NIHの研究資金はその後の研究に前向きな波及効果をもたらす

サイエンス・アドバンス(Science Advances)上で4月22日に発表された論文によれば、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が提供する研究資金は、本来のグラント以外の新たな研究を育成し、科学者の生産性向上をもたらすなどの波及効果があるという。NIHによる研究グラント資金の約70%がプロジェクトに取り組むスタッフや研究者の雇用に充当されている。研究グランドを受けたことで研究資金の増加と研究チームの拡大につながり、これが、当初のグラントの対象を超えた科学成果に貢献し、特に、患者ケアやその他の医療イノベーションでその傾向が見られるという。論文の共同執筆者で、オハイオ州立大学コロンバス校(Ohio State University in Columbus)のポスドク研究者(経済学)であるエンリコ・バーケス氏(Enrico Berkes)によると、「グラントの支援を受けた人々がその他の質の高い働きをもたらすという波及効果が見られる」という。 UPI “NIH research funding has positive ‘ripple effects’ on future studies, study finds” (4/22/22)

DARPA、領域内の通信の向上を目的として電離層に関する洞察を模索

軍は、宇宙、空間、地上、海洋の領域で軍事システムを稼働する際、高周波(HF)の無線送受信に依存しており、宇宙領域におけるHFの伝播をより正確に理解するには、電離層内での科学的測定が必要とされている。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の新たな「ウィジャ(Ouija)」プログラムは、低軌道上の衛星のセンサーを使い、電離層におけるHF無線伝搬について新たな洞察を得ることを狙いとしている。プログラムは、宇宙のHFノイズ環境を定量化し、電離層の特性化を向上させることで兵士の能力強化を目指す。プログラムは2つの技術分野で構成されており、最初の技術分野として、科学機器を搭載した複数の小型衛星を開発、適正化、発射、運用を目指す。2つ目の技術分野は後日、別途に詳細な公募が行われる計画である。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Seeks Ionospheric Insights to Improve Communication Across Domains” (4/22/22)

FAAと米国空港が提携し、2050年正味ゼロ気候チャレンジに取り組む

運輸省(Department of Transportation)傘下の連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)と米国の空港は合同で、2050年までに正味ゼロ排出という政権目標達成の一助となることを目指し、「空港気候チャレンジ(Airport Climate Challenge)」を開始した。空港は、低/ゼロ排出車両へのグラントや再生可能エネルギー生産、エネルギー評価などを目的としたFAAの資金提供プログラムを活用してこの目標達成を目指す。具体的なプログラムには、①任意の空港低排出プログラム(Voluntary Airport Low Emissions Program)、②ゼロ排出車両プログラム(Zero Emissions Vehicle (ZEV) Program)、③空港持続可能計画プログラム(Airport Sustainability Planning Program)が含まれる。FAAはまた、プロジェクトを実施している間に達成した排出削減について、任意で試算、追跡、報告できるツールを開発すると発表した。 Federal Aviation Administration “FAA, U.S. Airports Team up to Meet 2050 Net-Zero Climate Challenge” (4/22/22)

DIU、シカゴに新たな国防イノベーション事務所を開設

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は4月21日、中西部における人材及び技術のより良い活用を目的として、イリノイ州シカゴに新たなオフィスを開設した。シカゴ事務所の狙いは、国家安全保障上の急務の課題を解決するため、新たなソリューションや企業、人材を見つけ、企業に国防総省(Department of Defense)との契約につながる早急な経路を提供することである。DIUシカゴ事務所は、ディスカバリー・パートナーズ研究所(Discovery Partners Institute: DPI)との共同拠点となり、国防総省が中西部のアントレプレナー及びイノベーターと関与する際の軸となる。DIUシカゴ事務所は、カリフォルニア州マウンテン・ビュー、マサチューセッツ州ボストン、テキサス州オースティン、ワシントンDCに続く全国で5つ目の事務所となる。 Defense Innovation Unit “DIU and Partners Open Defense Innovation Office in Chicago to Tap Into Midwest Technology and Talent” (4/21/22)

エネルギー省、フェルミ国立加速研究所の新加速器建設を承認

エネルギー省(Department of Energy)は、フェルミ国立加速研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)における加速器複合施設の重要な改良となるPIP-IIプロジェクトの全面的な建設の開始を正式に承認した。プロジェクトの中心は、パワフルな超電導リニア加速器で、これによって世界で最強度の高エネルギー・ニュートリノ・ビームが実現する。PIP-IIの成功にとって重要な点は、世界中のパートナーの存在である。PIP-IIは、大規模な国際協力によって米国内で建設される初めての粒子加速器であり、フランス、インド、イタリア、ポーランド、英国、米国の機関が、超電導無線周波や最新の粒子加速器建設に関連する技術の専門性と能力を結集する。PIP-IIは、2020年代後半に完了する見込みである。 Fermi National Accelerator Laboratory “New accelerator at Fermilab approved for construction start” (4/20/22)

