Category:その他
NREL、エネルギー貯蔵技術による温室効果ガス排出を試算するツールを発表
国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、水力発電の運用事業者や開発事業者が、閉ループの揚水式発電(pumped storage hydropower: PSH)施設を建設、運用する際に温室効果ガスの排出を試算できる新たなツールを開発した。「新たな閉ループ揚水式発電施設のライフサイクル評価(Lif Cycle Assessment of New Closed-Loop Pumped Storage Hydropower Facilities)」がそれである。閉ループのPSHは、確立された技術で、現在のグリッド規模のエネルギー貯蔵の大半を占める。クリーンエネルギー移行の一環として、ソーラーや風力といった低炭素の再生可能エネルギー資源は急速に電力グリッドに統合されつつあるが、これらの発電資源は変動的であり、エネルギー需給のバランスを図る一助として、グリッド規模のエネルギー貯蔵が必要とされている。また、貯蔵技術の建設と運用が低炭素であることも重要である。PSHの場合、ディーゼルを使用する建設設備やコンクリートや鉄鋼の使用、水を上流の貯留地へ押し上げるための地元のグリッド電力混合などによる温室効果ガス排出の可能性がある。 National Renewable Energy Laboratory “New NREL Tool Estimates Lifetime Greenhouse Gas Emissions of the Most Well-Established Grid-Scale Energy Storage Technology” (10/7/24)
バークレー国立研究所、需要柔軟性プログラムと料金の現状に関し報告
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkley National Laboratory)は、「需要柔軟性プログラムと料金の現状(The State of Demand Flexibility Programs and Rates)」と題する報告書を発表した。米国内の住宅及び商業建造物における需要柔軟性プログラムと料金に関する基礎的データを提供するもので、プログラム及び料金設定に情報を提供し、規制の意思決定を支援することを目的としている。需要柔軟性に関する出来事の構造と、提供されているインセンティブの種類とレベルについて説明している他、プログラムの成果(登録及び参加、エネルギーと需要節約、費用を含む)に関するデータも報告している。記事によれば、①需要柔軟性プログラムと料金は一般的に夏季の午後と夕方をターゲットとしている、②需要柔軟性プログラムには複数種類のインセンティブが提供されている、③需要柔軟性の料金には、ダイナミック料金(グリッドの状況に応じて設定される)と技術料金(適格の技術に応じて設定される)の双方がある、などが提示されている。 Berkley Lab “Berkeley Lab releases report on the State of Demand Flexibility Programs and Rates” (9/24/24)
中小企業庁、14件の地域イノベーションクラスターを発表
中小企業庁(Small Administration Business: SBA)のイザベル・カシラス・グズマン長官(Isabel Casillas Guzman)は10月3日、SBAの地域イノベーション・クラスター(Regional Innovation Cluster: RIC)ネットワークを拡大し、新たに14件のアワードを提供すると発表した。これらのアワードは、米国内の革新的な中小企業及び起業支援組織へのSBAの取り組みと影響を強化するものである。SBAは、クラスター開発の推進と支援を目的として、2010年9月にRICイニシアチブを開始した。今回の資金提供アワードでは初めて、新興クラスターと成熟クラスターの2つの資金提供レベルで行われる。 Globe Newswire ” SBA Press Release: 25-01, SBA Announces 14 New Awards for Regional Innovation Cluster Network to Drive Nationwide Small Business Growth, Job Creation and Innovation” (10/3/24)
エネルギー省、国内の電力グリッド強化と手頃な額での電力提供に15億ドルを投資
エネルギー省(Department of Energy)は、米国の電力グリッドが信頼性と対応力を備え、低費用のクリーン電力に対する顧客の需要に応答できるようにするために必要な送配電インフラの拡張を支援する継続的な取り組みにおいて、2つの重要な措置を発表した。1つめは、短期的な送配電整備を促進するため、「送配電促進プログラム(Transmission Facilitation Program)」を通じて4つのプロジェクトに15億ドルを投資するもの。本プログラムは、革新的な回転基金プログラムで、送配電開発における経済的問題を克服する一助となる。もう1つは、「国家送配電計画調査(National Transmission Planning (NTP) Study)」である。送配電計画は通常、地元または地域レベルで行われるが、NTP調査は、「グリッドは、地域間の送配電を調整することで、低費用で最高水準の信頼性を維持することが可能である」ことを示している。NTP調査は、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)及びパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)とのパートナーシップで作成されたもので、長期的な計画ツールとして使用することができる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests $1.5 Billion to Bolster the Nation’s Electricity Grid and Deliver Affordable Electricity to Meet New Demands” (10/3/24)
OMB、AI調達ガイドラインを発表
行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は10月3日、省庁長官宛てに「政府における人工知能の責任ある調達の進展(Advancing the Responsible Acquisition of Artificial Intelligence in Government)」と題するメモを通達した。人工知能(AI)の調達に関するガイダンスを示したもので、リスク管理の文化を連邦政府によるAI及び機械学習ソフトウェアの購入に適用させる。OMBによる前回の指示(連邦機関によるAIツールの利用を標準化することに焦点を当てていた)に従い、新たな調達ガイダンスは、連邦政府が、AIの新たな責任を反映し、AIのリスクとパフォーマンスを管理し、革新的な調達でAIの競争的市場を推進することを目的として、複数の機能間や省庁間の有意義な連携を図る際の助けとなる要件及びガイダンスを提示している。 Nextgov “OMB releases AI procurement guidelines” (10/3/24)
国際クリーンエネルギーイニシアチブ、世界のバイオマス資源評価を開始
