NSF、グラント審査プロセスのアウトカムを報告

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は先般、グラント審査プロセスの年間分析報告書「メリット・レビュー・プロセス:2020年度の要旨(Merit Review Process Fiscal Year 2020 Digest)」を発表した。報告書には、2020年にNSFへ提出された約3万5,000件の研究プロポーザルに関する統計的要旨が示されている。報告書によれば、NSFは、全ての研究分野で正式なプロポーザルの28%に資金を拠出しており、この割合は前年度の26%より上昇し、更に5年ほど前の主流であった20%弱を大幅に上回る。NSFを運営管理する米国科学審議会(National Science Board: NSB)は、プロポーザルの採択率を引き上げるためのNSFの努力を称賛しつつ、採択率を30%に近づけることは研究コミュニティの長期的な健全性に恩恵をもたらすと指摘している。NSBはまた、NSFに対して全てのプロポーザル審査官にバイアス軽減訓練の義務付けを実施するよう勧告した2021年2月の決議案にも言及している。 National Science Foundation “Merit Review Process Fiscal Year 2020 Digest” (April 2022)

サンディア国立研究所とロスアラモス国立研究所による技術成熟化プログラム、2027年まで延長へ

ニューメキシコ州にあるサンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)とロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)の技術を実行可能な製品やサービスへ変革する企業を支援する州のイニシアチブが2027年まで延長されることが決まった。州議会が可決し、州知事の署名を経て、これまでパイロット・プログラムとして行われてきた「技術成熟のための総収入税クレジット・イニシアチブ(Technology Readiness Gross Receipts Tax Credit Initiative)」は、5年間のプログラムとなる。本プログラムは、ニューメキシコ州政府と両国立研究所のパートナーシップとして提供されており、2020年のパイロット開始以来、サンディア国立研究所は、サイバーセキュリティやエネルギー、ロボティクス、医療業界の企業へ技術支援を提供している。両国立研究所は毎年、プロポーザルの要請を行い、選出された企業は、12か月間にわたり、最高15万ドル相当の技術援助を受けることができる。今回可決された新法により、このプログラムは延長され、両国立研究所は、企業への技術援助に関して、最高100万ドルの税クレジットを申告することができる。 Sandia National Laboratories “Successful Sandia, Los Alamos tech maturation program extended into 2027” (4/8/22)

エネルギー省、米国の電池材料生産に1億7,000万ドル融資

エネルギー省(Department of Energy)の先端技術自動車製造融資プログラム(Advanced Technology Vehicles Manufacturing Loan Program: ATVM)は、2007年の創設以来、電気自動車工場や先端電池製造工場などを建設するため、約80億ドルの融資を行っていたが、2011年以来、その活動はほぼ休眠状態であった。しかし昨年、クリーン技術のアントレプレナーで投資家のジガー・シャー氏(Jigar Shah)が、ATVMを傘下に置く融資プログラム局(Loan Program Office: LPO)の局長に任命され、460億ドルの融資及び融資保証権限の行使に取り組んでいる。LPOは昨年12月、材料メーカーのモノリス社(Monolith)に、同社が有するネブラスカ施設(再生可能エネルギーを使って水素やアンモニアなどを生産)の生産拡大を目的とした10億4,000万ドルの融資を提供した。そして4月18日には、ATVMが、オーストラリア企業のシラ・テクノロジーズ社(Syrah Technologies)に、電気自動車向け電池の主要マテリアルであるグラファイト・ベースの材料を生産するルイジアナ工場の拡大を目的として、最高1億700万ドルの条件付き融資保証を提示した。今回の融資は、新規技術を対象としたものではなく、国内業界の活性化を意図したものである。現在、電池生産に使用されるグラファイトの世界供給は中国によって支配されている。 Canary Media “DOE backs US battery materials production with $107M loan” (4/18/22)

エネルギー省、強化地熱システム(EGS)の実証を目的として8,400万ドルのプログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)は4月19日、バイデン大統領による超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)に含まれる強化地熱システム(enhanced geothermal systems: EGS)(あるいは人工地熱貯留層)のパイロット実証プロジェクト(8,400万ドル)の支援につながる情報の提供を要請した。同法を根拠として、エネルギー省は、異なる地質でEGSを実証する4件のプロジェクト(競争的に選出される)を支援することになる。実証プロジェクトは、現地でのEGSについて貴重な情報をもたらし、地熱エネルギーの更なる成長を促進する助けとなることが期待されている。今回の「情報の要請(request for information: RFI)」では、将来的にEGS導入の成功につながる可能性が最も高い実証プロジェクトの特性やアウトカムについて、産官学、その他の関係機関からの情報を模索している。 Department of Energy “DOE Launches $84 Million Program to Demonstrate Enhanced Geothermal Energy Systems” (4/19/22)

一般調達局、パンデミックのニーズを基にAIコンペを開始

一般調達局(General Services Administration: GSA)は、継続中の新型コロナのパンデミック対策の助けとなる人工知能(AI)技術について、知識を獲得し、新たな利用ケースを模索することを目的として、民間企業と学術機関を対象としたコンペを主催する。これは、GSAの技術トランスフォーメーション・サービス(Technology Transformation Service)がスポンサーとなる「応用AIチャレンジ(Applied AI Challenge)」と題するコンペで、参加者は、新型コロナを原因とする社会及び環境面の問題に対処できるAI技術サービスを競う。特に、中小企業や女性、退役軍人、少数派が経営する多様な企業に重点が置かれ、勝者には5万ドルの賞金が用意されている。フォーカス・エリアには、水質処理及びインフラ、サプライチェーンの対応力と医薬品の発見によるパンデミック対策準備、気象の予報と気候のモデリング、食料安全保障農業が含まれる。 Nextgov “GSA Launches AI Challenge Inspired by Pandemic Needs” (4/18/22)

