政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月19日、人工知能(AI)などの技術向上に伴う個人データ漏洩リスクを低減するため、秘密計算(Secure multi-party computation)などの「プライバシー強化技術(Privacy Enhancing Technologies: PET)」の導入が有効であるとする報告書を発表した。同技術はデータを変更、隠蔽、処理して機密情報へのアクセスを困難にするもので、導入により個人情報を識別しにくくする「データ難読化」や、暗号化したままのAI解析が可能になる。さらにデータを分散管理する秘密計算などを用いることで、安全な共同研究の実現が期待されており、既に医療データの連携や、スマートフォンのテキスト予測変換機能の学習などに活用され始めている。一方で、実用化については暗号化したままのデータ解析に通常の最大100万倍の計算時間がかかる場合があると指摘し、複雑なシステムを扱う専門人材の不足や政府による一元的な運用指針の欠如が、幅広い分野への普及や効果的な導入を阻む要因と説明している。
GAO “Science & Tech Spotlight: Privacy Enhancing Technologies” (05/19/26)
https://www.gao.gov/products/gao-26-109063