CDC、新たな感染症予測センターを立ち上げ

疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)は、感染症の流行を予測する新たなセンターを正式に開始した。4月19日のCDCの発表によれば、この「予測と流行の分析センター(Center for Forecasting and Outbreak Analytics)」は、「国立気象局(National Weather Service)の感染症版」であるという。センターには、データ分析と疾病モデリングの専門家に加え、情報を一般市民に伝えるスタッフのためのミュニケーション・スペシャリストもいる。本センターの計画は、新型コロナのパンデミックによって明らかになった米国の公衆衛生インフラの主要な欠点を是正することなどを目的として、昨年8月に開始された。CDCには、感染症の予測に特化したプログラムはなく、2年間にわたって新型コロナの感染拡大についてタイムリーな形で情報を収集、配信することに苦戦していた。 The Verge “CDC launches new infectious disease forecasting center” (4/19/22)

NSF、コンバージェンス・アクセラレータの資金提供公募

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「コンバージェンス・アクセラレータ(Convergence Accelerator)」イニシアチブは、3つの研究トラックで新たな資金提供公募を行っている。それらは、①「身体障害者の機会の強化(Enhancing Opportunities for Persons with Disabilities)」(トラックH(Track H))、②世界的試練のための持続可能なマテリアル(Sustainable Materials for Global Challenges)(トラックI(Track I))、③食品と栄養の安全保障(Food & Nutrition Security)(トラックJ(Track J))の3つ。NSFコンバージェンス・アクセラレータは、学際チームを編成して社会的及び科学的な課題に取り組み、専門家が個別に取り組むよりも遥かに短い時間で包括的ソリューションの開発を目指すものである。 The CCC Blog “NSF Convergence Accelerator Funding Opportunities” (4/19/22)

エネルギー省、60億ドルの民生原子力クレジット・プログラムへの申請及び入札を募集

エネルギー省(Department of Energy)は4月19日、米国の原子炉の運用継続を支援するため、60億ドルの民生原子力クレジット・プログラム(Civil Nuclear Credit Program: CNC)の下、申請及び密封入札を募集する計画を発表した。同日に発表されたガイダンスは、経済性を理由に閉鎖が予定されている原子炉の所有者/運用者に、時期尚早な閉鎖を回避するための資金の申請方法について説明しており、これには、クレジットの割当に関する密閉入札の策定方法や提出方法に関する説明も含まれる。この重要な投資は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)によって実現したもので、経済的困難を理由とした時期尚早の原子炉閉鎖を回避し、数千人の良好賃金のクリーンエネルギー雇用を維持し、炭素フリーの発電供給を保護することが期待されている。 Department of Energy “DOE Seeks Applications, Bids for $6 Billion Civil Nuclear Credit Program” (4/19/22)

商業核融合エネルギーの大胆な十年間ビジョンの開発に関するホワイトハウス・サミットの要旨

バイデン=ハリス政権は、核融合エネルギーを加速させる戦略の開発に取り組んでおり、2022年3月17日には、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)とエネルギー省(Department of Energy)が、初となる「商業核融合エネルギーの大胆な十年間ビジョンの開発に関するホワイトハウス・サミット(White House summit on Developing a Bold Decadal Vision for Commercial Fusion Energy)」を共同開催した。このハイブリッド型イベントには1,200名以上がオンラインで参加し、核融合エネルギーにおける産官学及びその他の関係機関の代表者がこれまでの進展について発表したり、核融合エネルギー戦略の更新について包含的な協議を行っている様子を視聴した。米政権はその際、新たに3つのイニシアチブを発表した。それらは、①コミュニティの関与、②エネルギー省全体における核融合エネルギー・イニシアチブ、③核融合パイロット工場のための科学進展を目的とした資金提供、である。記事には、サミットに関するその他の内容が詳述されている。 White House “Readout of the White House Summit on Developing a Bold Decadal Vision for Commercial Fusion Energy” (4/19/22)

バイデン大統領、代表的な環境法の気候部分を復活へ

バイデン政権は4月19日、環境法の一部を復活させ、連邦機関が高速道路やパイプライン、その他の主要プロジェクトを承認する前に、気候への影響を検討することと地元のコミュニティへの情報提供を行うことが再び義務付けられる。この条項は、50年前に成立した「国家環境政策法(National Environmental Policy Act)」で義務付けられていたのもので、トランプ前大統領が「採鉱や道路の拡張などのプロジェクト開発を遅延させる」として排除していた。バイデン政権は今般、この条項を復活させ、19日に発表された最終規則では、連邦政府に対し、提案されているプロジェクトが継続している間に排出される可能性がある温室効果ガスについて分析を実施すること、気候変動が新たな高速道路や橋梁、その他のインフラに及ぼす影響の可能性について分析を行うことが義務付けられた。更に、連邦政府に対し、プロジェクトの影響を直接受けるコミュニティが承認プロセスでより大きな役割を担うことを確実にすることも義務付けられる。最終規則は30日後に発効となる。 New York Times “Biden Restores Climate to Landmark Environmental Law, Reversing Trump” (4/19/22)

