DARPA、無人水上艦(NOMARS)プログラムで最初の船舶を建造、試験、実証へ

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「無人水上艦(No Manning Required Ship: NOMARS)」プログラムのフェーズ2へ進む。NOMARSプログラムは、革命的な新型中規模無人水上艦(相当の爆発物を搭載し、かつてない信頼性と有用性を備え、海上でミッションを実行する)を建造及び実証することを目指す。DARPAは、フェーズ1の終了時点で、セルコ社(Serco Inc.)の予備的設計「デファイアント(Defiant)」を選出、同社がフェーズ2へ進む。NOMARSプログラムは、「海上では誰一人として船舶に乗っていない」という要件が厳しく維持されており、維持管理担当者もいないことから、発電や推進、機械の準備、制御にも新たな手法が求められる。 Defense Advanced Research Project Agency “No Manning Required Ship (NOMARS) Program to Build, Test, Demonstrate First Ship” (8/22/22)

ニューヨーク市内の電力グリッドで初の「自動車からグリッドへ(V2G)」システムがスタート

ニューヨーク市内の電力グリッドで初となる「自動車からグリッドへ(vehicle-to-grid: V2G)」システムが、先週スタートした。このシステムは、配車サービスのレベル社(Revel)、ファーマタ・エナジー社(Fermata Energy)、ナインドット・エナジー社(NineDot Energy)の共同作業によるもの。レベル社の配車システムで使用されている車はすべて電気自動車で、その中の日産製「リーフ(LEAF)」が、電力を自動車の電池からコン・エジソン社(Con Edison)(エネルギー提供会社)のグリッドに必要に応じて送電する。このプログラムによる収入は、レベル社がEV車の費用を負担する上で助けとなる。また、コン・エジソン社にとっても、電力グリッドのバランスを図り、停電などを防ぐ助けとなる。ファーマタ・エナジー社は、こうしたプロジェクトのために、双方向性の充電機器やV2X(vehicle-to-everything:V2X)ソフトウェアを生産するスタートアップ企業である。ナインドット・エナジー社は、ニューヨーク都市圏で、V2Gプロジェクトを含む電池貯蔵プロジェクトを開発している。今回のようなプロジェクトの大きな利点は、電気自動車の普及や電池貯蔵、再生可能エネルギー、より対応力のある電力グリッドの導入を支援及び加速させる一助となることである。 Clean Technica “First V2G (Vehicle To Grid) System On Launches NYC Grid” (8/22/22)

ジーナ・マッカーシー大統領補佐官(気候担当)が退任、ジョン・ポデスタ氏が復帰

バイデン大統領の気候担当補佐官であるジーナ・マッカーシー氏(Gina McCarthy)が9月16日付で退任することが明らかになった。数週間前には、同氏のオフィスが草案を支援した過去最大規模の気候変動対策法案が可決されたが、バイデン政権が気候対策の次の段階である「議会の勢力図のシフトと最高裁判所の精査を乗り越えられる行政行動及び規則の策定」へと移る中、政権は気候政策の重鎮を失う。マッカーシー氏が退任した後は、同氏の副官であるアリ・ザイディ氏(Ali Zaidi)が気候政策局(Climate Policy Office)を先導する。また、オバマ大統領の大統領補佐官を務め、センター・フォー・アメリカン・プログレス(Center for American Progress)創設者のジョン・ポデスタ氏(John Podesta)が、上級補佐官(クリーン・エネルギー・イノベーション及び実践担当)(senior adviser for clean energy innovation and implementation)として大統領府に復帰する。マッカーシー氏は、気候変動を軽減するための戦略の開発で、長きにわたって国の最前線にいたが、こうした努力はまた、低所得者層及び少数派コミュニティの提唱者の反発を招くこともあった。 Politico “Climate chief Gina McCarthy leaving White House as John Podesta returns” (9/2/22)

トヨタと国立再生可能エネルギー研究所、メガワット規模の燃料電池システム開発で協力

トヨタ・モーター・ノース・アメリカ社(Toyota Motor North America)は、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)と提携し、1メガワット(MW)のプロトン交換膜燃料電池発電システムを、コロラド州にあるNRELのフラチロン・キャンパス(Flatirons campus)に建設、導入、試験する。3年間で650万ドルのプロジェクトで、エネルギー省(Department of Energy)の水素及び燃料電池技術局(Hydrogen and Fuel Cell Technologies Office)から資金提供を受ける。1MWのシステムは、トヨタの燃料電池モジュールを複数統合して、需給調整能力のある定置型電力システムを作る。両者は前回の提携で、NRELが自動車向け燃料電池システムを使って、炭素フリー電力をデータ・センターへ提供することを実証した。今回の新たな試験システムは、前回の試験の約15倍の規模で、直流及び交流の電力出力能力を持つ。 PV magazine “Toyota and NREL partner to develop MW-scale fuel cell systems” (8/24/22)

スタンフォード大学、SLAC国立加速器研究所の管理で新たに5か年契約

スタンフォード大学(Stanford University)は、エネルギー省(Department of Energy)との間で、SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)の管理運営を継続する5か年契約を交わした。2022年10月1日から2027年9月30日までとなる。SLAC国立加速器研究所は、連邦資金を受けた17の国立研究所の一つで、気候変動の影響の理解と軽減から、宇宙の起源の発見に至るまで、最も重要な科学的課題に取り組んでいる。スタンフォード大学のスティーブン・ストレイファーSLAC担当副学長(Stephen Streiffer)(vice president for SLAC)は、「スタンフォード大学によるSLACの管理は、エネルギー省のミッションを支え、世界中の研究エコシステムの恩恵にとって重要である」と語る。SLAC国立加速器研究所は1962年に設立され、エネルギー省科学局(Office of Science)の委託を受けてスタンフォード大学が運営している。 Stanford University “Stanford signs new five-year contract to manage SLAC National Accelerator Laboratory” (8/24/22)

