USPTO、人工知能とインベンターシップについてコメントを募集

米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は2月14日付けの連邦広報(Federal Register)で、「人工知能とインベンターシップに関するコメントの要請(Request for Comments Regarding Artificial Intelligence and Inventorship)」を通達した。USPTOは、イノベーションの意欲付けと保護において重要な役割を担っており、人工知能(AI)及びその他の新興技術(emerging technologies: ET)における米国の継続的なリーダーシップを確実にすることに取り組んでいる。このイノベーションの中には、「AIによって実現されるイノベーション」も含まれる。USPTOは2022年6月に、知的財産とAI/ETが接する点について、関係機関が結集して、アイデアやフィードバック、経験、洞察を共有する機会を提供する「AI/ETパートナーシップ(AI/ET Partnership)」を形成した。この取り組みを土台とし、USPTOは、AI技術の現状や、イノベーション・プロセスにおけるAIの役割が増大しつつある中、かかる技術の進展という観点から考えられるインベンターシップの問題について、関係機関からの意見を模索している。 Federal Register “Request for Comments Regarding Artificial Intelligence and Inventorship” (2/14/23)

大幅な遅延の後、モデルナ社が新型コロナワクチンの技法についてNIHへ費用償還

モデルナ社(Moderna)は、新型コロナのワクチンで数百億ドルの売上を得る一方、科学者が指摘するところの「米国政府の資金を得て行われた研究から拝借した化学的技法の権利」について、米政府に償還することを遅延していた。その同社は2月23日、米国政府との間で合意に達し、4億ドルの支払いを行ったと発表した。この支払いは、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)及び手法を発見した2つの米国大学の間で分配される。ただし、モデルナ社とNIHの間では、「ワクチンの中核となるコンポーネント(接種者が免疫反応を生成することを助ける遺伝子シークエンス)を誰が発明したか」について主張が異なっている問題が引き続き残っている。 New York Times ” After Long Delay, Moderna Pays N.I.H. for Covid Vaccine Technique” (2/23/23)

エイムズ国立研究所の所長が退任へ

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエイムズ国立研究所(Ames National Laboratory)のアダム・シュワルツ所長(Adam Schwartz)は、同職を退任する意向を表明した。シュワルツ所長は2014年に同研究所の所長に就任した。後任が決まるまでは所長職を続け、その後はパートタイムの役割を担って、研究所及びパートナー機関との重要マテリアル研究のビジネス開発支援を手伝う。シュワルツ所長の任期を通じて、エイムズ国立研究所はマテリアル科学分野での世界的な評価を高めてきた。エイムズ国立研究所は、アイオワ州立大学(Iowa State University)が運営管理しており、同大学の学長室(Provost’s office)がシュワルツ所長の後任について全国的な人材探しを主導する。 Ames National Laboratory “Ames National Laboratory director to step down” (2/23/23)

エネルギー省、汚染の削減と地域社会の経済効果の実現に25億ドルを発表

2月23日、エネルギー省(Department of Energy)は、2つの炭素管理プログラムの資金提供公募(FOA)を発表した。合計で25億2,000万ドルが提供される。変革的な炭素捕獲システムと、炭素の輸送及び貯留技術への投資促進を図る。一つは、「炭素捕獲の大規模パイロット(Carbon Capture Large-Scale Pilots)」FOAで、変革的な炭素捕獲技術のリスク回避に焦点を当てた最大10件のプロジェクトに最高8億2,000万ドルを提供し、発電所や炭素排出産業部門での商業規模の実証へ向け大幅な後続投資を促進する。過去20年間の研究開発で新たな炭素捕獲技術が台頭しており、次のステップは、それらを大規模に試験し、実証と導入に必要な資本を引き付けられるよう支援することである。もう一つのFOAは、「炭素捕獲実証プロジェクト・プログラム(Carbon Capture Demonstration Projects Program)」で、二酸化炭素の輸送及び地質学的貯留インフラと統合した炭素捕獲技術を商業規模で実証する約6件のプロジェクトに最大17億ドルを提供する。本プログラムは、発電所や炭素を排出する主要産業(セメントや紙パルプ、鉄鋼など)で容易に再現、導入できるプロジェクトに焦点を当てている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $2.5 Billion to Cut Pollution and Deliver Economic Benefits to Communities Across the Nation” (2/23/23)

米国アカデミー、「高エネルギー密度科学への投資は重大な国家的ニーズへの対処の一助となり得る」と報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、最近発表した報告書「高エネルギー密度科学の基礎研究(Fundamental Research in High Energy Density Science)」で、「米国は、高エネルギー密度科学の基礎研究から重要な恩恵を得ることができる」と主張している。そして、そのためには、代表的な施設への投資を更新すること、多様性・公平性・包含性に関して説明責任のある目標を設定して労働力環境を改善すること、安全保障上のニーズと透明性及び共同作業との間のバランスを図ることが必要であるとする。報告書は、勧告として、①国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は、今後2年間、パートナー機関と協力し、高エネルギー密度科学のための高性能コンピューティング戦略(機械学習と人工知能(AI)ツールを含む)を策定、②政府と学術機関の間で、非機密研究に関するデータ共有を強化し、双方の共同作業を推進、③NNSAは、コンピュテーションなどの重要能力について、業界と協力するロードマップを作成、などを提示している。 National Academies “Investments in High Energy Density Science Could Help Address Significant National Needs, Says New Report” (2/23/23)