連邦航空局、7大学におけるドローン研究グラントとして440万ドルを提供

運輸省(Department of Transportation)傘下の連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)は、ドローの研究、教育、訓練のグラントとして440万ドルを7つの大学へ提供することを発表した。受益するのは、ノースダコタ大学(University of North Dakota)、カンザス大学(University of Kansas)、ドレクセル大学(Drexel University)、オハイオ州立大学(The Ohio State University)など7大学で、①無人航空システムの電磁適合性評価、②検知と回避の分類、③無人航空システムのサイバーセキュリティ監督、の3つの分野に焦点を当てて研究が行われる。今回の受益は、「研究エクセレンスを通じた無人航空システムのシステム安全同盟(Alliance for System Safety of UAS through Research Excellence: ASSURE)」による第2次募集の結果である。 Federal Aviation Administration “FAA Awards $4.4 Million in Drone Research Grants to Seven Universities” (4/15/22)

マサチューセッツ州、STEM学習の進展を目的とした公立大学の改築に1億2,000万ドルを発表

マサチューセッツ州のベイカー=ポリト政権(Baker-Polito Administration)は4月13日、STEM分野での学生の技能を進展させるため、4つの大学で行われる改築及び増築工事に、合計1億2,000万ドルを投資すると発表した。受益するのは、サレム州立大学(Salem State University)、マサソイト・コミュニティ・カレッジ(Massasoit Community College)、スプリングフィールド技術コミュニティ・カレッジ(Springfield Technical Community College)、マサチューセッツ大学ローエル校(University of Massachusetts Lowell)の4大学で、STEMの学習指導を支援し、州内の主要なSTEM系労働者数を拡大することを目的として、大学施設を近代化する大型資本プロジェクトに、それぞれ3,000万ドルを受け取る。政権はまた、今後5年間で高等教育の大学施設で重要インフラの改良を実施するため、新たに1億6,500万ドルのプログラムを発表した。 Mass.gov “Baker-Polito Administration Announces $120 Million Investment in Public Colleges and Universities to Modernize Buildings to Further STEM Studies” (4/13/22)

商務省、国家AI諮問委員会の委員27名を任命

商務省(Department of Commerce)は4月14日、国家AI諮問委員会(National Artificial Intelligence Advisory Committee: NAIAC)の委員に就任する27名の専門家を発表した。NAICAは、「2020年国家AIイニシアチブ法(National AI Initiative Act of 2020)」への対応として発足が規定されたもので、同イニシアチブはNAICAに対し、米国のAI競争力の現状やAIを取り巻く科学の現状、AI労働力問題などについて、大統領及び国家AIイニシアチブ局(National AI Initiative Office)へ助言と勧告を行うよう指示している。NAIACはまた、活動と資金拠出のバランスを含め、イニシアチブ自体の管理と調整についても助言を行う。NAIACの委員は、学術機関や産業、非営利組織、市民ソサエティなど、AIに関連する広範かつ学際的な分野から、一般市民の指名推薦を受けて任命された。イコールAI社(EqualAI, Inc.)のミリアム・ボーゲル氏(Miriam Vogel)が委員長、グーグル社(Google)のジェームズ・マニイカ氏(James Manyika)が副委員長を務める。 National Institute of Standards and Technology “U.S. Department of Commerce Appoints 27 Members to National AI Advisory Committee” (4/14/22)

大統領府、政府全般で公平性と人種的正義を進展させる省庁の公平行動計画を発表

バイデン大統領は昨年就任初日に、連邦政府内で人種的平等と社会的に恵まれないコミュニティの支援を進展させることを目的とした大統領令(Executive Order 13985)に署名した。そして今年4月14日、閣僚レベルの省庁を含む90以上の連邦機関が、初となる公平行動計画(Equity Action Plan)を発表した。同計画には、米国の政策やプログラム全般で、数多くの社会的に恵まれないコミュニティが繁栄や威厳、公平性を得る上で妨げとなっている障害に対処する300以上の戦略及びコミットメントが概説されている。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Releases Agency Equity Action Plans to Advance Equity and Racial Justice Across the Federal Government” (4/14/22)

国立再生可能エネルギー研究所、貯蔵の未来に関する研究報告を発表

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は今般、「貯蔵の未来に関する調査研究(Storage Futures Study: SFS)」の結論となる最終報告書を発表した。SFSは、2020年にエネルギー省(Department of Energy)の支援を受けて開始されたもので、エネルギー貯蔵の進化の可能性について探索するシリーズ。第一弾として「先見的な枠組み(visionary framework)」が発表され、今般、最終報告書「来たる10年間のための主要な学習点(Key Learnings for the Coming Decades)」が発表された。最終報告書によれば、エネルギー貯蔵は、低炭素で柔軟性と対応力がある未来のグリッドで重要な役割を担う可能性が高いという。報告書の主任研究者であるネイト・ブレア氏(Nate Blair)は、「調査研究の各段階で、エネルギー貯蔵の波が訪れる可能性が示され、米国の導入済み貯蔵能力は2050年までに少なくとも5倍に増加する可能性がある」と述べている。 National Renewable Energy Laboratory “Storage Futures Study: Key Learnings for the Coming Decades” (4/13/22)