Category:その他
ユーティリティ規模の米国ソーラー発電は2024年に引き続き成長
2024年8月、米国本土の48州で、ユーティリティ規模のソーラー発電は毎日午前10時~午後6時の間に平均63.1ギガワット時(GWh)で、これは前年同月の同じ時間帯よりも36%多い。2023年におけるソーラー発電能力の追加はその他の資源の追加を上回っており、エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は「このトレンドは2024年末まで続く」と予測している。また、EIAの「予備的月間電力発電インベントリ(Preliminary Monthly Electric Generator Inventory)」によれば、2024年8月に合計107.4GWのソーラー発電能力が本土48州で稼働していた。これに対して2023年8月は81.9GWであった。更に、EIAは、今年8月から12月の間に米国のユーティリティ規模の開発事業者は、24GWのソーラー発電能力を追加すると予測している。 Energy Information Administration “Utility-scale U.S. solar electricity generation continues to grow in 2024” (10/2/24)
データセンター運用業者、潜在的な電力供給源として原子力発電に着目
コンステレーション・エネルギー社(Constellation Energy)は9月、ペンシルバニア州にあるスリーマイル島原子力発電所1号機から、マイクロソフト社(Microsoft)が中部大西洋地域に所有するデータセンターへの電力供給を目的として、20年間の電力購入協定(power purchase agreement: PPA)を交わした。原発の経営者がデータ・センターへ専用の電力を供給するという契約は今年に入って2件目で、3月には、アマゾン・ウェブ・サービス社(Amazon Web Servicers: AWS)がタレン・エネルギー社(Talen Energy)のサスケハンナ原発(Susquehanna nuclear power plant)(ペンシルバニア州)との間で960メガワット(MW)の購入契約に署名した。歴史的に、原発の建設費用は高いが、比較的低い運用費用で電力を生産することができる。また、原発は、二酸化炭素を直接排出することなく、電力を生産できる。更に、データセンターの電力需要は、住宅や多くのその他の事業のように一日の中で変動することはなく、一貫かつ安定した電力供給を常に必要とする。原発は継続的に運用される一方、変動的な需要への対応は難しい。上記の2件の契約は、データセンターの経営者が排出ゼロの大型電力源を模索していることを強調するものであるが、今後のデータセンターの電力需要には、複数の不確実性が伴う。 Energy Information Administration “Data center owners turn to nuclear as potential electricity source” (10/1/24)
ERCOT、SPP、米国3地域は、新発電能力への大幅な投資が必要
バンク・オブ・アメリカ(Bank of America: BofA)のグローバル・リサーチ(Global Research)が9月28日に発表した報告書によれば、電力需要の成長が20年間にわたって停滞した後、米国は2035年までに最大300ギガワット(GW)の効果的な能力増強が必要となる可能性がある。ただしその成長は国内で万遍なものではなく、少数の地域は継続的に増加すると予測されている。「300GW」というのはBofAの高成長シナリオの場合で、報告書は「現実的なゴールではない」と注意している。基本的なシナリオでは、全国で長期的な1.5%増が予想され、2035年までに100GWの効果的な能力増強が必要になると予測されている。報告書は、テキサス電力信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)、南西部電力プール(Southwest Power Pool)、そして米国の南東部、南西部、北西部は、「効果的な能力の増強に大幅な投資が必要となる」としている。 Utility Dive “ERCOT, SPP and 3 US regions need ‘significant investment’ in new generating capacity: BofA” (10/1/24)
ハイブリッド発電所、米国内のソーラー/貯蔵計画案の過半数を占める
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)が9月に発表した要旨報告によれば、2023年末現在、米国内の相互接続キューにあるアクティブな大容量ソーラー能力の55.2%、アクティブな大容量エネルギー貯蔵能力の51.7%がハイブリッド発電所となっている(LBNLの分析は、1メガワット(MW)以上の発電能力を有する発電所に限定)。相互接続キューにある風力、天然ガス、その他の発電では、ハイブリッド発電所が占める割合はかなり低く、風力の場合で14%、天然ガスの場合で12.4%となっている。要旨報告書の共同執筆者の一人で、LBNLエネルギー政策研究者であるジョー・ランド氏(Joe Rand)は、9月30日に行われたウェブセミナーで、「インフレ低減法(Inflation Reduction Act)には単独型のエネルギー貯蔵設置を奨励するインセンティブが含まれているが、それが2023年にハイブリッド発電所への関心を低減する効果はほとんどなかった」と述べた。 Utility Dive “Hybrid power plants account for majority of proposed US solar, storage capacity: LBNL” (10/1/24)
米国オフショア風力労働力準備支援に約200万ドル
オフショア風力業界の成長に伴い、良好賃金の雇用機会とそれに就く人材の需要も増加している。こうした需要増に対応するため、エネルギー省(Department of Energy)の風力エネルギー技術局(Wind Energy Technologies Office: WETO)は、コネクトワークス(ConnectWerx)とのパートナーシップ仲介合意(Partnership Intermediary Agreement)を通じて、190万ドルの「オフショア風力労働力準備(Offshore Wind Workforce Readiness)プログラム」を発表した。オフショア風力に関する教育と訓練プログラム(見習い準備プログラムや登録見習いプログラム、海事・船員プログラムを提供し、社会的に不利なコミュニティを支援するプログラムに具体的な注意を払っているもの)を実施する申請者に最大25万ドルのアワードを提供する。オフショア風力労働力準備プログラムの具体的な目的として、①国内のオフショア風力業界について直近または予想される労働力ニーズに、訓練の導入を通じて対処、②質の高いオフショア風力雇用への経路を拡大、③訓練参加者に総合的な支援サービスを提供、の3点を挙げている。 Department of Energy “Funding Notice: Nearly $2 Million Available to Support U.S. Offshore Wind Workforce Readiness Programs” (10/1/24)