エネルギー省、米国の電力グリッドの信頼性と対応力の向上に4,800万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は2月24日、国内の電力グリッドの制御と保護の向上につながる電力グリッド技術の開発に焦点を当てた新たなプログラムに、4,800万ドルを拠出すると発表した。過酷な気象に対してグリッド・インフラの効率性と対応力を強化することは、国内全体の地域社会でクリーンエネルギーと輸送の選択肢を確実にする上で重要である。新しく始まるプログラムは、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)による「電力半導体技術のより早い作動によって継続的かつ変革的な対応力の進展を解き放つ(Unlocking Lasting Transformative Resiliency Advanced by Faster Actuation of power Semiconductor Technologies: ULTRAFAST)」である。ULTRAFSTプログラムは、あらゆるグリッド・インターフェースにおける送配電の対応力・信頼性・制御を強化する、より高速で高性能のパワーエレクトロニクスの開発を支援する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $48 Million to Improve Reliability and Resiliency of America’s Power Grid” (2/24/23)

NSFとオーストラリア政府科学機関、責任ある倫理的な人工知能の取り組みに助成

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)はオーストラリアの国立科学機関であるCSIROと共に、パンデミック対策や干ばつへの対応力、有害な環境排出を含む社会的な課題に対処する責任ある倫理的な人工知能(AI)ソリューションの画期的研究を加速させるため、米国側に180万ドル、オーストラリア側に230万ドルのグラントを提供すると発表した。NSFとCSIROのパートナーシップの下で行われるアワードは、AIアルゴリズムとその導入が、安全で公平で全ての市民にとって恩恵のあるものとなることを確実にするための倫理的枠組み(最終的にはガイドライン)の確立に寄与することが期待されている。今回のラウンドでグラントを受益するプロジェクトは、①干ばつの対応力と正味ゼロと感染症への対応力(Drought resilience, toward net zero, infectious disease resilience)」というテーマの下で1件、②「感染症の対応力(Infectious disease resilience)」というテーマの下で2件となっている。 National Science Foundation “New NSF-Australia awards will tackle responsible and ethical artificial intelligence” (2/19/23)

NISTのMEP全国ネットワーク、2022年度のインパクト結果を発表

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の製造拡大パートナーシップ(Hollings Manufacturing Extension Partnership: MEP)は最近、「2022年度顧客インパクト・データ(Fiscal Year 2022 Client Impacts data)」を発表した。9,000件以上の製造関連の顧客と企業を対象にしたアンケート調査に基づくもので、それによれば、MEPセンターによる全国ネットワークは、米国製造業において、11万6,700人以上の雇用の創出・維持、25億ドルの費用の節約、188億ドル以上の新規売上もしくは売上維持、64億ドルの新規顧客投資に貢献した。 SSTi “MEP national network FY 2022 impacts include more than 116,000 retained or created jobs, $18.8B in new or retained sales” (2/16/23)

DARPA、オンデマンド式でたんぱく質ベースの治療生産を迅速化するプログラム開始

たんぱく質をベースとする重要な治療への国防総省(Department of Defense)のアクセスは限定的となっている。その理由は、現行のたんぱく質生産はペースが遅く、大幅な費用がかかるためである。このため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「タンパク質生産の再考(Reimaging Protein Manufacturing: RPM)」プログラムを立ち上げ、抗体やワクチンなどのたんぱく質ベースの医薬品、またはそれらを生産するために必要なたんぱく質について、分散型でオンデマンド式の生産を可能にするツールを開発することを目指している。DARPAは今般、適切なたんぱく質修飾を受けたたんぱく質製品の生産を即時(24時間以内)開始し、週間500ユニット以上生産することの実証に取り組む研究チームを選出した。選出されたのは、ギンコ・バイオワークス社(Ginkgo Bioworks, Inc.)、レイドス社(Leidos Inc.)、ノースウェスタン大学(Northwestern University)の3つ。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA RPM Aims to Speed-Up Production of On-Demand Protein-Based Therapeutics” (2/15/23)

EPA、温室効果ガス削減基金の最初のプログラムの設計を発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は2月14日、温室効果ガス削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund: GGRF)プログラムの設計に関する最初のガイダンスとして、2件の連邦援助事項(Federal Assistance Listing)を発表し、グラント・コンペの特徴を概説した。GGRFプログラムは、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)によって創出されたプログラムで、EPAは、2件のグラント・コンペを通じて約270億ドルのアワードを実施し、クリーン・エネルギーとクリーンな大気のための民間資本を活用する。EPAが今回発表したのは、「一般及び低所得援助コンペ(General and Low-Income Assistance Competition)」(200億ドル)と、「ゼロ排出技術基金コンペ(Zero-Emissions Technology Fund Competition)」(70億ドル)の2つで、前者は、適格な非営利事業体が地域社会の金融機関(グリーン・バンクや地域社会開発金融機関など)と協力し、民間資本と公的資金を活用して、低所得者世帯及び社会的に不利な立場にある地域社会の世帯を中心に、汚染を削減し、エネルギー費用の低減に取り組むプロジェクトに競争的グラントを提供する。後者は、低所得及び社会的に不利な立場にある地域社会で、住宅用屋根上ソーラーや地域社会ソーラー、関連の貯蔵と改良の導入に取り組む州政府や部族、地方自治体、適格非営利事業体へ競争的グラントを提供する。 Environmental Protection Agency “EPA Announces Initial Program Design of Greenhouse Gas Reduction Fund” (2/14/23)