ARPA-E、第3次「SCALEUP」助成受給コホートの募集を発表

エネルギー省(Department of Energy)は6月8日、バイデン大統領が誓約した、有望な技術を市場に出す経路の提供を通したクリーンエネルギー技術支援を支える取り組みとして、エネルギー省高等研究計画局(ARPA-E)の「未開拓の可能性を持つ主要エネルギー技術の重要な進歩へのシード資金(Seeding Critical Advances for Leading Energy technologies with Untapped Potential:SCALEUP)」助成最高1億ドルを付与する第3次コホート募集を発表した。ARPA-Eディレクターのエブリン・ワン氏(Evelyn Wang)は、「SCALEUP」プログラムは市場への経路を開拓するために技術専門家が商業化に向けた支援を受けた場合の成果を実証するものとし、第3次「SCALEUP」コホートへの期待を表明した。「SCALEUP」助成は2019年に開始され、同助成受給企業の1社は、後に「インフラ投資・雇用法(通称:超党派インフラ法、Infrastructure Investment and Jobs Act:Bipartisan Infrastructure Law)」を通して1億ドルの助成受給企業に選出されている。また、第2次「SCALEUP」コホートは2021年に選出され、①ハイブリッド電気航空機、②高電力密度磁性部品、③高効率且つ高費用効率で小型の米国製電気自動車充電機器、④鋼鉄と同等の強度の木材、⑤地質工学的ポンプ式貯蔵、などの研究プロジェクトを支援している。 Department of Energy “DOE Awards $26 Million to Support Consent-Based Siting for Spent Nuclear Fuel” (6/9/23)

債務上限引き上げ合意、科学技術関連省庁の大幅予算増への期待に暗雲を落とす

バイデン大統領とケビン・マッカーシー下院議長(House Speaker, Kevin McCarty)(カリフォルニア州選出共和党)が、米政府の債務不履行を回避するために5月27日に合意に到達し、金融市場に安堵をもたらした。しかし、連邦支出を2年間維持するための妥協策は、科学技術関連省庁が、予算確保に向けて、その他の全ての非軍事プログラムと競合する必要があることを意味する。こうしたゼロサムゲームにより、一部の研究推進派は、政府が資金を充当しなくてはならないその他の全てのことを考慮すると、科学技術関連省庁が大幅な予算増を獲得するのは難しいと予測する。ある専門家は、「2024年度は現状維持になるのではないか。インフレを考慮すると、それは多くのプログラムで実質的な削減を意味する」と語る。5月27日の合意は、債務上限引き上げと引き換えに大幅かつ持続的な連邦支出の削減を要求する共和党と、連邦プログラムを守ろうとするバイデン大統領の努力の間の妥協策で、2024年度の全ての非軍事裁量支出を実質的に現行の6,380億ドルに抑えるというものである。バイデン大統領は当初、7%の増加を要請していた。軍事部門の支出は、大統領の要請通り、3%増となる。 Science “U.S. debt deal clouds hopes of big increases for science agencies” (5/29/23)

ITIF、「連邦データ戦略は大きな修正が必要」と報告

ITイノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は6月5日、「ミッションを成功させるため、連邦データ戦略を活性化、再構想する(Reviving and Reimaging the Federal Data Strategy for Mission Success)」と題する報告書を発表した。米政府が人工知能(AI)の急速な進展を活用するには、データ・ガバナンスを極める必要がある。しかし、政府高官によるデータ利用の改良計画、いわゆる「連邦データ戦略(Federal Data Strategy: FDS)」は、リーダーシップの欠落が悪影響を及ぼし、政府間もしくは当局レベルのミッション目標を統合することができずにいると、報告書は指摘する。報告書の執筆者は、「バイデン政権が当初の構想通り、2030年までに戦略の実行を希望するのであれば、FDSの活性化と再構想に取り組むべきである」としている。政府の運営と公共サービスは、市民のニーズや期待に応えるため、ますます電子的に機能する必要がある。報告書は、FDSを軌道に戻し、連邦政府によるデータ活用方法を改良するため、①行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は、FDSを修正し、戦略の原則と慣行を政府全体の優先事項及び当局レベルのミッション成果と明確に結びつける必要がある、②OMBは、連邦の最高データ責任官(Chief Data Officer: CDO)を創出し、連邦CDO評議会(Federal CDO Council)の議長を務めさせる、など5点を勧告している。 Information Technology & Innovation Foundation “Federal Data Strategy Is Doomed to Fail Unless the White House Revamps It, New ITIF Report Finds” (6/5/23)

