ASCE、新たな建築基準を発表

米国内の構造物は一般的に、風雨や雪、偶発的な地震に耐え得る設計となっているが、ガス爆発や車両の衝撃、制御不能なビル火災などの異常な事象は通常考慮されない。脆弱な構造物がこれらの予想外の事象に直面すると、その結果は惨事となる可能性があるが、新たな建築基準が、エンジニアが最悪の事態を防ぐ助けとなるかもしれない。米国土木工学者協会(American Society of Civil Engineers: ASCE)は今般、「ASCE/SEI 76-23 ビル及びその他の構造物における不釣り合いな崩壊の可能性を軽減するための基準(ASCE/SEI 76-23 Standard for Mitigation of Disproportionate Collapse Potential in Buildings and Other Structures)」を発表した。この種としては初めての建築基準である。これまでの十年間に、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)主導の研究が情報提供となって開発されたもので、構造物の小さな一部分の故障が伝播し全体または主要部分の倒壊へとつながる(「不釣り合いな崩壊」と定義される)ことを防ぐための設計要件及びガイダンスを示した規格標準である。現時点では、有意義な資源として任意で使用できるものとなっているが、いずれは標準の全体もしくは一部がモデル建築基準に組み入れられ、州や地方自治体に採用される可能性がある。 National Institute of Standards and Technology “New Building Standard Paves the Way for Collapse-Resistant Structures” (6/5/23)

国家量子イニシアチブ諮問委員会(NQIAC)、国家量子イニシアチブの更新について報告

国家量子イニシアチブ諮問委員会(National Quantum Initiative Advisory Committee: NQIAC)は6月2日、国家量子イニシアチブ(National Quantum Initiative: NQI)プログラムの最初の独立評価報告書を発表した。報告書のタイトルは、「国家量子イニシアチブの更新:量子情報科学における持続的な米国リーダーシップのための勧告(Renewing the National Quantum Initiative: Recommendations for Sustaining American Leadership in Quantum Information Science)」。報告書の中には、ファインディング(3件)、総合的な勧告(4件)、詳細な勧告(9件)が含まれている。 quantum.gov “NQIAC Report on Renewing the National Quantum Initiative” (6/2/23)

USPTOが付与した半導体特許の5分の1、カリフォルニア州サンタ・クララ郡の住民が取得(2000-2020年)

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、発明家の拠点で見た場合、2000-2020年に米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)が付与した半導体の特許を最も多く取得したのは、米国の西部及び北東部の住民となっている。カリフォルニア州シリコンバレーのサンタ・クララ郡の住民は、同期間中にUSPTOが付与した半導体特許の5分の1(1万9,108件)を取得した。続いて半導体特許の取得数が多かったのは、アイダホ州アダ郡(8,719件)、ニューヨーク州ダッチレス郡(4,460件)となっている。ダッチレス郡を含むニューヨーク州内の5つの郡の住民は、同期間内に1,000件以上の半導体特許を取得している。 National Center for Science and Engineering Statistics “One-Fifth of USPTO Semiconductor Utility Patents Granted to Residents of Santa Clara County, California between 2000 and 2020” (6/5/23)

特別競争プロジェクト(SCSP)、先端ネットワークにおける米国リーダーシップ国家行動計画を発表

「特別競争プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)」は5月24日、「先端ネットワークにおける米国リーダーシップ国家行動計画(National Action Plan for U.S. Leadership in Advanced Network)」と題する報告書を発表した。SCSPは、主要技術分野における米国リーダーシップを確立するための一連の国家行動計画を策定している。今回の行動計画は、米国及びその同盟国とパートナーが、2030年まで及びその後において、ネットワーク技術の世界的リーダーシップに位置づけられるような技術ブレイクスルーや組織的動き、インセンティブによる調整、政策を特定している。行動計画の目的は、米国とその同盟国、パートナーが、画期的技術を追求し、官民資金や政府調達、改良された政策、業界の調整を活用しながら、先端ネットワーク・ハードウェアを国内生産し、5G/6Gの応用を加速させ、信頼できるネットワーク技術や標準を海外へ輸出することを支援することである。 Special Competitive Studies Project ” SCSP’s Economy Panel Releases a National Action Plan for U.S. Leadership in Advanced Networks” (5/24/23)

エネルギー省、米国製造業強化に8,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は6月7日、エネルギー効率の向上を目的として、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から中小製造企業(small- and medium-sized manufacturing firm: SMM)に最高8,000万ドルのグラント資金を提供すると発表した。具体的に、エネルギー省の産業評価センター(Industrial Assessment Center: IAC)と熱電併給技術援助パートナーシップ(Combined Heat and Power Technical Assistance Partnership: CHP TAP)を通じて、コミュニティ・カレッジや職業専門学校、労働組合の訓練プログラムを、SMMに無料で提供することになる。IACまたはCHP TAPプログラムの下で、適格のSMMは、事業費用の低減や炭素及び炭素以外の汚染排出の削減をどのように行うことができるかについて、無料で提言・訓練を受けることができる。今回、産業評価センター実践グラント・プログラム(Industrial Assessment Center Implementation Grant Program)を通じて、適格のSMMに対し、一事業体当たり最高30万ドルが提供される。エネルギー省は、この最初の資金提供ラウンドで最高8,000万ドルを提供する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $80 Million To Strengthen American Manufacturing” (6/7/23)