エネルギー省、風力エネルギー技術のリサイクル向上に2,000万ドルを予定
エネルギー省(Department of Energy)の風力エネルギー技術局(Wind Energy Technologies Office: WETO)は、「風力タービン技術リサイクリング資金提供機会(Wind Turbine Technology Recycling Funding Opportunity)」を発表する意向通知(Notice of Intent: NOI)を行った。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から2,000万ドルを投資する計画である。これらの取り組みは、風力エネルギー技術のリサイクル性を向上させる技術ソリューション開発の一助となる。特に、風力ブレード及びナセルの繊維強化複合材料や風力タービン発電機に使用されるレアアース元素マグネットなど、リサイクルが難しいマテリアルを対象としている。トピック分野として、①持続可能な風力タービン部品の実現、②風力タービン・マテリアルのリサイクルと再使用のプロセスの実現、③リサイクルされたマテリアル及びリサイクル可能なマテリアルの適格性、が挙げられている。 Department of Energy “DOE Announces Intent to Fund $20 Million to Improve the Recycling of Wind Energy Technologies” (10/1/24)
商務省、半導体マテリアルR&D及びAI技術加速に最大1億ドル
商務省(Department of Commerce)は10月2日、業界のニーズに見合い、5年以内に設計と導入が可能で、持続可能性のある新たな半導体マテリアル及びプロセスの開発を、人工知能(AI)がどのように支援できるかを実証するオープン・コンペを発表する意向通知(Notice of Intent: NOI)を行った。米国CHIPS(CHIPS for America)は、持続可能な半導体製造に関連する「AIを活用したオートノマス実験(artificial intelligence-powered autonomous experimentation: AI/AE)」について、業界からの情報を基に、大学主導の共同作業の策定に取り組む受益者に、最大1億ドルの資金を提供する予定である。AI/AEは、自動合成と特性化ツールをAIの「プランナー」と組み合わせて、実験活動の次のラウンドを決定するもので、新たなマテリアルの設計とマテリアル・データの入手を大幅に加速させることから、マテリアルの研究開発を加速させる画期的な手法として可能性を高めつつある。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration to Invest up to $100 Million to Accelerate R&D and AI Technologies for Sustainable Semiconductor Materials” (10/2/24)
運輸省、米国旅客鉄道の未来を支援するため、10億ドル以上を追加
運輸省(Department of Transportation: DOT)の連邦鉄道局(Federal Railroad Administration: FRA)は10月1日、資金提供機会通知(Notice of Funding Opportunity: NOFO)を発表し、都市間旅客鉄道プログラム連邦=州パートナーシップ(Federal-State Partnership for Intercity Passenger Rail Program)を通じて、北東部コリドーに位置していないプロジェクトを対象に、都市間旅客鉄道の拡大及び現代化に10億ドル以上の資金が有用であると発表した。この新たな資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出され、昨年12月に発表された10件の旅客鉄道プロジェクトへの82億ドルのグラントを基盤としたものである。超党派インフラ法により、FRAは昨年、約170件の鉄道プロジェクトに280億ドル以上のグラントを発表した。また、今回の発表を含め、今年はこれまでに複数のグラント・プログラムを通じて64億ドルが有用になっている。 Department of Transportation “INVESTING IN AMERICA: Biden-Harris Administration Makes More Than $1 Billion in Additional Funding Available to Support America’s Passenger Rail Future” (10/1/24)
米国のグリッド規模のエネルギー貯蔵の導入が急増、過去最高の第2四半期に
米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)とウッド・マッキンゼー社(Wood Mackenzie)が9月30日に発表した「米国エネルギー貯蔵モニター(U.S. Energy Storage Monitor)」最新版によれば、市場のあらゆる部門が2024年第2四半期に前年比増を記録し、最大を示したグリッド規模部門は、2,773メガワット(MW)(前年同期比77%増)及び9,982メガワット時(MWh)(同91%増)が導入された。コミュニティ部門(CCI)は同61%増の87メガワット時(MWh)となり、住宅部門は12%増の423MWhとなった。合計では、3,011MW及び1万492MWhが導入され、2023年第4四半期(1万3,437MWh)に次ぐ過去2番目に大きい四半期となった。カリフォルニア、アリゾナ、テキサスの3州で全導入の85%を占めた。 American Clean Power Association “US Grid-Scale Energy Storage Installations Surge, Setting New Q2 Record” (10/1/24)
OSTP、「2024年4年周期科学技術レビュー」を発表
大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は今般、「2024年4年周期科学技術レビュー(2024 Quadrennial Science and Technology Review)」を発表した。連邦政府内の科学技術に関する継続的な取り組みについてテーマ別に示したものである。頑強な連邦研究開発は、対応力があり野心的かつ競争的で機会に満ちた米国を創出する上で重要である。本報告書は、重要な科学技術部門で米国の世界的なリーダーシップを進展させ、創造性とイノベーションを育成する米国のユニークな能力を進展させるための、バイデン政権による積極的な政府全体の手法を概説したものである。 White House “2024 Quadrennial Science and Technology Review” (9/30/24)