米英、量子情報科学の進展で協力

米国と英国は、量子情報科学分野で専門性と能力を共有するパートナーシップを締結した。これは、新たな量子機器や見識を活かした活動、量子情報の育成、基礎物理学の発見につながると期待されている。研究は、エネルギー省(Department of Energy)傘下のフェルミ国立加速研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)にある「超電導量子マテリアル及びシステム・センター(Superconducting Quantum Materials and Systems Center: SQMS Center)」において、英国の国立物理学研究所(National Physical Laboratory)とロイヤル・ホロウェイ・ロンドン大学(Royal Holloway, University of London)と共に実施される。 Fermilab “The US and UK team up to advance quantum information science” (6/2/23)

国立エネルギー技術研究所、二酸化炭素の輸送判断のガイドとなるパイプライン・ルート計画データベースを開発

二酸化炭素を捕獲した地点から地下の貯留地点もしくはその他の製品へ転換される地点へと安全かつ持続可能なルートを戦略的に計画することは、2050年までに温室効果ガス(GHG)ニュートラルの経済を達成する上で重要な優先事項である。国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は、この課題に対し、広範かつアクセス性の高い「炭素捕獲及び貯留のパイプライン・ルート計画データベース(Carbon Capture and Storage (CCS) Pipeline Route Planning Database)」 を創出することで、経路判断の支援、及び、輸送の安全性の強化に資することを目指している。CCSパイプライン・ルート計画データベースは、NETLのエネルギー・データ・エクスチェンジ(Energy Data eXchange: EDX)を通じて利用可能で、米国のエネルギー移行を加速させる包括的で国家的なビッグデータ資源となっている。 National Energy Technology Laboratory “NETL DEVELOPS PIPELINE ROUTE PLANNING DATABASE TO GUIDE CO2 TRANSPORT DECISIONS” (5/31/23)

バイデン政権、初の「クリーン水素戦略及びロードマップ」を発表

バイデン政権は6月5日、「米国国家クリーン水素戦略及びロードマップ(U.S. National Clean Hydrogen Strategy and Roadmap)」を発表した。多用途かつ柔軟なエネルギー担体であるクリーン水素の生産、加工、流通、貯留、使用を加速させる包括的な枠組みである。商業規模の水素導入を達成することは、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の主要な要素であり、長期的な脱炭素目的を実現しつつ、力強いクリーンエネルギー経済を構築する上で重要である。「戦略及びロードマップ」は、現在の米国における水素の生産/輸送/貯留/使用の概要と、クリーン水素がどのようにして将来の複数部門で全国的な脱炭素化目標に寄与するかというビジョンを示している。「戦略及びロードマップ」は、クリーン水素が効果的な脱炭素化ツールとして開発、導入されるための3つの主要戦略として、①的を絞った戦略的で高インパクトなクリーン水素の使用、②クリーン水素の費用低減、③地域ネットワークへの重点、を挙げている。

環境技術特許数は、五大湖、沿岸、南西部に集中(2000-2020年)

