Category:その他
マイクロソフトとエヌビディア トランプ政権へ独自のアプローチ
ニューヨーク・タイムズ紙は2月8日、テック大手のマイクロソフト社(Microsoft)とエヌビディア社(NVIDIA)が、トランプ大統領に対し、他の競合他社とは異なる手法で、戦略的にアプローチしていると報じた。エヌビディア社CEOのジェンスン・ファン氏(Jensen Huang)が8日に初めて官邸を訪問した一方で、マイクロソフト社のサティア・ナデラCEO(Satya Nadella)はその2週間後に、フロリダ州のマール・ア・ラーゴにあるトランプ大統領の別荘でひっそりとランチを共にしたといい、共に公になるような写真を撮られることはなかったと伝えた。大統領の就任式に参加しなかった両社であるが、大々的なアプローチを避けつつも、政策課題への対応や政府との関係強化に努めているといい、特にエヌビディア社はワシントンでの活動を強化し、米中関係やチップ販売規制に対応しているとみられる。水面下で政権との関係構築に努める両社による、トランプ政権下での事業戦略を慎重に進める姿勢が鮮明となったと論じている。 The New York Times ” Microsoft and Nvidia: The Tech Giants Taking a Quieter Approach to Trump ” (02/08/25)
NIH、研究資金の間接費率を大幅削減 大学・機関が抗議
Scienceは2月7日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が助成金の間接費率を従来の約30%から15%に即時引き下げる方針を発表し、大学や関連機関から強い反発と法的措置が相次いでいると報じた。NIHは2023年に約90億ドルの間接費として支出していたが、これが半減することにより、研究機関は数十億ドルの資金確保を迫られる見通しである。これに対し22州が訴訟を提起しており、連邦裁判所は同日にNIHの措置の差し止めを決めた。NIHは間接費削減が研究資金の効率化に繋がると主張するが、大学側は研究活動やインフラ維持に深刻な支障が出ると反論しているという。2月21日に本件に関する再審が行われる予定であるが、大学や研究者はこの政策が米国の研究と開発のエコシステムに深刻な影響を与えるとして懸念を表明している。 Science “NIH slashes overhead payments for research, sparking outrage and lawsuit” (02/07/25)
AI利用は「協働」傾向へ 新経済指標「インデックス」で
AXIOSは2月10日、アンスロピック社(Anthropic)の新経済指標、「アンスロピック経済指数(Anthropic Economic Index)」による最新のユーザーAI利用動向は、自律型が43%、協働的な「拡張型」が57%となったと報じた。特にコンピュータ・数学分野でのAI利用率が37.2%と高く、続いて芸術・デザイン・エンターテインメント分野が10.3%を占めたという。同社の共同創設者のジャック・クラーク氏(Jack Clark)は、クロード(Claude)では執筆や編集の利用も増えていることに言及し、「AIにタスクを完全に委託するのではなく、ボールを打ち返すように、協働して利用するケースが出てきた」と述べた。同社はプライバシーを保護しつつ、独自のツールを用いて約100万件の会話データを分析し、AIの実際の使用状況を把握しているという。今後は半年ごとに追跡調査を実施し、データを外部研究者に公開する予定としている。 AXIOS “Exclusive: Anthropic’s “index” tracks AI economy” (02/10/25)
国防総省諮問委員会、DIU拡大を提言
国防総省(Department of Defense)の諮問機関である国防イノベーション委員会(Defense Innovation Board)は1月13日に発表した報告書で、「国防総省は、より多くの非従来型企業が国防総省の制度に対応できるよう、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)の役割を拡大し、予算を増額すべきである」と述べた。同委員会の委員長はマイケル・ブルームバーグ氏(Michael Bloomberg)が務める。報告書は、国防総省に対し、より多くの新規企業が国防総省と取り組めるよう支援するDIUに、より中心的でシェルパ(登山ガイド)のような役割を与えることを勧告している。DIUは、非従来型企業が軍部に製品を売り込むことをガイドするハブとして機能しており、国防イノベーションのエコシステムにおけるその影響力は、過去数年間に急速に拡大している。しかし国防イノベーション委員会による報告書は、「DIUの人員とインフラはその業務内容に適合しておらず、更なる予算が必要である」と述べている。 Defense News “Trump’s Pentagon should expand innovation hub, tech panel says” (1/16/25)
商務省、半導体先端梱包支援に14億ドル
商務省(Department of Commerce: DOC)は1月16日、CHIPS国家先端梱包製造プログラム(National Advanced Packaging Manufacturing Program: NAPMP)が、先端梱包における米国のリーダーシップを強化すること、新技術が検証されて大規模に米国製造へと移行できるようにすることを目的として、合計14億ドルのアワード資金を最終取りまとめしたと発表した。アワードは、①先端基板及びマテリアル研究を目的として、アブソリクス社(Absolics Inc.)、アプライド・マテリアルズ社(Applied Materials Inc.)、アリゾナ州立大学(Arizona State University)に各1億ドルずつ、②アリゾナ州テンペにあるNSTCプロトタイピング及びNAPMP先端梱包パイロット施設(NSTC Prototyping and NAPMP Advanced Packaging Piloting Facility)の先端梱包機能を運営管理するNatcastに11億ドル、となっている。 Department of Commerce “U.S. Department of Commerce Announces $1.4 Billion in Final Awards to Support the Next Generation of U.S. Semiconductor Advanced Packaging” (1/16/24)
報告書「ソフトウェア理解のギャップを埋める」公表
