米英政府、金融犯罪と公衆衛生緊急事態に対抗するプライバシー強化技術のイノベーション賞金チャレンジを開始

米英政府は7月20日、世界の社会的課題に対処するプライバシー強化技術(privacy-enhancing technologies: PET)の可能性を解き放つため、一連の賞金チャレンジを開始した。昨年の民主主義サミット(Summit for Democracy)で発表されたもので、学術機関や業界、より広範な部門のイノベーターが、1つまたは2つの異なるトラック(金融犯罪検知の向上と、パンデミックにおける個々の感染リスク予測)に参加する機会を得る他、より広範に、両方の筋書きに応用できる一般的なソリューションを設計できる選択肢を得る。米英両政府で合計1,600万ドルの賞金が用意され、イノベーターは、組織が生データを明らかにしたり、共有、組み合わせなどを行う必要がない形で、人工知能(AI)モデルがセンシティブなデータについて訓練できるような連合型学習ソリューション(federated learning solutions)の開発に取り組む。勝者として選出されたソリューションは、2023年上半期に予定されている第2回民主主義サミットで紹介される。 White House “U.S. and U.K. Launch Innovation Prize Challenges in Privacy-Enhancing Technologies to Tackle Financial Crime and Public Health Emergencies” (7/20/22)

パナソニック・エナジー社、カンザス州にリチウムイオン電池工場建設を計画

7月13日に、パナソニック・エナジー社(Panasonic Energy)がカンザス州デ・ソトのリチウムイオン電池工場に40億ドルを投資し、4,000人の雇用を創出する計画を発表した。これについて、大統領府国家経済会議(NEC)のブライアン・ディーズ委員長は、製造業雇用を米国内に回帰させようとするバイデン=ハリス政権の経済戦略が機能していることを示す最新の事例であるとし、より対応力がありセキュアなサプライ・チェーンを創出し、未来の技術競争で他国を上回ろうとする政権の努力の成功を示す新たな証拠であると発表した。 White House “NEC Director Deese Statement on Panasonic Energy Announcement in Kansas” (7/13/22)

米国アカデミー、対応力と公平性のための米国インフラの更新に関するイニシアチブ開始

超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)により、今後10年間で、橋梁の修復や鉛水道管の置換、ブロードバンドの拡張など、様々なプロジェクトに1兆2,000億ドルが注入される計画である。しかしこの莫大な投資資金でも、地域や州、コミュニティに恩恵をもたらす全てのインフラ・プロジェクトを実施するには不十分であり、実施すべきプロジェクトの取捨選択や、投資効果を最大限にするための努力を調整することが必要である。このようななか、米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は「インフラ投資優先付けイニシアチブ(Infrastructure Investment Prioritization Initiative)」を開始し、地域やコミュニティ、連邦のグラント決定者が、対応力と公平性の向上につながる新たなインフラ・プロジェクトを優先付け及び調整することを支援する。イニシアチブを通じて、メキシコ湾岸沿いのインフラ優先事項を特定することに焦点を当てたパイロット・プロジェクトを実施し、インフラ・プロジェクトや資金調達の流れを調整する努力の支援なども行う計画である。 National Academies “Renewing U.S. Infrastructure for Resilience and Equity” (7/18/22)

エネルギー省、炭素排出の削減を目的とした26億ドルの資金提供プログラムを開始

バイデン=ハリス政権は7月13日、エネルギー省(Department of Energy)を通じて、炭素回収実証プロジェクトを進展させ、二酸化炭素を地質学的な恒久貯留、もしくは建築用マテリアルなどの価値あるエンドユーズへの転換のために移送する地域パイプライン・ネットワークの拡大を目的とした2つのプログラムに資金を提供する意向通知(Notice of Intent: NOI)を発布した。2つのプログラムは、「炭素回収実証プロジェクト・プログラム(Carbon Capture Demonstration Projects Program)」と「二酸化炭素輸送/フロント・エンド工学設計プログラム(Carbon Dioxide Transport/Front-End Engineering Design (FEED) Program)」で、バイデン大統領の超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの26億ドル以上の投資を通じて資金拠出される(前者のプログラムに24億4,000万ドル、後者のプログラムに1億ドル)。更に、炭素排出や、化石燃料の生産と使用に伴う環境的影響を軽減するための技術進展に取り組むバイデン政権を支援すべく、エネルギー省の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management)は、炭素管理技術の進展とインフラを補佐する2つの新しいインタラクティブ・ツールを開始した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Launches $2.6 Billion Funding Programs To Slash Carbon Emissions” (7/13/22)

エイムズ研究所、「エイムズ国立研究所」へ改称

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエイムズ研究所(Ames Laboratory)は、「エイムズ国立研究所(Ames National Laboratory)」へ改称したことを発表した。改称は即時実行される。エネルギー省の科学局(Office of Science)、契約事業者のアイオワ州立大学(Iowa State University)、エイムズ国立研究所の指導部の代表者は、「改称は、本研究所の過去、現在、未来におけるエネルギー省傘下の国立研究所としての役割をより正確に反映するために実施された」と説明する。エネルギー省のゲーリー・リッチモンド次官(科学及びイノベーション担当)(Geri Richmond)(Under Secretary for Science and Innovation)は、「エイムズ研究所は今年、エネルギー省国立研究所として75周年を祝う。新たな名称は、エイムズにおける科学的発見の豊かな歴史を称え、17の国立研究所の一つとしての優れた役割を強調する」と述べる。 Ames National Laboratory “Ames Laboratory is now Ames National Laboratory” (7/14/22)