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、2000-2020年に米国の居住者に付与された環境技術の特許を最も取得したのは、ミシガン州デトロイト都市圏の2つの郡であった(取得数で1位と3位)。デトロイト圏は歴史的に自動車産業との関連が深い。2000-2020年の間に、米国の居住者に付与された環境技術特許は約2万2,300件で、ミシガン州のオークランド郡の住民が最も多くの特許(655件)を取得した。次いで、テキサス州ハリス郡(505件)、ミシガン州ウェイン郡(436件)、イリノイ州クック郡(433件)となっている。地域的に見ると、五大湖周辺、南西部、沿岸の郡が、多くの環境技術特許を取得している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Great Lakes, Coastal, and Southwest Counties Have Highest Numbers of Environmental Technologies Utility Patents Granted between 2000 and 2020” (6/1/23)

カーネギー・メロン大学、輸送研究に2,000万ドルを受益

サマー・リー下院議員(Summer Lee)(ペンシルバニア州選出民主党)は5月30日、カーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University)が、運輸省(Department of Transportation)から今後5年間にわたり2,000万ドルを受益する全国的なコンソーシアムを主導すると発表した。このコンソーシアムの名称は、「セーフティ21(Safety21)」で、新たな大学輸送センター(University Transportation Center: UTC)である。コンソーシアムには、米国内の複数の大学パートナーが含まれ、オートノマスでネットワーク化、共有化された総合的な輸送技術及びシステムが、安全で公平で持続可能性を念頭に置いた形で開発及び導入されることを確実にするために協力する。セーフティ21の活動は、こうした技術の国内生産とグローバルなリーダーシップにおける米国の競争力を強化し、輸送労働力に訓練を提供するものとなる。2023年には全国で5件のUTCグラントが提供された。その一つであるセーフティ21は、安全性の向上をテーマとした全国的なセンターである。UTCの資金は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)によって承認された。 Carnegie Mellon University “Carnegie Mellon Awarded $20M for Transportation Research” (5/30/23)

商務省、米国CHIPSのR&Dリーダーを発表

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)のローリー・ロカシオ所長(Laurie E. Locascio)は6月6日、米国CHIPS(CHIPS for America)内のCHIPS研究開発局(CHIPS Research and Development Office)に参画する5名のリーダーを発表した。発表されたリーダーは、ローラ・ワイス局長(Lora Weiss)(Director)、エリック・リン副局長(Eric Lin)(Deputy Director)、ニール・アルデロティ執行官(Neil Alderoty)(Executive Officer)、リチャード・デュアン・チャンバース準局長(統合及び政策担当)(Richard-Duane Chambers)(Associate Director for Integration and Policy)、マーラ・ドゥーウェルCHIPS R&D計測プログラム・ディレクター(Marla Dowell)(Director of the CHIPS R&D Metrology Program)の5名。米国CHIPSは、半導体インセンティブを責務とするCHIPSプログラム局(CHIPS Program Office)と、4つの総合プログラムを責務とするCHIPS R&D局(CHIPS R&D Office)で構成される。CHIPS R&D局が担当する4つのプログラムは、①国家半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center)、②国家先端梱包製造プログラム(National Advanced Packaging Manufacturing Program)、③半導体に特化した製造USA研究所(最高3件)、④CHIPS R&D計測プログラム。 National Institute of Standards and Technology …
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西部と北東部の海岸沿いの郡が、バイオ特許取得数でリード(2000-2020年)

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、2000-2020年の間に米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)が付与したバイオテクノロジー分野の特許を最も多く取得したのは、カリフォルニア州サン・ディエゴ郡の住民であった(3,824件)。2番目に取得数が多かったのは、マサチューセッツ州ミドルセックス郡の住民(3,197件)であり、同郡内には、ボストン市及び活発な生命科学産業が位置している。次いで、カリフォルニア州のサン・マテオ郡(2,462件)と同州サンタ・クララ郡(2,302件)となっている。また、これら上位4郡の住民が取得したバイオテクノロジー分野の特許数は、全国で付与された件数(5万件以上)の20%以上を占める。 National Center for Science and Engineering Statistics “Coastal Counties in the West and Northeast Lead the United States in Biotechnology Utility Patents Granted to Residents between 2000 and 2020″ (6/1/23)