サイバー・インフラ安全保障局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)は、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)、研究・工学担当次官室(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering: OUSD R&E)、国家安全保障局(National Security Agency: NSA)とともに、「ソフトウェア理解のギャップを埋める(Closing the Software Understanding Gap)」と題する報告書を公表した。報告書では、あらゆる状況下で機能性や安全性を検証できるようにするため、ソフトウェア制御システムの理解を深める連邦政府の決定的かつ横断的な取り組みを要請した。ソフトウェアの急速な進化により、ミッションのオペレーターらは難題に直面しており、通信やエネルギー、輸送、水システムなどの重要なインフラ部門の脆弱性につながっている。報告書では、DARPAの手法を活用して従来型および将来のソフトウェアシステムのセキュリティ態勢を改善するとともに、AIベースのシステムの理解を通じた米国の地政学的地位の向上と重要インフラの保護を促している。 Defense Advanced Research Projects Agency “Closing the software understanding gap” (01/16/25)
ローレンス・バークレー国立研究所、分散型エネルギー資源統合枠組みに関し報告
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)とカレント・エナジー・グループ(Current Energy Group)は、新たな分散型エネルギー資源(Distributed Energy Resources: DER)統合枠組みに関する報告書をまとめた。電力システムは、顧客がエネルギーの消費者としても産出者としても機能する双方向ネットワークへと進化しているが、現行のDER規制アプローチでは不十分で、より費用対効果の高い発電と需要の柔軟性が求められている。エネルギー省(Department of Energy)の支援を受けてまとめられた報告書には、特定の系統サービスに対するDERの補償のためのグリッドサービス料金と、従来の料金決定原則を電力産出顧客に適用する産出料金の枠組みが示されている。この枠組みは、DERの統合を強化し、仮想発電所(Virtual Power Plants: VPP)のような革新的なビジネスモデルを促進し、信頼性と費用対効果を維持しながら強固なDER市場を確立することを目的としている。 Lawrence Berkeley National Laboratory “New Report Discusses a Regulatory Framework on Distributed Energy Resources Compensation and Cost Allocation” (01/17/25)
政府発・民間主導の製造業ルネッサンスの実現に向けて
超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)やCHIPS(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors)法、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)などの法律に後押しされ、米国では2021年以降、1兆ドルを超える投資による製造業のルネッサンスが起きている。エネルギー省(Department of Energy)や商務省(Department of Commerce)のような連邦機関は、こうした投資を追跡調査している。今回は複数の主要プロジェクトを抱える17の投資クラスターを特定し、そのニーズと、労働力や電力などの地域資源に対する潜在的な負担を把握し、労働市場の逼迫や送電網の容量といった要因を分析した。これには、人口が減少し、特殊な雇用ニーズがある地域(ニューヨーク州北部など)の労働力開発や、電力負荷増加や相互接続の課題に直面している地域(ミシガン州南東部など)の送電網計画といった課題への取り組みが含まれている。 Department of Energy “Delivering a Government-Enabled, Private-Sector Led Manufacturing Renaissance” (01/17/25)
CECA、エネルギー省の技術の商業化を加速
重要エネルギー・サイバーセキュリティ・アクセラレータ(Critical Energy Cybersecurity Accelerator: CECA)は、エネルギー省(Department of Energy)参加の17国立研究所のサイバーセキュリティ技術の着想から商業化までのギャップを埋めるための新たな取り組みを開始した。この取り組みは、ラボでの試験や商業化支援、産業界との連携リソースを提供することで、技術準備レベル(Technology Readiness Levels: TRL)を向上させる。エネルギー省のサイバーセキュリティ・エネルギーセキュリティ緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, & Emergency Response: CESER)と国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)によって2021年に設立されたCECAは、エネルギー需要に合わせて新技術を最適化することを目指している。 National Renewable Energy Laboratory “Cybersecurity Accelerator Expands To Speed Commercialization of Department of Energy Technologies” (01/17/25)
NRELなど、地域間送電インフラ開発の道筋示す共同研究
国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)とパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)は、エネルギー省(Department of Energy)のグリッド開発局(Grid Deployment Office: GDO)と共同で、地域間送電インフラを開発する道筋を示す新たな研究を行った。「全国送電計画(National Transmission Planning: NTP)研究」の一環として行われたこの研究の報告書では、送電網の信頼性とコスト削減を実現する地域間送電の利点を強調する一方で、複数の管轄区域への拡大と高コストがもたらす課題を指摘。制度や規制といった障壁の克服に向けて意思決定者と計画立案者が協力するためのアイデアを提供している。さらに、老朽化した送電インフラの相互接続性を高めるために州や連邦政府機関が協調できる例などを挙げている。 National Renewable Energy Laboratory “Planning and Development Pathways for Building Interregional Transmission” (01/17/25)