サムスン社、米国特許の取得件数で首位

IFIクレーム特許サービス社(IFI CLAIMS Patent Services)の発表によれば、2022年に付与された米国特許件数は下落し、2018年以来の最低水準となった。また韓国の電子大手サムスン社(Samsung)が、これまで長年にわたって首位を維持してきたIBM社(2021年8,681件→2022年4,398件)を抜き、1位となった。ただし1位のサムスン社の取得件数(2022年6,248件)も前年比2%の減少であった。ただし、特許出願件数は2022年に過去最高を記録した。米国は新型コロナから浮上しつつあり、これは、今後1~2年にイノベーション及び付与件数で再び台頭する予兆となっている。一方、2022年に特許を取得した上位50件を見ると、東側諸国と西側諸国の取得件数の差は拡大した。更に、2022年に付与された米国特許の実に過半数(56%)が米国企業以外へ付与されている。国別でみると、米国が1位で、次いで日本、中国となっている。 Newswire “Samsung leads in U.S. patents as overall grants hit four-year low” (1/10/23)

エネルギー省、米国の電力グリッドをセキュアにするための導入可能なソリューションを公募

エネルギー省(Department of Energy)と国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は1月9日、「クリーン・エネルギー・サイバーセキュリティ・アクセラレータ(Clean Energy Cybersecurity Accelerator: CECA)プログラム」の第二次コホート公募を発表した。CECAプログラムでは、連邦の専門家、エネルギー業界の代表、イノベーターが結集し、再生可能エネルギー資源及びその他のグリッド運用者のためのサイバーセキュリティ・ソリューションを早急に開発し、市場化するという統一された取り組みに従事する。第二次コホートとして、CECAは、ユーティリティのインフラに接続された産業制御システム資産を特定し、監視及び保護する必要がある資産の全容を理解するソリューションに取り組む参加者を求めている。2022年12月に、CECAプログラムの第一次コホートとして3つの参加者が発表されており、これらの機関は最近その技術評価を開始した所で、今後、そのソリューションを披露する機会を得る。 Department of Energy “DOE Opens Call for Deployable Solutions to Secure America’s Power Grid” (1/9/23)

エネルギー省、より手頃な価格で効率的な先端EV電池開発に4,200万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月10日、電気自動車(EV)向け先端電池の国内サプライチェーンを強化することを目的として、12件のプロジェクトに合計4,200万ドルの資金を提供する。「米国の低炭素生活のための電気自動車(Electric Vehicles for American Low-Carbon Living: EVs4AL)」プログラムの下で選出されたプロジェクトは、持続性が長く、急速充電し、氷点下で効率的に走行し、全体的な耐久性により優れた電池を開発することで、国内のEV普及を拡大させることを狙いとする。EVs4ALLプログラムは、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が運営管理している。ARPA-Eは今般、大学、国立研究所、民間部門から12チームを選出した。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $42 Million to Develop More Affordable and Efficient Advanced Electric Vehicle Batteries in America” (1/10/23)

国家科学技術会議(NSTC)、情報の完全性の研究開発に関するロードマップを発表

大統領府の国家科学技術会議(National Science and Technology Council: NSTC)は、「研究者のためのロードマップ:情報の完全性の研究開発に関連する優先事項について(The Roadmap for Researchers on Priorities Related to Information Integrity Research and Development)」と題する報告書を発表した。報告書は、誤情報対策は研究者にとって優先性の高いターゲット事項であると特定し、それが一般市民に及ぼす有害な影響について指摘している。ロードマップによれば、NSTCは、①誤った情報が一般市民にもたらす影響を測定する方法を開発、改良すること、②誤った情報を予防し、一般市民の間の誤情報に対する対応力を強化する戦略を判断すること、③オンライン・プラットフォームの技術的設計やシステム方針がどのようにして誤情報の拡散に影響するのかや、意図しない結果を削減するための方法について理解すること、といった分野に努力を集中させる計画である。 Consortium of Social Science Associations “National Science and Technology Council Releases Roadmap on Information Integrity Research and Development” (1/10/23)

議会、2023年度歳出法においてARPA-H新設を承認

医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)は、バイデン政権の主要優先事項とされ、2022年度歳出法案で初期資金が付けられたが、12月に立法化された2023年度歳出一括法に結び付けられるまでは法による権限承認(authorization)が実施されていなかった。2023年度歳出一括法には、ARPA-Hが国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下になることを承認する法が含まれ、バイデン政権の意向に沿ったものとなった(ARPA-Hは当初、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)内の独立機関として設立され、後に、厚生長官によってNIH傘下となることが決定された)。ただし、ARPA-Hの独立性を有意義な形で確実にするための条項も複数盛り込まれ(例えば、ARPA-HはNIHキャンパス内に本部を置かないことなど)、NIH傘下への移行に反対していた議員の不満を緩和している。 Consortium of Social Science Associations “Congress Tacks ARPA-H Authorization onto FY 2023 Spending Deal” (1/10/23)

