive-hhs-now-weighing-science-nih-grants