NATO、10億ユーロのファンドと共にデュアルユース技術のハイテクスタートアップ支援を開始へ

北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization: NATO)は、業界やスタートアップ企業、学術機関が結集して、社会的及び国家安全保障問題の双方に対処するデュアルユース新技術に取り組む研究プログラム「北大西洋防衛イノベーション・アクセラレーター(Defense Innovation Accelerator for the North Atlantic: DIANA)」を開始する。DIANAは、人工知能(AI)やビッグデータ処理、量子実現型技術、オートノミー、バイオテクノロジー、新規マテリアル、宇宙の技術分野に焦点を当てる。初期段階として、NATO同盟国内で、10か所以上のアクセラレーター拠点と50か所以上の試験センターによるネットワークを構築する。ネットワークの予算はまだ発表されていないが、パイロット活動は早ければ2023年夏にも始まり、正式な稼働は2025年が見込まれている。また、初期ステージのスタートアップを対象とした10億ユーロの補完的なベンチャー資本ファンドが用意されている。民間部門のイノベーションを推進するNATOの動きについて、「革命的シフトである」とする専門家もいる。 Science Business “NATO to launch €1B fund for high tech start-ups in dual use technologies” (4/12/22)

記録的なゼロ炭素電力の生産量と貯蔵がグリッドとの接続待ち

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が発表した新たな調査報告書によれば、米国内でグリッドへの統合を予定している相互接続キュー(interconnection queue)上にある新たな発電及びエネルギー貯蔵の量は劇的に増加し続けており、現在、1,400ギガワット(GW)以上の発電・貯蔵能力がグリッドとの統合を待っている状態である。また、キューに提案されている能力の93%をソーラー、電池貯蔵、風力エネルギーが占めており、これらに対する強い関心が示されている。2021年末時点でキュー上にある発電・貯蔵能力の合計は約1.4テラワット(TW)(1,400GW)で、これは現在の米国の発電能力(1.2TW)より大きく、2010年のキューよりも1TW多い。さらに、現在提案されているソーラー、風力貯蔵能力は1.3テラワット(TW)に相当し、潜在的な投資額は2兆ドル以上に上る。ただし、相互接続を申請するプロジェクトの多くは最終的には撤回され、構築されているものについても、義務付けられている調査を完了し、稼働に至るまでに平均して長い時間がかかる。 Lawrence Berkeley National Laboratory “Record amounts of zero-carbon electricity generation and storage now seeking grid interconnection” (4/13/22)

メリーランド州の新たな気候法、2031年までに排出の60%削減を要求

メリーランド州で、州の温室効果ガス排出を2031年までに、2006年の水準に比べて60%削減すること、2045年までに経済全般でネットゼロ目標を達成することを求める法案が議会で可決され、ラリー・ホーガン知事(Larry Hogan)(共和党)がこの法案に対する拒否権発動を行わないことが明らかになった。メリーランド州の「2022年 今こそ気候解決法(Climate Solutions Now Act of 2022)」により、同州は、2045年までに州全体でネットゼロを達成することを目標として掲げるカリフォルニア州と肩を並べる。メリーランド州はまた、野心的な目標を法律に明記した唯一の州政府となる。保全有権者同盟(League of Conservation Voters)の分析によれば、メリーランド州は米国内で最も強力な炭素削減目標を掲げた州であるという(カリフォルニア州は、2030年までに1990年の水準から40%削減という目標を掲げており、これは立法措置ではなく、行政命令)。ホーガン州知事はまた、州の退職年金制度(State Retirement and Pension System)に、資産管理を行う際に気候変動に関連する体系的リスクの可能性を検討すること、化石燃料を使わないエネルギー技術に新たな投資機会を特定することを義務付ける法案にも拒否権を発動しない。ホーガン知事は、これらの法律の一部に不満を示してはいるものの、その他の州の共和党知事と違い、気候問題に積極的な発言と関与をしている。 S&P Global ” New Md. climate law calls for 60% emissions cut by 2031, besting California” (4//22)

インテル社、Q-NEXTに量子コンピューティングの試験台を導入へ

今年、インテル社(Intel)は、エネルギー省(Department of Energy)による国立量子情報科学研究センター(National Quantum Information Science Research Center)(通称Q-NEXT)の受け入れ機関となるエネルギー省傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)に、量子コンピューティングの試験台を初めて導入する計画である。この試験台は、新たな量子マテリアル及び機器を創出及び試験する工場として機能するアルゴンヌ国立研究所に導入される最初の主要コンポーネントとなる。Q-NEXTの科学者は、シミュレーションされた量子環境ではなく、インテル社による実際の量子コンピューティング試験台(機械)を使って量子アルゴリズムを稼働させる計画である。 Argonne National Laboratory “Intel to install quantum computing test bed for Q-NEXT” (4/11/22)

ロボットによって脅かされる職に関する調査と代替選択肢となる職の提案

4月13日付けの「サイエンス・ロボティクス(Science Robotics)」に、「職のオートメーション化のリスクと柔軟性のある代替策に関する評価を行うことで、ロボットと競争する方法(How to compete with robots by assessing job automation risks and resilient alternatives)」と題する論文が掲載された。967の職を対象に、それらの職がオートメーション化される可能性を評価する方法と、そのリスクにある職の労働者が、安全な職(最小限の再訓練とロボットが短期的に獲得できないスキルを使って行える職)を見つける上で助けとなる方法を示している。それによれば、物理学者はオートメーション化に脅かされる可能性が少ない最も安全な職である一方、精肉梱包業者は最もリスクが高い職となっている。そして精肉梱包業者にとって柔軟性がある代替職は繊維機械オペレーター(類似スキルを使い、そのスキルはロボットが獲得することが難しい)となっている。論文の執筆者らは、調査結果へのアクセス性を高めるため、ウェブサイトを開設しており、利用者は職のオートメーション・リスクや安全な代替職について閲覧できるようになっている。 American Association for the Advancement of Science “Study Ranks Jobs Threatened by Robots—and Offers Robot-Safe Options” (4/15/22)