韓国のソーラーメーカー、ジョージア州に25億ドルの工場建設を計画

バイデン大統領が8月に署名した成立した気候及び税制法は、環境に優しいエネルギーと電気自動車の使用を増やしつつ、国内製造を拡大させることを目的としたものであるが、この成果として、韓国のソーラー企業、ハンファQセルズ社(Hanwha Qcells)は1月11日、25億ドルを投じてジョージア州に大型の製造複合施設を建設すると発表した。この複合施設では、ソーラーパネルの重要な部品及び完成品のパネルが製造される。実現すれば、現在のところ概ね中国が拠点となっているソーラーエネルギーのサプライチェーンの一部が米国にもたらされる可能性がある。Qセルズ社は、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)による税クレジット及びその他の利点を活用し、投資を行うと発表した。製造複合施設は、ジョージア州センターズビルに新しく建設される工場と同州ダルトンにある既存の工場で、2,500名の雇用を創出すると見込まれ、新工場での製造は2024年にスタートする見通しである。 New York Times “Korean Solar Company Plans to Build $2.5 Billion Plant in Georgia” (1/11/23)

IARPA、諜報報告の向上につながるヒントを自動的に生成する新規のAI開発に取り組む

複雑で進化し続ける諜報上の問題に答えるため、軍及び政府のアナリストはしばしば、不明確で時には相矛盾する膨大な情報を精査しなくてはならない。諜報コミュニティの主要な研究ハブである情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は、「早急な説明と分析とオンライン調達(rapid explanation, analysis and sourcing online: REASON)」プログラムを通じて、アナリストが作成する分析報告の草案について、勧告もしくはコメントを自動生成できるAI主導型ソフトウェアの開発に取り組むチームを選出する。AI主導型ソフトウェアによって、トピックと関連のある追加の証拠や、報告草案の推論における強みや弱点を特定する提案やコメントが自動生成されるようになると、IARPAでは期待している。 Fedscoop “IARPA to develop novel AI that automatically generates tips to improve intel reports” (1/6/23)

NIST、国立半導体技術センターのガバナンスについてパブコメ募集

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、「米国向け半導体生産の有益なインセンティブ創出法(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors (CHIPS) for America Act)」と「2022年CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act of 2022)」という2つの半導体法の成立を受け、国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)のガバナンス枠組みを創出しようとしている。NSTCは、米国の経済的競争力と国内サプライチェーンの安全保障を強化するため、先端半導体や技術などの研究及びプロトタイプ作成に取り組むことを意図しており、民間部門、エネルギー省(Department of Energy)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が参加するコンソーシアムとして運営していく。NISTは今般、NSTCの政策及びガバナンス枠組みに関する見解を募集する通知を行った。通知によれば、NISTは現在、NSTCのガバナンス枠組みを作り、研究開発政策支援計画などを確立することなどを目的として、政策/技術/分析的な支援を提供できる適格な契約事業者を見つけるため、市場調査を実施している。 Nextgov “NIST Seeks Input on Governance of the National Semiconductor Technology Center” (1/9/23)

国土安全保障省の科学技術総局、発砲検知技術を開発

屋外での発砲事件・事故について、ほぼ瞬時に第一応答者へ重要な情報を提供することができる携帯型の「発砲検知システム(Gunshot Detection System)」が新たに開発された。これは、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)と、マサチューセッツ州にあるシューター・ディテクション・システムズ社(Shooter Detection Systems: SDS)との共同作業で開発されたもので、「SDSアウトドア(SDS Outdoor)」と呼称される。DHSの高官は、「米国の多くの発砲検知技術は、広場や一時的な場所に容易に導入することができない。この新たなシステムは、1~2名の担当官によって移動させることができ、その輸送や設定に技術者は不要である」と述べる。SDSアウトドアは、発砲の音と閃光という2つの要素を使って、発砲の検知と検証を行うことで誤判定の可能性を大幅に削減することができる。 Department of Homeland Security “News Release: DHS S&T Develops Portable Outdoor Gunshot Detection Technology for Law Enforcement” (12/29/22)

2020年の米国のR&D支出、前年比510億ドル増の総額7,170億ドル

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の新たなデータによれば、2020年に米国内で実施された研究及び実験的開発(R&D)の支出は合計7,170億ドルに達した。また、2021年の同額は7,919億ドルに達すると予想されている。2015年における同額は4,945億ドル、2010年は4,066億ドルであった。2010-2015年における米国のR&D支出合計の年間平均増額は176億ドル(年平均成長率(CAGR)4.0%)で、その後の年平均増額は更に著しい。インフレ調整後では、米国のR&D支出合計の年間平均成長率は、2010-2020年に4.1%となっており、対照的に2000-2010年はそれより低い2.1%となっている。一方、R&D支出の対GDP比は、2020年は3.40%となり、2021年も3.40%を維持すると試算されている。2019年にR&D支出合計の対GDP比が3.12%に達する前に、最も高い同比率を記録したのは1964年の2.79%であった。 National Center for Science and Engineering Statistics “U.S. R&D Increased by $51 Billion in 2020 to $717 Billion; Estimate for 2021 Indicates Further Increase to $792 Billion” (1/4/23)