持続可能でバイオベース経済への世界的な移行の進展に取り組む多国間かつ政府主導のイニシアチブが、新たな「グローバル・バイオマス資源評価(Global Biomass Resource Assessment)」を発表した。世界中の現在及び将来の持続可能なバイオマス供給について画期的なデータを提供する取り組みである。この評価により、科学者や政策策定者、業界リーダーは、循環的で持続可能な世界のバイオ経済の基盤としての潜在的なバイオマス資源を模索し、クリーンな燃料、化学、マテリアル、その他の製品を支えることが可能になる。グローバル・バイオマス資源評価は、エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)の研究者が、国務省(Department of State)から資金を得て実施したもので、エネルギー省のバイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office)がCEMバイオ未来プラットフォーム・イニシアチブ(CEM Biofuture Platform Initiative)とミッション・イノベーション(Mission Innovation)の代わりに管理していた。CEMバイオ未来プラットフォーム・イニシアチブは、第11回クリーンエネルギー閣僚会議(11th Clean Energy Ministerial)で開始されたイニシアチブ。ミッション・イノベーションは、有志国がクリーンエネルギー分野の研究開発について官民投資の拡大を促す取り組み。 Oak Ridge National Laboratory “International clean energy initiative launches global biomass resource assessment” (10/3/24)
エネルギー省、EV急速充電ネットワークを展開するEVゴー社に融資保証提供
エネルギー省(Department of Energy)の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)は10月3日、電気自動車(EV)用公共充電インフラの拡大に取り組むEVゴー・スイフト・ボロワー社(EVgo Swift Borrower LLC)に最大10億5,000万ドルの融資保証を提供する条件付きコミットメントを発表した。実現すれば、EVゴー社が米国内で約1,100か所の充電スタンドに約7,500の充電ポートを設置することを支援する。最初の設置計画には、2台のEVを同時に充電できる350kWの高出力急速充電器が含まれ、EVゴー社は向こう5年間のスケジュールで「ダイナミック電力共有(dynamic power sharing)」(スタンドに同時に接続されている全てのEVに電力の出力を最適に割り当てる)と呼ばれる電力共有設備の導入を継続する計画である。 Department of Energy “LPO Announces Conditional Commitment to EVgo to Deploy Nationwide EV Fast Charging Network” (10/3/24)
エネルギー省、クリーンエネルギーインフラ保護に向けサイバー研究を支援
エネルギー省(Department of Energy)は、クリーンエネルギー・インフラのサイバーセキュリティ向上を目的とした新たなツールと技術の開発に取り組む8件のプロジェクトに、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)を通じて約2,300万ドルの累積資金を提供すると発表した。受益プロジェクトは、次世代ツール及び技術の開発に取り組み、サイバー事故によるエネルギー供給への混乱を削減することを目指し、バイデン政権のクリーンエネルギー及びサイバーセキュリティの目的を支援する。受益機関による研究開発実証プロジェクトは、クリーンエネルギー・インフラ(分散型エネルギー資源、インバーター・ベースの資源、仮想発電所を含む)へのサイバー脅威を検知、軽減することに焦点を当てる。 Department of Energy “DOE Funds New Cyber Research to Protect Clean Energy Infrastructure” (10/3/24)
エネルギー省、米国農村・遠隔地のエネルギー費用の低減等に4億ドルを発表
エネルギー省(Department of Energy)のクリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations: OCED)は10月3日、「農村もしくは遠隔地域におけるエネルギー改善(Energy Improvements in Rural or Remote Areas)」と題する資金提供公募(FOA)を発表した。米国内の農村及び遠隔コミュニティを対象に、革新的でコミュニティに焦点を当てたクリーンエネルギー・ソリューションの促進を目的として、最高4億ドルを提供する。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出され、農村及び遠隔コミュニティが、再現可能なプロジェクトを実証することを支援し、最終的に広範な導入を奨励すると共に、エネルギー費用の低減、地元の経済開発支援、エネルギー対応力の強化を手伝う。OCEDは、20~50件のプロジェクトに資金を提供する見通しで、5~50%を最低限とする非連邦費用分担を計画している。 Department of Energy “OCED Announces $400 Million in New Funding to Lower Energy Costs, Support Economic Development, and Enhance Energy Resiliency for America’s Rural and Remote Communities” (10/3/24)
テキサス州、データセンターと暗号通貨マイニングが電力需要増を牽引
テキサス州は米国内で電力消費が最も急速に増加している。同州では、テキサス電力信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)が州内の電力グリッドの負荷の90%を管理している。電力需要が増大している主な理由は、データ・センターや暗号通貨のマイニング事業などの大規模コンピューティング施設であるが、これらの需要の未来は不確実である。エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が発表した「短期エネルギー概況(Short-Term Energy Outlook: STEO)」によれば、ERCOTが「大規模柔軟負荷(large flexible load: LFL)」として特定している大口顧客の電力需要は、2025年に合計540億キロワット時になると予想されている。これは2024年の予想需要からほぼ60%増である。暗号通貨マイニング施設やデータ・センター、一部の産業施設などの大規模負荷施設は、システムの需要が高い間もしくは発電機の有用性が低い間に消費電力を一時的に削減することを目的として、ERCOTとの間で任意の削減契約を交わしている。 Energy Information Administration “Data centers and cryptocurrency mining in Texas drive strong power demand growth” (10/3/24)