大統領府、気候変動対策として安価なクリーンエネルギー提供を目指す

屋根上ソーラーや、電池貯蔵、電気自動車などの分散型エネルギー資源(Distributed Energy Resources: DER)は、消費者の費用低減や、公衆衛生の向上、米国エネルギー安全保障の強化などをもたらすと期待されている。大統領国家気候作業部会(President’s National Climate Task Force)は、分散型エネルギー資源作業部会(Distributed Energy Resources Working Group)を編成し、こうしたクリーンエネルギー技術の進展と全ての米国民が費用節約の機会を得られることを確実にすることに取り組む。これに関連し、気候危機対策へのコミットメントの一環として、大統領府は4月20日、地域のクリーンエネルギー資源へのアクセス性を高めることを意図した新たなパートナーシップとイニシアチブを発表した。それらは、①米国民のためのクリーンエネルギー資源の合理化、②社会的に恵まれないコミュニティへのクリーンエネルギーの提供、③未来のクリーンエネルギー労働力の育成、の3つに大別することができる。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Creates Cost-Saving Clean Energy Opportunities to Combat Climate Crisis” (4/20/22)

エネルギー省、「自動車から全てへ接続」技術の加速を目的とした共同作業を発表

エネルギー省(Department of Energy)及びそのパートナー機関は4月20日、「自動車から全てへ(Vehicle to Everything: V2X)」の覚書(Memorandum of Understanding: MOU)」を発表した。V2X覚書は、双方向性充電のエネルギーインフラへの統合に取組む中、技術的及び経済的実行可能性を評価することを目的として、エネルギー省や同省傘下の国立研究所、州政府及び地方自治体、ユーティリティ機関、民間事業体の最先端の資源を結集させるものである。エネルギー省はまた、EV@スケール・ラボ・コンソーシアム(EVs@scale Lab Consortium)を通じて、数千万台のEVを電力グリッドに統合する際の技術的課題や障害に対処する取り組みも発表した。 Department of Energy ” Department of Energy Announces First of Its Kind Collaboration to Accelerate “Vehicle-to-Everything” Technologies” (4/20/22)

GSA、2008年以来、排出を51%削減

一般調達局(General Services Administration: GSA)は、連邦ビル運用による温室効果ガスの年間排出を、2008年度の水準と比べて、51%削減した。バイデン政権は、連邦政府全体の目標として、2032年までに50%の排出削減を掲げていたことから、GSAはその目標を約10年早く達成することになる。GSAは、約3億7,000万平方フィートの賃貸スペースについて、2045年までに正味ゼロ排出を達成することを目標としている。GSAは連邦ビルの効率化に取り組むと同時に、現在のハイブリッド型労働力に適応する必要もある。つまり、連邦ITインフラが可能な限り効率的であること、オフィスの収容人数が上限に達していない際にエネルギーの無駄をなくす努力が必要となる。GSAは、充電インフラを連邦ビルと統合させ、電気化が進む連邦車両の支援につなげようとしている。また、連邦機関が炭素フリー電力を確保できるようにするための支援にも取り組んでいる。 Axios “First Look: Federal buildings agency cuts emissions 51% since 2008” (4/21/22)

エネルギー省、人工知能進展評議会を設立

エネルギー省(Department of Energy)は、人工知能進展評議会(Artificial Intelligence Advancement Council: AIAC)の設立を発表した。この種のグループとしてはエネルギー省初で、人工知能(AI)のガバナンスやイノベーション、倫理を先導する。エネルギー省のデービッド・ターク副長官(David Turk)が4月7日に承認した。AIACのミッションは、AI活動を調整し、国家安全保障と経済競争力を目的としたエネルギー省のAIについて優先事項を定義することである。AIACのメンバー(全5名)は、人工知能技術局(Office of Artificial Intelligence and Technologies)が主導する広範なエネルギー省のAI取組を支援するような戦略及び実践計画について勧告を提供する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Establishes Artificial Intelligence Advancement Council” (4/18/22)

バイデン政権でナンバー2の国防産業政策高官が退任

国防総省(Department of Defense)でナンバー2の国防産業基盤政策担当高官を務めていたジェス・サラザー氏(Jesse Salazar)が、退任した。サラザー氏は、国防副次官補(産業基盤政策)(deputy assistant defense secretary for industrial base policy)として、国防総省と国防産業の間のリエゾン役を務めていた。同氏が退任した理由は不明である。ここ数か月間、国防産業内では、サラザー氏が退任するのではとの噂があった。サラザー氏の前にも、4月下旬に空軍・宇宙軍の最高アーキテクト(chief architect of Air Force and Space Force)を務めていたプレストン・ダンラップ氏(Preston Dunlap)が、また3月下旬には国防総省の最高データ責任官(chief data officer)であったデービッド・スピアーク氏(David Spirk)が、それぞれ退任している。サラザー氏は、議会が、国防総省内の上級ポストとして、国防副次官補(産業基盤政策)を創設することを承認した後、2021年初めに同職に就任した。サラザー氏の退任に関する公式声明はなく、同氏の後任指名に関する発表もまだない。 Government Executive “Biden’s No. 2 Defense Industry Policy Official Leaves Post” (4/21/22)