国防総省、AI及びオートメーションを記録管理に活用することを目指す

国防総省(Department of Defense)が最近発表した「記録管理に関する戦略(DOD Records Strategy)」によれば、国防総省は、記録管理に伴う事務的負担を軽減するための取り組みの一環として、オートメーションや人工知能(AI)、クラウドベースのサービスを活用することを狙いとしている。報告書は、記録管理に関する一連のベスト・プラクティスを概説しており、これには自動化プロセスや明確なガバナンスの説明責任も含まれる。報告書は、国防総省に対し、全てのユーザーに記録プロセスを自動化することを要請した上で、自動化された記録管理によってどれほど合理化できるか、また、記録を日々の運営に統合させることを一層進めることができるかを指摘し、「オートメーションは、電子情報システムの設計、開発、強化、実践に全面的に統合される必要がある」と述べている。戦略はまた、新興技術やクラウドベースの共有サービスを活用し、ユーザーの負担を最小限にすることも勧告している。 FCW “DOD aims to leverage AI and automation in records management” (5/23/23)

ARPA-E、核融合/グリッド/電動航空機/モーター/発電機向けの超電導ケーブルの開発を模索

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は、超電導テープのための新規製造技術開発を目的として、最高1,000万ドルを提供することを発表した。低費用で広く利用可能な高温超電導(high-temperature superconducting: HTS)テープを実現することは、核融合市場の成長と拡散、電力グリッド向け超電導ケーブル、電動航空機、超電導ベースの発電機/モーターを実現する一助となり得る。この資金提供は、ARPA-Eの「予備的トピック:導体のための新規超電導技術(Exploratory Topic, Novel Superconducting Technologies for Conductors)」の一部。HTSは、低温超電導(low-temperature superconductor LTS)よりも性能面で優れているものの、その製造はより困難とされている。

OSTP、人工知能の国家優先事項について情報の提供を要請

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は5月26日付けの連邦広報(Federal Register)で、人工知能(AI)の国家的優先事項に関する情報の要請(Request for Information: RFI)を発表した。バイデン=ハリス政権は現在、米国がAIの恩恵を育成し、リスクを軽減するための経路を示す「国家AI戦略(National Artificial Intelligence (AI) Strategy)」を策定中である。この戦略への情報提供として、OSTPは、AIに関する米国の優先事項と将来の行動を更新する一助としてパブコメを要請している。OSTPは、「権利と安全性と国家安全保障の保護」「公平性の進展と市民権の強化」「民主主義と市民参加の促進」「経済成長と良質な雇用の推進」「公共サービスの革新」「追加の見識」の分野で合計29件の質問を提示しており、パブコメはこれらの質問の一つ以上に回答する形で提出する。 Federal Register “Request for Information; National Priorities for Artificial Intelligence” (5/26/23)

エネルギー省、中国との関係を巡って共和党議員の批判を受けていた企業への2億ドルのアワードを提供せず

エネルギー省(Department of Energy)は、テキサス州に拠点を置く電池企業、マイクロバスト社(Microvast)に提供が予定されていた2億ドルのグラントを撤回した。同社は、中国との関係があり、連邦議員から批判を受けていた。本件は、米国と中国のライバル関係が、バイデン大統領の気候政策を複雑にしていることを示す最新の事例である。エネルギー省は昨年、グラント付与先として条件付きでマイクロバスト社を選出しており、テネシー州にある同社の電池技術工場の資金の一部として授与する予定であった。しかしエネルギー省は5月22日、同社との交渉を終了したと発表しており、その理由はすぐには説明されていない。マイクロバスト社は米国株式公開企業であるが、中国に子会社を有しており、共和党はこの点を使い、「バイデン政権の気候及びクリーンエネルギー支出は中国に恩恵をもたらしている」との主張を強化している。マイクロバスト社の幹部は、「当社の事業は中国政府の影響を何ら受けておらず、共和党の攻撃は政治的目的によるものである」と語る。 Politico “DOE won’t award $200M to battery company criticized by GOP over China links” (5/23/23)

エネルギー省、輸送と産業部門の脱炭素化を目的とした新たなエネルギー地球ショットを開始

エネルギー省(Department of Energy)は5月24日、我々の生活にとって重要な、炭素をベースとする燃料と製品から温室効果ガスを大幅に削減することを狙いとした新たなイニシアチブ、「クリーン燃料&製品ショット(Clean Fuels & Products Shot)」の開始を発表した。これは、エネルギー省のエネルギー地球ショット(Energy Earthshot)」として7番目となる。エネルギー地球ショットは、炭素の代替やより持続可能な資源を通じて、燃料及び化学産業から炭素排出を削減することに焦点を当てるイニシアチブで、2035年までに、化石ベースの資源と比較して、温室効果ガスの排出を少なくとも85%削減することを目指す。クリーン燃料&製品ショットは、現行の石油由来のコンポーネントに比べ、環境により良い燃料/マテリアル/炭素ベースの重要製品を生産するため、持続可能な原料及び転換技術を開発することで、2050年までに正味ゼロ排出を達成するという国家的目標を支える。 Department of Energy “DOE Launches New Energy Earthshot to Decarbonize Transportation and Industrial Sectors” (5/24/23)