ORNLのザカリア所長が退任を発表

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)のトーマス・ザカリア所長(Thomas Zacharia)が、2022年末で同所長を退任する意向を表明した。国内最大の科学・エネルギー研究所における35年のキャリアに終止符を打つ。ザカリア氏は、2017年7月からORNL所長を務め、25億ドルの広範な研究ポートフォリオと約6,000名のスタッフを監督してきた。ザカリア所長の下、ORNLは、世界有数のスパコンの導入を続け、最新のフロンティア(Frontier)はエクサスケールの壁を越え、5月にはTOP500の1位となった他、世界有数のニュートロン研究を進展させ、重要な学際研究努力を確立及び主導するなどしてきた。エネルギー省からORNL管理運営契約を受注するテネシー大学バテル(University of Tennessee (UT)- Battelle)の理事会(board of governors)が、次期所長の人材探しを実施する。 Oak Ridge National Laboratory “ORNL Director Zacharia announces retirement” (7/12/22)

NSFなど、連邦映像及び画像分析の研究開発行動計画への情報を要請

連邦ネットワーキング及び情報技術研究開発(Federal Networking and Information Technology Research and Development:NITRD)の国家調整局(National Coordination Office: NCO)と米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、国家科学技術評議会(National Science and Technology Council)の科学技術エンタープライズ委員会(Committee on Science & Technology Enterprise)を代表し、7月14日付けの連邦広報(Federal Register)で、「2020年連邦映像及び画像分析の研究開発行動計画(Federal Video and Image Analytics (VIA) Research and Development (R&D) Action Plan)」の潜在的な更新について、情報を要請(request for information: RFI)した。更新は過去4年間における技術及び社会技術的環境の変化を反映したいと考えており、①2020年3月にVIA R&D行動計画が発表されて以来、同計画が持つ6つの目標に関連して実施されたR&Dにはどのようなものがあるか? ②連邦政府が各目標を追求し続けるニーズに影響を与えた社会的課題は何か? ③R&Dの進展や社会技術的環境の変化を踏まえ、連邦政府が検討すべき追加の目標は何か?との問いが提示されている。 Federal Register “Request for Information on Federal Video and Image Analytics Research and Development Action Plan” …
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バイデン大統領、癌委員会のメンバーを任命、癌閣僚は優先的行動を発表

バイデン大統領は7月13日、ミッチェル・バーガー氏(Mitchel Berger)、キャロル・ブラウン氏(Carol Brown)、エリザベス・ジャフェー氏(Elizabeth Jaffee)の3名を大統領の癌委員会(Cancer Panel)に任命する意向を発表した。3名は、科学、研究、公衆衛生分野の高名な専門家で、癌の負担を軽減する上での障害と進展の機会について大統領に助言する。また、ジル・バイデン大統領夫人、閣僚、バイデン=ハリス政権のリーダーシップは同日、癌閣僚(Cancer Cabinet)会合を開始し、優先的行動と新メンバーを発表した。また、癌閣僚は、優先的行動として、①癌検診の溝(新型コロナの影響による受診者の減少)を是正、②環境汚染及び有害科学物質の問題について理解・対処、③予防可能な癌の影響を削減、④発見から臨床研究までのパイプラインを通じて先端の研究を患者とコミュニティが利用可能、⑤患者と介護人を支援、を挙げた。 White House “FACT SHEET: President Biden Appoints Cancer Panel Members and Cancer Cabinet Unveils Priority Actions” (7/13/22)

エネルギー省、再生可能資源を電源とする地区エネルギー・システムと地域のスマート製造パイロット・イニシアチブに1,000万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は7月19日、米国産業におけるクリーンエネルギー技術と先端エネルギー効率措置の導入を支援する6件のプロジェクトに1,000万ドルのアワードを発表した。3件の受益プロジェクトは、再生可能資源を電源とする地区エネルギー・システム(中央プラントから複数のビルに暖房もしくは冷房を提供できる)の開発に取り組む。他の3件の受益プロジェクトは、地域のスマート製造パイロット・イニシアチブを確立し、スマート製造技術や構造化されたエネルギー管理システムの実践に技術援助を提供する。主要なエネルギー消費事業体(製造事業者を含む)は、再生可能資源による地区エネルギー・システムの開発と、スマート製造技術を自社のエネルギー管理慣行に取り入れることで、エネルギー効率を高め、炭素排出を削減し、世界的な競争力を強化することができる。 Department of Energy “DOE Awards $10 Million for Renewably Powered District Energy Systems and Regional Smart Manufacturing Pilot Initiatives” (7/19/22)

CSET、英語及び中国語の情報源におけるAI研究論文について調査

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「AI研究のカウント:英語及び中国語の情報源におけるAI研究論文の調査(Counting AI Research: Exploring AI Research Output in English- and Chinese-Language Sources)」と題する報告書を発表した。ある国の研究者の論文を追跡することは、その国のイノベーション評価への情報提供や、具体的な資金提供イニシアチブの影響を評価する助けとなる。しかし、研究論文の測定は、一見するほど簡単なものではない。AI論文を数える際、その論文が出版された場所や論文の言語を考慮することは重要である。CSETは、学術論文の統合データベースを作成するにあたり、中心的な英語の情報源に加え、主要な中国語の情報源である「中国国家知識インフラ(China National Knowledge Infrastructure: CNKI)」を含めた。その結果、本報告書では、AI研究論文における中国のリードは、多くの英語の情報源が示唆するより大きいことが明らかになっている。 Center for Security and Emerging Technology “Counting AI Research: Exploring AI Research Output in English- and Chinese-Language Sources” (July 2022)