政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は10月6日、量子コンピューターの実用化に伴う暗号解読の脅威に対し、連邦機関の準備が大幅に遅れているとする報告書を発表した。2030年代にも暗号解読が可能な量子コンピュータ(Cryptographically relevant quantum computer: CRQC)が登場し、機密情報の漏洩や不正アクセスの危険が生じる可能性があるとの専門家の指摘を受け、GAOが主要24機関に対し調査を実施した。これによると、CRQCがもたらす脅威対処に重要なポスト量子暗号(Post-quantum cryptography: PQC)移行に向け、インベントリ作成や移行に必要な資金の特定、アルゴリズムのテストといった準備手順に対応する機関は皆無であったことが明らかになった。専門知識の不足や移行計画の欠如が要因で、GAOは対象機関に対し脆弱な暗号の把握や予算の確保など計89件の勧告を行っており、安全な暗号移行への早期対応を強く求めている。
GAO “Quantum Computing: Federal Actions Needed to Prepare for Emerging Cyber Threat” (10/06/26)
https://www.gao.gov/products/gao-27-108740