新たな報告書、ベンチトップDNA合成機器のバイオセキュリティ・セーフガードを勧告

合成DNAは、世界中のバイオ科学研究室で使用されており、バイオ科学、バイオテクノロジー、バイオ製造の進展で根本的な役割を担い、農業製品から製薬、先端燃料の幅広い分野で応用されている。新世代のベンチトップDNA合成機器(あらゆるラボの作業台で使用されることを意図した機器)により、利用者は、DNAの印刷を自分達のラボでより早くより容易に行えるようになるが、この新技術は従来型のDNA合成市場に混乱をもたらす可能性がある。原子力脅威イニシアチブ(Nuclear Threat Initiative: NTI)|bioは5月10日、「ベンチトップDNA合成機器:その能力とバイオセキュリティの意味合いとガバナンス(Benchtop DNA Synthesis Devices: Capabilities, Biosecurity Implications, and Governance)」と題する報告書を発表した。報告書は、急速に進展しつつある本技術の現状について概説し、バイオセキュリティ上のリスクについて説明し、リスクを軽減するための政府や業界、科学コミュニティによる措置と監督について勧告している。 Nuclear Threat Initiative “New Report Recommends Biosecurity Safeguards for Benchtop DNA Synthesis Devices” (5/10/23)

研究論文への寄与で中国が米国を上回る

良質の自然科学専門誌で構成されるネイチャー・インデックス・グループ(Nature Index group)に出版された研究論文への寄与が最も多かった国・地域として、中国が初めて米国を上回って1位となった。ネイチャー・インデックスが追跡する82の専門誌の著者の出身国に関するデータを見ると、2022年1月~12月に中国のシェア(各論文における著者の出身国の割合を基に算出した数値。単位:千件)は1万9,373で、米国のそれ(1万7,610)を上回った。ネイチャー・インデックスが2014年に初めて発表されて以来、中国のシェアは急速に上昇しており、2021年には物理科学と化学で1位となっていた。その他にも、科学的な活動を測定し、科学の国別バランスの変化を示すものはある。例えば、2018年の米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のデータ・セットは、中国の出版論文数が最多であったことを示している。ここ5年間は、引用数の評価など、論文の質を測定する数値でいつ中国が米国を上回るかという点に注目が集まってきた。 Nature “China overtakes United States on contribution to research in Nature Index” (5/19/23)

空軍研究所が新しいマントラ、ミッション、ビジョンを発表

空軍研究所(Air Force Research Library: AFWERX)の上層部は5月18日、オンラインで行われた一斉指令で、航空兵及びガーディアンに向けて、新しいマントラ、ミッション、ビジョンの声明を発表した。新しいミッションは「AFWERXは、イノベーション技術のリーダーを航空兵及びガーディアンの人材と共にチームにすることで、機敏かつ手頃な費用の能力移行を加速させる」、ビジョンは「ディスラプティブな宇宙航空能力を実現するイノベーション・エコシステムを構築する」、マントラは「米国の創造力を解放する」である。AFWERXの所長で、空軍省(Department of the Air Force)の最高商業化責任官(chief commercialization officer)であるエリオット・リー大佐(Col. Elliott Leigh)は、「イノベーションについて考える時、我々が注目するのは中小企業と人材であり、AFWERXは、これらを重視して、兵士のための能力の加速化に取り組む」と語った。 Air Force Research Library “AFWERX announces new mantra, mission, vision statements” (5/19/23)

核融合エネルギー協会、サプライチェーンに関する報告書を発表

核融合エネルギー協会(Fusion Industry Association: FIA)は5月17日、「核融合エネルギー業界のサプライチェーン:機会と課題(The Fusion Industry Supply Chain: Opportunities and Challenges)」と題する報告書を発表した。核融合エネルギーに関する現在のサプライチェーン状況を分析し、今後数年間で核融合エネルギーのサプライヤーへの需要が大幅に増加することを予測している。報告書によれば、核融合エネルギー企業は2022年にサプライチェーンに5億ドル以上を支出した。また、サプライチェーンへの支出は、「新種」となる発電所により、70億ドル以上の成長が予想されている。一方、報告書は限定的な懸念として、地政学的なサプライ・リスクと、確実なコミットメントがない状況で求められている投資を実施することにサプライヤーが二の足を踏んでいる状況を指摘している。報告書は、サプライヤー側の消極的な姿勢への対処として、①官民ともに核融合エネルギーへの投資を増やし、サプライヤーの拡大の必要性に信頼感を付与する、②リスク共有型の資金調達を試み、サプライヤーが新しい能力に投資できるようにする(例として、核融合エネルギーの投資家が主要なサプライヤーへの投資を行う)、③オンライン・ネットワークと年間のサプライヤー・イベントを設定し、核融合エネルギーの企業とサプライヤーの間の対話と認識を助ける、などを挙げている。 Fusion Industry Association “Fusion Industry Association Releases Supply Chain Report” (5/17/23)

ITIF、報告書「2024年度におけるイノベーションの活性化」発表

ITイノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は今般、「2024年度におけるイノベーションの活性化(Energizing Innovation in Fiscal Year 2024)」と題する報告書を発表した。2024年度の大統領予算教書がそのまま実施されれば、クリーンエネルギーにおける超党派のイノベーションの勢いが維持される可能性がある。報告書では、議会は、それらのイノベーションを支え、国内のクリーンエネルギー産業を育成し、国際的競争力を備え、海外への依存を最小限にし、気候変動に対処できるようにすべきであると提言している。具体的な考察点として、①2024年度の大統領予算教書は、エネルギー省(Department of Energy)のクリーンエネルギーの研究開発実証投資予算として110億ドルを要請しており、これは2023年度の18%増、②インフラ投資・雇用法(Infrastructure Investment and Jobs Act: IIJA)とインフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)による資金増加と合わせると、2024年度のクリーンエネルギーの研究開発実証投資は170億ドルに達する可能性あり、③大統領予算教書は、クリーンエネルギーの製造イノベーション及び競争力の予算を削減しており、「中国との競争で勝利する」という全体的なメッセージや、昨年度は製造と競争力に焦点を当てた点とも対照的、などが挙げられている。 Information Technology & Innovation Foundation “Energizing Innovation in Fiscal Year 2024” (5/22/23)