NSF、生物学専攻大学卒業生の研究経験拡大を支援

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、生物学へのキャリアを目指す上での障害を低減し、より多様な労働力を育成することを目的として、12件の新たなアワードを発表した。「生物学の学士号取得者のための研究とメンタリング(Research and Mentoring for Postbaccalaureates in the Biological Sciences: RaMP)」プログラムの下、合計3,500万ドル以上の資金が提供される。このアワードは、大学在学中に研究及び関連する訓練の機会がほとんど(または全く)なく、近年に大学を卒業した学生(学士号取得者)に研究の経験とメンタリングを提供するネットワークを創出することを支援する。RaMPが支援するネットワークは、STEM労働力への移行において重要な経験を提供し、これには、研究に焦点を当てた修士課程もしくは博士課程、業界、連網または州機関、教育及び研究センターへの関与が含まれる。 National Science Foundation “New NSF awards seek to broaden participation in biology through research experiences for recent college graduates” (8/22/22)

NSF、沿岸システムの理解と沿岸の危険対策を目的とした新たなアワードを発表

米国の沿岸には多くの人口が居住し、住宅や交通機関インフラ、淡水の供給、発電及び配電施設などの重要な公共資源がある。複雑な沿岸システムや、同システムと自然災害や人口、人工的な環境との相互作用について理解するための研究が求められている。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「沿岸と人々(Coastlines and People: CoPe)」プログラムは、沿岸の自然や社会、経済的資源を守るため、また、より対応力のある沿岸コミュニティの創出を支援するため、5,100万ドルの新たなアワードを発表した。新たに受益する5つの沿岸研究ハブ(Coastal Research Hubs)が既存のCoPeハブに加わる。CoPeハブは、気候変動によって悪化し、土地利用やその他の環境的な圧力に影響を受ける複雑な沿岸の危険問題に対処する。具体的には、カリフォルニア州南部の猛暑や都市部のヒート・アイランド現象、熱帯沿岸地域の浸食や洪水、五大湖周辺の湿地帯の危険(重要な生物種の減少につながっている)などがある。 National Science Foundation “NSF announces new awards to understand coastal systems and tackle coastal hazards” (8/24/22)

ローレンス・リバモア国立研究所と韓国科学技術研究所が協力へ

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)と韓国科学技術研究所(Korea Institute of Science and Technology: KIST)は8月15日、再生可能エネルギーや気候科学、データ科学、特性化といった分野の基礎科学技術で協力することを記した覚書(memorandum of understanding: MOU)に署名した。MOUの下、KISTはリバモア・オープン・キャンパス(Livermore Open Campus)に事務所を構え、スタッフやポスドク、学生が、LLNLの研究者と協力する。このMOUは、戦略的かつ国際的な大学関与の意義を示すものである。LLNLには、5件のラボ主導研究開発プロジェクトがあり、相互の関心がある分野でKISTと協力する意向である。MOUは、互いの施設での研究者交換や教員サバティカル、学生/ポスドクのインターンシップ、合同出版の可能性なども提案している。 Lawrence Livermore National Laboratory “LLNL and Korea Institute of Science and Technology to collaborate” (8/19/22)

エネルギー省、クリーン水素技術の進展とグリッドの脱炭素化に6,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月23日、クリーン水素技術の開発及び導入を進展させるため、4,000万ドルの資金提供公募(FOA)を発表した。また、グリッドの脱炭素化を進めることを目的として、州や部族コミュニティがグリッド対応力プログラムを実践し、脱炭素化目標を達成することを支援するため、2,000万ドルの大学研究コンソーシアムも開始する。「水素ショットの支援とグリッド対応力に関する大学研究コンソーシアムのための資金提供機会(Funding Opportunity in Support of the Hydrogen Shot and a University Research Consortium on Grid Resilience)」と題するFOAで、「クリーン水素の費用を10年間で1キログラム当たり1ドルまで低減する」という水素ショットを進展させつつ、H2@スケール(H2@Scale)イニシアチブを支援する。また、メキシコやカナダの大学と協力しながら、より対応力のある脱炭素化電力システムを開発することに焦点を当てる地域的で多様な大学コンソーシアムに資金を提供する。 Department of Energy “DOE Announces $60 Million to Advance Clean Hydrogen Technologies and Decarbonize Grid” (8/23/22)

FAA、災害対策や緊急応答支援を目的としたドローン研究に270万ドルを提供

運輸省(Department of Transportation: DOT)の連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)は、災害対策や緊急応答の際にドローンをどのように活用できるかに関する研究を支援するため、270万ドルのグラントを提供した。研究では、異なる自然及び人的災害への効率的かつ効果的な対応としてのドローンの使い方について模索し、連邦機関や州及び地方自治体の災害対策及び緊急応答組織によるドローン運用者間の調整手順に対応する。受益するのは、バーモント大学(University of Vermont)やアラバマ大学ハンツビル校(University of Alabama Huntsville)など5大学で、「研究エクセレンスを通じた無人航空システムのシステム安全同盟(Alliance for System Safety of UAS through Research Excellence: ASSURE)」グラントの第3次募集によるもの。ASSUREのグラントは2022年度に合計20件(2,100万ドル)となっている。 Federal Aviation Administration “FAA Awards $2.7M in Drone Research to Support Disaster Preparedness, Emergency Response” (8/18/22)