USPTO、気候変動軽減パイロット・プログラムの拡大と延長を発表

米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は、6月1日付けの連邦広報(Federal Register)で、気候変動軽減パイロット・プログラム(Climate Change Mitigation Pilot Program)の拡大と延長を発表した。これは2022年6月に開始されたプログラムで、2023年6月6日からプログラムの適格要件が拡大され、あらゆる経済部門で、正味ゼロの温室効果ガス排出の達成へ向けて進展するイノベーションが対象となる。対象には、①大気中に既に存在する温室効果ガスを排除する、②温室効果ガス排出を削減及び(もしくは)追加の温室効果ガスを予防する、③温室効果ガス排出の削減をモニター/追跡/検証する、のいずれかを意図したイノベーションが含まれる。拡大版のプログラムは、2023年6月6日に開始され、2027年6月7日か、USPTOが許諾可能な嘆願書を合計4,000件受理した日のいずれか早い方まで行われる。 U.S. Patent & Trademark Office “USPTO expands and extends Climate Change Mitigation Pilot Program” (5/31/23)

エネルギー省、商用核融合エネルギー開発に4,600万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月31日、核融合発電所の設計及び研究開発の進展に取り組む企業8社に4,600万ドルの資金を提供すると発表した。十年以内に核融合の試験的規模での実証を行うというバイデン大統領のコミットメントにとり、主要な一歩となる。「マイルストーン・ベースの核融合開発プログラム(Milestone-Based Fusion Development Program)」による資金提供で、これにより、核融合の商業化における米国のリーダーシップを確固たるものにする。受益するのは、コモンウェルス・フージョン・システムズ(Commonwealth Fusion Systems)、フォーカス・エナジー(Focused Energy Inc.)など8社で、今後5~10年以内に、科学的・技術的課題を解決し、試験的核融合発電所の設計を作り出し、核融合の技術的及び商業的実行可能性へと近づく助けとする。 Department of Energy “DOE Announces $46 Million for Commercial Fusion Energy Development ” (5/31/23)

NSF、命を救う気象予報と気候予測の改良を目的とした研究インフラへの投資を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、中規模研究インフラ2(Mid-scale research Infrastructure-2)アワードとして、9,180万ドルを大気研究大学コーポレーション(University Corporation for Atmospheric Research: UCAR)に提供すると発表した。UCARは、空中フェーズド・アレー・レーダー(Airborne Phased Array Radar)の創出に取り組む。APARは、最新のレーダーで、飛行機の外部に装着され、地上や海上を飛行して、極めて綿密な3Dビューを得ることができ、雲や激しい嵐の奥深い内部を見ることができる。これによって、雨やヒョウ、雪、激しい対流システムや熱帯低気圧の形成に関する理解が大きく進展すると期待されている。APARは、次世代の気候及び気象労働力の進展につながる教育及び訓練の機会を提供する。その活動は、国立大気研究センター(National Center for Atmospheric Research: NCAR)(UCARが管理する)やコロラド州立大学(Colorado State University)、ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校(State University of New York (SUNY) Stony Brook)などの科学者、工学者で構成される多様なプロジェクト・チームが主導する。 National Science Foundation “NSF announces investment in research infrastructure to improve life-saving weather predictions and climate projections” (6/1/23)

米国、宇宙外交で主導

国務省(Department of State)は5月30日、初となる「宇宙外交のための戦略的枠組み(Strategic Framework for Space Diplomacy)」を発表した。米国の世界的な宇宙リーダーシップを進展させる画期的なイニシアチブである。この枠組みを通じて、米国は、相互に恩恵をもたらす宇宙活動の国際協力の拡大に取り組む。これには、アルテミス合意(Artemis Accords)や破壊的な衛星破壊実験に対抗するコミットメントが含まれる。国務省は現在、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)や米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)のアルテミス・ミッションなど、現行の米国宇宙事業のための国際パートナーシップの構築を主導している。戦略的枠組みは、米国の活動に重要な基盤を提供するもので、米国の戦略的目的及び価値に基づくものである。 Department of State “United States Leads in Space with Diplomacy” (5/30/23)

大統領府、デニス・ロス氏を米国最高技術副責任官に任命

データ及び技術政策の専門家であるデニス・ロス氏(Denice Ross)が、米国最高技術副責任官(技術能力)(U.S. deputy chief technology officer for tech capacity)に任命された。大統領府広報官によれば、昨年11月に米国最高データ・サイエンティスト(U.S. chief data scientist)に就任したロス氏は、5月16日に現在の新たな職務に就任した。同氏の任命後、バイデン政権は、ドミニク・デュバル-ディオプ氏(Dominique Duval-Diop)を、後任の米国最高データ・サイエンティストとして任命した。米国最高技術副責任官(技術能力)の役割は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)内に置かれ、ロス氏は、連邦、州、地方自治体、部族、準州のレベルの政府をよりオープンで効果的・公平にすることを職務とする。 Fedscooop “WH appoints Denice Ross as US deputy chief technology officer for tech capacity” (5/30/23)